12月16日。久しぶりに小学校6年生の息子とテレビ観戦はFIFA Club World の3位決定戦。試合はPK 戦にもつれ込む。画面には浦和の4人目磯貝が映し出される。
“磯貝が決めたら大きいゾ”
“え?何で?”
“磯貝が決めれば次のエトワールの選手が失敗したらそれで終わりだし、例え決められてもREDSの次の選手が決めればREDS の勝ちだ。”
磯貝はそのPKを決めて、エトワール・サヒレの4人目、ボランチのトラウイがスポットに向かう。REDS サポーターのブーイングの中トラウィが蹴ったボールは右に倒れ込んだGK都築が足で止め、浦和 REDS がこの大会の3位を決めた……
AC Milan に敗れたものの浦和にはまだ3位決定戦が残っていた。3位決定戦というものはサッカーのメジャーな大会では五輪以外あまり重要視されているとは思えない。UEFA現会長のミシェル=プラティニ氏は現役時代2度経験したワールドカップの3位決定戦には出場をしていないし、欧州選手権では1984年大会から3位決定戦が無くなってしまった。しかしそれは裏を返せば欧州のサッカーの世界の事なのかもしれない。この日の対戦相手はアフリカ大陸王者の Etoile Sportive du Sahel 。彼らとて3位決定戦に低いモチベーションで臨んでくるとは考えにくく、そのぶん締まった試合が期待できそうだった。エトワール・サヒレのあるチュニジアとは代表レベルでは日本はまだ負けた事がないがそれは対戦が1996年以降に限られているからだ。1978年ワールドカップアルゼンチン大会ではメキシコを逆転で 3-1 で破りアフリカ勢初白星の快挙を成し遂げた。日本がまだまだワールドカップを遠くから眺めていた時代だった。その後ワールドカップでは1998年大会から3大会連続して大陸予選を突破しており、2004年には Africa Nations Cup でも優勝を納めた。エトワール・サヒレはそのチュニジアきっての名門チーム。2004、2005年のCAF Champions League では決勝戦で涙をのみ、今回は大会2連覇中のエジプトのアル・アハリを2試合合計 3-1 で降し2年前の雪辱を遂げ Club World Cup 出場を決めた。 1998年のワールドカップフランス大会には10人の選手がエタワール・サヒレに所属しており、欧州クラブがアフリカ選手を多く登用する様になって以降でも2002年大会では3人、昨年のワールドカップでも1人ワールドカップメンバーに名を連ねている。
この日のスタメンは準決勝のボカ・ジュニオルズ戦で起用された左サイドバックのヘジャウィに替ってメリアフが、ナリー1人のワンボランチにトウライを加えて2ボランチにし、トップ下のガルビを外しFWはシェルミティとベンディファラー。シェルミティは身長176cmだがスピードがあり今年6月のチュニジア代表デビュー戦ではゴールを決めるなど次第のチュニジアを背負う存在の19歳。(大会終了後20歳に)。エタワール・サヒレはシェルミティ以外は全員が180cm以上の身長でそのフィジカルは大きな壁となった事だろう。
一方の浦和は闘莉王が怪我で離脱したのでCBには阿部が入り鈴木、長谷部のボランチ。トップ下には山田がスタメンに名を連ねると言う ACMilan 戦の闘莉王が怪我でベンチに下がった直後の布陣だった。
エタワール・サヒレのキックオフで始まった試合は開始から浦和がエタワール・サヒレ陣内に入りこむ。2分には永井が右サイドからゴロのセンタリングを入れるがコーナーに。3分には山田が左サイドから入れるが右サイドバックのフレジュに当たる。3分には細貝が右サイドから入れたクロスを永井と競ったフレジュがコーナーに逃げ、そのCKにネネが飛び込むが体に当たっただけでシュートにまでは至らなかった。そしてそのこぼれ球を拾われカウンターから右サイドのメリティが一旦ボランチのトラウィに下げそこからロングフィードが前線のシェルミティに送られる。その流れ玉を一旦は坪井がコントロールしたかに見えたがクリアーを誤りシェルミティに拾われそのままドリブルで浦和ゴールに突進する。そこを坪井が後ろからタックルに入りシェリミティを転倒させてしまう。
