Mr.コンティのRising JAPAN

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A League 最終節 TOP4 への激戦

2007-01-18 | Aussie & Kiwi
少し前ではあるが、アジアクラブ王者を決める Asia Champions League の組み合わせが決まり、日本から参加する浦和レッズが昨年度オーストラリア王者の Sydney FC と同組になった。Sydney FC は一昨年の世界クラブ選手権で来日しKAZUがゲストプレーヤーとして入団したクラブ。またワールドカップでオーストラリア代表と戦った事からオーストラリアサッカーに興味を持つ人も増えているようだ。この昨年度からスタートしたオーストラリアの国内リーグ、 A League は今週末に最終節を迎える。合計8チームで構成される A League はまず3回戦総当り21試合を行い上位4チームが“決勝トーナメント”に進出出来る。今季は Melbourne Victory が開幕から独走状態の14勝3敗3分 勝点 45 で既に1位が決まっている。次いでAdelaide United が勝点30 Sydney FC と Queensland Roar が勝点28で続き、5位の Newcastle Jets が最終節に望みをかける。 ファンにしては面白い、やっている当事者としては大変なこの混戦模様を造った大きな要因は2つある。 まず Sydney FC が A League の定めるサラリーキャップを破った為に勝点3を今年の1月初め第18節終了時点で減点された事だ。サラリーキャップとはご存知の通りに各球団、選手の年棒の合計はここまでという決まりで Sydney FC はこの上限を破っていたらしい。第18節終了時点での勝点は31 そこから勝点3を差し引かれ、尚も19節 New Zealand Knights 、20節 Adelaide United 相手に 0-1 で連敗。前節 Adelaide 戦は終了直前にブラジル人ストライカー、フェルナンドにゴールを許しその結果順位を逆転されてしまった。これで Adelaide は2位に浮上。そしてシーズン4位以内が確定しプレーオフ進出を決めた。Sydney FC にとってはこの勝点3の減点は本当に響いている。だが、この混戦の“もう一人の立役者”はこれまでダントツの最下位街道を驀進していた New Zealand Knights。 今季は開幕1勝1分けと出だしが良かったが、第3節で Melbourne Victory に 0-3 とホームで敗れるとそのまま8連敗。第11節の Queensland Roar 戦で 1-0 で勝利を収めようやく連敗を止めた後に引分けを2つ挟んで4連敗。しかし監督が現ニュージーランド代表監督の Ricki Herbert 氏が就任して初登場となった18節の Queensland Roar 戦でこれまでの低迷が嘘の様に 3-1 で快勝。それまで17試合で7得点しか取れなかったチームが Knights の A League 史上3得点も挙げての勝利にチームは勢いがつき、続く Sydney FC を上記の通りに 1-0 で破り、チーム史上初めて A League で連勝を飾る。第20節の Central Coast Mariners 戦は 0-0 で引分け3連勝はならなかったが、この引分けで Mariners はプレーオフ圏外に去ることになった。
まさに終盤の台風の目であった。この3試合の戦いで来シーズンのスポンサー集めに見通しがついたらしい。(と言うよりもスポンサー離れに歯止めをかける事出来た?) Herbert 新監督の構想では“もっと KIWI : ニュージーランド国籍の選手を増やしたいとの事だ。
最終節は1月19日金曜日に Energy Australia Stadium で Newcastle Jets が Melbourne Victory を迎える。この試合で Victory が勝てばその時点で現時点の上位4チームのプレーオフ進出が決まってしまう。しかし、この試合で Jets が勝つか引分けると、翌日 Brisbane の Suncorp Stadium で行われる Queensland Roar vs Sydney FC の結果により委ねられる事となる。 Sydney FC, Roar の亮チームのサポーターとしては19日の Victory の勝利を祈るかもしれないが、Sydney FC サポとしては最大のライバルである Melbourne Victory の勝利を願うのは意に反する事だ。 Victory の Ernie Merrick 監督は、外交上は火に油を注ぐようなコメントは控え Sydney の苦境に同情的だ。”とても面白い状況と思わないかい?“と地元紙のインタビューに応えながらも、”今季はドラマあり、論争ありの大変タフなシーズンであった。Terry Butcher 監督も選手達もこの状況下で大変なシーズンだっただろうに“とSydney に同情を禁じ得ない。 Victory は早々と Top4 入りを決めたので、プレーオフに向けて最近では控え選手を起用する事も。しかし最終戦を前に”監督としてはどの試合も勝ちたい。この最終戦も他の試合と同じ様に。“と、しかもプレーオフで Sydney と Victory が戦うほうが興行的に潤うと言う見られ方もある。 Sydney FC の Mark Rudan 主将は”メルボルンに声援を送る事を想像する事に頭を振る Sydney サポーターが多いだろう。それは意に反する事だ。もし仮に私が Victory のマフラーを持っていたならば首には巻かないがベッドサイドに置き Victory のゴールを願いそのマフラーに触れるだろう。彼ら Victory の選手達は最終戦の勝利を持ってプレーオフに臨みたいだろうに“と語った。 
Sydney FC は DF のMark Milligan, MF Terry McFlynn が累積警告で出場できない。そして DF Alvin Ceccoli MF Ufuk Talay が怪我で起用出来るかわからない。 Mark Milligan はオーストラリア五輪代表候補で起用はされなかったが昨年のワールドカップメンバーに選ばれた。2003, 2005 年のFIFA U-20 にも出場 2005年オランダ大会では日本戦に出場している。 Terry McFlynn は北アイルランドの選手でファイター的なセンターハーフ。すぐに警告を貰ってしまうが大事な最終戦を累積警告でフイしてしまった。Ufuk Talay は16歳でNSL ( National Soccer League 前のオーストラリアリーグ ) でデビューし 1995 年からトルコリーグに渡り名門ガラタサライでもプレーをし、サッカールーの Joship Skoko をして“代表選手としてプレーしていない最高の選手”と言わしめた選手。左サイドバックの Alvin Ceccoli は AEKアテネでもプレーしたがWollongong Wolves が1999-2000 NSLで優勝した時のメンバー。 最終戦でこれだけの選手達が抜けるのは厳しい。 
Sydney がもし連覇を果たすとその1ヵ月後に開幕するAsia Champions League でそのままの勢いで臨んでくるか、それとも疲弊して調子が出ないか? まずは金曜日の Jets 対Victory がどうなるのだろう?


