Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

北朝鮮2選手が陽性反応... FIFA Women's World Cup

2011-07-07 | FIFA Women's World Cup
Two North Koreans test positive for steroids at womens World Cup

7月7日 FIFA は Women’s World Cup において北朝鮮の2選手、 Sun Song Jong と Sim Jong Pok がドーピングテストの結果陽性反応が出て禁止薬物アナボリックステロイドを使用していたとの事を発表した。
FIFAは北朝鮮代表の2選手、Song Jong Sun と Sim Pok Jong の2人がドーピング検査に於いて A サンプルが陽性反応を示していたので暫定的に6日 Bochum で行われたコロンビア戦を出場停止とする処置をとったと発表した。
“これはワールドカップでは珍しい出来事だ。しかし二つの陽性反応サンプルが同じチームの選手から出たと言う事は我々は調査せねばならないと言う事だ。”この様に語ったのは FIFA Chief Medical Officer の Jiri Dvorak 博士だ。
2選手は初戦のアメリカ戦、第二戦のスウェーデン戦の試合後に検査を受け彼女達のサンプルは東ドイツの Kreischaにある世界反ドーピング研究所とケルンの German Sport University に送られた。
“今日は大変悲しい日だ。” Dvorak 博士はこう話した。
Theo Zwanziger DFB 会長は “この出来事はスポーツ選手の成功はいかなる事も可能であると言う意味を持つ北朝鮮における非人道的な印象を強調させるものだ。スポーツの成功は政府のプロパガンダに使われる。FIFA の検査過程はアンチドーピング運動には有効に思われる。”と北朝鮮を批判。そして FIFA の検査方法はステロイドを使った選手を捕まえるのに有用だと認めている。
FIFA は北朝鮮の2選手の前に、6月25日に薬物使用の疑いがあり大会出場停止にしているコロンビア GKの Yineth Varon の処分等の結論はまで出していない。



1次リーグの全日程が終え、この新聞記事を見つけた。 Sun Jong Song も Pok Sim Jong 昨年の AFC からの代表メンバー。 このワールドカップが終われば9月から中国でロンドン五輪予選が行われる。アジアからの出場枠はワールドカップより少ない2カ国。 オーストラリア、北朝鮮、地元中国、そして若手の成長著しい韓国を相手にせねばならないがこの薬物使用の事で北朝鮮はどうなるのだろう..... チームが処分されるとは考え難いが、DFのレギュラーを失う事となると....



ところで澤は果たしてロンドン五輪までなでしこでやってくれるのだろうか....



なでしこ3連勝ならず…厚い?欧州勢の壁….

2011-07-07 | FIFA Women's World Cup

昨日 Augsburg で行われたなでしこのグループリーグ最終戦 England 戦は残念ながら 0-2 の黒星。
2連勝で準々決勝進出は既に決めていたものの England に次いでグループ2位に留まった。
この試合中継を観終わって真っ先に思ったのは…..

フランスがドイツに勝つか引き分けてくれないかなぁ…..

この試合の後にテレビで放映された Group A のドイツ対フランス戦を起きてテレビ観戦する元気はなかったけどドイツはやはり強かった。準々決勝の相手は大会2連覇中の優勝候補でしかもホスト国のドイツとなってしまった。
少しでも上位に進出する為には、少しでも大会を早く後にしない為にも出来ればドイツやアメリカ、ブラジルと言った“格上”には最後まで当たって欲しくなかったなぁ….
ドイツは4年前のワールドカップの1次リーグそして北京五輪の3位決定戦でも対戦し敗れている….

しかしドイツ戦のフランスの戦いっぷりを見ているとそんなに easy な相手でない事が良く解った。でも反対に世界ランク6位のフランスがここまで出来たのなら4位の日本も…と少し勇気付けられた。
でも世界ランク10位の England にこういう負け方をするとなぁ…….

England face tough test against skilful Japan at World Cup

England は5日火曜日 Augsburg で“女子サッカー界のバルセロナ”との準々決勝進出の為に必要な勝点1が必要な対戦に臨む。日本ブランドの技術は New Zealand 戦そして特に続くメキシコを 4-0 で粉砕した試合で充分に証明された。
しかし Hope Powell 監督率いる England 代表はハイテンポで強引にシュートを放つその態度は何かをもたらすと感じている。
“日本はサッカーの世界で列強の1つと思っている。彼らの小回りが利きシャープなプレーは偉大で大いに見るに値する。我々のプランはタイトにそして間を詰めてプレスをかけてすこしの蹴りを入れる。彼らが肉弾戦を好むとは思えない。我々は対戦相手に何をすべきかを解っている。そして出来ればその日に勝利を収めたい。” England の左 SB Rachel Unitt は Group B の首位を行くチームの事をこう語った。
大会前Jon Herdman New Zealand 代表監督はカタルーニャのチームと比較をしていた、そして反対に日本戦では他のチームではされなかった様にポゼッションを奪われ試合を支配された。しかし Herdman のチームは England 戦の最後の30分にその溝を埋める事が出来た。

