Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

シーズン初の連戦連勝。このまま上昇気流に・・・・  横浜FC 0-2 京都サンガ 6th May 2014

2014-05-14 | ロンドン五輪
連休最後の日の朝は前夜から続いていた小雨は上がってはいたけど曇天で少し寒かった。
だけど雨は降らないだろうと思った。昨日降ったからもう降らないだろうと。
そしてサンガはこの試合で勝たねば次に上昇のきっかけになるのは当分先で今シーズンはこのまま昇格争いから徐々に離脱するかもなぁ~と思った。

何しろ1週間前の湘南戦は絵に描いた様な完敗劇。これではとてもJ1で戦うチームに値しないと思わされた。
幸い?4日後に行われた次節の対戦相手は最下位の讃岐だった。もし次節、讃岐サポーターには申し訳ないが、もっと上位チームとの対戦だったらどうなっていただろう?
讃岐戦には前節湘南戦とはフォーメーションを替えてジャイロをボランチの位置から下げてアンカーに置き、ボランチに工藤と中山博貴を置き前線は大黒のワントップにし2列目右に横谷を、左に三平を置く布陣に替えた。 このシステム変更が功を奏したのか結果は 4-1 の快勝だった。しかし終了前に失点を喫した事が気になった。 
この試合結果はシステム変更か対戦相手に寄るものかは次節の横浜FC戦にわかるだろうと思った。

横浜FC戦は殆どいつも仕事仲間のSさんと観戦する。仕事仲間とは聞こえが良いが実はガチのライバル会社。仕事上ではSさん会社の製品や海外代理店としょっちゅう相対する。
しかしSさんとは一度も仕事の話をしたことが無い。いつもサッカー談義に尽きる。この日も先にニッパツ三ツ沢競技場に入ってもらって席を確保して貰った。隣には中学2年生になった息子さんが。大きくなったね~と。うちの息子はもう大学生。今はおろか、中2の時はもう一緒には観戦してくれなかったかな?
まぁ私も中学生になったら親父を徹底的に避けていたしなぁ・・・・

それにしてもA席とはいえさすが専用球技場。観戦状態がすこぶる良い。同じ神奈川県にあるBMW平塚や横浜国際とは比較にならない。正直入場料金の半分は返金して貰いたいくらいだ。まぁ陸上競技経験者からすると陸上トラックには何も恨みは持たないが。
EURO2008 決勝のスタジアムとなったウィーンの競技場は陸上トラックがあったけど客席には適度な傾斜が施されており非常に観戦しやすかった。そういう気遣いは考えてほしいものだ。 あれじゃ、陸上競技を観戦するのも一苦労だ・・・・

試合開始の半時間前に到着したのでSさんと三ツ沢競技場談義に花が咲く。 
日本リーグ時代は日産自動車の試合を観戦しにここによく通った。あの時はまだ地下鉄が無くて横浜駅からバスを使っていた事、今となっては当時、木村和司を初め水沼、柱谷兄弟、松永、金田、越田らを見られたことは貴重な事だった・・・ってな話を。俺もそろそろ生き証人の域か??

ピッチ上でアップする選手達の中から KAZU の姿を探したのだけど見当たらなかった。 S さん曰く、KAZU はアップも別メニューだから・・・との事であったけど。

両チームスタメンの発表が始まった。サンガは前節讃岐戦と同じスタメン。という事はジャイロをアンカーに置く布陣だろうなぁ・・・と想像した。 

ホームの横浜FCは、まず最初に紹介されたGKが南雄太ではなく今季J-League 初出場となる渋谷飛翔であることが最初の驚きであった。DFの4選手こそ前節北九州戦と同じスタメンだったが、中盤から前はボランチの寺田紳一以外は全員入れ替わっており都合スタメン6選手が入れ替わっていた。
横浜FCも第10節では湘南相手に先制しながら3連続ゴールを喫し完敗。次節は下位に低迷する讃岐を相手に勝利を納めるも前節北九州には敗戦を喫しておりなかなか波に乗れないらしく、まだホームでは勝利を挙げていないとの事だった。山口監督のこの試合の選手起用は低迷する現状を打破したかったのだろう。今季は既に対戦した磐田とは引き分けている。それだけの実力はあるのだから何かきっかけがあればと私でさえ思った。  そしてこの試合も King KAZU はベンチに入っていなかった・・・・・



京都のキックオフで始まった試合。開始早々に横谷が倒されてしばらく立てない。
1分35秒には左サイドを永田が上がりFWホナウドに送り、野崎に戻すがタイミングが合わなかった。ホナウドが3試合ぶり、野崎も前節は出場機会がなかったので実践不足が出てしまったか?通っていれば良いチャンスになったかもしれなかった。
6分10秒、大黒が飛び出してボールを受けるが線審の旗が上がりオフサイド。すると前方に陣取る横浜FCサポーター達からブーイングが。2010年のシーズンにここでプレーした大黒にはスタメン紹介の時も横浜FCサポター達からはブーイングと拍手が入り混じっていた。 



立ち上がりは横浜FCの出だしの速さが目立ったが、工藤がその攻撃の芽を摘んでいた。アンカーにジャイロが置かれたせいか、1週間前に観戦した湘南戦に比べると高い位置に出てくる頻度が高かった。
12分、三平が逆サイドの横谷に振るとそのまま横谷は前線に上がりCKを引き出す。そのCKから繋いで博貴が放ったシュートは力なく渋谷がキャッチするはずだったが、渋谷はファンブル。それを大黒が逃さず横浜FCゴールに押し込んでしまった。
あまりにもあっけないゴールだったのですぐにゴールインと解る人は少なかったと思う。ピッチ上の選手達も含めて。
私は主審に目をやるとセンターサークルを指していたのでゴールインを確認出来た。
今季初出場の渋谷の痛いキャッチミスだったけどその前に誰かと交錯したのかな・・・・

サンガのゴールを見たのはいつ以来だろう?先週の湘南戦も昨年の悪夢のJ1昇格決定戦も完封されたしなぁ~。
先制ゴールを許した横浜FCは直後の14分に永田が左サイドを突破して来る。 前半は永田のサイド突破が
横浜FCの攻撃の生命線だった。それ以外はジャイロをアンカーに置き工藤が高い位置からプレスを掛けて攻撃の糸口を摘んでいた。その上この日のサンガの選手はチェックの速さが目立つ。



“サンガのチェック早いですね~。それに厳しい。” Sさんがこぼしていた。
サンガの選手の動きがよく解る。本当に見易い競技場だなぁ~と私は感謝した。
29分野上に工藤が後方から強烈なタックルを見舞う。すると野上は立ち上がれない、そしてこのプレーに主審は何もホイッスルを吹かない。 ボールがサイドに出されてようやくプレーがストップ。野上は外に出された。
ホイッスルが鳴ってもおかしくはなかったかな?と思ったがその前に工藤は何かチャージを受けたのかな?
横浜FCのDFラインは一時的に松下がCBに入った。 野上はしばらくして後方からの横浜FCサポーターの歓声を受けてピッチに戻ったけどSさんは
“脚を引きずっているから替えた方がいいんじゃないかなぁ~”と案じていた。 しかし結局野上は最後までプレーした。



