Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

勝ち点3を求めて Adelaide から ACL第三節

2007-04-13 | Aussie & Kiwi
後半、Adelaide に選手交代は無かったが、城南一和はブラジル人FW Itmar を下げて Kim Dong Hung を投入した。フォーメーションをどう変えて来るのだろう?と、城南の白いユニフォームを目で追っていると、47分に Nathan Burns が中盤でボールを奪い前線のDijte に、そして中央やや左を突破し、中に送るとそこには走り込んで来た Fernando がワントラップし放ったショットはついにGK 金龍大を破りホームの Adelaide が先制点を挙げた。 大歓声の Hindmarsh Stadium すぐ近くのサポーター達は ABBA の Fernando の合唱を始め先制点を祝福する。さらにその大歓声に乗って直後に今度は右サイドを崩して中央にいた Fernando がまたも放ったダイレクトシュートは惜しくも外れる。54分にはまたも右サイドからチャンスを掴み Dijite がヘッド、いったんは前にクリアーされたが、ペナルティーエリアの外からそのクリアーボールを Constanza がボレーでシュート。またも大歓声が沸く。その興奮が残る中、センターライン付近で崔成国が倒されて得たFKから早いリスタートで再び崔成国に渡るとそのまま高速ドリブルで Adelaide ゴールに一気にせまる、そして中央にあがった Mota に好クロスが入るが、完全なフリーの Mota はそれを外してしまう。韓国人サポーター達の落胆と Adelaide サポーター達の安堵の雰囲気が残る中、Costanzo が右前方の Doddoにフィード、そして右サイドを上がり中の Dijite へ、Dijite は腿でワントラップしてそのボールを城南ゴールに蹴り込み追加点を挙げた。チャンスを外し続けていた Dijit が貴重な追加点を挙げた。そしてその直前に絶好の同点機を外した Mota の心境はどうだっただろう?近くのサポーター達は “ Do Hustle !!” の曲を歌いだす。その部分は “ Bruce Hustle !! “ と歌詞を置き換えられる。
韓国人達は静まり返ってしまった。子供達までいるのになぁ、と思っているとその直後に崔成国が右サイドを高速ドリブルで上がり、中に切れ込むそしてDF二人を引き付け、後半から登場した逆サイドの Kim Dong Hun に。フリーの Kim は落ち着いてワントラップを入れネアサイドに蹴り込み1点を返すゴールを決めた。今度は韓国人達が躍り上がって喜ぶ。そして Kim Dong Hun ! Kim Dong Hun !! の歓声に続き Choi Sung Kuk ! Choi Sung Kuk !! の歓声 そして御馴染の “テ~ハミングッ” “オ~ピルスンコレア!! ” の合唱が始まる。それにしても崔成国のスピードはさすがだ、そしてクロスやラストパスに正確さが備わって来た。また近い将来Jリーグでプレーするかも。崔成国がドリブルを始めると韓国人達からは “ Choi Sung Kuk ! Choi Sung Kuk !! “ のコールが始まる。その崔成国が右サイドで後ろから Valkanis に蹴られて倒される。何度も倒されているが今度はAdelaide サポーター達の MASH の合唱が終わっても起きれない。ピッチ内での治療が始まる。大事に至らなければ良いが、ようやく起き上がり一旦ピッチの外に出ると、今度はメインスタンドから大ブーイングだ。ラグビーやオージーフットボールの盛んな国なのでそれくらいで倒れるなとでも言いたいのだろうか?
64分に城南一和は二人目の交替選手、韓東元を孫大鍋に替えて投入する。城南一和が1点を返してからは両チームともお互いにカウンター攻撃が続く、一方が攻撃に転じると両サイドバックが開いてしまうので守っている方は簡単にカウンターでゴール近くまで迫る事が出来て、攻守の速い展開が続き見ている方は面白い。 Fernando , Dijite がゴール前に迫るがチャンスを得点に結び付けられない。70分を過ぎると Adelaide ベンチに動きが出てくる。71分には DF Alagich を替えて長身の Comthwaite が投入され、74分には大歓声に送られて Fernando がベンチに下がり、Spagnuolo が入る。これで Adelaide は左から Gouliding, Valkanis, Rees, Spagnuolo の4バックでその前に Constanza がボランチの位置に。 だが次のゴールを決めたのは城南一和。 Kim Dong Hun が右サイドをドリブルで上がり中の Mota に、ペナルティーエリアやや外からのミドルシュートは GK Bajic を破り試合を振り出しに戻した。ACLの初戦、第二戦と連続してゴールを決めた Mota が、この試合散々チャンスを逸した Mota がやっとゴールを決めた。韓国人サポーター席は狂喜乱舞と言ったところか?しかし、同点では喜ぶのは首位を行く山東魯能だ、どちらも次の1点が欲しくてたまらないはず。城南一和は崔成国を下げてルーマニア人FW Adrian Neaga を投入する。これで前線を Neaga , Kim Dong Hun の2トップにし、その下に韓東元を置くがもうほぼ3トップの布陣。Kim Dong Hun のボールキープが目立つが Adelaide も必死の守り、DFが二人、三人で囲ってシュートをブロックする。長身選手同士Kim Dong Hun と Spagnuolo のマッチアップは迫力がある。 Adelaide も大歓声に乗って逆襲に転じるが、Dijite がシュートを決められない、そしてGK金龍大も好セーブを連発する。すると今度は韓国人サポーターから歓声が上がりそのまま Adelaide ゴールに迫る。城南一和はDF Jang Hack Young が上がってきてミドルを放つ。 85分には Adelaide ゴール前で Mota にボールが渡り Valkanis がタックルでシュートを撃たせない。Mota は転倒しホイッスルが鳴るがこれは Mota のシュミレーションを取られてイエローカードが出る。 Adelaide サポーター達からは大ブーイングだ。そして90分を迎えるがロスタイムはまだ3分ある。城南が Kim Dong Hun のボールキープから Mota が放つがバーの上、そして Dijite が連続してシュートを放つがGK金龍大の正面に。そして最後は Mota がペナルティーエリアのすぐ外からフリーで放ったシュートはクロスバーのはるか上を越えてホイッスルが鳴った。このシュートでMotaは足がつったのか倒れて動けない。選手達が韓国人サポーターの前に挨拶にやって来ても起き上がれなかった。
おそらくこの日の夜、 Mota と Dijite は眠れない夜となっただろう。 まさに痛み分け、3試合を残しているが首位山東魯能とは勝ち点5の差がある。

