Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Grand Final 直前だけど.....

2011-03-13 | Aussie & Kiwi

3月11日。オーストラリア大陸を商用で巡回中、今回の出張で3つ目の訪問都市となったのがブリスベン。 今年初め大変な洪水と浸水等水害に見舞われた街だ。 シドニーからこの地に着き仕事をこなして車で約1時間半、 Gold Coast に入りそこのお得意さんの事務所に到着したのは現地時間の午後5時頃 ( 日本時間の午後4時頃 )。到着するや否や、ここの社員の方に “今大変な事が起こっていますよ。”と言われた。 ここの会社は在留邦人の方が立ち上げられた会社で社長以下日本人スタッフが多い。 事務所に通される間に日本を震度8.4 の大地震に襲われた事、そして事務所で日本のテレビを中継している事を教えてもらい、その画面を見ると被災地の様子が次々に映し出されていた.....
慌てて家族に電話を入れるも勿論繋がらなかった...しかし会社は繋がった。首都圏は地下鉄、JR、私鉄は全てストップ、結局家に帰れないサラリーマン、OLも多かったらしい....
“1月の水害、大丈夫でしたか...” と訊ねるつもりが反対に家族の安否を訊ねられた。 そしてこの会社の社員の方達の日本におられる安否も気遣われる事に.....そしてオーストラリア Gillard 首相の会見が始まり、日本に在留するオーストラリア人そして観光客の事も地元テレビ局で報じられ翌日の地元紙もこの地震の事が大きく報じられた。
そして家族との連絡がとれたのは深夜1時を過ぎてからだった.. それから会う人ごととの話題はこの震災の事ばかりだった。
この話題に触れる度に“余震が怖くて眠られない...” と日本に残した家族の心配が増大して来るのだった。



Postecoglou’s Roar vision pays off

IT was the moment Brisbane Roar held its collective breath.

レギュラーシーズンを圧倒的な強さで1位で終えた Brisbane Roar のAnge Postecoglou 監督がチームを引き継いだのは2009年10月、シーズン開幕1か月程度後、前任の元オーストラリア代表監督 Frank Farina 氏が更迭されてからだった。その時チームは当然最下位に低迷していた。
そして最初に着手した仕事はベテラン選手の“追放”と言われた。 その中にはスコットランド人ベテランの Charlie Miller そして現役オーストラリア代表選手だった Craig Moore が含まれていた。 実際 Postecogbu 監督は “チーム内の何人かのベテラン選手を排除したかった。なぜなら彼らは選手生活を楽しんでいるだけだったからだ。” 後日この様に話していた。
そして欧州の名門 Glasgow Rangers や Borussia Moenchengladbach そして Newcastle United を含めて13年間もプレーした Moore はチームのフロントに“ 自分をとるか Postecogbu を取るかどちらかにしろ。”と最終通牒を2度も突きつけていた。
そしてPostecoglou はチームに残り Moore はチームを去りワールドカップ出場の為にギリシアのKavala でプレーする事となった。そしてその翌年 Postecoglou監督はチームを初の A-League grand finalist に導いた。
今日、Postecoglou は過去の件に就き何ら謝罪をする準備は無いとの事である。
“あの時はそんなに難しい決定では無かった。新たな仕事に就くときは自分の頭の中には青写真やビジョンがある。文化の違いを求めるのはその過程の一部にすぎない。 Step1, Step 2 そして Step 3 と云った様に。
“いくつかの厳しい決定を下さねばならないがそれは不安を引き起こす。誰も変化は好まないからだ。常に激論も交わすが、それは案じてはいない。チーム役員には12カ月時間をくれと頼んだ。そして今私の方向性が正しかった事が証明されただろう。
ベテラン選手達の離脱に就いては“決して個人的なものではない。”と述べている。
Of the Moore situation, Postecoglou is adamant it was "never personal".
“私は Craig Moore そして彼が Brisbane Roar やオーストラリアサッカー界に残した事を尊敬している。それは個人的な事では無く自分の決めた道をただ行く為に決めた事だ。 そういった場合選手達は自分で決定を降す。周りは自分に合っているか、または充分にフェアーかと云う事は気にせず。 ”
“我々は全て大人の男性だ。けっして個人的な考えで行った事では無く、そういった選手達もそうであったとは思わない。 この後選手達と話した事があるが皆私の決定を理解してくれていた。”