京都がボールを支配する中でも永田にボールが入った時は横浜に攻めの形が出来掛ける。そして前線はホナウドと野崎の2トップ気味になる。 36分には飯尾と小野瀬のパス交換からいい形が出来たがシュートには至らない。 38分には前線に上がった永田が上手く動いてスペースを作り飯尾のミドルを引き出す。 40分には左サイドをドリブルで上がった永田が飯尾を狙ってクロスを入れるがここはスンフンがキャッチ。 ホームのサポーター達が沸くシーンが続いた。
しかし次のゴールを決めたのはサンガだった。 ロスタイムに入ろうかと言う44分、GK 渋谷が故意に時間を稼いだと主審が間接FKをサンガに与える。渋谷はそのままボールを持っていればいいのにボールを蹴りあげてしまう。それを受けたサンガの選手がPA内にボールをセットするが今度はドウグラスがそれを阻止しイエローカードを受ける。 この一連の主審の判定に対し同然横浜FCの選手達は不満を隠さない。だが判定は変わらず壁を作る。



そしてセットされたボールを比嘉、中山、酒井がまたぎ横谷が足の裏で後ろに少し下げたところを石櫃が走り込んで放った強烈なショットがゴール上右隅に決まりリードを広げた。



サンガにとっては良い時間帯での追加点。それも贈り物のチャンスから。 この失点堪えるだろうなぁと思った。1週間前の湘南戦での2失点目の様に……
前半終了直前にもサンガは工藤が右サイドを突破しクロスを上げるがここは松下がクリアー。そしてホイッスルが鳴った。

こんな気分で前半を終えられるなんていつ以来だろう・・・・・と思った。



ハーフタイムの間Sさんと色々話し込む。今日もホーム初勝利は遠い、あの2点目が痛いってな話を。
“それにしても寒いですね。” と私が話題を変えた。 本当に冬に着るヤッケを着て来てよかった。
しかし試合内容とここからの見易さも手伝いその寒さは苦痛にはならなかった。

両チーム選手交替無しに後半が始まった。 湘南にやられたみたいに立ち上がりに3点目が決まればいいのだけど・・・・





しかしそんなに甘くは無い、51分14秒にはホナウドから小野瀬にスルーパスが通りそうになるがその前に酒井がカット。通っていれば危なかった。 後半立ち上がりから横浜FCは最終ラインを高く上げて来た。それでもその裏を大黒が上手く狙っていた。52分には右に流れた大黒が中に入れ中山が横谷にヘッドで折り返すが横谷がオフサイドを取られた。
55分横浜FCベンチは飯尾を下げて前節でスタメンだった黒津を入れる。黒津はトップに入ったかなと思ったけど交替当初は2列目だった。63分今度はサンガベンチが動く。 右SBの石櫃を下げて福村を入れる。永田対策か?



65分小野瀬が右サイドを突破し入れたクロスは中央に走り込んだホナウドを越えてホナウドの左に走り込んだ野崎がフリーでヘッドを放つ。やられた、と思ったけどシュートは外れてくれた。 
そしてその直後素晴らしいクロスを上げたばかりの小野瀬がベンチに下がり小池が投入される。そして黒津がトップに入り2列目右に小池、左にホナウドが入った。



後半はやや横浜FCが優勢のまま進むが72分にサンガがチャンスを掴む。 工藤のスルーパスに三平が抜け出しフリーでシュートを放つが三平の放ったショットはゴール枠を外してしまう。 決まれば試合も決まったんだけどなぁ~と思う。
この失敗が Badu 監督の逆鱗に触れたのかすぐに三平は駒井に替わってベンチに下げられてしまった。



横浜FCは前半と比べて縦の連携もここに来てよくなって来たがサンガDFラインとアンカーのジャイロがよく効いており決定機を作らせない。そして横谷、駒井のドリブルからのカウンター攻撃がよく見られる。
80分横浜FCベンチは前半はあれだけ見せていたドリブル突破があまり見られなくなった永田を下げて野村を投入し2列目右に入れ、小池を永田のいた左SBに入れる。
そしてサンガは83分、前線からプレスをかけられる様に横谷を下げて有田を入れ大黒と2トップを組む。
85分過ぎから横浜は何度もサイドから中盤からロングボールをサンガゴール前に放り込むがバヤリッツア、酒井らCBを中心にDF陣が跳ね返す。 そして3分あったロスタイムも過ぎサンガが3試合ぶりに相手を完封した。前節からジャイロをアンカーに置くフォーメーションがここでも功を奏したか。

また勝てませんでした~。 Sさんが苦笑する。 横浜FCサポーター達からはスタメンを6人も入れ替えた山口監督に罵声が飛ぶ。 先週のサンガサポーターもそうだったなぁ~・・・・・・





久々サンガの完勝を見られた。 でも願わくば磐田や湘南相手にこういう勝ち方をしてくれれば・・・・・

また横浜FC戦を見に着てください。 Sさんは私にそういって駐車場に向かわれた。私が“KAZUがみたいでですね~。”と答えた後に。 そしてサンガサポーターの喜びの雄たけびを聞きながら・・・・

まだ少し残るけど咳はだいぶ和らいで来た。そしてサンガは次節長崎戦も 2-0 の連続完封勝利。ジャイロをアンカーに置くフォーメーションが当たっているみたいだ。
ワールドカップ開幕まであと1か月。それが終わって今年の末には愛するサンガが昇格を決めてくれる事を祈るよ。
そして今シーズンも King Kazu を見たいなぁ~



どうなる今シーズンのサンガ  そして俺の体調… 湘南 3-0 京都 29.04. 2014

2014-05-05 | 京都サンガ J-League
帰りの電車の中でも咳は止まらない。というよりも更に酷くなってきた。
東海道線でしか頻繁には見られない4人掛けの向かい席には私以外は2人の乗客が座っている。
数十分に亘って咳が止まらない私を見る目が徐々に….私が同じ立場なら・・・・。
電車が川崎を過ぎて都内に入って来た。 これ以上はと思い席を立って扉付近に立ち、大きく伸びをした。少し身体が楽になった。
そして試合の事を振り返る余裕が出来た。 

最低だったなぁ~・・・・・・

昨年12月8日。 あの国立の悪夢。2013年 J1 昇格プレーオフから4ヵ月。
遂に連続4シーズン目のJ2を迎えてしまった。 本当に今シーズンこそJ1に抜け出さないとJ2が定住の地となってしまう。
すぐに降格しても良いから今シーズンこそJ1に昇格してくれないとなぁ~。 そう思うのは私だけでなくサンガサポーターの強い願いだ。
チーム得点王だった原一樹。そして何試合も主将を務めた安藤淳を初め昨年のメンバーから結構主力が抜けた。
チョンウヨンに倉本、中村佑哉、秋本倫孝。それにシーズン途中からは久保裕也。安藤はセレッソに移籍しても未だ出番が無いんだから京都に居てくれよ~とおもってしまう。
そうは言っても残ってくれた主力選手もけっこうタレントぞろいだ。 一番大きかったのはGK呉承訓が残ってくれた事だ。スンフンにとってはワールドカップメンバーの入れるかの大事なシーズンなのに….
バヤリッツァ、酒井隆介、福村貴幸、工藤浩平、そして山瀬、横谷、駒井そして宮吉も残ってくれた。ここに移籍組の有田、石櫃そしてかつての日本代表メンバー大黒がどうチーム力を上げてくれるか。 3シーズン続いた大木武体制から今シーズンは監督もブラジル人の Badu 新体制に変わりどういう戦術で勝ち点を重ねてくれるか…. と胸算用していた。