ニュージーランドのピーター・オレアリー主審はすぐにPKスポットを指さし、坪井にはイエローカードが出される。シェルミティはメリティと抱擁してこの判定を喜んでいる。そのPKをフレジュが落ち着いて決めた。GK都築もボールが飛んだ右方向に飛び手に当てたもののボールはそのままゴールネットに吸い込まれた。
FIFA Club World Cup ではこれまで逆転勝利の試合は無いらしい。エタワール・サヒレより短い中2日で試合に臨んでいた浦和にとっては痛い失点であっただろう。 その後も浦和は相手陣内に攻め込むがシュートまで運べない。クロスはあげられCKまでは取れるのだが攻撃時には5~6人で中を固められる。左サイドの相馬にはフレジュとメリティのいずれかがしっかりとマークに付く。またボランチの二人の攻守の切り替えが早くDFラインの上げ下げも正確で速い。ワシントンにはCBの189cmゲザル、186cmファルヒがしっかりとマークに付いている。24分には中盤でボールを拾った永井がドリブルシュートを放つ。これがこの試合浦和の初めてのシュートであったがGKバルブーリに脅威を与えるものでは無かった。その直後に今度はエタワール・サヒレが分厚い攻撃を見せる。左サイドのメリアフがクロスを上げ相馬がヘッドでクリアー。それをベンディファラーに拾われシェルミティを経由して右サイドのメリティから入れたクロスはネネがタッチラインに逃げる。フレジュが入れたスローインをメリティが再びフレジュに戻して右サイドから入れたクロスは都築がキャッチした。攻守に早い切り替えで人数をかけるエタワール・サヒレに対し後手に回っていた浦和だが35分にこの試合2本目のシュートが同点ゴールとなる。右サイドから山田が入れたクロスはファルヒがヘッドでクリアーを。その弾んだクリアーボールをメリティーが蹴りだせず後ろの相馬に。相馬が入れたクロスに長谷部が飛び込んできたが更に右にいたワシントンがファルヒを押しのけるように合わせたヘッドはそのままエタワール・サヒレゴールネットを揺さぶり試合を振り出しに戻した。
ワシントンの突破も見事だったがもう一人のCBゲザルは長谷部の動きに目を奪われワシントンにまで注意が行かなかった。そしてメリティのクリアーボールのコントロールの誤りもラッキーだった。これで両チーム相手DFのミスから得点を決めたことに。そしてこの同点ゴールを境に浦和がシュートにまで持ち込む様になる。38分には相馬からボールを受けたワシントンがケザル、ファルフィ、トラウィを背負いながら長谷部に戻してミドルを誘う。39分には右サイドを上がった山田がオフサイドギリギリのポジションにいた永井に送り一旦は永井の踵に当たったがそれをうまく拾って入れたクロスは長谷部にあたり角度が変わりワシントンに。フレジュ、ケザル、トラウィ、ナリーが一斉に飛び込むがその前にワシントンが放ったシュートは惜しくもポストを叩いてしまった。前半の途中からトップ下に長谷部を配し山田を右サイドに回し細貝をボランチに下げるというポジションチェンジが功を奏した。長谷部は飛び出しが良いし、山田は突破力があり磯貝は元々ボランチの選手。前半は浦和が良い形で終え、後半に期待を抱かせる展開であった。
