Mr.コンティのRising JAPAN

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将軍プラティニUEFA 新会長に その2

2007-02-06 | Weblog
ここまで書くと、まるでヨハンソン氏だけが“金の亡者”の様に聞こえるがブラッター氏はどうだっただろう。FIFA の歳入の99%はワールドカップでのテレビ放映権益からと言われている。 1990年代にはいってヨーロッパのサッカー界に巨大なテレビマネーが流入していることを見たFIFAは、それまで世界の公共放送連合に超安値で譲っていたワールドカップの放映権から、より大きな収入を期待できる時期であることを知り、ドイツのキルヒという会社とISLが組んだ提案を受け、2002年大会と2006年大会につき、それまでの5倍以上になる1000億円を超す契約を締結。そしてキルヒはヨーロッパへの放映権販売、ISLはその他の地域への販売と「縄張り」を決めまるが 2002年日韓大会を前にISL, キルヒ社は経営が破綻。その経営にブラッター氏が絡んでいたのではと言う疑惑は今や霧散してしまった。 Champions League で巨額の富を得たUEFAを横目で見たFIFA は同じ様に世界規模でクラブカップ戦を開催し利益を得ようとするが、2000年にブラジルで開催されただけでジュビロ磐田が参加予定であったスペインで開催予定であった第二回大会は中止になり事実上この大会は霧散してしまったがISLの破綻が、直接の、そして唯一の理由であることは間違いなかった。
また1970年ワールドカップメキシコ大会時のメキシコサッカー連盟のカニェド会長はテレビネットワークの“テレビサ”の経営陣であったが、欧州時間に合わせた試合時間の設定はこの時から始り“慣例”となる。
そういった金儲け主義体制をプラティニは是正したかったのではないか?“ Products ( 商品 ) の前にゲーム、マーケットの前にスポーツ、ビジネスの前にショー、我々は常に強者が弱者を助ける道を見なければならない。各国協会を恐れさす興味から守りましょう。”と列強以外の擁護発言を当選後に行った。しかし、弱者というよりも大票田からの支持を勝ち取り選挙を優位に進めることは当たり前の事で、アベランジェ氏がFIFA会長に就任出来たのも当時出場枠が1しか無かったアジア、アフリカ、北中米に出場枠拡大を口約して票を稼いだ為だ。プラティニは当選直後のスピーチでヨハンソン氏の就任中の功績を称え、UEFA 名誉会長に就任することを壇上で提案する。そのせいかは知らないが、後のヨハンソン氏の矛先は “私のUEFA会長職期間17年間の功績を称えていただいた FIFA 会長の言葉はありがたく受け止めるが、FIFA会長が UEFA 内で選挙妨害をすることは戴けない。決定を下すのはUEFAの議会であってFIFAでない。”とブラッターFIFA会長に向けられる。 そして“ Gered Aigner 氏と共に私は Champions League の父と呼ばれた。私は常に欧州の中小国を守ってきた。勝利チームを替えてはならない。そして私は勝利チームの監督だ。”と述べたが、これは部分的に納得できる。1996年イングランド大会より欧州選手権の決勝大会への出場国は2倍の16カ国に拡大されたが、もし8カ国のままであったらトルコ、ギリシャ、そしてエストニアと言った国々が欧州選手権の本大会に出てこられただろうか?
プラティニ新会長の口約はただ列強の出場枠を減らすだけでなく、ノックアウトステージへの進出数を16から24に増加させるという事も含まれている。それにサポーターへのケアーも含まれている。それは特にスポンサーチケットの削減だが、これはブラッター時代の悪の副産物だ。またブラッターFIFA 会長と同様ビデオ判定の導入には反対だ。その代わり両ゴール裏に一人副審を置く案を出したことがあるが、これはイングランドで受けていることだろう。第二のマラドーナを予防する為に。その案も含めて Arsenal のWenger監督は新会長を支持する。“私は30年来彼を知っているが彼はインテリジェンスに富み Football を愛している。元プレーヤーが会長職に就くのは初めてであるが、我々は通常選手が発言しない事に不満を感じるのだが、もうこれ以上不満を感じないだろう。漕ぎ出されたボートは正しい方向に進んでいると思う。”とコメントするが英国の新聞はこのコメントにフランス人擁護か?と シニカルだ。それは現在 Premiership で4位に着けており、このままの順位では来季の Champions League にでられないよ、同じフランス人の提案で。と言いたげだ。
77歳のスウェーデン人のヨハンソン氏は歳のせいか、また体調を崩したせいか、最近はあまりUEFA本部のあるフランス Nyon には姿を現さなくなった。それに対してブラッターFIFA会長は“私は FIFA の本部のあるチューリッヒに居を構えている。プラティニも Nyon に移り住むだろう。”と言うがこれにはヨハンソン氏も言い分はあるだろう。ブラッター 氏はスイス人でプラティニはフランス人。共に“職場”のある国籍の会長だ。
と、ここまで言及されるともう“泥試合”だ。 所詮 UEFA の会長選挙は部外者である我々アジア人にとっては口を挟めない事だろう。またそれは失礼な事かも知れない。 
しかし、FIFA がワールドカップでそんなに稼いでいるのなら、せめてワールドカップの時に一般観客に還元してくれないのかな? せめて競技場周辺の公共交通機関は入場チケットを見せると試合開催日は無料になるとか。移動の列車が特別料金になるとか。 UEFA も中村俊輔が出る試合は日本人にチケットをプレゼントするとか….
それは都合よすぎる相談だろうなぁ…….


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