Mr.コンティのRising JAPAN

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All Whites の挑戦 いよいよ最終決戦を前に その1

2009-11-13 | 夏季五輪

何十年かぶりにワールドカップ予選突破のかかった試合の前日は世界的にこうなのかもしれない。 New Zealand の首都 Wellington では街中とまではいかないが All Whites の勝利を祈るポスターが貼られている。

日本がまだワールドカップを遠くから見ていた1981年12月に既にここの国の人々は自国がワールドカップに出場する瞬間を見届けた。そしてそれ以来の歓喜が訪れる事を期待する雰囲気が漂っている。
アウェーのバーレーンとて初出場のチャンスは充分にある。自国の Gulf Air はオーストラリアにいる留学生達の Wellington までの航空運賃代を負担してまでアウェーのサポートを支持する事に。街の広場ではバーレーンのワールドカップ初出場を信じるサポーター達が民族音楽に乗って存在感を示す。サッカーは世界中にあるのだ。という思いが強く再認識された…..

   

10月29日 バーレーン戦に臨むメンバー18人が発表。

11月14日の最終決戦に臨む All Whites のメンバー18人が発表された。そのメンバーは10月10日アウェーの地、マナマに遠征したメンバーとそっくり同じだった。 
心配された主将の Ryan Nelsen は所属クラブ Blackburn Rovers で蔓延する Swine flu の感染を逃れ、怪我が心配された Rory Fallon は所属先のPlymouth Argyle でEngland Championships の Ipswich 戦で元気にプレーを果たしに Ricki Herbert 監督を安心させた。
呼集された選手達は11月10日には Wellington で試合前の合同合宿に入る事になった。 そして今スタメン11はどうなるのかと巷では予想されている。 Herbert 監督は

“スタメンはまだ決まっていない。流動的である。”とコメントするがマナマでのアウェー戦で交代出場をした MF Michael McGlinchy と FW のChris Wood の スタメン出場が噂されている。
またマナマでは守備出来な 3-5-2 システムが採用されたので ディフェンシブ MF の右サイドに本来は攻撃的な選手 Leo Bertos そして左サイドに本来はDFの Tony Lochhead が起用されたが、ホームでは慣れ親しんだ 4-4-2 が採用される事が濃厚なのでマナマでは出番のなかった右サイドバックの Aaron Scott のスタメン入りが本命視されている。このシステムに就いて Herbert 監督は 

“もし我々が ( マナマ )で 4-4-2 を採用していたら間違いなくバーレーンは我々を破っただろう。ホームに戻った今は少し調整の必要がある。前線には3人よりも2人の選手を、恐らく Rory Fallon と Chris Killen を、そしてその後ろに Shane Smeltz を置くかもしれない。その方がSmeltz にとっては良いだろう。Chris Wood を前線に置く事は良いかもしれない。彼はレギュラーとして出場し良いプレーをしている。もし我々が彼をプレーさせねばならなければそれは躊躇する事ではない。"

Herbert は多くの選手達が所属チームに拘束される事無く11月9日までに Wellington 入りする為のフライトに乗り込めるであろうと言った。

“ Ryan Nelsen は11月7日(土)の Portsmouth 戦に出場したその日のフライトで Wellington に向かい Fallon と Wood も同じで共に同じフライトで帰ってくる。 Chris Killen だけが所属先のCeltic が11月8日に Falkirk 戦があるので10日までに帰ってこれ無い良いかもしれない。”

こう語ったが Chris Killen は結局 Falkirk 戦はベンチ入りからも漏れた。 All Whites 期待の Killen は今シーズン Celtic ではシーズン開幕から3試合連続で後半途中出場だった。第4節のDundee United 戦ではベンチからも外れたが5日後の Europe League の Hapoel Tel Aviv 戦では70分から途中出場。3日後の Heart of Midrussian 戦では90分フル出場を果たしシーズン初ゴールを挙げ続く Saint Millen 戦でもスタメン出場を果たすが56分にベンチに下げられ以降10月1日の Europe League の Rapid Vienna 戦で82分から出場しただけで Scottish Premier League では Europe League 共に出場機会が無い。ワールドカップ出場の為には得点が絶対に必要なのでその攻撃力を担う Killen の奮起が必要なのだが。

Herbert 監督は11月11日の練習からレギュラー組を選定するとの事であった。そしてJeremy Christie, Steven Old, Jeremy Brockie, Kris Bright 、GKの Jacob Spoonley をスタンバイリストに入れた。 GK の Spoonley 以外は全て FIFA Confederatins Cup のメンバーでJeremy Christie, Jeremy Brockie, Kris Bright の3人は出場もしている。

