Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

いよいよ始まるワールドカップ最終予選 バーレーン戦に向けて

2008-09-04 | 夏季五輪
8月30日、アラブ首長国連邦の Abu Dhabi で開催されたUAE とバーレーンの試合は3対2でアウェーのバーレーンが勝利を収めた。UAEのパフォーマンスは低調で特にディフェンス面ではミスも多く、9月6日の北朝鮮、10日のサウジアラビア戦に心配を残す試合内容と UAE の地元紙は論評していた。この試合内容はバーレーン代表チームの自信を深めるものとなったのだろうか?

試合は開始10分、Esmail Abdul Latif のクロスを UAE の Hayder Allo Ali がヘッドでクリアーをするもボールは走り込んだ バーレーン DF Sayed Mohammad Adnan の前に落ち、それを拾った Adnan が放った強烈なショットは、GK Esamil Rabie を破りバーレーンが先制した。
しかし33分、オマーン人の Abdulla Al Hilali 主審はバーレーンMF Fouzi Aaish が UAE の MF Mattar をPA内で引き倒したとの事でPKを与え、 Mattar が自らそのPKを決め UAE が同点に追い付く。しかしこのPKはスローインの最中にボールプレーと関係のないところでおこった事に対して与えられたものであり後に物議を醸す事に。Al Hilali 主審はその6分後に UAE のAl Shehhi がPA内で引き倒された時はPKを与えなかった。 UAEは50分に Subait のFKを Al Shehhi が頭で合わせて逆転するも
74分にまたもバーレーンのDF Adnan が Mahmoud Abdul Rahman のクロスを頭で合わせて同点に追い付く。そしてその4分後 Rashid Jamal のゴールでバーレーンが勝ち越しそのままタイムアップ。アウェーのバーレーンが勝利を収めた。Rashid Jamal のゴールはバーレーンの MF Abdulla Omar のショットを GK Esamil Rabie がファンブルしたのを押し込んだもの。バーレーンのゴールは全てGK を含めたUAE DF陣のミスから。試合後フランス人の Metsu UAE 監督は “ too many mistake “ と嘆いたが本番の北朝鮮戦の前にミスが連発されてよかったとも語ったらしい………

日本代表は9月2日に現地に向けて飛び立ったらしいが、その前日流通経済大学との練習試合では 0-1 で敗れたとの事、試合は4日後の9月6日。大丈夫かなぁ……
3月26日、マナマで行われたワールドカップ3次予選、日本はバーレーンの前に 0-1 で敗れた。しかしこの試合、中村俊輔は怪我で招集されず遠藤はコンディション不良なのか?ベンチスタート。選手達は全体的にJリーグが開幕したばかりで調子が上がらなかった様だった。一方のバーレーンは恐らく万全のコンディションで日本戦に臨み勝利したと思う。6日の日本戦にもおそらく3月の日本戦とほぼ同じ布陣だと思われている……..

GK : Sayeed Mohamed Jaffal は2004年11月17日のタジキスタン戦で代表デビューを飾ったがアジアカップ迄は Ali Hasan Al Thani, Abdulrahman Abdulkarim そしてかつての No.1 GK Ali Saeed の影に隠れて代表での出番に恵まれなかったがアジアカップ以降はポジションを確保しこのワールドカップ予選は1次予選のマレーシア戦から8試合フルでバーレーンゴールを守っている。6月、雨の中のさいたますタジアムでは中村俊輔のPKを見事な反応でストップした。彼からゴールを奪うのは容易ではないだろう……

DF陣、3バックが予想されているが6月のさいたまスタジアムでの試合の様に4バックではないかと想像する。それは3月の日本戦で80分に途中出場でピッチに送り出されて以降、次のタイ戦から残りの4試合全てにモロッコからの帰化人選手 Fouzi Aaish がフル出場をしているからだ。6月のさいたまスタジアムでのゲームでは右サイドバックでも使われていた。Aaish は2004年の Gulf Cup で代表デビュー、2007年に行われた北京五輪予選にも出場をしている。 右サイドバックには Hussain Mohamed, 1997 年FIFA U-17 ブラジル大会に出場、現在28歳ながらワールドカップ予選は フランス大会から出場、27試合(ワールドカップ予選)を経験している。日本とは 2005年3月さいたまスタジアムでの試合にも出場。今回も3月と6月の2試合ともしフル出場を果たしている。 CB には最も警戒すべき選手189cm の長身 Sayed Adnan Mohamed 。このワールドカップ予選は3次予選フル出場。3月の日本戦では巻や中澤の攻撃参加も完全封じた。先週の UAE 戦でも2ゴール。一番厄介な選手ではないか? その Adnan とCBを組むのが Abdulla Marzooq 。まだ28歳だがワールドカップ予選は日韓大会予選から出場しておりドイツ大会予選では日本戦にホーム、アウェー共に出場している。 アジアカップでは 2007年大会で3試合フル出場。今回の予選ではマナマでの試合にはフル出場を果たしたが6月のさいたまスタジアムには来なかった。マナマでの試合では3バックであったが積極的に攻撃参加し日本のラインを下げさせていた。4バックでCBで起用された場合にはどういう動きをするのだろう? サイドバックで使われるかもしれない。 

