Mr.コンティのRising JAPAN

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6月18日  クロアチア戦を終えて数十年間の思いは

2006-06-23 | FIFA World Cup
後方に日の丸の鉢巻を巻いて熱心に日本を応援してくれる女性1人と男性2人のドイツ人がいる。みな地元のニュルンベルグ在住との事。先日レーバークーゼンで行われたドイツと日本の試合をみて感激したらしい。日本のサッカーは素晴らしいと言ってくれたが今日は彼らにも応えられるだけの内容ではない。後半は必ずチャンスがあるから、と反対に私を力づけてくれる。さて後半の開始。日本は福西に替わって前大会で2得点を挙げた稲本が投入された。攻撃力をアップさせる狙いだろう。しかし開始41秒で稲本がプルソを後ろから押してゴール前でFKを献上する。そのFKは左からであったがここでもスルナが担当。壁に当たって事なきを得る。スルナはウクライナのシャフタール所属。大会後は西側のクラブにスカウトされるのではないか?51分日本は、この試合以降何度も放送局が映し出しているであろう絶好のチャンスを逸した。中村からサイドバックの加地にボールが出され、絶好のセンタリングが入りゴール前5mのところでフリーでそれを受けた柳澤のシュートはゴール右に外れていった。そのまま押し込めば入っただろうに。GKプレディゴサが最も緊張した瞬間ではないか?翌日の Sports Bild 紙にリトバルスキーが寄せたコメントでは “ Den hätte Rudi Völler mit dem Gipsbein reingmenacht ( ルディ=フェラーならギプスをしてても決められただろう) „ と解説された。その直後、今度はこぼれ球をクラスニッチがシュート、ジャストミートしないものの川口が必死のセーブで逃れる。更にその後、日本DF陣の連携ミスからボールを奪われ最後はクルニツァールにフリーで撃たれたが外してくれた。柳澤のチャンスを逸した後はまたひやひやするばんだ。そのクルニツァール、今度はボールを加地に取られて、その加地を後ろから引き倒すがカードは出ない。彼は国内リーグのハイデゥク=スピリット所属。大会後西側のクラブに移籍するだろう。隣のクロアチア人は彼のレプリカを着ているがディナモ=ザグレブのサポーターらしい。かつてプロシネツキとKAZUが共にプレーしていた事など当然知っている。1993年、私の好きな Steaua Bucuresiti が1993-94 の Champions League で当時クロアチア=ザグレブと呼ばれていたチームが激戦を演じた事を話すと” Oh!! You Journalist !? „ と言ってくれた。今回話題になった、ブラジルからの帰化人選手で国内リーグ最優秀選手のダ・シルバの落選に就いては”彼は元々クロアチア人ではなから“とこだわってはいなかった。70分ゴール正面でFKを得る。日本サポーターは久々に”中村、中村“と連呼し大喜び。しかし、中村のFKはクロスバーを越えてしまう。後で知ったが中村は39度の高熱があったらしい。この試合前に発熱したことは彼自身が一番悔しい思いをしたであろう。体調万全なら決められていたか?すうると二人目の交替選手が。玉田がタッチラインに立っている。交替するのは柳澤。出来れば攻撃の枚数を増やすべく、FWは残して欲しかったが、まだリスクを犯す時間ではなさそうだ。”私はグランパスのサポーターなんです。玉田の出番を待っていました“と隣の日本人男性が。”アジアカップで見せてくれたようなプレーをして欲しいですね。“と私が答える。前線でいい飛び出しをして欲しい。だがその直後、プルソがハーフィウェーライン付近からドリブルでシュートにまで持ち込まれる。プルソは中村と同じスコットランドプレミアでプレーしセルティックのライバルレンジャースに所属。彼の様に1人で何とかできる選手が欲しいものだ。69分オリッチがトゥードゥルに替わって投入される。トゥードルはフランス大会から代表に選ばれているセリエAのシエナ所属のMFだ。一方のオリッチは全ソ連リーグ時代からの名門CSKAモスクワ所属のFW。前線もう中盤を省略して前線の数を増やしてきた。しかし、クロアチアは運動量が激減し出した。今度はそこを日本が突く番だ。75分には中村がいいクロスを入れるがこれまた良い飛び出しを見せた小笠原に当たらない。その2分後には中村が左からペナルティーエリア内に侵入。フリーになりゴールに迫るが、右から飛び出した高原にボールを出しそのボールがクロアチアDFにカットされた。俊輔ここは撃って欲しかったぞ。”シュート撃ってください!!“ 後方の女の子が絶叫する。そしてここでついにクルニツァールが下がりモドリッチが入る。ディナモ=ザグレブ所属のワールドカップ予選には1試合も出場していないがズラトコ=クルニツァール監督に抜擢された選手だ。だがその選手を自分の息子ニコと入れ替えるとは心中はそうだったのだろう?