Stadium のすぐ前で待っていたタクシーに飛び乗るとラジオからAdelaide United のAurelio Vidmar監督のインタビューが聞こえてくる。この試合を中継していた地元FM局からだ。多くあったチャンスを生かせなかったこと、そして相手GKの好セーブが勝ち試合を逃したことをコメントしていた。3週間前に Sydney FC もそうだが2点リードを守り切れないところは、リーグ戦が終わって1か月半以上が経っているので試合感覚、そしてフィジカルの面が鈍っている事は否めないだろう。
タクシーの運転手は Adelaide 在住18年のサッカー好きな中国からの移民。15分余りの乗車時間、サッカー談議に花が咲く。

-今の日本のサッカーはアジアでナンバーワンだ、それだけに昨年のワールトカップの結果は残念だ。韓国は体力とスピード勝負なので見ていて面白くない。
-中国はこれから強くなるのでは?若い良い選手が出てきている。方卓、郑智 に杜威。
-まだまだ、日本や韓国には及ばない。中田英寿は素晴らしかった。そして今は中村が良い。
- 1980 年代の中国はすごかった。賈秀全、馬林、柳海光 彼らの時代、日本はかなわなかった。ソウル五輪予選は負けた。
- そうそう、私もその時代の選手達が好きだ。よく知っているな。

しかし謝育新は私の発音が悪かったせいかわからってもらえなかった。正しい発音をすれば解ってくれただろうに。
Adelaide の印象を訊くと、住むには良い街だがビジネスチャンスは少ないとの答えだった。

翌日は1,2軒営業に回ってようやく帰国の途に着ける。珍しく寝る前にビールを飲んだらすぐに眠ってしまった…..

