Mr.コンティのRising JAPAN

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6月18日 ニュールンベルグへ

2006-06-21 | FIFA World Cup
6月18日。目が醒めたときは既に8時半。確かに昨夜は7時前に時計をセットしたはずなのだが。大慌てで洗面を済ませて着替え、フロントにタクシーの手配をする。5分後にタクシーは来るとの事。大切なチケットや身の回りの準備を済ませてフロンとに降りるともうタクシーが来ていた。中央駅までは日曜日と言う事もあり約5分足らずで到着。そして文字通り電車に滑り込んだ。同じ電車には日本人の二人連れがいて“チケット余っていませんか?”と訊かれたが“自分の分しかないけど私も昨日のガーナ対チェコ戦の前に競技場の近くで手に入れたのでまだまだチャンスはあるはずですよ。”と言った。彼らも勇気付けられた様子であった。列車が Köln Messe / Deuz 駅に着く。ケルンはハノーバー、デュッセルドルフ、ハンブルグと並んで国際見本市が開催される都市で有名だ。私も9年前ここで開催された国際見本市に出展者としれ参加した事がある。しかし、その時勤めていた会社の課長は死ぬほど嫌な奴でこの展示会は良い思い出はない。その翌年、石持て追われる様にその会社を辞めたが、その数年後辞めた会社は廃業し、人生最高の痛快な思いをした。今日のクロアチア戦ではそれ以上の痛快感を味わいたいものだ。Köln Messe / Deuz 駅ではニュルンベルグ行きのICEが車で30分弱あるので、ここのKIOSKで車内にて食べる朝飯や新聞を買い込もうとKIOSKに向う。10人ほどの青い代表のレプリカを着た日本人の方達がここにも。日本戦があるんだなぁとこちらも再確認をさせられる。プラットホームに出るとすぐ近くに黒い上下のブレザーを着た5~6人程度の一団が。胸にはFIFAのマークが入っている。何やらスペイン語と英語とちゃんぽんで話をしている。近くに寄って聞き耳を立てるわけにもいかないので遠巻きに見る事に。外国語を使って仕事をする身には彼らは羨ましい存在だ。会社で売り上げやノルマに追われるよりこういう仕事に就きたいものだ。ドイツ鉄道自慢のICEが約5分遅れて到着した。日本の新幹線が5分遅れると何度もお詫びのアナウンスが入るがここでは2~3回程度アナウンスがあり、後は掲示板に出るだけだ。だがICEやIC ( Inter City ) EC ( Euro City ) の様に国境を越えて欧州大陸を走る列車の発着は英語のアナウンスが入る。列車に乗り込むとさすがに Ersta Class 空席が多い。いつも欧州を旅するときは Rail Pass を準備する。今回はドイツ国内1等車を8日数分乗り放題の330ユーロコースだ。列車がニュルンベルグに近づくにつれて日本人乗客も増えて来る。 そして車内を見渡すとブラジル、オーストラリアのサポーター達も。彼らは18:00からミュンヘンで行われる試合観戦に行くのだ。クロアチアのレプリカを着ている人も。この列車には呉越同舟よろしくF組全ての国からの人が乗車している。オーストラリアは商用でよく訪れる国だ。彼らと色々歓談が弾む。異口同音に“今日は是非クロアチアに勝ってくれ”と言う。それが彼らにとっても都合の良い星勘定にもなる。
すぐ近くの親子二人連れの荷物にスコットランドの旗が貼られていた。そこからの親子だ。父親は Rangers のファンだが中村は wonderful と言ってくれた。スコットランドはここ2大会ワールドカップにはご無沙汰だ。かつては5大会連続で本大会に出場し、しかも1974、1978年大会は英国4協会でスコットランドだけが出場を果たした実績がある。しかし彼は“最近は若い良い選手が出て来たので、これからは期待できる。”と言っていた。このワールドカップ予選もベルティ=フォックツ監督が指揮したが3試合で解任。後任のウォルター=スミス監督が何とかベテランも起用しチームを立て直したが、イタリア、ノルウェーの後塵を拝した。こうして乗客と話したり、パソコンのキーを叩いたりしているうちに列車は目的地のニュルンベルグ中央駅に到着した。天気は良いが気温も上がりそうだ。