Grand Final に先立ち A-League ベスト11が発表された
Michael Theoklitos, Luke DeVere, Ivan Franjic, Matt McKay, Thomas Broich そしてKosta Barbarouses ら Brisbane Roar の選手達6人が選ばれPostecoglou が監督に選出された。 他の5人を含めた全選手は下記の通りだった。
Goalkeeper: Michael Theoklitos (Brisbane Roar). Defenders: Luke DeVere (Brisbane Roar), Joshua Rose (Central Coast Mariners), Ivan Franjic (Brisbane Roar), Cassio (Adelaide United). Midfielders: Matt McKay (Brisbane Roar), Marcos Flores (Adelaide United), Thomas Broich (Brisbane Roar). Attackers: Sergio Van Dijk (Adelaide United), Robbie Kruse (Melbourne Victory), Kosta Barbarouses (Brisbane Roar). Coach: Ange Postecoglou (Brisbane Roar).

もう一つのGrand Finalist Central Coast Marinsers からは Joshua Rose のみの選出となった。


Roar's time away from home made their hearts grow fonder for success

Grand Final が行われるBrisbane Roar のホーム球場 Suncorp Stadium はワールドカップ予選が行われる程の質の良い競技場でA-League の本拠地の中では2010-11シーズンでは 5.0 点満点で4.5 点と最高の評価を得ている。
しかしここも1月の水害に遭いしばらく使える状態では無かったが Grand Final での舞台として“復帰”売る事が出来た。
Brisbane の MF Massimo Murdocca は1月末頃テレビに映し出された水没した競技場の周囲をカヤックが廻っている映像を見て。
“今シーズンはもうここではプレー出来ないと思った。映像を見た時は胸が潰れそうになった。” こう語った。
Suncorp Stadium の清掃が始まると Roar はGold Coast United の本拠地 Skilled Park を3試合に渡ってホームゲームとして使う事となったがそれでも無敗記録は途切れなかった。そのSkilled Park は Grand Final の対戦相手 Mariners のGraham Arnold 監督が“最悪のピッチ”と比喩するグランドで A-League の評価も下から4番目の3.5 点。ワースト評価はSydney Football Stadium の2.9だった。
Murdocca は A- League 発足以来数少ないRoar の生え抜き選手である。
また Asian Cup メンバーに加わっていたMatt McKay も遠征先のカタールでテレビを見ていた時に映し出された Suncorp を見て, Grand Final ではここは使えないと思った事を認めた。
“テレビの水没した Suncorp の様子が映し出された時、被害の大きさを測る事が出来た。まだ何人もの人達が水害の影響に喘いでおり中には完全な復興に何年も要する人達もいるだろう。しかし我々は Grand Final で勝ってそういう人達に笑顔を齎したい。” この様に語った。



Central Coast Mariners coach Graham Arnold turns up heat on Brisbane Roar
“Roar 程 Grand Final を前にプレッシャーを受けた事のある A-League のチームは決して無かった。我々が勝ちたいと思う程に彼らは勝つ必要がある。それは Queensland 州全体が彼らに期待をしているからだ。誰もがこのチームはリーグ史上最高のエンターテイナーだというたわごとを云っている。” Grand Final を前に mariners のGraham Arnold 監督はこう語った。
もしクラブ史上初となるGrand Final のタイトルを収めれば Roar の連続不敗試合記録は28となる。
“先週 Gold Coast と試合が出来た事は喜ばしい事だ。それは勢いを持続させる事ができたからだ。 Roar の選手達は週末は休息をとっただろう。それが我々にとっては Brisbane 戦に向けて最も有利な点となる。”
こう語ったのは Grand Final 3回目出場となる MF Alex Wilkinson 。過去2回、 Sydney FC 戦 ( 2005-06 ) Newcastle Jets 戦 ( 2007-08 ) にも出場している。そして2度とも敗れている。
FW Adam Kwasnik も同様に3度目の Grand Final となる。 John Hutchinson は3年前の Newcastle Jets 戦では出場したが Sydney FC 戦では膝の故障の為出場出来なかった。
Wilkinson は今回のチームを前回の Grand Final に出場したチームとは比較し難いと語っている。
“あの時からメンバーは10人か11人変わった。 Grand Final の経験者は少ないが同様にこういう状況におかれたことのある Roar の選手達もすくないだろう。” そしてWilkinson は Mariners を破るのは難しい事では無いとも語っている。
“彼らはファンタスティックなシーズンを送った。27試合も負けないなんて特に自分達のサポーター達のまで演じるなんてとてもとてもタフだ。しかし彼らはそれをやってのけたがもし最後の試合で敗れてしまったらそれまでの記録なんて意味が無くなる。これは大変なことだ。我々はそこ ( Suncorp Stadium ) にそれが正しいと言う事を証明しに向かうのだ。それが充分な理由だ。”
Willkinson はストライカーの Matty Simon が復帰して来た事がチームの自信に繋がると語っていた。
“ Matty はとても良い。3月10日の練習ではフルメニューをこなし脚はもう問題ない。”