韓国国家代表及び五輪予選メンバーは下記のサイトを参考にさせていただきました。ありがとうございました。

http://koreafootball.tea-nifty.com/topics/2007/04/post_1736.html#comment-12907555

http://koreafootball.tea-nifty.com/topics/2007/03/post_8426.html

学生街の Adelaide にて ACL 第三節 前半

2007-04-13 | Aussie & Kiwi
Sydney から空路約2時間。アデレードに到着。ここはSouth Australia州の州都とはいえ、Sydney と比較すればかなりの小規模だが小奇麗に整理されている感じを受ける。大学が多く、世界各国からの留学生が多い街として昔から知られているらしい。 Sydney は都会すぎて誘惑は多すぎるし、Melbourne は天候がいまいちで何か保守的な雰囲気があり、Brisbane はすぐ近くに Gold Coast と言う大リゾート地があるので、勉学に集中するにはここ Adelaide が適切なのだろう。
かつて Beatles がオーストラリア公演を行った時にこの Adelaide からツァーを始めた。最初のAdelaide コンサートはRingo Star が病気で参加できず 替わりに Jimmy Nicole がドラマーを務めた。
2000年のシドニー五輪の準々決勝で日本五輪代表は準々決勝でアメリカにPK戦の末敗れたがその時の会場が今の Hindmarsh Stadium , A- League に所属する Adelaide United のホームグラウンドだ。そして昨年はここで女子のワールトカッフアジア゜予選が行われなでしこ達がこのピッチで戦った。
その HIndmarsh Stadium に Adelaide United は4月11日韓国の城南一和を迎えAsia Champions League の第三節の試合が行われた。両チームの所属する Group G は山東魯能が2戦2勝で首位を行き、同日の第三節の相手もホームにベトナムの Dong Tam Long An を迎えるので勝ち点3を挙げるのは予想される。従って準々決勝進出の為にも両チームとも絶対に勝ち点3が欲しい一戦だった。
競技場のチケット売り場の前には多くの人が当日券を求める。そして韓国の人達も。在留の人たちがほとんどであろう。学生の街らしく韓国代表のレプリカを着た若者が多い。こちらじゃなかなか城南一和のユニフォームは入手難しいだろうしなぁ。2004 年の ACL では横浜マリノスと対戦した。その時はスタンドの一角に黄色いユニフォームを着た一団が熱心な声援を手拍子を交えて送っていた。
そして当時マリノスでプレーしていた安垣貞へは結構なブーイングを飛ばす人達もいた。

地元 Adelaide はACL 1,2 戦でゴールを守った Beltrama に替わり Robert Bajic がGKのスタメンに。そして MF Matthew Kemp が外れて Diego Walsh が起用された。 Kemp は6月末まで Adelaide との契約が残っていたが契約延長はせずに7月からは Melbourne Victory でプレーすることに。また、チームの重鎮でもあった MF のRoss Aloisi が怪我の回復の見通しが立たずついに引退を発表した。 彼も ACL を楽しみにしていたはずなのに。 一方の韓国の城南一和。この試合は 韓東元、そしてルーマニア人の Adrian NeagaのFW をスタメンから外して、孫大鎬、そして崔成国の代表コンビをスタメンからで起用。代表組では他にも MF 金相植、金斗鉉 GK 金龍大、がこの前のウルグアイ戦に選出され、この試合はベンチスタートだったがDF 金台潤、MF韓東元が次の五輪予選のウズベキスタン戦に臨む五輪チームに選ばれている。もう一人金浩と言うDF 選手が五輪チームに選ばれているがこの試合にはメンバー入りしていなかった。 Adelaide United は FW の Burns, Dijte の二人が五輪代表でこの前のサウジアラビア戦を戦った。

スタンド内の入りは8割程度か?ここは専用球戯場なのでピッチが近い、さっそくゴール裏に行くと近くに韓国人の大応援団達が。
その横で10人ほど地元 Adelaide のファンがビール片手に応援を。既に何人かは出来上がっている。もちろん反対側のゴール裏には赤いシャツを着た Adelaide United の大サポーター軍団が控えている。つい2か月ほど前に終わった昨シーズンの A-League では Adelaide United はGrand Final に進出したが、そこで Melbourne Victory に 0-6 と大敗北を喫しそのままシーズンは終了。この試合のスタメンの殆どはその Grand Final でプレーをしたが中2か月を置いての試合で実戦感覚が心配なところだ。対戦相手の城南一和は現在 K League で首位を走る。