しかし蓋を開ければ勝ち点を伸ばせないもたつき。 開幕戦の北九州戦こそ昨シーズンまでサンガにいた原一樹のゴールで先制されるも3連続ゴールで幸先よく逆転勝ちを収めたが、以降湘南戦を前にまだ連勝が無く、第7節から3試合連続引き分けで第9節を終わって3勝5分1敗。首位湘南とは13も勝ち点差が付いていた。
その湘南は開幕から負けなしの連勝街道。その連勝をストップしてまだ早いけど首位戦線に留まって欲しいと思った。
自宅から平塚までは電車で2時間半近くかかる。だが休日パスを使ったので交通費は1000円近くは安くなった。
そして東京駅から東海道線までの1時間半近い時間を車中遠足気分でスーパーのとんかつ弁当で縁起を担いだ。
隣のご婦人たちは缶チューハイで盛り上がっていたけど。
窓の外は曇り空。天気が持てばいいんだけどなぁ~と案じた。

競技場に到着した時は小雨模様。 BMW平塚競技場は陸上競技の試合で来た事がある。(大昔だけど。)
サンガの試合を見に来たのはJ1最後のシーズンとなった 2010年以来4年振りだ。
だけどやっぱり見にくいなぁ~。 これで入場券が3000円かぁ~。 実はこの日の天候が心配で前売り券を買うのを見送ってしまった。そして試合当日、大雨になりそうにはないと判断し当日券を購入したのだ…..

サンガのスタメンは前節MFでスタメンだった山瀬に替わって60分から投入された横谷がそのままスタメン入りした以外は同じメンバー。 湘南は前節、3-1で勝利した横浜FC戦のスタメンから2列目左に岡田に替わって武富を、中盤右を亀川に替えて藤田をスタメン起用した。共に前節交代出場した選手がそのままスタメンに名を連ねた。岡田は前節の横浜FC戦ではゴールも決めていたんだけどなぁ~。




昨シーズンはJ1で戦った湘南だけどFWウェリントン、武富、大槻、MF菊池大介ボランチ永木そして3バックの中で遠藤と三竿の二人が昨シーズンJ1の厳しさを経験したメンバー。
第7節から千葉 ( 6-0 ) 大分 ( 4-0 ) そして横浜 ( 3-1 ) と“強豪”を連破。J1で戦う事は違うんだなぁ~と思わされた。
それが京都にどう通じるか…とも考えていたんだけどなぁ~。

雨脚がやや強くなる中、試合はサンガのキックオフで始まったが早々にホームの湘南がこちら側のサンガゴールに攻めこんでくる。4分35秒には武富がドリブルシュートに持ち込むがこれは外れてくれた。 
11分今度はバヤリッツァが相手選手を倒してPAのすぐ外側の左サイドと言う嫌な位置でFKを与える。
サインプレーから最後は藤田が直接狙うがポストの右に僅かに外れていく。 ちょっと危ないシュートだった。
サンガも立ち上がりは両サイド、左の比嘉、右の石櫃が高い位置を保つが前線へのパスがカットされて相手DFを慌てさせるシーンが作れない。 湘南の前への推進力とは差があるなぁ~と思った。
23分駒井の相手選手へのチャージがファールに取られてまた先程と同じ様な危ない位置のFKを与える。
その真後ろで我々サポーターが陣取っているのだけど、今度は丸山が直接狙い、その弾道は壁の左を巻いて左ポストをかすめる様に直接サンガゴールネットに突き刺さり先制点を奪われてしまった。




見事な弾道であったけど、FKを与えたのも湘南の早い前線への推進力をファールで止めざるを得なかったのが原因だった。
前節は引き分けだったけど完封されたのを考えればこの試合では先制点が欲しかったんだけどなぁ~。 
先制を許してもサンガの劣勢は変わらない。 失点直後にはウェリントンのスルーパスから大槻が正面からシュートを放つがここはスンフンが脚でストップ。  29分には工藤のタックルがファールそしてイエローと取られ与えたFKからウェリントンがヘッドを放つがここもスンフンが逆を取られながらも何とかキャッチ。 31分には左SB三竿に突破を許し、クロスを入れられるが戻ったバヤリッツァがカット。
相手PA近くにまで寄れずに劣勢が続くサンガは32分有田、33分横谷が連続してミドルを放つ。何とかこれをきっかけにリズムを掴んでくれと思うも36分には湘南がカウンター攻撃に移り縦パス1本が武富に通りサンガゴールに迫るがシュート態勢に入ったところを必死に戻った比嘉がタックルでストップ。42分にはまたも左サイドを突破し最後は三竿がシュートを放つ。
左SBの三竿は昨シーズン大卒で入団したけどリーグ戦での出場機会は無かったらしい。しかしこの試合では何度も攻め上がって来ていた。
湘南は攻守に亘り常に選手が一人余っている様に見えるほど運動量とポジショニングの良さを見せるのでサンガのDF、MF 陣は後手に回る。
何とかCBのバヤリッツァとGKスンフンで止めていたという感じが続いた。
サンガは大黒の裏への飛び出しだけが頼りだったがそこに寄せる選手が遅かったり、寄せてきた選手にはしっかりマークが付いておりシュートに持ち込めない。 



このまま前半は 1-0 で思った47分、我々に悪夢が襲う。 サイドチェンジから左サイドに渡り三竿が菊池との縦パスの交換からサイドを抜け出し入れたライナーのクロスに武富が走り込み合わせたヘッドがスンフンと左ポストの間の狭い隙間を破り追加点を決められてしまった。 酒井のマークが少し甘かったかなぁ・・・・
痛い時間の追加点だった。 これでサンガサポーター席は静まり返ってしまった。 そして私の咳もこのころから酷くなってきた… そして雨脚が強くなってきた・・・・



約1週間前に軽い風邪を引いてしまった。 熱は無かったけど咳が止まらない。昨年も同様の症状だったけど熱は上がったけど咳はすぐに止まったんだけどなぁ~。 声を出すたびに咳き込んでしまうので後半からは声を出せなかった。
こんな症状もサンガが後半巻き返してくれればそれで治るんだけどなぁ・・・・・と期待したんだけど。

