Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

All Whites の快挙から…..

2009-11-19 | 夏季五輪
All Whites の28年振りワールドカップ出場を決めて5日が経った。
地元紙はようやくこの話題から離れて欧州遠征中の All Blacks の様子が報道されている。ニュージーランド時間で15日の早朝に Milano の San Siro Stadium で行われたイタリアとのテストマッチでは圧倒的にボールを支配されながら 20-6 と勝利を収めそしてその試合でのスクラムが話題になっている。

 

今週末にはトゥィッケナムで England と対戦し、その翌週のフランス戦では白のジャージーを着用する事らしい。

 

Moss named in squad of 23

出場停止中の Melbourne Victory のGK Glen Moss がワールドカップメンバーにノミネートされた。 Hebert 監督は既にバーレーンとのプレーオフにベンチ入りを果たした18名をワールドカップメンバーに入れると明言。そして元々 All Whites の第1GKであった Glen Moss もメンバーに入れると。
“ Moss も行くだろう。彼も連れて行く。” 試合の翌々日 Herbert 監督はこう語った。  Glen Moss は昨年のワールドカップオセアニア地区予選最終戦の Fiji 戦で主審に暴言を吐き何と4試合の出場停止処分に。バーレーンとのプレーオフそしてワールドカップでは最初の2試合に出場出来ない。
“Glen と Mark ( Paston ) の二人は共にチームのベストGKだ。2人ともワールドカップに行く事となるだろう。Glen は若い。これからも多くの試合をニュージーランドの為にこなすだろう。だから彼はワールドカップに必要だ。”
Glen Moss が守る Melbourne Victory のゴールは今シーズンこれまで22回破られている。22失点はチームは2位にいながら最多失点。確かに失点全てがGKの責任ではないがチームは次節の Brisbane Roar 戦では第2GKの Mitch Langerak に起用も考えているらしい。それでも Confederations Cup ではスーパーセーブを連発しチームの勝ち点1をイラク戦でももたらした Moss の存在は必要なのだろう。

Moss が当選確実となると残る椅子はあと4席。 先のFIFA U-17 そしてユース代表選手からは候補は見当たらず、 Kilmarnok のDF Steven Old ( Confederations Cup のメンバー 出場機会は無し ) , North Queensland Fory の Jeremy Brookie ( Confederations Cup に出場 ) Columbus Crew の MF Dugan Oughton , Chris James ( 共に Confederations Cup に出場 ) そして Wellington Phoenix の若い Costa Barbarouses らが有力。そして Ipswich Town の期待の19歳 のCB Tommy Smith もCB のバックアップメンバーとしてメンバー入りが噂されている。
Tommy Smith はかつて Rory Fallon そして Michael McGlinchey の様に England U-17 メンバーに入った事があるらしい。 

また Herbert 監督が指揮を執る Wellington Phoenix の Terry Serepisos オーナーは Herbert が Phoenix と All Whites の監督を引き続き兼任する事を歓迎しているが12月5日(現地時間は12月4日)に南アフリカ Cape Town で行われるワールドカップ抽選会に Herbert 監督を出席させる事に難色を示している。 12月4日はホームに Melbourne Victory を迎えての試合が行われる。

“アウェーゲーム2連戦後に Victory とのホームゲームが控えている。我々が今シーズンのまっさい中だ。この Victory 戦は Final Series 進出の為の TOP6 に残る為の重要な試合だ。もしそんなに重要な試合でなかったなら Herbert 監督を行かせるかどうか等は考えもしないだろう。” 
この件は Herbert 監督と話し合うらしい。その一方で All Whites 効果も期待しているとか。
“チーム立ち上げから2年。我々は今回の All Whites の快挙に少しでも貢献したと思っている。この予選突破効果にちなんで多くのサポーター達が来てくれる事を望んでいる。” 
Phoenix は後述する通りアマチュア選手の Aaron Scott やシーズンが終わったアメリカ MLS 所属の Dugan Oughton, Chris James らをワールドカップ予選の為にチームの練習に合流させる事を容認したりと All Whites の予選突破にかなり協力をしたけど観客動員を期待するのであればHerbert 監督を南アフリカに行かせてあげればとおもうんだけどなぁ…