“あの時は…ここに来る前に私達はアメリカとスウェーデンと試合をし非常に良くプレー出来た。そしてこここにやって来た、私は何がどうなったか全くわからない。 恐らく緊張感が我々を良くしたのだろう。”
Dresden で0-1 の劣勢から重要な勝利を収めた Unitt はこの様に語った。

“第二戦も再び私達の立ち上がりは今一だった。しかし私達はいつもすぐにペースを掴み結果を出せると信じていた。 New Zealand 戦も私達は上手くやれるとは思っていなかった。 私達は2つのクロスとルーズボールを拾ったところから2ゴールを奪った。私達はそれから学んだ。 我々に就いては、もし我々が格下であるならばよくプレー出来そして結果を得られる。そして勝利が期待出来そうな試合は苦戦する。 だから我々はどうすべきかを学ぶ必要がある。
日本戦に就いては我々は格下であると自覚して試合に臨む‐日本は世界ランク4位で我々は10位だ。私達は彼女達を格上に見ている。

引き分けても充分にグループ2位で準々決勝戦進出に充分である。勝てばグループ首位で Group A の2位チムと準々決勝で対戦する。 大会前に優勝候補であった開催国でグループ首位になる為にはフランスを破らねばならないドイツと準々決勝で対戦するとまだ決まった訳ではないがしかし結果はどうであれ England の地位は格下であり大会の残りを充分に自信を与えられたように試合に臨める。それは恐らく悪い事では無い。

“私達はフランスかドイツと対戦する。かつて彼女達を破った事が無いと思うが我々が対戦した相手はみなタフな相手ばかりだ。どこが相手であろうとタフな試合になるだろう。グループ首位になる事は私達だけでなく次のラウンドで対戦する相手にとっても大変な手助けとなる。少しばかりの自信と強みを私達に与えるだろう。” Unitt はこの様に語った。

試合前の英国紙やメディアの論説を見ると日本をかなり警戒する記事ばかりだった。グループリーグ初戦で 1-1 と引き分けたメキシコを 4-0 で粉砕するところを見せつけられたらこういう印象を持つのは当然だろう
しかも既に勝抜けを決めている日本に対して負ければグループリーグ敗退もある England 。私もなでしこは少なくても引き分けるだろうと“楽観”していた。

また FIFA のホームページでは England 戦を前に Kelly Smith と 宮間あやのインタビュー記事が掲載されていた。4年前も1次リーグで日本と England は対戦している。その時は 2-2 で引き分けた。そして England は Smith が日本は宮間がそれぞれ2ゴールずつ挙げた。 
インタビューの内容は両者とも相手をかなり respect していた。(まぁ当たり前か….)
宮間のFKはこの時から有名で England 戦の得点も FK から。特に2得点目は試合終了直前の直接FKからの“一蹴り”が決まった貴重な同点ゴール。 その瞬間を Smith は“ England女子代表 史上ワールドカップでの初勝利を逃した瞬間”と述懐しており、宮間の FK を “ どこでも自分の思うところにボールを蹴る事が出来る。それは大いに見るに値するものであるが出来れば私達が相手でない時に見たい。“と語っている。
宮間も Kelly の事を“チームのベテランのDFがあっさりと振り切られそしてゴールを決めた。 彼女のプレーのレベルには本当に深く印象付けられた。明日の試合も彼女を個人では止められないから組織で対応せねばならない。”この様に語っていた。 
そして Smith はここまでベストな football をしてない、日本は限られたタッチで上手くボールを回して前線へ上がって来る。そして特に前線の動きが良い。彼女達はマークするには難しい。そして大変に早い….となでしこ達を称賛。
そして宮間は今のなでしこは海外でプレーする選手が増えテクニックが上がっており4年前よりチーム力が上がっているNew Zealand, Mexico 相手に試合を支配していたが England はより上のランクにいるただ上背があるだけでなく戦術的にも技術的にも優れている。これは大きな挑戦になるだろうと語っている。

こう言ったインタビュー記事を読んだ時は日本に分があると思ったのだけど…



England reach World Cup last eight with impressive win over Japan

“チームの良いパフォーマンスの一端を担ったとは思わない。全ての選手達は大変なハードワークをこなした、今夜選手達の疲れた脚が多くあるだろうがそれがチームパフォーマンスだ。我々全てが必要だったものだ。”中盤の真ん中でプレーした Jill Scott はこの様に試合後語った。