サンガベンチはFW有田を下げて大黒と組む2トップの相方は三平となった。 宮吉はどうしたんだろう・・・・・
湘南のキックオフで始まった後半。 1分もしないうちにサンガゴール前に運ばれCKを献上する。 そのCKからあっさりと3点目を決められた。 ウェリントンが酒井、バヤリッツァのCBの前に入り込みうまく二人を抑えその前に走り込んだ遠藤にフリーでネアーサイドに叩きこまれてしまった。 目の前で見事な遠藤のヘッド見たベルマーレサポーター達からは大歓声が上がる。



あぁ~、J2の日程が発表された時から楽しみにしていたこの試合が・・・・2時間以上かけて見に来た試合が・・・・
雨の中ここまで咳き込みながら見てきた試合が・・・・・
この時点でサンガのこの試合の勝利はまず考えられなくなった。 

この失点で奮起したのかサンガは連続してシュートを放つ。49分40秒には駒井がミドルを放つがポストの右に外れ、その直後も三平からボールを受けた大黒がシュートに持ち込むがこれも外れて行く。
早い時間に1点を還してほしいとおもうのだけど・・・・・
63分湘南ベンチが動く。藤田に替わって宇佐美宏和が投入される。昨シーズンはJ1で9試合出場した経歴がある選手だ。
そしてほぼ同時にサンガもボランチのジャイロを下げて中山博貴が投入された。 これで中盤からの攻勢が厚くなりサンガが攻め込んでくるシーンが増えた。しかし湘南ゴールネットが本当に遠い。 65分11秒カウンターから大黒から受けた三平が放ったシュートはクロスバーを越え、72分50秒、今度は大黒がPA内に侵入して来るがシュートを撃てない。 76分には比嘉が左サイドを上がり中に入れた所を大黒がシュートに持ち込むもポストの右に外れ、78分には再び比嘉が入れたクロスに大黒がヘッドを放つがGK秋元がセーブ。 秋元を慌てさせたのはこのシーンだけだったのではないかな・・・・



一方3点差をつけている湘南ベンチは余裕だ。 72分には武富を下げて梶川諒大を78分にはウェリントンを下げて中村祐也を入れて徐々に守備を固める。中村は昨シーズンアキレス腱の断裂でシーズンを棒に振ったらしい。
向こう正面の湘南サポーター席からの歓声が良く聞こえる。
せめて1ゴールでも・・・・と思う気持ちもむなしくタイムアップのホイッスルが鳴った。
完封したGK秋元のガッツポーズが印象的だった・・・・・・



試合が終わりサンガの選手達が挨拶にやって来た。サポーター達からは怒号が飛び交う。こういう試合結果では・・・・・
Badu 監督には更なる不満の声が。 監督は暫くサポーター席を見つめていたけど球団職員に促されてベンチに戻って行った。こんな時でも前は“京都サンガ!”の歓声が沸いたのだけどこの試合だけは・・・・・・





咳は全く止まる気配無く、足早にバス乗り場に急いだ。そして列車に乗り込んだ。
4人席に最初に座り込み、3人の若者が座って来た。みなベルマーレグッズを持っている。
“あらら、完全アウェーになってしまったね。”と声を掛けるとうち一人はジェフのサポーターだったけど今住んでいるところが遠いのでこの日は平塚に観戦に来たとのことであった。
色々なJリーグの話に花が咲いた。 日本リーグ時代の話をしたら真剣に耳を傾けてくれた。俺も歳なんだなぁ~。
彼らと話しているときは咳はそれほどでなかった。彼らは戸塚でみな降車した。丁寧にあいさつをして。
そしてまた私の咳は止まらなくなった・・・・・・・

今も咳はまだ止まらない。あの医者で貰った咳止めはさっぱり効かない。本当はもっと深刻な病なのだろうか?

次節も湘南は水戸を相手に 1-0 で勝利を収めて連勝を11に伸ばした。
サンガは最下位の讃岐を 4-1 で破りやっと西京極で今シーズン初勝利を挙げた。終了間際に失点したことは頂けないけど。
次節横浜FC戦は今季初めての連勝を掛けて臨む。だけどそんなことよりも湘南、磐田と対等以上に戦えるチームにならないと・・・これだけは言える。今のサンガはJ1でプレーするに値しない。もし上がれても相手にされずに陥落する。

そして俺の咳も早く何とかしないとなぁ・・・・・


この試合が・・・・ 試合後で知ったよ 浦和 0-1 鳥栖 10.March 2014

2014-03-11 | 京都サンガ J-League
ようやく席に着いた時はキックオフ後だった。
この日は鳥栖サポーターの陣取るアウェー側で観戦した。さすがさいたまスタジアム。
良く見える。天気も良くて快適だ。 
すると左サイド、濱田から森崎への縦パスが弱く、森崎に届く前に安田がかっさらい、金民友に送ると金はヒールで安田に戻す。そのまま安田はサイドを突破し入れたクロスにファーサイドの豊田が高い打点から放ったヘッドがレッズゴールネットに突き刺さった。
ワールドカップメンバー入りを目指す豊田陽平の素晴らしい一発のヘッドだった。 
周囲の鳥栖サポーター達は一斉に立ち上がる。 そして Vamos Vamos ! 陽平!豊田陽平!!のチャントを始めた。








目の前で豪快なヘッドを決められたレッズサポーターにはこのゴール、どう映ったのだろう?
だけどマークに付いた永田が完全に振り切られていた。豊田で無くてもこれだけうまくマークを外してヘッドを放てばプロの選手だったら外す選手は皆無に等しかっただろう。 確かに安田のクロスも素晴らしかったけど。

この試合と言うよりもどうしても豊田陽平を見たかった。 北京五輪であれだけのパフォーマンスを見せながらチームメイトの代表での活躍ぶりを見せ付けられた豊田が最後のどれだけ意地を見せるか?それを見たかった。
昨夏、韓国で行われた東アジア選手権では柿谷に注目を奪われ、そのご大迫が台頭した豊田にとってJ-League で結果を残すことしかチャンスを見いだせないはずだった。しかしそれは正当なチャンスのはずだ。ザッケローニ代表監督がJ-League を平等に評価していれば。
鳥栖に今シーズンから加入した安田理大も北京五輪メンバーだ。先制ゴールは北京五輪メンバーで演出されたという事か。

先制ゴールを許したレッズはこの日、槙野、永田そして濱田の3バック。2列目左は平川でなくて森脇だった。怪我で離脱のリシャルデスがいない事もあり興梠がワントップで原口、梅がトップ下に入り宇賀神が2列目右。ボランチには阿部と柏木で鈴木啓太はベンチスタート。ホーム開幕戦を白星で飾りたいところであったが最も警戒すべき相手にまさに得意な形で失点を許してしまった。

同点ゴールを狙うレッズは森脇が結構起点になっていた。相対する安田が素晴らしい突破を試みるがそれをケアーしながらの起点であったのでこの日のスタメン起用には応えられたと思う。
ただ興梠に入ったあとの2列目の飛び出しやポジショニングがやや遅い気がした。 12分24秒はようやく原口が藤田がマークに入る前にシュートに持ち込むがここはGK林がナイスセーブで防ぐ。14分27秒には槙野が上がってきてミドルを放つ。
やはり槙野が上がらないとだめか? 24分、森脇が上げたクロスに梅がヘッドで合わせるが惜しくもポストの左に外れる。
25分原口がまたもドリブルシュートを放つが枠を外れる。でも見ていて原口の様なドリブルシュートは見ていて気持ちがいい。サッカー未経験者にとってはこういうシュートを見たい。
27分にはまたも森脇が上がり入れたクロスに原口が菊池と競りながら飛び込むがヒットしなかった。
先制ゴールを演出した安田は何度も素晴らしい上がりを見せていたいけど、レッズはその裏を狙っている様に見えた。元韓国代表の金民友ともう少し縦パスの交換に絡めばいいんだけどなぁ・・・・