後半は立ち上がりからエタワール・サヒレの攻勢が続く。47分にはトラウィがミドルを放ち、48分には右サイドをフレジュがネネを振り切り啓太と阿倍がマークに来たところを中に入れナリーがシュートを放つ。58分にはフレジュとメリディに右サイドを破られ中のジェルミティがネネのマークが入る前にショットを放つ。ネネのいる浦和の左サイドを突き、またロングボールをどんどん放り込みそのこぼれ球を拾われる。58分にフランス人ベルトラン・マルシャン監督はメリティに変わってボカ・ジュニルズ戦に続いてジウソン・シウバを投入し左サイドに入れアリナフハを左から右に回す。60分には右サイドからのメリアフのFKにフレジュが飛び込むがシュートはバーの上に。61分には左サイドをメリウフにドリブル突破を許すが入れられたクロスには誰にも合わなかった。62分には波状攻撃に会い、66分には右サイドをフレジュがシェルミティとのワンツーで抜けられるが啓太が戻ってカット。68分にはカウンター攻撃からアリナフハの突破を許し入れられたクロスは山田がコーナーに逃げる。そのファーサイドに送られたCKにファルヒとフレジュが飛び込むが坪井がクリアー。
立ち上がりから劣勢を強いられた浦和だが70分逆転ゴールが決まる。左サイドから相馬が上げたクロスがフレジュの肘に当たってFK. その永井が蹴った低い弾道のFKをまたもワシントンが今度は身体をかがめて頭に当てエタワール・サヒレゴールにねじ込んだ。ワシントンより前の位置には細貝と長谷部がいてネァーサイドにはネネ、山田がいた。CBのゲザルは細貝と長谷部の動きに気を取られておりワシントンはノーマークだった。 ゴールを決めたワシントンはそのままゴール裏に陣取る浦和サポーターの前に駆け寄りユニフォームを脱ぎサポーター達の前にひれ伏した。
感動的なシーンだった。 これで後半最初のシュートが得点にそれも逆点ゴールに結びついた。この逆転ゴールを機にエタワール・サヒレは更にペースを上げる。71分にはメリアフの上げたクロスがフリーのベンディファラーを狙うがベンディファラーはヘッドを空振りしてくれた。75分には右サイドをシェリミティがドリブルで切れ込みネネがチェックに入り転倒するもノーホイッスル。しかしボールはそのままこぼれ阿倍がマークに入り続きもこぼれ球を拾いに来るが立ちあがったシェルミティは一旦都築が抑えたボールを蹴りだし、そのまま浦和ゴールにけり込み同点に追い付かれてしまった。
都築にすればキーパーチャージと思ったかもしれないがゴールインの判定は覆らなかった。同点に追いついたエタワール・サヒレは浦和ゴール前に張り付いた長身187cm のFWベンディファラーにロブやクロスを放り込む。83分にフリーで撃たれたベンディファラーのヘッドシュートはGK都築の正面に。86分にはCKから頭で合わされるがワシントンに当たってコーナーに。そのCKからファーサイドにいたベンディファラーがヘッドを撃つがこれも都築の正面。もしベンディファラーが本調子なら逆転ゴールを喫していたかもしれない。そのベンディファラーが下げられベンスナルが投入され、91分にはGKバルブーリに変わって2002年ワールドカップではチュニジア代表として来日したベテランGKアハメド・ジャウアチが投入されPK戦に備えられた。
そして行われたPK戦。浦和1人目のワシントンが決めたあとエタワール・サヒレのアリナフハのPKは左ポストを叩いた。以降浦和は阿部、永井そして細貝が決め、ゲザル、ベン・ナスルが決めたエタワール・サヒレは4人目のメジディ・トラウィを迎えた。同点ゴールを許した都築は右に倒れたがボールは………
浦和は大会3位となり有終の美を飾った。しかし他の大陸のクラブチームを破る事は出来なかった。(PK勝は公式には引き分け)2008年も日本で開催される FIFA Club World Cup 。我々が世界に誇れるのは大会運営力だけでなくJリーグもあるのだと言う事を少しは示せたと思う。年末に再び日本のクラブチームがアジア王者としてまたこの大会に参加している事を祈るよ。 でも1年経つのは本当にはやいなぁ………
“磯貝が決めたら大きいゾ”
“え?何で?”