All White back to daily job

後半19分に Michael McGlinchy に替って投入された Andy Barron は地元のアマチュアチームTeam Wellington に所属するアマチュア選手。それでも代表出場歴は13試合で1ゴールを決めている。試合の翌々日16日月曜日は休みを取ったが17日の火曜日からは地元の銀行職務に戻る。今年は Confederations Cup 、ヨルダン遠征そしてバーレーンとのプレーオフ等で10週間の有給休暇を使い果たしてしまったとの事。 Barron は今年の Confederations Cup そして10月のマナマでのアウェーゲームには出場機会が無かったが最後のホームゲームでは後半途中から投入され30分弱のプレーであったが見事に役割を果たし無失点に貢献した。 Ricki Herbert 監督はバーレーン戦にベンチ入りを果たした18選手はワールドカップメンバーに入れると公言をしているがまだ彼自身は“当選確実”とは思っていないようだ。
“そうはいってもまだワールドカップは8カ月も先の話。それまで体調を管理しベストの状態に保ちつつ所属クラブでプレーしていなければならない。”
アマチュア選手にとってはありがたいボーナスがある。ワールドカップ予選突破によって得た収益からチームの選手達に10万ドル(約640万円)が出場等に応じて分配されるとの事。
”来年6月までここ(職場)にいなければならない。何が起こっても不思議ではない。それはもって有難いボーナスだ。 私は地元の Wellington Phoenix で何度もトレーニングをさせてもらった。半日はここにいて半日は Phoenix でトレーニングをしていた。職場の皆は非常に協力的で全てを認めてくれた。私がここにいない時は大変だっただろう。本当に感謝している。“

また22日日曜日、 Team Wellington が Newtown Park で国内リーグ戦の Otago United との一戦を迎える時は35,000人から数100人の観衆に戻り元のプレー環境に戻った事を知るだろう。
“土曜日の 大観衆は驚きだった。ただスローインやフリーキックを得たりしただけでものすごい歓声だった。我々は35,000 人かそれ以上の前でプレーした事もあるがあの歓声は正直大変な後押しとなった。” と彼は述懐する。
他のアマチュア選手は Team Wellington のGK James Bannatyne , Waitako のフルバック Aaron Scott ( Confederations Cup のイラク戦で途中から出場 ) そして Auckland City の 元 オランダ Eredivisie の Roda JC 所属のベテラン DF Ivan Vicelich 。 Vicelich は All Whites から引退していたが Confederations Cup に Ryan Nelsen が怪我で出場出来ない事から Herbert 監督から復帰を顧願され代表に復帰し Confederations Cup からこのワールドカップ予選までの5試合すべてにフル出場を果たした。 
Aaron Scott は自分が卒業した高校でそして Bannatyne は PUMA 社で働いているらしい。( Bannatyne には昔サインを貰った事があるぞ。貰っておいてよかった。) ポルトガルの C. Ronald の様に移籍に8,000 万ポンド ( 約128億円 )が動く選手もいれば Andy Barron の様に有給休暇を使ってワールドカップ予選に臨む選手もいる。そういう選手も揃ってこそワールドカップだと思う。

 