32分には安田の上がった裏に森脇がロングフィードを出す。梅がそこにフリーで受けるはずがCB呂成海が手ではたき落としイエローカードを受ける。まぁ抜けていればそのままフリーで梅がシュートに持ち込んでいたかもしれないが。
35分には森脇がまたもクロスを入れるがここは菊池が興梠と激突しながらストップ。
攻めあぐむレッズは38分20秒前線に上がった柏木がスルーパスを出すが攻撃参加した槙野に惜しくも届かない。40分33秒には柏木から左サイドを上がった槙野に渡りクロスが入るがGK林が出て来てパンチで弾き出す。
前半終了間際の43分33秒には阿部が柏木に替わって上がるがここでも鳥栖DF陣に守りきられ前半が終わった。
鳥栖は先制後は殆ど守勢に回っていたのではないかな?それにしてもタフに守り切っていた。
だがレッズサポーター達は後半はゴールを大いに期待していたしそれに値するレッズの攻撃時間の長さだった。



鳥栖とレッズはある縁がある。 1997年2月、サガン鳥栖の前身となる鳥栖フューチャーズが破産しその受け皿チームとしてサガン鳥栖が発足。1997年シーズンは特別にJFLとナビスコ杯の参加が認められた。 そのナビスコ杯の初戦で浦和レッズと激突。鳥栖は見事に 0-0 で引き分け、専門誌は“サガン鳥栖。ここにあり!”と見出しを付けた。
佐賀県に発足したプロサッカーチームの存続の為に当時は5万人を越える署名が寄せられた。そしてサガン鳥栖が発足したのだけど、ナビスコ杯の初戦、浦和レッズ戦での健闘がなければ、もし大敗しておれば今の鳥栖はなかったのではないかな?と思っている。

レッズのキックオフで始まった後半。 開始早々早坂がドリブルで上がりCKを引き出す。そのCKから藤田がシュートを放つが惜しくも外れる。 どうも試合開始、再開直後はレッズのマークは甘いなぁ。
48分にはレッズがFKを得るがここはGK林がキャッチ。セットプレー時には阿部が上がって来るが豊田がマークに入る。
セットプレー時では豊田がマークに着いたり、攻撃時には阿部、槙野とマッチアップをしたりと迫力があった。 豊田のハイボールに対する守備意識の高さは東アジア選手権でも証明済だ。このあたりは代表入りへのアドヴァンテージにはならないか?
54分40秒、レッズベンチが動く。CB永田を下げてFW李忠誠を投入する。これで李がワントップになり興梠と原口がトップ下の左右に入り、梅が左MFに入り森脇がDFラインに入った。 そして守勢に入ると梅が右SBに入りレッズのDFが4バックになったように見えた。 



58分21秒、原口がフリーでシュートチャンスを迎えるが外してしまい、天を仰ぐ。 69分レッズベンチは2人目の交替選手、関口を投入し梅を下げる。




そして鳥栖も74分には池田を下げて元韓国学生代表の金敏赫を入れ、もう5バック態勢に入り、77分には金民友を下げて岡本を投入し守備の強化を図る。
現状を打開したいレッズは最後の交替選手、鈴木啓太を濱田に替えて投入する。誰をDFラインに入れるのかな・・・阿部かな・・・・
85分にはレッズは波状攻撃を見せ鳥栖ゴール前に迫るが豊田までがゴールライン付近に戻りゴールラインを割らせない。



87分17秒には早坂を下げて高橋を投入する。交替で下がった池田、早坂は攻守と言うよりも守備への切り替えが早かった。それだけ疲弊も早いのだろう。
89分、鳥栖ゴール前にボールが出て李が迫るがその前にGK林がキャッチ。 レッズサポーターの前に何度もレッズ攻撃陣が迫るがゴールラインを割ることは出来なかった。 



そしてタイムアップのホイッスルが鳴り響いた。



その日の夜のニュースでの JAPANESE ONLY の件を知った。この試合、レッズサポーター席で観戦した息子に尋ねてみたけど全く気が付かなかったらしい。 そして息子が言うには“李忠誠のことじゃねぇ?”と言っていた。“忠誠は日本人だぞ。 Asian Cup のオーストラリア戦で決勝ゴールを決めただろ?”と言うと、どうもこの時はまだ李忠誠はレッズサポーター達には受け入れられておらず、この試合も途中で李忠誠が投入の為にピッチサイドに現れると周囲のサポーター達から“あぁ~これでこの試合はもう得点入らないや。”との声が漏れていたらしい。それとも今、レッズは外国人助っ人無でやっている、早く助っ人探せってことかな?と言っていた。
この時はそれほど重大な問題になるとは思っていなかった。
ただ民族問題は世界で席圧しており、根が浅かったらこんな横断幕くらいは問題にならなかったんじゃないか・・・と思う・・・・

今年もJ-Leagueが開幕した。ワールドカップイヤァーの今年はどんなドラマが待っているのだろう。

願わくは来シーズン、愛するサンガがここに登場する事を・・・・・



国立最蹴章 ここは京都勢にとっては鬼門か 星陵 4-0 京都橘 11th January 2014

2014-01-26 | 五輪 U-20, U-17
暖かな直射日光はまだこちらを射している。準決勝第二試合は始まったばかり。まだスタメンを確認しようとピッチとノートと専門紙をかわるがわる見回してる最中だった。
“あっ、あれっ、あ~っ”隣の I さんが声を上げた。その直後に歓声が上がる。 開始まだ2分半足らずだった。星陵FW仲谷君が先制ゴールを蹴りこんだ後だった。
“上手く真ん中で潰れて、左から決めましたね~。” I さんが解説する。 ゴールシーンを見ていなかった私は後方のスクリーンを振り返る。星陵右MF原田君からのアーリークロスに真ん中に走りこんだ森山君に橘のCB林君と清水君が引き寄せられる。しかしボールは更に左に流れ追いつこうとした倉本君の前に走りこんだ仲谷君が先に拾いそのままフリーで蹴りこんだシュートが橘ゴールに決まった。 左SBの倉本君、ショックが残らねば良いけど… と思った。
キックオフから原田君がそれまで2度ほどロングボールを蹴りこんでいた。 前日の練習で何度も橘のMFとDFの間にロングボールを放り込む練習をしていたらしい。 その成果が開始早々に出たのだった。
私は先制されても小屋松君を中心とした京都橘の攻撃陣が爆発するんじゃないかな~と期待はしていたけど。
この時はこの先制ゴールが試合を大きく左右するとは想像出来なかったんだなぁ~。


