Mr.コンティのRising JAPAN

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日本ユース ベスト8ならず

2005-06-26 | 五輪 U-20, U-17
終了直前涙の失点 ベスト8ならず!!
話題が前後するが、現地時間の6月21日にオランダ、エンスヘデで行われたFIFAワールドユース大会の決勝トーナメント1回戦で日本ユース代表はモロッコに0-1で敗れ、日本は未勝利で大会を後にすることになった。また中国(対ドイツ)、シリア(対ブラジル)も破れ決勝トーナメントに進出したアジア勢の全てがベスト8を前にして消えた。全大会は日本、UAEが準々決勝まで残り日本の坂田が得点王、UAEのイスマイル=マタルが大会MVPとアジア勢は大いに気をはいたが、今大会はそうはいかなかった。やはり欧州での大会は甘くは無かった。

これからに向かって
モロッコ戦はオランダ戦同様“アウェーゲーム”であった。20世紀半ばまで欧州諸国が取った植民地政策に影響もあり欧州はアフリカからの移民が多い。観客席も8割がモロッコの応援であった。試合前の国歌吹奏では昨年のアジア杯ほどでは無いが、観客から口笛が吹かれていた。このモロッコチームもオランダ、ベルギー、フランスの2重国籍を持った選手がおり、欧州のクラブチームでプレーする選手も多くいるらしい。アフリカ大陸予選を第4位で通過したが、組織的な戦術よりも個人的能力に頼った内容で勝ち抜いて来たのだろう。日本戦も1対1では互角以上の勝負を見せたが、細かいダイレクトパスを繋がれると対応出来ない場面が続いた。 この日の日本は主将の兵藤はベンチで水野がスタメンに起用されたが、彼のFKから2得点演出された事をかわれての事であろう。それも明日が無いトーナメント戦ならではだ。前線はカレンと平山の登録だが、実際は平山のワントップにカレンが右、家永が左に配置され、平山の後ろに水野。更に後ろに梶山、小林が陣取り 4-5-1 に近いシステムに。
立ち上がりは3トップのモロッコがスピードで押して来たが15分を過ぎると日本が優勢に試合を進める様になった。それは水野が左右に動いてボールキープをし、その間に水本、小林が上がりペナルティーエリア付近で数的優位を保てる様になったからだ。この試合でも平山は高さで相手DFを圧倒。彼を目標にボールを放り込めばそこから充分ためが出来るので、2列目以後もやり易かったであろう。得点に結びつかなかったのは彼のこぼれ球への寄せの速さがやや及ばなかったからだろう。特にカレンは世界標準のその速さを今後の教訓とするだろう。だが、彼の前線からのプレスが無ければもっと苦戦をしていただろう。この試合のカレンは最高の出来でシュートは2度ポストを叩き、失点後の最後のミドルもわずかにゴールポスト左に外れるなど不運は払拭出来なかったがその課題は今後克服してくれるだろう。水本が高い位置でプレーする時間が長かったがそれもカレンを始め前線からの守備が功を奏していたからだ。 後半はモロッコがドリブル中心に攻撃をしかけるが、決定機は少なかった。59分には家長に替わってオーストラリア戦決勝ゴールの前田、71分には兵藤が水野に替わって投入される。注目の森本はいつ登場か?と思っていたが終了直前に失点を喫してからの投入であった。大熊監督は恐らく延長戦を考えたのだろう。勝敗の差はやはり経験だろう。1次リーグでは格上と見られるチリを破っての決勝トーナメントだが、その勝負強さは、来季からアヤックスとトップチーム契約を締結した交代出場のティベルカニーやフランスユースからの召集がかかった事もあるエルザールの様な競争を生き抜く術が自然と身に着く欧州でプレーする選手達がいる事で、Jリーグでもレギュラーを張る選手が半数以下の日本との差であろう。
平山、兵藤は大学生だが、私は学生スポーツ支持者である。彼らの人生だ。彼らの進学に意見具申する権利は他の誰にも無い。この敗戦でユースチームは解散するが、彼らの進化はまだ続く。ユースの最大の目標は一試合でも多くこの様な試合を経験し今後に繋げる為で有り、そういう意味では勝つと言うよりも、もう一試合行いたかったであろうが、この試合で出来なかった事を3年後の北京五輪、そして5年後の南アフリカワールド杯で我々に見せてくれるだろう。
かつてユースチームは、高校生、大学生が主体で世界の舞台はなかなか行けなかった。しかし、資金の無かった当時の協会は無理をしてでも欧州遠征などの費用を捻出し将来に投資をした。
そして1995年以降6大会連続でアジアを勝ち抜いた。各年齢別代表の強化無くして代表の強化は無い。そしてスポーツは全てが積み重ねだ。サッカーだけでなく全てのスポーツが順調に強化される事を願う。

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