プラットフォームにいる9割以上は日本かクロアチアのサポーターだ。ここでローカル電車に乗り換えるのだが、クロアチアサポーター達は様々な応援かを絶叫し気勢が上がっている。一方の日本人はお行儀よろしく乗り換えホームに向うが、決った応援歌がないのも本音だ。列車はすし詰めとまではいかないが満員だ。しかし、日本のサラリーマンが慣れている通勤ラッシュと比べると物の数にも入らない。だが空調が効いていない暑さと欧州人独特の体臭には閉口した。約10分足らずゆっくりと列車は走り、Franken Stadion 駅に到着した。駅構内の通路を抜けて外に出ると日差しが眩しい。今から選手達のコンディションが心配になる。競技場に入る前に、翌日ハンブルグで観戦予定のウクライナ対サウジアラビアのチケットをピックアップしにチケットセンターを探すがこれが入場門から数百メートル離れているが明日試合直前にじたばたするよりも今時間のある時にとそこに向う。日本人の中には相撲取りや侍の格好をした人や着物を着た女性客、そして今流行の?メイド系のコスチューム(もちろん代表のユニフォームは着ている)の人も。一方のクロアチアはあまり特別なコスチュームは無いが、ナイスバディの女性サポーターがへそだしや脚線美を出して闊歩する姿は良く目立つ。チケットセンターではボランティアの人達が親切に応対してくれて、チケットの発券もスムーズであった。ここの仕事は大変ではないですか?と訊ねると“ドイツ戦の行われる会場よりかは楽でしょう、と言っていた。4年前の時はチケットセンターで余ったチケットが売り出されるというデマが流れて多くの人が押しかけ、一部の心無い人間が暴れて窓ガラスを割った事件があった。また、当時私が東京国際フォーラムで発券をして貰っていると、どうしてもチケットを買いたいとそこを動かない男性もいた。しかし、本当に隔世の思いだ。わずか16年前、誰がワールドカップの存在を知っていただろう?サッカー観戦をしようと思った女性が100人中1人でもいたかな?まぁ当時はサッカーだけでなく、スポーツに打ち込む男性を愚かなバカと思っていた女性が跋扈していた。それら全てを覆したのがJリーグだ。これで一気にスポーツの地位が急上昇したのだ。しかし残念ながらその時、私はもうスポーツの現役をとうに引退していた。ボディチェックをするときの携帯品検査で持っていたラップトップコンピューターが引っ掛かった。旅客機に乗るときもPCだけは必ず取り出してX線を通される。たかだか私のPCがテロ行為に繋がる訳では無いがここは指示に従い、すぐ横の手荷物一時預かり所に預ける事に。そして競技場敷地内に入り、スタジアムを目指す。途中で馬に乗った警官を目にする。その警官と馬と記念撮影をする日本人も。スタジアムの入り口まではケルンの Energen Stadion よりも距離がある。ようやく入場ゲートに着きチケットを通す。良かったお咎め無しだ。 しかしスタジアムでは既にスタメン発表が始まっていた。席に着く前にコーラを買っていると、ばったりとNさんと出合った。お互いに再会を喜ぶ”私の席はフィールドが良く見える良い席でした。そちらはどうですか?“と訊ねられた。まだ着席していないのでと言うと”そうですか。今日は私も死ぬ気で応援します。頑張りましょう。“と言葉を残しでスタンドに消えていった。本当に結果を今日のこの日に出して欲しいと願う。そして席に向う。1階席でゴールのやや左後方だ。2階席が上にせり出しているがピッチは良く見える。そしてそれが良い日よけになる。しかし、ピッチは完全に日よけが無い。オーストラリア戦の悪夢がよぎる。競技場内には色々な音楽が流れているが、キリンビールのCFで使われているおなじみの音楽が流れてくると日本サポーターはいっせいにその音楽にあわせて歌い、そして両手を左右に振って踊り出す人も。よく考えれば代表の試合を見るのは11年ぶりだ。もう日本国内では入場券がなかなか手に入らなくなった。そしてスクリーンの両国選手が入場を待っているシーンが映し出される。いよいよだ。頼むぞ。両国サポーターが一斉に立ち上がり自国の選手達の入場を迎える。自分自身、32年来の夢が叶った瞬間だった。 続く


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