 
PK戦まで縺れ込んだ第一試合。全選手がまだピッチに居る間に星稜と京都橘の選手達がアップに出て来た。
準決勝進出4校の中で私がもっとも注目と言うよりも期待をいていたのが京都橘だ。昨年は優勝に“王手”を掛けながらPK負けを喫し1967年度山陽高校と同校優勝を果たした洛北高校以来の京都勢優勝の悲願はならなかった。エース小屋松君が残る今年は洛北高校と言うよりも1958年度、日本サッカーの重鎮、釜本邦茂を擁して単独優勝を果たした山城高校以来の快挙を目指す。
初戦はいきなり静岡の名門藤枝東高校と当たったが、林、赤澤両君のゴールで 2-0 で快勝。3回戦の那覇西高校戦では前半に中山君の2ゴールと小屋松君のゴールで3点を先取。後半那覇西、國吉君に2ゴールを許すも逃げ切り準々決勝の市立船橋戦に臨んだ。2年連続国立を狙う京都橘は、今年度のインターハイそして一昨年の選手権王者相手を圧倒。特にエースの小屋松君はさすがというパフォーマンスを見せ2ゴールを挙げチームを勝利に導いた。
地元と全校生の大歓声を受ける関東の雄である市立船橋を会心の試合運びで破ると言う関西人の私には非常に溜飲の下がる試合結果を残してくれた。そして今大会の選手権はベスト4に関東勢が残れなかった。



対戦相手の星稜高校はくしくも昨年の選手権準決勝戦で優勝した鵬翔高校に終了9分前で勝ち越しゴールを挙げながらその2分後に同点ゴールを喫しPK戦で苦杯を喫した。 要するに前年優勝した鵬翔高校に国立で敗れた高校同士が決勝進出を掛けての対戦という事になったのだった。





市立船橋戦を80分間交替選手無で戦い来た橘は同じイレブンがスタメンに並んだ。そして準々決勝戦ではPK戦の末GK近藤君の神憑り的な3連続PKストップで勝ちあがった星稜も同じスタメンで準決勝戦に臨んだ。



橘はGK永井君、右SB倉本君 CB 林君、宮吉、中野のMFの両君とFW小屋松君が昨年決勝戦を経験したメンバー。星稜は MF 寺村君、CB寺田君、右SB森下君が鵬翔戦のスタメン。そしてGK近藤君が控えでベンチメンバーだった。



先制を許した橘であったが、時間はまだ十分にある上に市立船橋戦のパフォーマンスを思い起こせばそれが良いハンディになると勝手に楽観していた。
11分14秒、小屋松君が中野君に戻し再び前線で受けた小屋松君が放ったシュートは相手DFに当たりCKにそのCKから宮吉君がシュートを撃つがGK近藤君の正面に。
前半10分を過ぎるとようやく両校の応援席が埋まった。第一試合が押したからなぁ~。





 
Iさんから指摘が入る。“小屋松君のワントップになっていないですか?” 目を凝らしてピッチ上を見ると小屋松君がワントップで宮吉君と中山君が2列目でボールを受けたり小屋松君に送ったりとしていた。 
だけどこれまで無失点の星稜DF陣もなかなかシュートを撃たせない。 小屋松君がボールを持つとすぐに誰かがマークに入る。4人の最終ラインが前後左右にうまく動いていた。そして攻撃に転じるときは一旦中に入れて橘のサイドラインを中に寄せてからまたタッチライン沿いに出して京都のサイド、特に宮吉君のいる左サイドを上手く突いていた。 その対策か20分過ぎからは小屋松君がトップ下に下がり中山君と宮吉君の2トップとなった。
だが21分15秒、アクシデントが橘を襲う。 中盤でハイボールをヘッドで競り合った宮吉君の後頭部に森下君の頭が入り、宮吉君がそのまま倒れて立ち上がれない。結局外に出さざるを得ない事に。 ここに来て愛するサンガの宮吉拓美の弟が離脱するのはちょっと厳しいなあと思った。 1人少なくなっても橘は24分小屋松君が起点となり藤村君、中野君を経由してCB二人のマークを受けながらも中山君に送りシュートを演出する。このショットはGK近藤君の正面に飛んだが、マークを受けてもこういうボールを出せるという小屋松君はさすがと思わされた。
そして27分頃に宮吉君がピッチにもどり小屋松君のワントップになったが30分になるとまた小屋松君と中山君の2トップになった。 グランパス入りが内定している小屋松君にボールが入るとマークがすぐに着く、しかし2人、3人と囲まれてもパスを出す。ただ受けた橘の選手もすぐに星稜のマークを受けるけど。
40分を過ぎると焦りからか橘は前線への縦パスが目立ちだすが反対に星稜DFに引っ掛かっていた。
それでも小屋松君にボールが渡ると何かが起きる。 42分34秒には小屋松君から右サイドを上がった倉本君に渡りシュートに持ち込むがGK近藤君がキャッチ。 43分21秒、カウンターから中央を小屋松君がドリブル突破で上がると最後は星稜ボランチ平田君がファールでストップ。そしてこのプレーに日比野主審からイエローカードが出された。 これで平田君は累積警告2枚目。 勝っても決勝戦は出られないことに。 だけど彼もこの試合の事しか考えていなかっただろうなぁ~と思った。
ロスタイムが1分と表示される。 46分には小屋松君が寺村君のマークを受けながらもスルーパスを中山君に送る。しかしここはCB上田君がマークに入りシュートは撃たせなかった。そして前半終了のホイッスルが鳴った。
この時点でも後半、京都橘の攻撃が爆発してくれることを期待していた予想もしていた。非常に安易に….?



メンバー交代がないまま後半のキックオフとなった。星稜MF寺村が左サイドから右サイドに回っていた。 宮吉君の上がったところを攻め込む方策か…. 47分23秒にはその寺村君がドリブルで上がるが宮吉君と小川君がマークに入る。
そして50分20秒、攻め込んだ星稜は右サイドからこの時は左サイドに戻っていた寺村君に送る。そしてマークに入った倉本君の脚に掛かり転倒すると日比野主審はホイッスルを鳴らしスポットを指した。 故意的では無かったけど寺村君の脚に掛かっていた。倉本君の表情が…. ここで得たPKを寺村君が右下に冷静に蹴り込みリードを広げた。 藤枝東戦ではPKをストップした永井君だったけどここは止められなかった。一瞬逆方向に動いてしまったのが痛かったか…..