労をいとわないのはゲームプランの一つだった。 しかし日本のバルセロナスタイルは成果を見せなかった。これまで敗れた事の無いなでしこは長時間に渡りボールを支配した。しかし堅いバックラインと後方から前線までの称賛に値する粘り強さがボールを支配されている間もチャンスを作らせなかった。
“我々にはゲームプランがあった。選手達はそれを遂行した。我々はグループの首位で通過したがそれは我々の自信を高めてくれたにすぎない。我々は very very good で選手達を本当に誇りに思う。我々の野心は1次リーグ突破だった。我々はまだ大会に居る。まだ国には還っていないそれが England にとって素晴らしい事だ。我々は何人か選手を入れ替えた。それが功を奏した。しかし我々はこれがチームで戦うゲームであると常に解っている。これからの対戦相手が誰でも。 Sophie Bradley は素晴らしかったそしてJess Clarke の前半も素晴らしかった。数人の選手交替を行ったが選手達は本当に良くやってくれた。”

Hope Powell England 代表監督は試合後こう語った。

Powell 監督は4年前中国で準々決勝戦でアメリカに敗れたメンバーよりも強いと感じている。



試合は3試合同じスタメンで臨んだなでしこに対して England はスタメンを4人替えて日本戦に臨んだ。
なでしこは近賀、岩清水、澤、宮間、大野、安藤、永里の7人が4年前の England 戦を経験しており England はJill Scott, Stoney, Smith そして White が4年前の日本戦に出場していた。この試合でスタメンだった Anita Asante は4年前は出場機会が無かった。

それは日本対策だろうがこの前に対戦した New Zealand Ferns と方策を替えて来るのも当然だろう。その Ferns には先制を許し終盤の連続ゴールで逆転勝利を収めた。

大会前から膝に不安を抱える Fara Williams と Faye White はベンチスタートとなり21歳の Anita Asante と チーム最年少のSophie Bradley がスタメンに。New Zealand 戦で交替出場でインパクトを見せた Jess Clarke と Karen Carney がYankey と Eni Aluko に替ってスタメン起用された。

そこにはどのチームの監督も抱える“悩み”を持っている事がここでも解った。

選手達は試合で起用される為に必至だ。選手を外す事は大変つらい事だ。選手全員は本当にハードワークをこなしており全員母国の為にプレーしたいと願っている。“

Casey Stoney は警告を受けている。日本戦に出場してもう1枚イエローカードを貰うリスクを冒すか。彼女のCBのパートナーである Faye White は膝の手術後調子が100%ではない。勝点1に留めて彼女を休ませるか?
New Zealand 戦で途中出場で結果を見せた前線のKaren Carney と Jess Clarkは日本戦はスタメン起用すべきか?そうした場合誰を外すか?
2列目の Kelly Smith は攻撃時に能力を発揮する。かれはFWとしてスタメンで起用すべきか? 
守備的 MF Jill Scott も攻撃時は相手に脅威を与える。もし New Zealand が Mexico を敗れば普段は起用出来ない選手もピッチに送り出せる….
チームのフォーメーションは 4-3-3 , Smith, Clarke の後方に Carney を置きClarke と Ellen White が両サイドに開く。 New Zealand 戦の最後のフォーメーションが本質的なフォーメーションだ。しかしいくつかの変化も興味がある。

試合後 Powell 監督は直前まで日本戦のスタメン決定を悩んでいたと地元マスコミに語ったらしい。

なでしこの試合の入りは悪くは無かった。ボール回し良く England ゴール前に迫るシーンも。しかし16分中盤から Carney から送られたロングフィードに走り込んだ White がそのままループシュートを放ちGK海堀の手をかすめてなでしこゴールに吸い込まれる。 DF鮫島と熊谷の間にうまく走り込んだ Whiteそしてバウンドしたロブだったがこの先制ゴールは試合を左右するものとなった。

“ワールドカップで得点を決める感覚なんて想像も出来ない。こんな大会でプレーする事はキャリアーにとって最高の事だ。チームを助ける為にスコアーシートに名前が載る事は嬉しい。我々はみなチーム一丸となりゲームプランを遂行する。しかし今回は本当に機能した。私達には常にハードにプレスし動き回る選手がいるそして90分それを続けた最後には成果が上げられる。我々は勝利に値する試合をしたそして勝点3を挙げグループトップで1次リーグを終えた。
私達はもしベストになりたければベストなチームを破らねばならない事を知っている。だから今我々が準々決勝に進出した事が嬉しい。日本は偉大なチームだ。そして我々はリアルにファイトした。ハードなゲームであったが我々は偉大な勝利を得る事が出来た。そしてそれは好チームのパフォーマンスだった。“

