Mr.コンティのRising JAPAN

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Wカップサッカー・イラン戦分析

2005-03-26 | FIFA World Cup
イラン戦を振り返る

御周知の通り25日テヘランでのイラン戦では勝ち点を上げる事が出来なかった。引き分けられた試合だっただけに勿体ない気がする。では何故勝ち点を上げられなかったのだろうか?
私なりに振り返って分析してみよう。

試合直後20分は日本のペースであった。カリミがボールを持つと複数で囲み自由にさせなかった。そしてマハダビキアのシュミレーションを誘ったが、これも思う様に攻撃出来ない焦りからであろう。そしてワントップのダエイはあまり見せ場を作れぬまま怪我のせいもあって前半終了前に交代を余儀なくされた。 だがイランも日本をよく分かっていた。中村には反則覚悟の当たりで動きを抑え、2度ほどピッチ外に運び出された。そして2トップの玉田、高原は相手の密着マークで仕事をさせてもらえなかった。中村、中田の二人は守勢にまわる機会が目立った。イランの攻勢が続く中で、フィニッシュまで持って行け無かったのはボールがあまり回らなかった為で、それは日本DFが上述した通り、ドリブル突破に頼る2列目の玉離れが悪かったからだ。 だがここでイランはフォーメーションを変えてきた。カリミを3列目に下げ、ザンディ、キャビィが2列目に出て来て、ワンタッチ、ツータッチでボールを回し出した。そうすると、イランの攻撃陣が余裕を持ってボールを受けられるようになり、マハダビキアのドリブル突破に冴えが出てきた。カリミも下がった位置ではマークもタイトで無いので、そこから勢いを付けて中盤から日本陣内を切り裂くシーンも見られるようになった。
25分にFKからこぼれ球をハシュミアンが押し込んで均衡を破るが、その前に加治が引き倒されながら笛が鳴らなかったのはイランのホームゲームだからか?主審のシンガポール人、シャムスル=サイビン氏はアジアカップのバーレーン戦で遠藤を退場させた審判だ。 
何度か、イラン選手のファール気味のプレーは流され、イラン選手に対する日本DFのチャージは厳しすぎた気がしたが、ワールド杯予選ともなれば審判も相手にせねばならない。日本の前半の好機らしい好機は開始早々の中田のスルーパスに反応した玉田のシュートと34分の小野のミドル、40分以降に2度程CKからチャンスを作ったくらいでFWは仕事が出来なかった。特に試合前に考えられていた相手右サイドの後ろをつくと言うシーンは見られなかった。三浦の上がりも40分になって初めて見られたが、中村は守備に腐心する時間が多く、これだけ押し込まれた展開ではFWが孤立してしまい、そこにボールが出ないのは当然で、やはり試合の途中にでもトップ下に選手を配して、MFからのボールを繋げると言う方策を取れなかったか?
一方イランは40分にダエイに替わってドイツ・ボーフォムでプレーするナミドキアを入れると、ハシュミアンとカリミの2トップにし、そしてドイツからの帰化人選手ザンディを2列目に上げ、攻撃をダエイ+2列目3人からツートップ+3MFに切り替えた。それにより、マハダビキアが縦横無尽に動き、そこから起点になるシーンが続く。
後半に入ると柳沢が投入されたが、足元でなく流れながらボールを受けるのを得意とする彼の動きからボールが回るようになり、福西の同点ゴールを演出する。
ここから、稲本を入れるなどして疲れの見え始めた中盤を1枚増やして、3バックに戻し失点を防ぎながらも攻撃力も維持すると言う方策は取れなかったか? 大黒、小笠原が投入されたのも 1-2 とリードされてからで、点を取りに行くにも、守備を厚くするにしても手を焼かされたザンディを下げてくれた後に同点に追いついただけに、早めに手が打てなかったか?
久しぶりに見た柳沢は同点ゴールを演出した以降はあまり目立てず、所属チームでのレギュラーと控えの差か同じメッシーナに所属するレザイエに抑えられることも。
ザンディに替わって投入されたアラビは2次予選初登場であるが、守備意識の高い事で定評があり、2点目を許さなかった。 しかし、この試合のMVPはなんと言ってもマハダビキア。
攻撃だけでなく、自らのスルーが起点となった2点目が入ってからは自軍ゴールにも姿を現し、日本の攻撃の芽を摘んだ。 日本は欧州組みで及第点を付けられるのは、中村くらいで、中田は最後まで見せ場を作れなかった。次のバーレーン戦までにはコンビネーションが合って来る事を願う。
これで、日本はクループ内で3位に転落したが、ワールド杯予選を無敗で本大会に進出する国などそもそも皆無に等しく、イランは最大の難敵でしかもアウェィでの試合では負けも覚悟も必要な相手だ。選手のコンディション問題もあるが、中4日で次のバーレーン戦を迎えられると言うことは雑念をいれる時間も無いと言うことだ。
ホームでしっかりと勝ち点を上げてもらいたい。