だけどまだ時間は40分ある。橘の攻撃力からすればチャンスを充分あると思ったし攻撃陣の奮起も期待した。
55分橘ベンチが動く。宮吉君を下げて180㎝の赤澤君を投入する。藤枝東戦ではゴールを決めている。 昨年宮吉君はボランチでプレーしていた。どちらが得意なんだろう?卒業後は…愛するサンガに入ってくれたら良いんだけどなぁ…
赤澤君が投入されててからすぐの57分、左SB小川君から中山君にロングフィードが送られるがGK近藤君がエリア外に出てヘッドでクリアーそのこぼれ球を拾って中山君から赤澤君に送られシュート態勢に入るが藤田君がブロックして撃たせない。
57分59秒ロングフィードが前線に走り込んだ中野君に送られる。中野君が走り込むが再びマークに入った藤田君と交錯して転倒する。一緒悲鳴が沸くが日比野主審は笛を吹かない。
“吹いても良くなかったですか~。” “その方が試合は面白くなりますからねぇ~。”
後半は開始から小屋松君が2列目に下がっている。その小屋松君が61分にはドリブルで上がりヒールパスを中野君に送るがシュートは撃てない。 後半に入ってもボール支配率は橘の方が良いようだけど星稜DF陣もなかなかシュートを撃たせない。62分6秒には左サイドを中山君から小屋松君そして赤澤君に回り逆サイドの中野君に藤田君がマークに入る前に放ったシュートはGK近藤君がナイスセーブでCKに逃れる。 そのCKから小川君がヘッドで合わせるが寺田君がクリアーをしてCKに逃げた。 
橘の時間が続く中63分20秒、星稜FW仲谷君が右サイドをドリブルで上がって来るとマークに入る林君が追いつかない。
そしてライナーで入れられたクロスに走り込んだ原田君が小川君と清水君ともつれながら放ったシュートが橘ゴールに決まりリードは3ゴール差となった。
“このゴール大きいですね~。” “これで星稜はしっかり守って思い切ったカウンター攻撃が出来ますね。”
“残り30分で3点差ですか~。” “橘の時間だったんですけど~。”
橘DF陣は左SBの小川君が1年生で他の3人、CB清水君、林君そして右SB倉本君が2年生。 ちょっと星稜のスピードある一発の攻撃に後手を踏み過ぎていたか…そしてこのゴールで橘応援駅がすっかり静かになってしまった。
 “ こんな時こそ更に応援してあげないといけないんですけど。”
しかしピッチ上は星稜MFが下がり気味なのもあるけど橘の攻撃が再び展開される。 
64分35秒には小屋松君が仲谷君、寺村君に囲まれながらもドリブルで上がり平田君もかわして藤田君の前でミドルを放つ。68分21秒、今後は中野君がドリブルで上がり小屋松君の送りミドルシュートを導くがここもGK近藤君がナイスセーブでストップ。こぼれ球を藤田君のマークをかわして中野君が放ったショットは平田君がクリアーしCKに。
72分56秒には中山君がドリブルシュートに入るが今度は藤田君がマークに入りCKに。 73分26秒、小屋松君が平田君のマークを受けながらも左サイドから上げたクロスに上田君がヘッドを撃つがGK近藤君がキャッチ。 
3点目を献上してから小屋松君は2列目に下がり中野君や赤澤君が前に上がって来ていた。
せめて1点を返せば橘応援席も湧き上がるんだけど~とおもったけど75分、仲谷君からパスを受けた森下君が右サイドを上がり中に入れるとどんぴしゃのタイミングで中央に走り込んだ森山君がワントラップで清水君をかわして蹴り込んだシュートが
またも橘ゴールに突き刺さりこれで 4-0 になってしまった。







4失点を喫した卒業後はロアッソ熊本入団が内定しているGK永井君の表情がちょっと。 こんなはずでは… と思うのは彼だけではない。私もだ…



あぁ~。先月サンガもここで 0-2 で惨敗を喫して昇格に失敗した。 今度は橘か~と思ってしまった~。
せめてここで橘のゴールが見たいなぁ、サンガが決められなかったゴールを橘が決めてくれないかなぁ~と願った。しかしゴールは生まれなかった。4点目が入った直後に寺村君が右サイドから放ったシュートが逆サイドのポストにボールひつつ外れていったシーンは見せられたけど。 終了間際に橘が得た好位置でのFKは外れたけど。

試合が終わってIさんとあの聖火台付近に行って記念写真を撮った。ここからはこういう風景になるのかぁ~と思った。



ピッチ上では京都橘と四日市中央工の3位の表彰式が始まった。 表彰式が終わって応援席へのあいさつを終えた小屋松君が泣き崩れた。
“最後にこらえきれられなかったんですね。” Iさんが呟いた。
昨年はFWにもう一人仙道君がいた。今シーズンは全て小屋松君が背負ったみたいだった。 

そして競技場を出た。星稜高校の大集団と遭遇した。みな嬉々としていた。あたりまえだけど。
I さんと私は前から行きたかった信濃町のペルーレストランに向かった。そしてご主人と70年代からの南米サッカーについて語り合った。
そしてレストランを出てIさんはご実家のある三島に向かわれた。 またこういう機会を作ることを約束して。

選手権が終わって2週間が経った。昨シーズン我々を沸かせた高校生たちは今はどうしているのだろう。 
そして小屋松君は来シーズングランパスでポジションをとれるだろうか。

みんなが有意義に過ごしている事を祈るよ。




国立最蹴章  “ピンチGKの意地”   富山第一 2-2 四日市中央 11th January 2014

2014-01-22 | 五輪 U-20, U-17

12月初旬。ニュージーランドの Christchurch に在住される I さんから連絡があった。年末から約1ヶ月に亘って休暇で帰省するので一緒に会いましょうとのお誘い。 Iさんとはお互いにサッカー狂で10年近くお付き合いをさせて頂いている。
丁度高校サッカーが行われているので改装前に国立競技場で準決勝戦を観戦する事となった。
私は関東地区に越してきてはや26年近くが経つが全国高校サッカーはまだ観戦した事がなかった。その理由は簡単。
寒いのが苦手だからと言うこと。サッカー好きが寒い時期がシーズンなのに寒さが苦手とは道理が合わないけど….
前売り券を購入し、当日は雨が降らないことを心から願った。
しかしそんな心配をよそに当日は快晴に恵まれた。試合開始約半時間前に千駄ヶ谷駅に到着したけど観戦に来られたのであろう多くの人が競技場に向かっていた。駅前のコンビには店外にまでレジを待つ人が並んでいた。 商品の補充はどうするのだろう?とも思ったけど。
競技場の前で I さんと約4ヶ月ぶりの再会。 南半球から来られて寒いでしょうってな話をしながら入り口に向かった。
チケット窓口は結構な人。前売り券を購入しておいて良かったなぁ~と….
プログラムを購入しゴール裏の席に陣取る。反対側は日陰になっているけどこちら側は冬日を一杯に浴びて暖かな観戦。
スタジアムの入りは半分程度。準決勝戦の方が2試合観戦できるし御得だと考えるのは私だけだろうか….
“国立は良いですね~。” Iさんが言う。国立観戦は初めてらしい。 私も関西から上京してからここに住み着くことを決めた理由の一つが東京の方が色々なスポーツイベントが楽しめると思ったからだ。
首都圏開催となった昭和51年度から選手権の決勝は国立競技場開催となったけど、Jリーグが始まるまでサッカーで国立が満員にまるのはトヨタカップと高校サッカーくらいだった。あの満員の国立はどんな雰囲気だろうと学生時代までテレビを見ながらよく思ったものだった。