11月14日のバーレーン戦に選ばれたメンバーは下記の通り

GK  James Bannatyne (Team Wellington) 5 caps/0 goals
      Mark Paston (Wellington Phoenix) 22/0

DF  Andrew Boyens (New York Red Bulls) 14/0
      Tony Lochhead (Wellington   Phoenix) 20/0
      David Mulligan (Wellington Phoenix) 30/3
      Ryan Nelsen (Blackburn Rovers) capt 40/9
      Aaron Scott (Waitakere United) 5/0
      Ben Sigmund (Wellington Phoenix) 11/1 
      Ivan Vicelich (Auckland City) 71/7

MF Andy Barron (Team Wellington) 12/1
      Leo Bertos (Wellington Phoenix) 29/0
      Tim Brown (Wellington Phoenix) 26/0
      Simon Elliott (San Jose Earthquakes) 66/8
      Michael McGlinchey (Central Coast Mariners) 2/0

FW  Rory Fallon (Plymouth Argyle) 2/1 
      Chris Killen (Celtic) 25/17
      Shane Smeltz (Gold Coast United) 30/17 
      Chris Wood (West Bromwich Albion) 4/0

Herbert 監督が自ら指揮を執る Wellington Phoenix から6人も選出されている。
また A-Leauge 所属の選手は他に Smeltz と McGlinchey がいる。

10月14日 All Whites は望んでいる事に注意を払わねばならない…..

10月10日、マナマでバーレーンの猛攻を凌ぎ 0-0 の引分けを手に入れた All Whites はその先に見えるものはオアシスよりも蜃気楼に近いものである。
その試合と云うよりはスコアーは皆を “もし New Zealand が予選を突破して南アフリカワールドカップ南アフリカ大会に進出出来たなるのであればそこには勇ましい歌と踊りがあるだろうがしかしそれは毒入りの聖杯となりうることもある、と解説させるだろう。バーレンの暑さはAll Whites を南アフリカ行きのジェットエンジンと比べる事は出来ない。

ワールドクラスのレベルとは言えないバーレーンは後半だけで5度の決定的なチャンスを逸した。 Sayed Mohamed Adnan の素晴らしいFKはGK Mark Paston と云うよりもクロスバーがそのゴールを阻んだと言える。 Hussain Ali Ahmed と Salman らが得点出来なかったのは Paston のファインプレーであった。 0-0 と云う結果はこうほのめかさないが Leo Bertos の右サイド起用は混乱を招いた。最初の7分間だけで3度も Hussaun Ali に Bertos が持ち場を離れて空いたスペースに侵入を許した。
All Whites には Ryan Nelsen と云うワールドクラスのDFがいて攻撃でも威力を発揮する Tony Lochhead も充分に条件を満たしており、 Ben Sigmund も素晴らしい能力を持っているが不器用で経験に乏しい。Ivan Vicelich は全盛期を過ぎている。 Bertos のフルバック起用に就いてはもう議論すらする必要が無い。 Tim Brown はほとんど消えており、 Bertos とコンビを組んだ Simon Elliot は何も出来なかった。 試合の終盤 Chris Wood はウィングバックを降りざるを得なかった。
光ったのは GK Aston と 空中戦を制した Nelsen そして大型FWの Rory Fallon らが中盤でみせたボールを前線につなげようとする動きであった。68分に Tim Brown に替って投入された Michael McGlinchey のパワーは Brown, Simon Elliot からは見られなかったものでありホームゲームでは彼のポジションを見つけるべきだ。 

しかしこの引分けと云う結果を Leo Bertos は肯定的にとらえているようだ。
“こういう幸運が我々は必要だった。今度は我々は大歓声の後押しがある。我々は前進あるのみだ。試合開始からそれを敢行するまでだ。我々が最低必要な結果が勝利だ。もし勝ちさえすれば我々は成し遂げられる。だからそれを確実に行わねばならない。

一方のチームの重鎮 Ryan Nelsen はこの試合がラグビーの All Blacks とWallabies の試合と比べたらどうかという問いに嘲笑を浮かべた。
“私は何試合もの All Blacks vs Australia の試合を見て来た。しかしそれらは我々の(ベーレーン戦)試合に比べると欠伸の出るフェスティバルにすぎない。普通のニュージーランド人ラグビーサポーターにとって期待出来そうなものは手に入れられない事はない。