両チームの選手が入場する。気温は夜になると下がったが半袖がちょうどいいくらいで、観戦には都合がいい。
コイントスの結果、目の前にゴールは城南が守る事に。韓国応援団からは大歓声が送られる。何人かの選手は手を叩いて彼らの声援に応える。立ち上がりは Adelaide は MF Travis Dadd, FW Fernando Rech のボールキープが目立つ。 Dadd はかつて U-17,U-20, U-23 にも選ばれた選手で ギリシアの Panionis でもプレーし UEFA Cup ではイタリアのウディネーゼ相手にゴールを決めてチームを勝利に導いた。 Fernande はブラジル人の助っ人で昨シーズンは18試合に出場し7ゴールを挙げた。1997年には横浜マリノスにも在籍したらしい。 城南一和は立ち上がりから崔成国のドリブルが目立つがそのサポートが遅い。何度も Adeliade の波状攻撃を受ける。
14分には Cho Byung Kuk, 金斗とつながり Mota がシュートを撃つが DF Valkanis がコーナーに逃げる。そのコーナーから Mota がヘッドを放つがゴールポストに阻まれる。これが城南最初のチャンスであった。更に18分には崔成国が左サイドをドリブルで上がりフリーの Itmar に送るがシュートは外れる。 Adelaide も19分にはフェルナンドのボールキープから最後は Bruce Dijte に渡りフリーで放ったシュートは GK 金龍大が抑える。城南一和は右から Park Jin Sub, Kim Yong Chul, Cho Byung Kuk そして Jang Hack Yong の4バック。しかし、DFが上がった時のマークの受け渡しがいまいちスムーズにいかず、特に両サイドの後ろを突かれている。 Adelaide FW 陣、特に Bruce Dijte にもう少し決定力があれば得点も挙げられただろう。それでもシュートに持ち込みサポーターを沸かせるのは城南一和の方が多い。30分にKim Yong Chul と Constanzo のDF同士がハイボールを競り合い交錯し Kim Yong Chul が倒れる。すると Adelaide サポーター達から “ MASH “ の主題歌が合唱される。この映画は私も大好きで、テレビ版も有りよく深夜に放映され、何度も看たが、舞台は朝鮮動乱時の韓国に駐留する米軍野戦病院。そう言う事まで知っていての選曲ならば Black Joke としては効きすぎていないか?しかし、韓国人たちも何も言わないのだからそこまで知らないか? Kim Yong Chul は鼻血を出したがピッチに戻る。韓国人サポーター達からは歓声があがる。そしてこの時間帯、城南一和が主導権を握る。FW Iatmar のボールキープそして金斗鉉が攻撃に絡み出した。崔成国は右に左にポジションを変えてドリブルで切れ込んでゆく。しかし、Adelaide DF 陣も何とか持ちこたえ逆襲を狙う。これに Travis Dadd, Diego Walshu のMF陣が加わる。37分には左から右の Dadd にボールが渡りDFをかわしてシュートに持ち込むが最後は Cho Byng Kuk がスライディングでブロック。しかし、最後に弾んだボールが Cho の手に当たった様に見えた。 Dadd はハンドを激しく強調するが判定はかわらず。 42分にはCKから Diego Walsh がヘッドで狙うがGK金龍大がセーブ。そしてその直後も Nathuan Burns からのパスを受けた Walsh が再びショットを放つがまたも金龍大がキャッチ。結局前半はそのまま両者無得点のまま終わった。
ハーフタイムの間、大極旗を持ったサポーター達と Adelaide のサポーター達が記念撮影をする等のシーンが目に付く。 Adelaide United は地元では “ Reds “ と呼ばれているが、韓国人の中にはおなじみの Be the Reds のシャツを着ている人もいた。
この試合は“部外者”である私は第三者的にゆっくり試合を観られる。 United Supporter の一人に”インタビュー“を試みる。

-前半の戦いに就いての印象は?
-もっと、やれると思っていた。もっとスキルも高いし早く動けるはずだ。
-Grand Final が終わって1ヶ月半間が開いて Asia Champions League が始まった が城南一和は今シーズン中でしかも首位を走っている。この違いは感じるか?
-Adelaideも選手の何人かは五輪候補にリストアップされトレーニングは続けているはずだ。
-韓国側(城南一和)は代表選手が5人いるが、そのあたりは?もちろん United にも五輪代表候補がいるが。
-なかなかタフな試合だ。彼らはあたりも強いしスピードもある。
-最後に、 ACL のタイトルを取れば日本で開催される World Club Championship の出場資格を得られるがその時は日本に来ますか?
-もちろん応援に行く。日本には友人もいる。

俺ももっともっと英語を勉強しないとなぁ。 後半に続く