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5 コメント

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もう最終節ですか (鍼灸)
2007-01-18 23:36:54
今季のAリーグはメルボルンの快進撃に尽きますね。
何より驚かされたのは観客動員の好調ぶりです。
対シドニー戦の5万人超えもありましたし、常に2万5000~3万の動員があったのは、あっぱれでした。
メルボルンはオージーボールの強いところなので、サッカーは苦戦すると思ってました。
とはいえ、昨季もチームは7位だったけど、動員は良かったですから(常に1万5000人を超えていた)、サッカーの地盤はあるんでしょう。

一方のシドニーですが、ヨークが抜けたこともあってか、一気に失速しました(ついでに観客動員も落ちました)。動員が落ちたのは、ヨークがいなくなって、それに代わる新戦力を補強できなかったのが大きいと見ています。
ブロスクやカーニー、ベテランのコリカやペトロフスキーなど国内組のタレントは揃っていますが、やはりそれだけではスタジアムまで足を運ばせるのは難しい。ましてや2年目で新鮮味が落ちてるわけです。
プロの興行なわけですから、ある程度金を使って大物を取ってきて欲しかった。そのためにもサラリーキャップを緩和していかないと。
協会は莫大な負債を抱えて破綻した旧NSLの轍を踏むまいとある程度、軌道に乗るまでサラリーキャップで縛るつもりなのでしょうが、そろそろ実入りのいいクラブから緩和していかないと。
シドニーは既に年俸で揉めて昨季の優勝監督のリティを手放しています。リティに引かれて、ペトロフスキーがJ2の福岡に行くという噂もありますが、Aリーグの優勝チームからJ2に引き抜かれるなんて、昔のNSLのようになってきました。