  

MF 陣 MFの底には Sayeed Jalan と Mohamed Salmeen , 共に 日韓大会予選からワールドカップ予選を経験している。 Sayeed Jalal は 1997年FIFA U-17 に出場、日本戦には2005年6月のホームでのワールドカップ予選と今回のホーム、アウェーでの試合に出場。マナマでの試合では中盤をよく動いていた。ゲームキャプテンを任されている。 Salmeen はお馴染みの人も多いと思う。2005年さいたまスタジアムでの試合でオウンゴールを“決めた”選手だ。しかしテクニックに優れた選手、2004年中国でのアジアカップの日本戦でも先発出場。今度の日本戦にはかなりの意気込みで臨んでくるだろう。 2列目の左サイドにはべテラン31歳の Salam Isa ワールドカップ予選は前回に続いて2回目。対日本戦は 2005年マナマでの試合、そして今回のホーム、アウェー、そして2004年アジアカップの準決勝に出場している。右サイドにはチャドからの帰化人選手 Abdulla Omar 今回のワールドカップ予選では1次予選のマレーシア戦から含めて8試合すべてフル出場。そして2006年リオデジャネイロで開催された FIFA Beach Football World Cup にバーレーン代表として出場しその足もとの高い技術を見込まれて代表入りに。2007年アジアカップのインドネシア戦にも出場している。 MF陣はどちらかと言えば攻撃力にたけている様に思える。 

 

FW陣  Aala Hubail とIsmail Latif の2トップとなるだろう。特に要注意はマナマで決勝点を決めた Alal Hubail。前回のワールドカップ予選では怪我の為に日本戦での出場はなかったが2004年アジアカップ準決勝では日本戦で2ゴール。昨年のアジアカップでも3試合にフル出場。もし前回のワールドカップ予選で怪我がなければ日本はあんなに容易に予選を突破できただろうか……..まさに脂の乗った26歳。( Ismail Latif は22歳 ) また3月の日本戦ではトップ下で起用されたナイジェリアからの帰化人選手 Abdulla Fatadi そしてベルギーでプレーする Joycee John Okwunwanne が控えている。もしDFラインが3バックであれば Fatadi がトップ下に入るかもしれないが Fatadi はこのワールドカップ予選では3月の日本戦以降は次のタイ戦にフル出場を果たすも以降は出場時間は無く、Okwunwanne はこのワールドカップ予選ではアウェーのタイ戦に残り10分間だけしかプレーしなかった。それだけ秘密兵器となるのか?それともまだチームにフィットしていないのか……… そして危惧するのはかつての英雄 Talal Yousef。 2005年11月トリニダードドバコとの大陸間プレーオフで敗れて以来代表からの引退を決めていたが2006年アジアカップ予選のクウェート戦で代表に復帰しゴールを決めて勝利に(2-1)に貢献した。ただその後代表復帰の話は聞かないが……
2004年アジアカップ中国大会では日本戦を含む全試合に出場し2ゴールを決めている。もし彼が今度の日本戦には出てこなくても今回の予選に復帰してくればバーレーンの攻撃力はアップしてくるのは間違い無い。

バーレーンの魅力はその強靭な攻撃力であるが、弱点はボールを回された時。前回のワールドカップ予選では勝ったとはいえ平壌での北朝鮮では北朝鮮お得意のショートパスを回されるとDF陣は棒立ち状態であった。今回のワールドカップ予選タイ戦でも同じ様なシーンが続いた。 おそらくこう言うスタイルは湾岸諸国では馴染みがないからではかいか…….. それを克服するために堅守とカウンター攻撃一辺倒からの脱却を図り4バックにしボール支配率を上げる戦術を模索しているのではないか……. 名匠マチャラ監督の方策はいかに…….. 

 

メンバーを見れば前回のワールドカップ予選やアジアカップの経験者が多く、それでいて選手のほとんどが20代。Hussain Mohamed の様にフランスワールドカップ予選を経験した選手でもまだ28歳。Sayed Jalal, Mohamed Salmee も28歳、 Aala Hubail が26歳 Sayed Adnan Mohamed が25歳、レギュラークラスでは Salam Isa が最年長だがまだ31歳。 人口が少なく競技人口が限られた中で経験を積んだ選手達の集大成となりそうなこのワールドカップ予選だ。そこにアフリカからの帰化人選手達が加わった。 前回は大陸間プレーオフで涙をのんだバーレーンだが今回国民はかなり期待をしているのではないか?我々が15年前ドーハでのワールドカップ最終予選が始まる前に抱いたように…….. そして我が日本代表はどういう戦いをするのだろう……….