“磯貝が決めれば次のエトワールの選手が失敗したらそれで終わりだし、例え決められてもREDSの次の選手が決めればREDS の勝ちだ。”
磯貝はそのPKを決めて、エトワール・サヒレの4人目、ボランチのトラウイがスポットに向かう。REDS サポーターのブーイングの中トラウィが蹴ったボールは右に倒れ込んだGK都築が足で止め、浦和 REDS がこの大会の3位を決めた……
AC Milan に敗れたものの浦和にはまだ3位決定戦が残っていた。3位決定戦というものはサッカーのメジャーな大会では五輪以外あまり重要視されているとは思えない。UEFA現会長のミシェル=プラティニ氏は現役時代2度経験したワールドカップの3位決定戦には出場をしていないし、欧州選手権では1984年大会から3位決定戦が無くなってしまった。しかしそれは裏を返せば欧州のサッカーの世界の事なのかもしれない。この日の対戦相手はアフリカ大陸王者の Etoile Sportive du Sahel 。彼らとて3位決定戦に低いモチベーションで臨んでくるとは考えにくく、そのぶん締まった試合が期待できそうだった。エトワール・サヒレのあるチュニジアとは代表レベルでは日本はまだ負けた事がないがそれは対戦が1996年以降に限られているからだ。1978年ワールドカップアルゼンチン大会ではメキシコを逆転で 3-1 で破りアフリカ勢初白星の快挙を成し遂げた。日本がまだまだワールドカップを遠くから眺めていた時代だった。その後ワールドカップでは1998年大会から3大会連続して大陸予選を突破しており、2004年には Africa Nations Cup でも優勝を納めた。エトワール・サヒレはそのチュニジアきっての名門チーム。2004、2005年のCAF Champions League では決勝戦で涙をのみ、今回は大会2連覇中のエジプトのアル・アハリを2試合合計 3-1 で降し2年前の雪辱を遂げ Club World Cup 出場を決めた。 1998年のワールドカップフランス大会には10人の選手がエタワール・サヒレに所属しており、欧州クラブがアフリカ選手を多く登用する様になって以降でも2002年大会では3人、昨年のワールドカップでも1人ワールドカップメンバーに名を連ねている。
この日のスタメンは準決勝のボカ・ジュニオルズ戦で起用された左サイドバックのヘジャウィに替ってメリアフが、ナリー1人のワンボランチにトウライを加えて2ボランチにし、トップ下のガルビを外しFWはシェルミティとベンディファラー。シェルミティは身長176cmだがスピードがあり今年6月のチュニジア代表デビュー戦ではゴールを決めるなど次第のチュニジアを背負う存在の19歳。(大会終了後20歳に)。エタワール・サヒレはシェルミティ以外は全員が180cm以上の身長でそのフィジカルは大きな壁となった事だろう。
一方の浦和は闘莉王が怪我で離脱したのでCBには阿部が入り鈴木、長谷部のボランチ。トップ下には山田がスタメンに名を連ねると言う ACMilan 戦の闘莉王が怪我でベンチに下がった直後の布陣だった。
エタワール・サヒレのキックオフで始まった試合は開始から浦和がエタワール・サヒレ陣内に入りこむ。2分には永井が右サイドからゴロのセンタリングを入れるがコーナーに。3分には山田が左サイドから入れるが右サイドバックのフレジュに当たる。3分には細貝が右サイドから入れたクロスを永井と競ったフレジュがコーナーに逃げ、そのCKにネネが飛び込むが体に当たっただけでシュートにまでは至らなかった。そしてそのこぼれ球を拾われカウンターから右サイドのメリティが一旦ボランチのトラウィに下げそこからロングフィードが前線のシェルミティに送られる。その流れ玉を一旦は坪井がコントロールしたかに見えたがクリアーを誤りシェルミティに拾われそのままドリブルで浦和ゴールに突進する。そこを坪井が後ろからタックルに入りシェリミティを転倒させてしまう。