これではACLも金満の浦和には勝てません。むしろアデレードの方が勝ち抜きの可能性が高いかもしれません。もっとも昨季もレギュラーシーズンはアデレードが1位でしたから。
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サラリーキャップ (Mr.コンティ)
2007-01-25 20:52:18
鍼灸様 
4強が決まりましたね。最後は Knights が台風の目となって非常に面白い順位争いでしたね。
サラリーキャップの緩和を ACL に臨む Sydney と Adelaide は特例を持って認めて欲しいとリーグに申し出ていたらしいですが FFA の Matt Carroll 氏は”見事に”却下したらしいですね。 AS$170万を23人で分け合うので単純計算だと1人AS$7.39万、最近は豪ドルも強くなっていますが @AS$=Yen90 としても Yen665万円程度では一流どころは欧州を目指すでしょう。(Jリーグも視野に入れているかも。)おそらく Butcher 監督あたりが口には出さないが本音はもっと言いたいところがあるでしょう。 Adelaide に元ベルディの山田卓郎が入団すると言う噂を小耳に挟みましたが何か上方ありますか?本当なら ACL で日本のクラブとも、と言いたいところですが Adelaide は苦しいグループ。それにJリーグにとってもACLは easy な大会でありませんし...
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素晴らしいページです! (Dazza)
2007-02-05 09:15:34
オーストラリア人の僕はこのページを発見して、非常に嬉しかった。ニューカッスルジェッツのファンですから来週のアデレードとの試合をすごく楽しみしています!失礼ですが、私たちもASIAN FOOTBALLフォーラム(無料)をやっています。日本語の書き込みは可能で、A-LEAGUE・オーストラリアサッカーのおいしい情報をたくさんかかれていますので、日本のメンバー増やしたいと思っております。参加して頂いたらうれしいです!それで姉妹サイトになりたいですね。気が向かったら遊びにおいで!!笑 本来よろしくお願いいたします!
http://www.footballforumsaustralasia.com

段々アジアのサッカーを高めよう!
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ありがとうございます!! (Mr.コンティ)
2007-02-05 12:24:35
Dazze 様 書き込みありがとうございます。オーストラリアの方からお褒めの言葉を頂けるとは本当に光栄です。そちらのサイトも見せていただきましたが、随分と日本語がお達者で。(私も英語をもっと勉強せねば。)
内容も面白そうなので Register して参加させていただきます。
1997年の MCG の悲劇から仕事でオーストラリアに行くようになった事もあってオーストラリアサッカーに随分興味を持ち始めました。
最近になってようやくオーストラリアの人ともサッカーの話が出来る様になりましたが、当時はサッカーの事を話せる人は皆無に近かったです。2年前に発足した A League の興隆に、こりゃワールドカップで一緒になると危ないなぁと思っていたらその通りになりました。
尊敬するのは Jhonny=Warren 彼の
Sheilas, wogs & poofters も5年前に読みました。
Adelaide の Kosmin 監督が現役だった1970年から80年代のオーストラリアサッカーについて今文献をさがしております。

今回の Jets の快進撃は見事でしたね。 Newcastle の街は大騒ぎではなかったでしょうか?続く Adelaide 戦、楽しみですね。 
これからもよろしくお願い致します
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すごい! (Dazza)
2007-02-08 15:59:22
是非参加して下さい!!私たちも一生懸命アジアのサッカーを高めようとしていますが、残念ながら日本人のメンバーを集まることは中々出来なくて。。
今年のJETSは調子いいですね。いい選手ばっかりで、PLAYING STYLEはA-LEAGUEの中で一番目にやさしいと思います。昨日のOLYROOS戦で、MFのMUSIALIKはまた怪我したようで、心配です。彼は間違いなく、次のVINCE GRELLAになります。JADE NORTHもこの前の喧嘩で、アデレード戦に出られないし、STのブリッジも軽い怪我しています。まあ。。アデレードも怪我人いるらしいけどなかなかホームで倒すのは難しいと思います。とりあえず最後まで続きたいですね。笑 ACLに出ないと!!!
JOHNNY WARRENはオーストラリアのサッカーの神様です。よく読みましたね!!尊敬!
またここでも書き込みをさせて頂きます!
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