この試合の Woman of the Match に輝いたWhite はこう語った。



White は38分にもオーバーヘッドでなでしこゴールを襲ったがここは海堀がファインセーブで弾き出す。
なでしこも England PA付近まで迫るがBradley が強烈なタックルを浴びたり特にゲーム主将の Asante, Casey Stoney らのチェックはシュートシーンを創らせずm近賀のクロスを GK Bardsley が弾き出す等タフなディフェンス。ただしこの日のなでしこは GK Bardsley に見せ場をあまり創る事が出来なかった。

60分に4年前のワールドカップで日本相手に2ゴールを叩きこんだ Kelly Smith が投入される。
“彼女は自分自身に怒りを感じていただろう。 恐らく自分の知っている自分が出来る通りにプレーできていなかったのだろう。 それがフラストレーションになっていたのだろう。”  Powell 監督はこう語った。
そして66分 England に追加点が生まれる。 左サイドから Rachel Unitt のクロスを拾った Yankey がなでしこゴールに蹴り込んだ。 この時の Yankey のポジション。オフサイドでは無かったか….。しかしあの位置にいた Unitt に自由にボールを持たせすぎたなぁ….
その後もJil Scott に決定的なシュートを放たれたが海堀が必死にクリアー。さすが世界ランク10位。
New Zealand, Mexico とは違うなぁ…と感心してしまった。

なでしこベンチも75分に阪口を下げて岩渕を、82分には川澄を大野に替えて投入し前線の枚数を増やす。( 56分には安藤を下げて丸山を入れた。) しかしシュートになかなか持ち込めない。 岩渕、丸山のドリブル突破も限界があった。それにこの日のカナダ人 Chenard 主審 、ちょっと England 寄りの笛を吹いていなかったか…
2度ほどなでしこに与えられるべき CK がGKにされていた…..
だけどこの日のなでしこは最後まで得点の可能性を見せられなかった。終盤に2度ほどシュートを見せてくれたけど….
北京五輪ではノルウェーに勝利を収めたが、やはり欧州の地で欧州の代表から勝利を挙げるのは男子でも女子でも容易でない事を再認識させられた気がした。

Match details
England (4-4-1-1): Bardsley; A Scott, Bradley, Stoney, Unitt; Carney, J Scott, Asante, Clarke (Yankey 46); K Smith (Aluko 62); E White (Bassett 90).
Subs not used: F White, F Williams, Brown (g), Houghton, Susi, Rafferty, Chamberlain (g).
Goals: White 15, Yankey 66.
Japan (4-4-2): 海堀; 近賀, 岩清水, 熊谷, 鮫島; 大野 ( 川澄 82 ) , 阪口 (岩渕 75), 澤, 宮間; 安藤 (丸山56), 永里.
Subs not used: 山郷 (g), 矢野, 福元 (g), 宇津木, 上野辺, 田中, 高瀬.
Referee: C Chenard (Canada)

Women's World Cup: England out to dethrone Germany

England のストライカー Kelly Smith は自らの手でドイツの進撃を止める事を望んでいる。と日本戦の前に英国メディアに語っている。
“ワールドカップで私達が優勝する事があなたの夢かもしれないが今の私はグループリーグを突破する事に集中している。前回のワールドカップ王者で欧州選手権王者のドイツをドイツの地で破る事が出来れば素晴らしい事だ。”
“恐らくどこかの代表チームが彼らの連覇を止めるだろうが誰が解るだろうか? ホスト国のドイツは史上はじめてワールドカップ3連覇達成を目標にしている。しかし開幕2連勝を飾ったのに地元マスコミはスロースタートと評判は良くない。
日本のストライカー澤穂希も“ホスト国が勝てないと言う事は常に良い事だ。”と語っている。
England 代表歴106試合43ゴールを挙げている Smith と澤が英国メディアでも並び称される事が解った。

England vs Germany, Deutcheland vs England …. 男子サッカーでは数々のドラマを生んで何十年に渡って語り継がれる戦いを繰り広げていている両国間…まぁ最近ではドイツの方が優位だけど…
女子サッカー界でもドラマが繰り広げられようとしている。

だが女子サッカーの世界ではそのレベルに日本も堂々と並んでいる、いや少し上を行っている…

だが Kelly Smith に言わせて貰う。ドイツの大会連覇を先にストップする挑戦権を得たのは我らがなでしこで、彼女達が歴史を創る可能性があるのだと言う事を。

なでしこがんばれ。