ニュージーランドのピーター・オレアリー主審はすぐにPKスポットを指さし、坪井にはイエローカードが出される。シェルミティはメリティと抱擁してこの判定を喜んでいる。そのPKをフレジュが落ち着いて決めた。GK都築もボールが飛んだ右方向に飛び手に当てたもののボールはそのままゴールネットに吸い込まれた。
FIFA Club World Cup ではこれまで逆転勝利の試合は無いらしい。エタワール・サヒレより短い中2日で試合に臨んでいた浦和にとっては痛い失点であっただろう。 その後も浦和は相手陣内に攻め込むがシュートまで運べない。クロスはあげられCKまでは取れるのだが攻撃時には5~6人で中を固められる。左サイドの相馬にはフレジュとメリティのいずれかがしっかりとマークに付く。またボランチの二人の攻守の切り替えが早くDFラインの上げ下げも正確で速い。ワシントンにはCBの189cmゲザル、186cmファルヒがしっかりとマークに付いている。24分には中盤でボールを拾った永井がドリブルシュートを放つ。これがこの試合浦和の初めてのシュートであったがGKバルブーリに脅威を与えるものでは無かった。その直後に今度はエタワール・サヒレが分厚い攻撃を見せる。左サイドのメリアフがクロスを上げ相馬がヘッドでクリアー。それをベンディファラーに拾われシェルミティを経由して右サイドのメリティから入れたクロスはネネがタッチラインに逃げる。フレジュが入れたスローインをメリティが再びフレジュに戻して右サイドから入れたクロスは都築がキャッチした。攻守に早い切り替えで人数をかけるエタワール・サヒレに対し後手に回っていた浦和だが35分にこの試合2本目のシュートが同点ゴールとなる。右サイドから山田が入れたクロスはファルヒがヘッドでクリアーを。その弾んだクリアーボールをメリティーが蹴りだせず後ろの相馬に。相馬が入れたクロスに長谷部が飛び込んできたが更に右にいたワシントンがファルヒを押しのけるように合わせたヘッドはそのままエタワール・サヒレゴールネットを揺さぶり試合を振り出しに戻した。
ワシントンの突破も見事だったがもう一人のCBゲザルは長谷部の動きに目を奪われワシントンにまで注意が行かなかった。そしてメリティのクリアーボールのコントロールの誤りもラッキーだった。これで両チーム相手DFのミスから得点を決めたことに。そしてこの同点ゴールを境に浦和がシュートにまで持ち込む様になる。38分には相馬からボールを受けたワシントンがケザル、ファルフィ、トラウィを背負いながら長谷部に戻してミドルを誘う。39分には右サイドを上がった山田がオフサイドギリギリのポジションにいた永井に送り一旦は永井の踵に当たったがそれをうまく拾って入れたクロスは長谷部にあたり角度が変わりワシントンに。フレジュ、ケザル、トラウィ、ナリーが一斉に飛び込むがその前にワシントンが放ったシュートは惜しくもポストを叩いてしまった。前半の途中からトップ下に長谷部を配し山田を右サイドに回し細貝をボランチに下げるというポジションチェンジが功を奏した。長谷部は飛び出しが良いし、山田は突破力があり磯貝は元々ボランチの選手。前半は浦和が良い形で終え、後半に期待を抱かせる展開であった。
