Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

6月18日 クロアチア戦 神様 仏様 川口様

2006-06-21 | FIFA World Cup
両国の選手達が入場してくる直前、隣の空席に日本人男性が文字通り滑り込んで来た。前日私が入場券を買った時に見せられた2枚の席のもう1つの方の席だ。後で訊いたらこの競技場の前で手に入れたとの事。昨日の事を話したら“良かった、貴方がこちらを買ってくれてて。もしペアの人が買っていたらここは空いていませんでした。”と言ってくれた。しかし、後ろの列は4席連続空席でとうとう最後まで誰も来なかった。そして私の隣から3席と前列の3席はクロアチアからのサポーターだ。そしていつものテーマ音楽がかかり国旗に続いて選手達が入場してくるみな一斉に立ち上がってひときわ高い歓声を送る。そして国歌演奏は君が代からだ。かつて日本で代表Aマッチが行われても国歌演奏は無かった。左翼連中や日教組の奴らに気兼ねしたのか?1989年ソウルで開催された日韓定期戦でさえ君が代は演奏されたが、その数ヵ月後、東京国立競技場で行われた北朝鮮とのワールドカップ予選では両国歌の演奏はされなかった。 そんな思いが去来しつつも君が代を私も絶叫する。よくぞここまで、この日がやってきた。長い間待っていた日がついに来たのだ。続いてクロアチア国歌がかかる、隣や前列のクロアチア人が国歌を斉唱する。彼らもこの国歌を歌えるようになったのは15年程度前からだ。チトー大統領の死後、徐々に民族単位のアイデンティティが確立され、ソ連崩壊をきっかけに一民族一国歌の大きな潮流が起きついにユーゴスラビア連邦が崩壊しその惨劇は誰にも収拾がつけられなかった。 この日も国歌演奏が終わるたびにお互いの国家を尊重すべく拍手が沸き起こる。隣のクロアチア人達から握手を求められる。 Wir haben uns gutes spiele !! と声を掛けた。すると突然携帯電話が鳴った。もう寝たと思っていた子供からだ“パパ、どこにいるの?どこに座っているの?”と、本当は4年前から子供と来るつもりであった。しかし直前になってやっぱり行かないと。理由は“幼過ぎた”のだ。小学校5年生はまだ母親から離れては無理だった。しかし、この電話後強烈に思った。無理矢理にでも連れて来るべきだったと。そうすればここに親子で居れたのにと。4年後は中学生。もう親と旅行に行く年ではない。ならば一人旅をさせるか?と考えた。
前日のケルンでの試合もそうだったが、スクリーンに、この日のメンバーが映し出されない。日韓大会の時はほぼ恒久的にメンバーが写され続けたので誰がどういうプレーをしたのか非常に解りやすかったのだが。日本は報道通りに4バック。中盤には小笠原が。2トップは高原、柳沢と豪州戦と同じ。トップ下には中村俊輔、そして右の中盤には中田英寿。一方のクロアチア、噂ではニコ=コバチは怪我で出場が危ぶまれたがしっかりとスタメンに。2トップはプルソ、クラスニッチそしてトップ下にはニコ=クルニツァール。システムもいつもの 3-4-1-2 だがスルナが結構上がってくる。これは守備に不安がある三都主を突く考えだろう。クルニツァールもだいぶ身体が絞れて来たみたいだ。試合は開始からクロアチアが押してくる。前日クロアチアのクラニツァール監督は“最初から高さで押す”と報道陣に答えていたらしい。開始3分早くもニコ=コバチのミドルが飛ぶが川口の正面。その直後もコーナーからクラスニッチに渡るがここは三都主が対処。その後も左サイドから連続してスルナのロングスローが入るが、中澤そして中田英がクリアー。7分にはまた左サイドを突かれるが加地をはじめ3人が囲い込んでボールを奪い中村に。中村がドリブルで前線に持ち込む。その間に加地が右サイドを疾走し中村からボールを受け中に入れるが高原には繋がらなかった。どうしてもクロアチアのパワーに押され気味で前線に人数が掛けられない。その直後も攻め込まれるが今度は福西がナイスディフェンス。この日も中田は守備で貢献する。しかし、平均身長で8cm上回るクロアチははどんどんハイクロスを入れてきてそのこぼれ球も拾うので日本はコーナーに逃げるなど防戦一方だ。特に日本の左サイドを突いてくる。CKやスローインはスルナが担当。特にロングスローは良い所に投げてくる。19分にはクラスニッチが合わせ損なってくれたが完全に1点ものだった。