Striking quality causes Mariners quandary
GRAHAM ARNOLD は今決勝戦に向けてある頭痛の抱えている。それはスタメンからどのFW選手を外すかという事だ。
シーズンを通して攻撃は Daniel McBrenn と Matt Simon の2人で決まりだったがここにきて Adam Kwasnik が復帰し結果を出している。
Kwansik は27試合中12試合が途中出場だが10ゴールも挙げている。それは Simon より1ゴール少ないだけだ。そして3月5日の Preliminary Semi Final ではスタメン出場を果たし75分に決勝ゴールを決めている。 そして怪我でベンチスタートだった Simon は69分に McBreen と交替でピッチに入った。 
Grand Final では再び Kwasnik がスタメンかそれともスーパーサブでベンチスタートか ???
“今シーズンはスタメン入りしたりしなかったりだった。そして殆ど途中出場だった、 そこで自分の役割をこなす一方で Arnie ( Arnold 監督 ) が正しい判断を降す事は疑いも無い。もし彼が私を前線で起用するのならば全力を尽くす。もし McBreen と Simon がスタメンならそうだろう。だれがスタメンであろうと任務に対しては充分にこなせる。なにも難しい事は無い。'
Matt はここ2試合スタメンでは無かったしかし彼は戦術になれている。彼は今日(3月5日)家で練習をこなした。次の Grand Final まで待てないだろう。“

FW は嬉しい悩みが尽きない Arnold 監督の心配の種はアルゼンチン人の Patricio Perez の怪我による離脱。 Gold Coast 戦では66分に怪我の為 17歳の Mustafa Amini と替ってベンチに下がったが試合前日の地元紙によると Grand Final はベンチにも入れないらしい。従って Amini のスタメンは決定的だ。
Amini は今シーズン11試合に出場しただけであるが Kwasnik は彼の事を“ Musti は素晴らしい才能を持った選手で将来性も充分だ。将来は Socceroos になるだろう。 ピッチ外でもかれの行動は成長が見られるがピッチ内では彼は同じ年代の選手達のお手本だ。それが彼の自信に繋がっているだろう。トレーニングも自分のスタンダードを上げる為にハードにこなしている。試合に起用されればチャンスを創ってくれるだろう。”
今回で3回目の Grand Final となる Kwqasnik は“過去2回は2,3人の選手しか Grand Final にフィットしていなかったが今回は違う。 Grand Final 経験者は2,3人しかいないが初めてとなる若手選手達もリラックスしている。 しかし楽しみを制限されているのではない。我々は彼らに試合を控えたこの1週間を楽しんでもらいたい。そして集中を持続させてほしい。”
Mariners の中盤はタレント揃いだ。Michael McGlinchey, Oliver]Bozanic, John Hutchinson, Mustafa, Patricio そして Rostyn Griffiths .中盤で Asian Cup で今や A-League の顔となった Socceroos のMatt McKay そして Thomas Broich らで構成される Roar との中盤でのマッチアップが最も大きな見どころだろう。
そして最後の対戦。 Mariners がアウェー Suncorp で2点をリードし Roar が追いついた試合。これが両チームの心理にどう影響するだろう....



試合が終わるまで雨が降らない事を祈るよ……



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
10-11シーズン総括 (鍼灸)
2011-03-17 00:17:54
お久しぶりです。
久々のAリーグ特集ありがとうございます。

やはり今シーズンはブリスベンの躍進(そしてクイーンズランド勢での初優勝)が最大の話題でしたね。
今までブリスベンといえば、ビドシッチ、ズーロ、ソロタ、オアーと優秀な若手こそ輩出してきましたが、「中位力」のチームでした。
客入りも落ちてきて、サンコープスタジアムから撤退して、1万8000人収容のバリモアスタジアムに移転か、と報道されました。
それだけに、プレーオフファイナルの5万人の観客の中で劇的な試合は、格好のアピールになりました。