10月22日 バーレーン監督ストライカーの離脱の不安を振り捨てる 

Ala’a Hubail が膝の怪我で11月14日のワールドカップ予選には出場できない見通しとなった。所属クラブの Al Ahli で国内リーグ戦の Manama とのプレー中に痛めた膝がこの半年間の闘病生活の末に回復しなかった事が A. Hubail の離脱を余儀なくさせたがマチャラ監督はあまり気にしていない様子だ。
A. Hubail は3次予選では大勢が決まった最終戦の日本戦以外全てにスタメン出場を果たし初戦のオマーン戦そして続くホームでの日本戦にゴールを決めたが、最終予選では8試合中5試合に先発出場、329分間プレーしたがノーゴールに終わりその後はプレーオフのサウジアラビア戦では出場出来ず10月10日の New Zealand 戦では86分から Jaycee Okwunwanne に替ってプレーしたのみであった。
A. Hubail は前回もアジア地区最終予選は怪我でホームでのイラン戦のみの出場となった。前年、北京で開催された Asian Cup では得点王になり準決勝の日本戦では2ゴールを挙げたアジア屈指のストライカーがこの時のワールドカップ予選には出てこなかった事で安心をおぼえた方も多いだろう。しかし2003年に代表デビューして以来68試合で24ゴールを挙げた実績を持つ A.Hubail にマチャラ監督はこの大一番を欠く事はさぞ手痛いだろう。

“ Ala’a を失う事は非常に残念だ。何とか回復をしてほしい。多くの選手が以前もバーレーンで怪我に悩まされたそれは非常に残念だ事だ。 来る日に備えて他の選手を招集するかを話し合わねばならない。”

しかしバーレーンチームにとっても吉報がある。 National Carrier の Gulf Airチャーター機をアレンジ。11月7日にトーゴと親善試合を行った後にキャンプ地のシドニーに向けて出発し11月12日に試合が行われるウェリントンに向けて出発する。またこの試合をサポートする為に現地に赴くサポーター達に航空運賃代を NZ$1,385 ( 約90,000円 )にするとの事であった。
そしてGeneral Organisation for Youth and Sports はニュージーランドに在住する約50人の留学生と30人のシドニーに滞在する留学生達の Wellington までの航空運賃代と宿泊費を負担しチームをサポートするとの事。

その Bahrain は Togo を 5-1 で粉砕しその余勢を持って南半球のウェリントンに旅立った。当初この試合の対戦相手はルワンダを予定していたらしい。
この試合 Bahrain はSalmeen, Jaycee John, Salman Issa, Sayed Mohammed Adnan, Faouzi Aaish, そして Mohammed Hussein らの中心選手が所属クラブの都合で起用出来なかった。

37分にはこの日 MF で起用された Abdulla Fatai が至近距離からの先制ゴールを決めた。 Fatai は所属クラブのスイス Neuchatel Xamax から同じく Bahrain 代表選手の Abdulla Ismail Omar とともに早々と代表チームに合流する事を許された。
前半終了間際には Abdullateef が代表初ゴールを決め 2-0 とリードを広げる。 Abdullateef はサウジアラビアとの2試合のプレーオフに途中出場し10月の New Zealand 戦でも79分から Salman Isa に替って出場をはたしている。
57分には再び交代出場選手の Abdulwahab Ali からの素晴らしいワンタッチパスを受けた Abdullateef が低い弾道のショットを放ち Togo ゴール捻じ込み 3-0 とする。 Abdulwahab は10月の New Zealand 戦はベンチ登録から外れたがサウジアラビアとのプレーオフでは2試合とも途中出場をしている。
3点をリードされた Togo は69分に18歳のストライカー Sename Dove Wome が Abbas Ahmed の守るゴールを破り1点を還す。 Abbas Ahmed は Bahrain 代表の第3キーパー。
88分には後半から出場した Ahmed Hassan Rashid が Togo MF Sadat Akoriko Ouro に倒されPKを得る。 Akoriko Ouro にはイエローカードが出される。このPK を Husain Baba が決めてリードを3点にもどし、ロスタイムには再び Bahrain がPKを得てこれを Abdula Omar が決め 5-1 とリードを広げ試合を終えた。

“ 5ゴールも奪えた事は New Zealand 戦に向けて精神面で助けになる。これは我々が何を出来るかのサンプルで親善試合で出来たが試合の中で同じ事が行えるという事の証明だ。”とコメントを残した。
親善試合でこの前の日本戦同様主力選手が皆無の状態の Togo 代表が相手とはいえ5ゴールも奪えたのはチームとして大きな自信になったと思う。
Bahrain 4年前 トリニダードドバゴ相手に大陸間プレーオフを戦い敗れて後一歩のところでワールドカップ出場を逃した。しかしこの経験は大きく All Whites の前に立ちはだかる事も考えられる。
                                          続く