Mr.コンティのRising JAPAN

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王ジャパン 戴冠

2006-03-22 | World Baseball Classic
日本代表が球技で世界レベルの大会で優勝するなんていつ以来だろう?1976年のモントリオール五輪、1977年のワールドカップ これらは女子のバレーボールでの快挙だ。男子となると1972年のミュンヘン五輪でのバレーボール。それ以来ではないかな?1984年のロス五輪で日本野球代表は広沢の本塁打等でアメリカを 6-3 と降し、金メダルを勝ち取ったがそれは公開競技であった。子供の時、王や長嶋が大リーグの投手相手にどんな打棒を振るうか?堀内や江夏、高橋一三は打者相手にどんな投球をするだろうと夢を膨らませていた。その夢が本当に叶った気がする王ジャパンの優勝だった。 World Baseball Classic キューバとの決勝戦を前に、私は1980年8月に日本で行われた世界選手権を思い出した。当時の日本代表は当然アマチュア軍団。東海大の原辰徳、プリンスホテルの石毛等がメンバーだった。日本の最終戦の相手はキューバ。キューバは全勝。日本は韓国に敗れて1敗。この試合に勝ったほうが優勝と言う試合であった。試合はキューバが 1-0 で勝利を収めたが、点差以上にライナーのスピードや内野手の動きなどかなりの差を感じた。それから四半世紀以上が過ぎ、日本はようやくプロ軍団でキューバと戦えることになった。

日本代表は韓国戦の1番青木と9番川崎を“入れ替え”引き続き3番にイチローを。8番ながら2安打の里崎と6番の今江のロッテコンビを入れ替えた。一方キューバはドミニカ戦と同じオーダー。先発投手、日本はアテネ五輪でもキューバ相手に好投した松坂。キューバは38歳ベテランのロメロ。前日投げたマルティとラソが球数の関係で登板出来ないのが痛い。しかし国内リーグがシーズン中で選手コンディションは日本よりはいいはず、影響するのは国交の無いアメリカに来て選手達は母国とアメリカから亡命をされないかとホテルでの軟禁状態。
試合はロメロの立ち上がりを日本が捕らえる。先頭打者の川崎は投手ゴロに終わるが西岡が内野安打で出塁、打者イチローの4球目に2塁を落し入れ、イチローも歩く。4番松中は内野安打でたちまち満塁のチャンス。ここでキューバベンチは早くもロメロを下げてオデリンがマウンドへ。先発のロメロに対し、2番西岡は7球を3番イチロー、4番松中は6球ずつ投げさせしかも外野に一本も打球が飛ばずに満塁のチャンスを作る。これにはベンチも守備陣も堪えただろう。オデリンも準備不足ではなかったか?最初の打者多村に死球を与えて先制を許し、里崎を三振に討ち取った後の小笠原は8球粘られて四球を選び追加点。続く今江にはセンターに運ばれ更に2点を追加。ここで早くも3人目ゴンザレスを投入。キューバは投手3人をつぎ込みようやくスリーアウトを取った。
日本先発の松坂はその裏、先頭打者のパレットにレフトスタンドに運ばれるが、以降3人の打者を11球で討取るテンポの良さ。これも初回の4点が効いている。2回の松坂は二死から準決勝では3安打のガルロボにヒットを許すが続くペスタノを三振に切って取る。松坂はこの回全てのアウトを三振で取るが25球投げたのが気になる。3回表の日本も松中の安打と里崎の四球で1死1,2塁とチャンスを迎え好調の下位打線に廻るが今度は小笠原、今江が討取られる。しかしゴンザレスにはこの回21球を投げさせる。3回裏の松坂は準決勝でも打点1の先頭打者ラミレスに二塁打を浴びて本塁打を放ったパレットを迎える。松坂はパレットを三振に仕留め、後続を断つ。 そして5回、4イニングス目に入ったゴンザレスを攻略する。先頭打者はこれまで2打席2四球のイチロー。ファールで粘った7球目のスライダーを流し打ちレフト線を破る二塁打。続く松中がセンターにはじき返すとゴンザレスは降板し5番手ペドロソがマウンドに。しかし、多村も粘って6球目を3塁線に強烈な打球を。サードエンリケが横飛びで抑えるがこの間にイチローが生還して待望の追加点。続く里崎が送りバントを決めるとキューバは5人目のパルマにスイッチ。しかし小笠原が犠牲フライを打ち上げ6点目が入る。日本は犠打に盗塁、そして相手投手に多く投げさせると言う小技が非常に効いている。一方のキューバは大味な攻撃が目立ち、打線が繋がらない。日本は5回から2番手に韓国戦で好投した渡辺俊介がマウンドに。三振を二つ含む3人で切って取る。しかし、6回はショート川崎のエラーをきっかけに2点を失い 3-6 に。尚も続いた1死1,3塁のピンチはガルロボを併殺に討ち取り、それ以上の得点は許さない。キューバはウルティアのタイムリーで2塁走者が還れなかった次打者のガルロボが初球を併殺に討ち取られるとちぐはぐな攻めだ。前日3安打しているとは言え、ここはランナーを進めるバッティングで粘られたほうがいやだっただろう。川崎は7回もエラーで先頭打者ぺスターノの出塁を許すが、続くラミレスが併殺打。3点差とはいえ、ここはスコアリングポジションに送るバッティングをすべきではと思う。8回のキューバは4イニング目の渡辺から3番グニエルが内野安打で出塁。そると王監督は藤田にスイッチ。藤田は続くボレロを討取るがセペタにレフトスタンドに運ばれ1点差に。王監督はここで守護神大塚を投入する。大塚は続く二人を討取り1点差のまま最終回に。1点差に迫られた日本は9番途中出場の金城から。先程攻守を見せたエンリケがエラーで今度は金城が出塁。川崎のバントは失敗に終わるが西岡はプッシュバントを決める小技を。これはキューバ内野陣には効いたと思う。続くイチローがライト前にタイムリーを打ち7点目を。キューバは松中を歩かし満塁策を取るが準決勝の殊勲者福留が代打で登場しレフトへ2点タイムリー、続く里崎が10球粘って再び満塁とすると、7番手ゴンザレスから小笠原がこの日2本目の犠牲フライで10点目を挙げた。 最終回のキューバの攻撃を守護神大塚は1点を失うが三振2個を奪う力投で後続を断ち日本が初代王者に輝いた。 日本は挙げた10得点のうち押し出しで2点、犠打で2点と小技が冴えた。 キューバは先発ロメロの不調が大誤算。主導権を握られて投手継投、好機を併殺で潰すなど打線の繋がりが後手後手に廻った。2001年台湾で行われたワールドカップでの準決勝の日本戦。先発はヤクルトの岩村。行き詰る投手戦であったが途中から岩村の投球に逆らわない打ち方に変える等工夫が見られたが、点差を追いかける展開ではそうはそうする余裕もなかったであろう。 また日本打者は球数を多く投げさせた。キューバにこういう発想が見られない?のは野球の捕らえ方が違うのか?また初回の攻撃に見られるように日本は足を使った攻撃も見せるが、キューバはそれがなかった。いや日本がださせなかったと言う事が適切か? 
1978年モスクワで行われた女子バレーボールの世界選手権決勝戦、日本はキューバに敗れた。それ以降、球技で世界に君臨することはなかった(と思う)。再びそのタイトルをキューバを倒して勝ち取った事に因縁を感じる。 野球で世界一にならねば、野球で金メダルを取らねば他に何でとるというのだ?まず野球がそのタイトルを取ってこそ、他の競技が続くと言うものだ。 これからも日本スポーツの発展を願って止まない。


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