Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

FIFA Women’s World Cup 序盤のスキャンダル

2011-07-04 | FIFA Women's World Cup
5年前 Samurai Blue が世界の壁に阻まれたドイツの地でなでしこは2連勝のスタート。準々決勝進出を決めてくれた。
他の試合ももっとテレビ観戦したいのだけれど Copa America が“開幕したおかげ”で放映試合数が減ってしまった。
まぁ準々決勝以降のハイレベルな戦いはかなり見られそうだけど… Women’s World Cup も Copa America も準々決勝以降が大いに楽しみ。そこに我らがなでしこがいる事に幸福を感じる。出来れば今回の Copa America にもザック Japan が登場してくれればもっと最高だったんだけどなぁ….

日本のマスコミではあまり“取り上げられない FIFA Women’s World Cup “ であるが地元ドイツそして参加国であるオーストラリア、ニュージーランドそして英国の新聞では大いに報道されている。 言語がもっとわかれば南米や他の欧州のメディア報道も追い掛けるんだけど……
大会序盤。 気になる“スキャンダル記事”を他国の新聞報道で見つけた….

FIFA hits out at Nigeria coach for anti-lesbian comments

FIFA は6月29日水曜日 Eucharia Ucheナイジェリア女子代表チーム監督が同性愛を”ダーティー” なものとしチームからレズビアンを排除した事を認めたと言うコメントに批判の意を表した。
FIFA の女子サッカー大会責任者であるTatjana Haenni はドイツの地元局 ARD に“ FIFA はいかなる差別発言に反対の立場を取る”と言うコメントを残した。
そして Haenni 氏は Uche 本人にこの件を話し合いそしてナイジェリア協会に今後の対応を訊ねると話した。
“我々はここFIFAの大会は常に中立の立場を取っていると示す最高の場と考えている。” Haenni 氏はこう付け加えた。
大会開幕前の6月26日付の New York Times で Uche 監督は同性愛をダーティーで宗教上にもモラル的にも反するものと表現した。

Group A に属していたナイジェリアは初戦のフランス戦を 0-1 で落とすと Uche 監督はチームから2009年に監督に就任以来レズビアンの選手を排除していた事を述べた。
“レズビアンは我々のチームにとって本当に大きな問題だった。しかし私が代表チーム Super Falcons 監督に就任以来レズビアン選手を一掃する事に従事して来た。 今はレズビアンの選手はいない。私はレズビアン問題を黙認する事は出来ない。 
30日に Frankfurt でナイジェリアが対戦するホスト国ドイツ代表は Uche の所見にはノーコメントを通している。ドイツの第2 GK Ursula Holl は女性と結婚しており第1GK のNadine Angerer はBisexal ( 両性の心性をもつ。両刀使い ) である事をオープンにしている。



In African Women’s Soccer, Homophobia Remains an Obstacle - New York Times

2009年にナイジェリア女子代表の最初の女性監督に就任する少し前から Eucharia Uche 監督はチーム内にレズビアンがいる事が厄介な問題として問題になっていた、とあるセミナーで述べた。
2年間に渡ってドイツで開催される FIFA Women’s World Cup へ臨むナイジェリアチームの強化の一環として Uche 監督は宗教を用いてそれは “ ダーティーな問題“であり”宗教的に倫理的に間違ったものである“としてチームから同性愛抗議を排しようとした、と語った。
Uche は一度も自分の選手達が同性愛行為をしているところを見た事は無いと語っている。その替りに、彼女は噂に頼った。それはナイジェリアチーム内でレズビアン行為が通常化していたという彼女の確信をニュース等にリークしたと語った。
大会前のキャンプ地オーストリアの Saalfelden で Uche 38歳は電話インタビューで“噂が大きくなれば人々はそれが起こっていると信じ出す。”
3月に The Daily Sun 紙も同様の記事を載せている。James Paters前テクニカルアシスタントは何人かの選手を代表から外したがそれは“彼女達は良くない選手であった為では無くレズビアンであったからだ。”と語っている。
“レズビアン問題は常だった。私はそれが肉体的な戦いでは無いと理解する為にここへ来た。我々はチームをコントロールし抑制する為にあらゆる干渉を見抜く必要がある。それは過去に触れられる事の無かった事だった。
同性愛行為が広く不道徳的だと信じられている大陸では時にはレズビアン行為は村八分ものである。南アフリカやジンバブエでは時折女性が同性愛行為から“正しい道に導く”としてレイプされる事もある。
例えば2008年、南アフリカで著名な女子サッカー選手でレズビアンであった Eudy Simelane 31歳が殺害された。 例え彼女の刺殺が暴行犯の1人が強盗の為に襲ったと証言しても Simelane の死はゲイやレズビアンに対する暴力として注目されてしまった。
昨年、ワールドカップ出場6回目を決めたナイジェリアは同じ大陸代表となった赤道ギニア代表を少なくとも1人もしかして2人の男性選手を起用していると非難した。赤道ギニアの役員達は根拠の無い告発と呼びアフリカ大陸間のライバルの“劣等なコンプレックス”から来るものと述べている。
この抗議はアフリカ大陸連盟から却下されたが Uche は“その事が明らかにされるまで誰も男性か女性かどちらがプレーしたかとは言えない。”と語っている。
スポーツ界のレズビアン問題はアフリカの女子選手に限った事では無い。何人かの元米国女子代表選手達は間接的な影響を恐れてゲイスタイルの生活をいやいや公開した。そして今は男女平等になって来てもレズビアンは大学バスケットのリクルートに於いて敏感な問題として残っている。