確かにポステコグロウ監督の采配も光りましたが、オアーやズーロを売ってお金が出来たのか、今季は積極的な補強もしました。
例えばドイツ2部にいたスサクや、スコットランド2部にいた元U17代表のパールタル、同じくスコットランドのハーツにいたU20代表のビスコンティ、NZ代表の新星バルバロウスなんかがそうです。
パールタルは03年のU17フィンランド大会の時のメンバーでしたが、伸び悩んだのかAリーグから声が掛からずNSWリーグから単身スコットランドに行きました。
今季はレギュラーでフル出場しましたが、ここまでやれると思ってませんでした。
カーニー、ジェイミーソン、ロスティン・グリフィスと並ぶ逆輸入で成功したケースです。

ムーアを切った時の「彼らは選手生活を楽しんでいるだけだったからだ。」というコメントもいいですね。実績的には自分より圧倒的に上の選手を切るのは勇気が要ります。
実際、欧州帰りの選手にはムーアに限らず、引退前に思い出作りでプレーしてるのではないか、というのもいますからね。
まあ、そんな選手を最後まで代表に呼び、レギュラーで使い続けた前監督のような人もいましたが。

あと、ルーの監督時代は僕がクソミソに言ってたアーノルドもCCMの監督になってから2位に入り、プレーオフファイナル進出と実績を残しました。彼を見直しました。

もうひとつ、とても残念だったのはノースクイーンズランドのリーグ追放。
経済的な問題なら、リーグがなんとかするべきでした。
Jだって経営危機に陥ったチームはいくつかありましたが、リーグは潰しませんでした。
返信する
10-11シーズン総括 (鍼灸)
2011-03-17 00:18:05
お久しぶりです。
久々のAリーグ特集ありがとうございます。

やはり今シーズンはブリスベンの躍進(そしてクイーンズランド勢での初優勝)が最大の話題でしたね。
今までブリスベンといえば、ビドシッチ、ズーロ、ソロタ、オアーと優秀な若手こそ輩出してきましたが、「中位力」のチームでした。
客入りも落ちてきて、サンコープスタジアムから撤退して、1万8000人収容のバリモアスタジアムに移転か、と報道されました。
それだけに、プレーオフファイナルの5万人の観客の中で劇的な試合は、格好のアピールになりました。

確かにポステコグロウ監督の采配も光りましたが、オアーやズーロを売ってお金が出来たのか、今季は積極的な補強もしました。
例えばドイツ2部にいたスサクや、スコットランド2部にいた元U17代表のパールタル、同じくスコットランドのハーツにいたU20代表のビスコンティ、NZ代表の新星バルバロウスなんかがそうです。
パールタルは03年のU17フィンランド大会の時のメンバーでしたが、伸び悩んだのかAリーグから声が掛からずNSWリーグから単身スコットランドに行きました。
今季はレギュラーでフル出場しましたが、ここまでやれると思ってませんでした。
カーニー、ジェイミーソン、ロスティン・グリフィスと並ぶ逆輸入で成功したケースです。

ムーアを切った時の「彼らは選手生活を楽しんでいるだけだったからだ。」というコメントもいいですね。実績的には自分より圧倒的に上の選手を切るのは勇気が要ります。
実際、欧州帰りの選手にはムーアに限らず、引退前に思い出作りでプレーしてるのではないか、というのもいますからね。
まあ、そんな選手を最後まで代表に呼び、レギュラーで使い続けた前監督のような人もいましたが。

あと、ルーの監督時代は僕がクソミソに言ってたアーノルドもCCMの監督になってから2位に入り、プレーオフファイナル進出と実績を残しました。彼を見直しました。

もうひとつ、とても残念だったのはノースクイーンズランドのリーグ追放。
経済的な問題なら、リーグがなんとかするべきでした。
Jだって経営危機に陥ったチームはいくつかありましたが、リーグは潰しませんでした。
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Grand Final (Mr. コンティ)
2011-03-21 14:50:03
鍼灸様

いつもありがとうございます。
Grand Final はなかなか見ごたえありました。
でもこういうチームを今年の ACL で観たいですね。来年はどうなっているか解りませんから。
Roar の Postecoglou 監督の残留は決まりましたが McKay はどうなるでしょう?欧州のみならず Sydney FC もアプローチしているとか。
でも A-League にいて代表でも活躍してほしいですね。 
Fury は残念でした。Suncorp でも Fury のサポーター達が結構目につきました....
でも経済的に楽ではないチームも少なくないと聞きます。
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