敗れたバーレーンの地元紙はこの様に報道されていた。 新たな時代の幕開けではと思われたがニュージーランドに 0-1 で敗れたこの日の午後(現地時間の。ニュージーランドとバーレーンの時差は10時間 )再び暗闇に戻ってしまった。この敗因は天空により機能不全や天候の移り変わりではなくピッチレベルでの人間的な失策によるものだった。
無様なPKの失敗がワールドカップ初出場に必要であったアウェーゴールを失い、基本的なエラーの繋がりが繰り返された事によりバーレーンの夢を打ち砕いてしまった。 チームの出来はとても受け入れがたいものであった。 
ディフェンダーはミスを繰り返し、中盤は基本的な失策を犯しFWはシュートをする為のシューズをはるか 15,000 km 後ろの時差10時間の Riffa にある National Stadium に忘れて来た様だ。バーレーンは彼らの専売特許である自然におこる Jaycee John と Abdulla Fatadi のトップの選手のカウンター攻撃に頼りすぎていた。特に試合開始10分間は前線にスペースが出来ていつでも得点が出来ると言う脅威を与えていた。ほとんどあたかもバーレーンは最初の15分で試合を終わらせてチャーター機で引き返そうとしていた様に見えた。
開始直後は明らかにスペースを与えて侵入を許していた Kiwi 達だったが徐々にであるが修復をしペースを握って行った。 ホスト国が最初のプレッシャーを白色の服で埋め尽くされたスタジアムから発せられる大歓声に勇気づけられ、緊張がほぐれて来た Kiwi 達が次第に攻撃を見せる様になる一方でバーレーンは最初のペースを維持する事が出来無くなって来た。
Ryan Nelson はShane Smeltz のショットが最終的に上側のゴールネットに乗ったがその最初のチャンスを演出し、12m 後方の Leo Bertos のFK からChris Killen に送られ放たれたシュートはクロスバーを直撃した。 Kiwi 達は明らかにトップギアーに入りバーレーンはそれを助けた。バーレーンの前半最初のチャンスは Joycee John がエリア外から放った強烈なボレーシュートであったがこれは GK Mark Paston にセーブされてしまった。バーレーン GK Sayed Jaffar も Bertos が右サイドから送ったクロスにFallon が合わせたヘッドを右手一本で防ぐという英雄的なファインセーブを演じた。しかし前半も残りあと数秒と云うところで Fallon の均衡を破られ何千人ものバーレーンサポーター達を失望の底に陥れた。以前 England のユースチームに所属した Fallon のヘッドが Bertos の素晴らしいクロスからゴールを割ったが試合はそれだけでは決まらなかった。後半7分、 Abdulla Fatadi がエリア内に侵入した Abdulla Omar にスルーパスを通したが Omar は Tony Lochhead に倒されウルグアイ人の Jorge 主審はすぐさまペナルティースポットを指し、その横でバーレーン選手達が喜びあいはじめた。それはあたかもこの重要な試合でアウェーゴールを決めワールドカップ行きの飛行機に乗り込んだ様であった。
しかしそれは失敗の前兆の現れであった。自信無げに映った Syed Mohammed Adnan がペナルティーを放つまでにバーレーン選手達は全てのエネルギーを使い果たしてしまった様だった。 Adnan のショットはパワー、正確さそしてその他の驚異を与える要素の全てを欠いており Kiwi GK の Paston が容易に右に倒れ込んで防いでしまった。これを Kiwi ジャーナリストが皮肉った“私のおばあさんでも良い仕事をするよ。”

  

この決定機を逃したバーレーン選手達は肩を落としてしまい、生き返った Kiwi 達は攻守に輝きを取り戻し New Zealand に追加点が入ってもおかしくは無かった。
結局 Kiwi 達のスローガン “ One shot away fro glory : 栄光まであとワンショット“そのまま 前半でバーレン守備陣とGKを打ち破ってしまった。

失意の帰国となったバーレーン代表であったが4日後に引き続きマチャラ監督の指揮のもとマナマで Asian Cup のイエメン戦に臨んだ。 ニュージーランドの最終戦で起用されたスタメンから3人の選手が使われただけだった。それでも 4-0 と快勝を収め2年後の Asian Cup 出場をほぼ手中に収める事となった。 
日本とは来年3月3日に対戦する事となっている。また更に4年後を目指してチーム作りが始まっているのだと思う。