後半は立ち上がりからエタワール・サヒレの攻勢が続く。47分にはトラウィがミドルを放ち、48分には右サイドをフレジュがネネを振り切り啓太と阿倍がマークに来たところを中に入れナリーがシュートを放つ。58分にはフレジュとメリディに右サイドを破られ中のジェルミティがネネのマークが入る前にショットを放つ。ネネのいる浦和の左サイドを突き、またロングボールをどんどん放り込みそのこぼれ球を拾われる。58分にフランス人ベルトラン・マルシャン監督はメリティに変わってボカ・ジュニルズ戦に続いてジウソン・シウバを投入し左サイドに入れアリナフハを左から右に回す。60分には右サイドからのメリアフのFKにフレジュが飛び込むがシュートはバーの上に。61分には左サイドをメリウフにドリブル突破を許すが入れられたクロスには誰にも合わなかった。62分には波状攻撃に会い、66分には右サイドをフレジュがシェルミティとのワンツーで抜けられるが啓太が戻ってカット。68分にはカウンター攻撃からアリナフハの突破を許し入れられたクロスは山田がコーナーに逃げる。そのファーサイドに送られたCKにファルヒとフレジュが飛び込むが坪井がクリアー。
立ち上がりから劣勢を強いられた浦和だが70分逆転ゴールが決まる。左サイドから相馬が上げたクロスがフレジュの肘に当たってFK. その永井が蹴った低い弾道のFKをまたもワシントンが今度は身体をかがめて頭に当てエタワール・サヒレゴールにねじ込んだ。ワシントンより前の位置には細貝と長谷部がいてネァーサイドにはネネ、山田がいた。CBのゲザルは細貝と長谷部の動きに気を取られておりワシントンはノーマークだった。 ゴールを決めたワシントンはそのままゴール裏に陣取る浦和サポーターの前に駆け寄りユニフォームを脱ぎサポーター達の前にひれ伏した。
感動的なシーンだった。 これで後半最初のシュートが得点にそれも逆点ゴールに結びついた。この逆転ゴールを機にエタワール・サヒレは更にペースを上げる。71分にはメリアフの上げたクロスがフリーのベンディファラーを狙うがベンディファラーはヘッドを空振りしてくれた。75分には右サイドをシェリミティがドリブルで切れ込みネネがチェックに入り転倒するもノーホイッスル。しかしボールはそのままこぼれ阿倍がマークに入り続きもこぼれ球を拾いに来るが立ちあがったシェルミティは一旦都築が抑えたボールを蹴りだし、そのまま浦和ゴールにけり込み同点に追い付かれてしまった。
都築にすればキーパーチャージと思ったかもしれないがゴールインの判定は覆らなかった。同点に追いついたエタワール・サヒレは浦和ゴール前に張り付いた長身187cm のFWベンディファラーにロブやクロスを放り込む。83分にフリーで撃たれたベンディファラーのヘッドシュートはGK都築の正面に。86分にはCKから頭で合わされるがワシントンに当たってコーナーに。そのCKからファーサイドにいたベンディファラーがヘッドを撃つがこれも都築の正面。もしベンディファラーが本調子なら逆転ゴールを喫していたかもしれない。そのベンディファラーが下げられベンスナルが投入され、91分にはGKバルブーリに変わって2002年ワールドカップではチュニジア代表として来日したベテランGKアハメド・ジャウアチが投入されPK戦に備えられた。
そして行われたPK戦。浦和1人目のワシントンが決めたあとエタワール・サヒレのアリナフハのPKは左ポストを叩いた。以降浦和は阿部、永井そして細貝が決め、ゲザル、ベン・ナスルが決めたエタワール・サヒレは4人目のメジディ・トラウィを迎えた。同点ゴールを許した都築は右に倒れたがボールは………
浦和は大会3位となり有終の美を飾った。しかし他の大陸のクラブチームを破る事は出来なかった。(PK勝は公式には引き分け)2008年も日本で開催される FIFA Club World Cup 。我々が世界に誇れるのは大会運営力だけでなくJリーグもあるのだと言う事を少しは示せたと思う。年末に再び日本のクラブチームがアジア王者としてまたこの大会に参加している事を祈るよ。 でも1年経つのは本当にはやいなぁ………
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