この時間からクロアチアは後方からゴール前にロビングをどんどん入れてくるが誰も触れない。クロアチアサポーターからは批判の声が飛ぶ。たまにシュートを放つが我々をはっとさせた前半のものとは程遠い。84分、日本は3人目交代選手大黒が高原に替わって入る。これで日本は2トップが入れ替わった事に。玉田と2人で足の止まったクロアチアDF間を駆け巡って欲しい。サポーターからも大黒コールが連呼される。 女の子からは“勝つんでしょ~っっ”と悲痛な祈りが。クロアチアも85分にスルナに替わってこれまたディナモ=ザグレブのFWボスニャックを投入する。モドリッチ、ボスニャック、プルソ、クラスニッチとクロアチはFW登録の選手が4人ピッチにいる。日本がそれを出来ないのは初戦で3失点しているからか?しかしここは勝点3が必要なのだけれど。三都主がゴール前に入れるが前に人がいない。そしてCKにはついに中澤が上がってくる。中澤は高さでクロアチアDFに競り勝つがボールはクロスバーの上。ピッチ上には警備員が配置された。もう時間が無い証拠だ。ロスタイムが3分と表示される。まだチャンスはある。しかしクロアチアも必死だ。彼らとて引分は負けに等しい。我々もクロアチアサポーターも立ち上がって声援を送る。しかし無情のホイッスルが。ピッチ上の気温は何度だろう?両チームの多くの選手達が精根尽きたと仰向けに倒れる。スクリーンには出中田英がこの試合の Man of the Matchに選出された事を映し出すがそれが虚しく感じる。呆然とピッチを眺めていると隣のクロアチア人の方から“写真を撮ろう”と声を掛けてくれた。写真を撮ってお互い両手で“ Good Luck „ と声を掛けて抱擁し別れる。反対隣の日本人男性は”私はブラジル戦のチケットはあるので彼らを信じて応援します。“と”私もチケットを何とか入手してドルトムントに行きます“と再会を誓って握手をして別れた。スタンドを離れて、日本の友人に電話を入れる。まだ可能性はあるけどこの後のブラジル対オーストラリア戦次第だねと彼は言う。スーベニアショップは日本人で溢れていた。日本円にして10万円近く現金で買い物をした男性も。これには店員のおねぇさんも”彼はクラブチームを持っているのか?“と驚いていた。駅までの道中、名残惜しそうに記念撮影をする人やクロアチアサポーターとユニフォームを交換する人も。帰りは中央駅までの電車もスムーズに乗れて車中も混雑しなかった。中央駅ではICEの到着時刻や到着ホームの変更をドイツ語、英語に続いて日本語、クロアチア語でアナウンスされる。 中央駅ではタイからの男女2人ずつのグループが。そのうちの男性1人は流暢な英語を話すので会話が出来た。来年のアジアカップではよろしくお願いしますよと。タイの女の子は小柄でそれでいてスタイルもよくとても可愛らしい。彼らだって自国の代表がアジア予選を勝ち抜きワールドカップでプレーする代表を生観戦する事を願っているだろう。車中には多くの日本人が。そして試合をと言うよりも代表を振り返る。たしかに贔屓チームにはいつも勝って欲しい。自分が競技場に観戦していれば尚更だ。しかし何十年も日本代表が五輪を含めてアジアの壁を突破できなかった時、それ以上に話題にもならなかった時から見ているものに取っては”まだこんなものなのだろう“と思えてしまう。何しろ誰からもサッカーが知られなかった時代はつい15~16年しか経っていない。ICEの中でパソコンのキーを叩いているとミュンヘンで行われたブラジル対オーストラリアは 2-0 でブラジルの勝利を告げると思われるアナウンスがドイツ語のみで流れる。近くのご婦人に確認したらその通りであった。その近くにいた日本人女の子2人組みに教えると”ブラジルには5点くらい入れて欲しかったですね“と。ブラジルの2点目はロスタイムに入ったゴールであったとは後に解った。これが幸運に繋がれば良いのだけれど。 Köln 中央駅で乗り換えた時、別の日本人の女の子二人連れから”韓国対フランスは 1-0 でフランスがリード“と教えてもらった。 至る所で日本人がいるが、こういう時はワールドカップを楽しむと言う共通の目的があるので話しかけられたり、かけたりしても違和感は無い。 やはりアジアは厳しいか?と思う。しかしホテルに帰ってFIFAのサイトを覗くといきなり朴智星の顔写真が右上に。 The Latest Goal として紹介されている。さらに検索すると81分に朴智星のゴールで韓国はフランスと引分けたのだ。これで韓国は決勝トーナメント進出を大きく引き寄せる事に。一方のフランスはジダンが累積警告で次のトーゴ戦は出場出来ない。フランスのゴール自身前回は無得点だったので2大会ぶりだ。フランスが1次リーグ敗退の可能性も出て来た。それとともに、クロアチア戦で逸したゴールチャンスがたまらなく惜しく感じると共に、韓国が羨ましく思えてきた。4年前の様に...... 明日はハンブルグに移動だ。


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