しかし同性愛問題はアフリカでは多くの部分で大きな社会問題としてタブー視されている。ナイジェリアでは北部のムスリムと南部のクリスチャンに分けられており同性愛行為は禁じられゲイやレズビアンを自認する者は人を悩ませたり怪文書の危険にさらされていると専門家は語っている。 ナイジェリア北部ではゲイの男性達がホモの溜まり場と称され投石殺される危険がある。 ある女性選手 Tumi Mkhuma はかつてレイプされ妊娠をしてしまったと語っている。自分の赤ちゃんを亡くした後彼女は“2度自殺を”試みたそうだ。 そして今もその時の苦しみから逃れられず“時々死にたくなる。”と彼女は言った。
ナイジェリアでは Uche の挑戦に関してレズビアンの選手達はその事を明らかにして生活をしていそうにない、それは代表での地位を失うと欧州やアメリカでプロ選手としてスカウトされる機会を失うリスクがあるからだとナイジェリア人作家のAzuah氏は語っている。
“私は彼らがどの様な選択をしたか解らない。自分達を守る為に自分の生きる道を見つけた同性愛者達を知っている。恐らく何人かは性転換をしただろう。誰がわかるのだろう?最も重要な事はたとえそれが彼らを不愉快にするだろうが公的な権限を与える事だ。” Azuah は語ったている。
ナイジェリア代表チームのGK で主将でもある Precios Dede は監督の決定に就いて大会前の電話インタビューで彼女は自分はその問いに応える立場に無いと述べながら“私は何も知らない。彼女が貴女に語った事は事実だ。”と述べた。

 

Eucharia Uche 氏はナイジェリア女子代表監督に就任した最初のナイジェリア人女性らしい。
FIFAは Uche 監督の発言は“同性愛者”への差別発言とみなす立場を取っている。
ナイジェリアは結局30日にドイツにも 0-1 で敗れ2連敗を喫し1次リーグ敗退が決まった。
アテネ五輪で日本はナイジェリアに 0-1 で敗れ準々決勝進出を阻まれた苦い思い出がある……

North Korea blame lightning strike for defeat by USA

7月2日 Augsburg で行われたスウェーデン vs 北朝鮮は 1-0 でスウェーデンが勝利を収めた。
アジア地区代表の北朝鮮はこれでアメリカ戦に続いて2連敗。残念ながら1次リーグ敗退が決まった。 
何とかアジア代表として勝上がってもらいアジア地区の出場枠確保を…と思っていたのだけど….



6月28日には Dresden で優勝候補アメリカに 0-2 の黒星スタートとなった北朝鮮であったが試合後金光民監督は
“多くの主力選手達が大会出発前の平壌での合宿中に練習中に落雷に遭い今大会ではベストメンバーを組めなかった。”と試合後の記者会見で述べていた。

“前半の我々は強さを見せたが後半に入り選手のスタミナ切れがおこりそれは我々の戦術を遂行できないものにした。選手達はベストを尽くした。
“試合前フィジカルコンディションの異変があった。それは予想出来なかった異変だ。我々の選手達はあまり体調が優れなかった。我々が平壌を出発する前に行った練習中にアクシデントが発生した。何人かは病院に担ぎ込まれ大会直前に現地入りした。平壌に滞在中に予期せぬ事故に遭い我々はとても試合が出来る状況に無かった。選手達は練習試合中に落雷に遭った。そして5人の選手が入院した。その試合は6月8日に行われた。
“GKと4人のストライカー達が最も深刻な被害に遭いそして数人の中盤の選手も。チームの医師はその選手達はとても大会に参加できる状態では無かったが選手達はさいごの1分までベストを尽くしてくれた。今日の試合に就いて選手達は必要な精神を以って臨んでくれたと思う。多くの選手達は若くて経験もない。しかし我々は全ての人達にベストをつくしたところを見せられたと思う。“この様に語った。



この件は対戦した Pia Sundhage アメリカ代表監督は対戦相手にそんな事が起こっていた事は知らなかったとのコメントを発した。

昨年中国で開催されたワールドカップ予選を兼ねた Asian Cup の決勝戦 ( オーストラリア対北朝鮮 ) のメンバーを調べると DF の3選手、Yun Sing Mi, Choe Yong Sim, Ra Un Sim そして FW の2選手 Kim Young Ae, Kim Kyong Hwa が大会メンバーに入っておらず、 Asian Cup ではスタメンだった MF Kim Chung Simと DF Yu Jong Hui がベンチスタートでアメリカ戦は結局起用されなかった。Asian Cup 決勝戦でベンチスタートだった選手を見てみると実に8人の選手がワールドカップメンバーにはエントリーされていなかった。
MF Kim Chung Sim は Asian Cup 準決勝の中国戦で延長戦に決勝ゴールを決めた選手だった。

アメリカ戦と同じスタメンで臨んだ第2戦のスウェーデン戦ではボール支配率を上げて攻勢に出る時間もあったが64分に Lisa Dahlkvist に決められた失点を取り返せなかった。最終戦のコロンビア戦( 6日 Bochum ) では何とか勝利を期待したい….

ベストメンバーを組んでいたら日本に並んで準々決勝進出となっていたかもしれない…..

それにしてもアメリカ対北朝鮮戦、録画に失敗してしもた。 なんてスカタンな俺じゃ…