日本の選手達は疲れが残っているのか動きが硬いそして後手を踏んでいる様だ。そして22分、左からプルショが宮本を交わしてペナルティーエリアにフリーで侵入するところをやや後方から入った宮本のタックルでプルショが転倒。ベルギー人ブレックラー主審はすぐにペナルティースポットを指し、宮本にはイエローカードを。国旗を打ち振り躍り上がって喜ぶクロアチアサポーター達。一方我が日本サポーターは表情が凍て付く、そして声も出ない。“クロアチア!クロアチア!”との叫び声を耳にしながら彼らの打ち振る旗のかげから祈るように。“夢であってくれ”と思いながら、プルソがボールをセットするのを目で追う。アジアカップでは神がかり的なセーブを連発してくれたが...“さぁ川口”と思った瞬間川口がそのショットをゴール左ポストに弾き出した。声が出なかった我々サポーターは一斉に歓喜の絶叫を上げる。“ナイスキー!ナイスキー!ナイスキー!ナイスキー!!川口ナイスキーパー!!”と私も連呼する。隣の日本人男性とも抱き合う。涙ぐんでいる女の子も。対照的にクロアチアのサポーターは沈黙してしまう。だがこの後のCKに気を取り直す。オーストラリア戦でもそうだった。そして案の定?CKからライナーのシュートが飛ぶがサイドネットを直撃。“危ない。あぶなぁぁぁぁ。”と胸をなでおろす。スタンドのあちこちでは“ヨシカツ”コールが湧き上がる。これで一気呵成に日本攻撃陣が生き返って欲しいが、目の前ではクロアチアのCKやスローインが続く。クラスニッチはヘディングで完全に三都主に競り勝つがボールがかぶったりして幸運にもシュートに至らない。 25分には久し振りにクラアチア陣内に攻め込み三都主がミドルを放つが枠は捕らえられない。直接狙う距離ではなさそうであったが、相手DFを前に出す為にはミドルも必要だろう。しかしその直後もクルニツァールのミドルはポストを直撃する。まだ幸運は残っているのか?隣のクロアチアは自分のレプリカを指差す。クルニツァールと同じ19番だ。この時間になると日本も徐々にクロアチア陣内でプレーをする様に。28分には逆襲から最後は小笠原が上げるが、サイドに逃げられてスローイン。そして今度は高原がボールを受け得意の横の動きからシュートを放つが相手DFに当たってGKに。そして中村からスルーが小笠原に渡り、はなったミドルはGKの正面に。この時間帯からようやく両サイドが前線に出ることが出来てパスコースが広がる。30分には柳澤がファールを受けてゴール前正面の絶好の位置でFKを得た。しかし中村が蹴ったショットは壁に入った三都主の臀部に当たった。三都主がいなければゴール枠に飛んだと思われる。中村は思わず苦笑い。この大会は早い時間での得点が多いがそれは公式球が良く飛び、よく曲がる為だといわれている。従って中村にはCKからでも直接狙ってほしいのだが。 日本もようやく落ち着きをと思われた33分頃、加地のバックパスを川口が処理しそこねてCKにしてしまった。確かにすこしイレギュラーをしたのだが。そのCKは川口がしっかりとキャッチした。しかし、日本もいい展開は続ける。中村から加地に展開してチャンスを造るなど、加地のサイド攻撃は効果的だった。35分には加地からボールを受けた中村のパスから中田が見事なミドルを放つがGKプレティゴサも必死のセーブでコーナーに逃げる。その直後今度は日本がボールを奪われシュートを撃たれるが川口がセーブ。そのボールを奪われた宮本に何やら川口が言い寄る。すると主審は遅延行為とみなし警告を川口に。宮本は既に先程2枚目の警告を受けて次のブラジル戦は出られないが今、宮本はそんなことは考えていないだろう。42分CKからプルソがドンピシャのタイミングでヘッドを撃たれるが、クロスバーの上。オーストラリア戦では身長差をあまり感じなかったがここではそれが痛切に感じる。ここがオーストラリアとの技術の違いか?だが技術と言えば中村は2人、3人に囲まれてもボールをキープ出来る。しかし、日本ゴール前でなくその技術は相手ゴール前でも発揮できる展開をしてほしいのだが。 結局ロスタイム1分を含めて両軍得点は入らずハーフタイムに。それにしてもわくわくよりもひやひやする前半だった。 ベンチの戻る川口に声が飛ぶ私も“川口~!! ナイスキーパー!!“ と叫ぶ。 後半は”ナイスシューッッッッッッッッ!! “ と我々を湧かせて欲しいものだ。  後半に続く


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