ピッチで練習をしていた両校選手達が控え室に戻りいよいよピッチに入場してきた。両校応援団を始め歓声が上がる。
一昨年の覇者四日市中央工は準々決勝で大阪の履正社をロスタイムにCB後藤君の起死回生のゴールで追いつきその勢いのままPK戦を制して6回目の国立進出を果たした。そして、まずは2年振り4回目の決勝進出をそして今年こそ単独優勝を狙う。同点ゴールの後藤君は背番号25番。今回の三重県大会でようやくレギュラーを掴んだ苦労人だ。
四中工のスタメンを見ると右MFには準々決勝でスタメンだったMF木下君ではなく、その木下君に替わって投入された服部君がそのままスタメンに。 昨年は桐光学園に 2-4 で敗れまさかの初戦敗退となった。CB坂君がその試合のスタメンでトップの井出川君がベンチメンバーだった。



本音は大阪代表をここで見たかったんだけど….
そして78回大会以来の国立進出を果たした富山第一高校は2回戦、3回戦と 0-0 でPK戦の末に勝利を掴んだ後の準々決勝の日章学園戦は 4-0 の快勝。MF斎君に替わり出場停止中だった川縁君がスタメンに。 
昨年は1回戦で作陽高校にPK戦で敗れたが今年は既に2回PK勝を果たしている。 トップ下の大塚君は昨年もレギュラー。トップの渡辺君、ボランチの川縁君そしてGK高橋君が昨年はベンチ入りメンバー。

 

四中工のキックオフで始まった試合。開始51秒に富山ボランチ細木君が左サイドを上がり竹澤君に戻し中に入れるがオフサイドに。そして7分45秒、四中工MF小林君がミドルを放つとGK高橋君がナイスセーブで防ぐ。 その後のCKにCB坂君が飛び込むがここもGK高橋君がキャッチ。
立ち上がり四中工が主導権を握るかな?と思うが以降は向こう側の四中工ゴール近くで試合が展開されたが16分6秒にはまたも小林君がドリブルで持ち込み、城山君、西村君をかわして川縁君がマークに入る前にミドルを放つ。小林君はG大阪の出身で今大会は準々決勝まで2ゴールを決めていた。
開始から富山が攻め込めば四中工DFが上手くラインを上げてオフサイドを取っており開始18分で3回もオフサイドがあった。
富山の応援席がこちらから見ると手前に陣取っているので彼らの声援が良く聞こえる。
“とや~まだいいちっっ !! “ という声援が”うらぁ~われっず!!“に聞こえた。
四中工は男子校なのでセットプレーになると男子生徒独特の声量でのコールが聞こえる。
しかしオフサイドを取られても富山の方が攻める時間が続いた。 
そして21分11秒、川縁君からのスルーに抜け出した西村君がシュートに持ち込むが再びGK高田君がナイスセーブでCKに逃れる。そのCKを細木君がショートコーナーで西村君に送り、中央の野沢君にクロスが上がるが野沢君の頭に当たらずマークに入った坂君に当たりこぼれた所を拾ったCB藤井君が四中工ゴールに蹴りこみ優勢だった富山が先制した。
ゴールを決めた藤井君はそれまで守備面でしっかりと四中工の攻撃を抑えており、セットプレーで上がって来て今度は得点を決めた。

先制した富山は更に攻勢に出る。28分52秒には中盤からのスルーパスにFW渡辺君が完全にフリーで抜け出しGK高田君と1対1になるがエリア外で高田君と交錯した渡辺君が転倒。主審はすかさずカードを出すがそれはイエローカードだった。
“一発レッドでもおかしくなかったですねぇ~。”Iさんと意見は一致していた。 “プロならレッドじゃないですか….”
PKではなかったが危ない位置でのFKを献上した。このFKを富山はトリックプレーを使い野沢君が強烈なショットを放つ。しかしここはGK高田君が左に倒れこむナイスセーブでストップ。2年生の高田君はこれで大会2枚目のイエローで勝っても決勝戦は出場できない。だけど今はこの試合の事しか考えていなかっただろう。 
32分には四中工に次のトラブルが起こる。空中戦で大塚君と競ったCB後藤君が倒れて起き上がれない。 大塚君の後頭部に眼底部を激しく打ち付けた様だ。後藤君がピッチ外に運び出される。四中工ベンチ前にアップをしていた栗田君が呼ばれる。CBを欠いた四中工はMF服部君を暫定的にDFラインに入れる。34分には左からのクロスに大塚君が飛び込むがGK高田君が競り合いながらストップし追加点を許さない。そして拍手に向かえられて後藤君がピッチに戻ってきた。
人数が揃ったせいか今度は徐々に四中工が押し返す。両サイドからワンタッチパスでボールを繋ぐシーンが目立ち始めた。
そして42分右サイドの良い位置でFKのチャンスを掴む。さっきは富山がトリックプレーを見せたけど今度はどうなるか…と注目する。
大辻君と中田君の両サイドバックがボールの後ろに立つ。そして中田君が蹴った弾道はゴール右上隅に突き刺さり四中工が試合を振り出しに戻した。 
GK高橋君は最初にフェイクに入った大辻君の動きに一瞬右側に動き反対方向に飛んでくる弾道に反応できなかった。しかしそれを差し引いても素晴らしいFKだった。





“すごいFKでしたね。” “準々決勝までなら今はハーフタイムでしたね。45分ハーフの明暗ですか…”
同点になり四中工ベンチは後藤君をベンチに下げ栗田君を投入した。
“やっぱり、あの25番やれないですか….” ベンチに下がった後藤君が悔し泣きに暮れるのがこちらからも解った。

ロスタイムの2分間も過ぎ 1-1 のまま前半が終わった。両軍控え室に戻るときに主将同士が言葉を交わしていた。
どんな話をしたのかな……



両チームメンバー変更無しに後半が始まった。 まだ日は高く、日向で暖かかったけど直射日光がこちらを照らし向こう側のゴール前にボールが運ばれると手のひらで日よけを作らねばならなかった。 後半はどちらがより多く相手ゴール前にボールを運ぶだろう。開始直後は両チーム右サイドからの攻撃が目立った。
52分9秒、渡辺君が坂君のマークを振り切り中田君がマークに入る前に放ったシュートはGK高田君がキャッチ。53分25秒には西村君が坂君をかわしてシュートに持ち込むがまたも高田君がナイスセーブでストップ。ベンチには一昨年の準優勝時には1年生ながら控えGKでベンチ入りし昨年は2年生で選手権に出場した3年生の中村君がいた。決勝戦では高田君が出場停止になるが何とか先輩の中村君に出場機会をと思っていたのではないかな。
だが富山が追加点を決める。 56分25秒、今度は左サイドを野沢君がドリブルで上がりCBをひきつけながら中央に送る。そのこぼれダマを正面で拾った細木君が四中工ゴールに押し込み再びリードを奪った。 マークに入った大辻君が一瞬逆の方に体重がかかり細木君にシュートチャンスを与えてしまった。



再び四中工はリードを許したとはいえまだまだ時間は残っている。選手交替も含めてどのようにして同点ゴールを模索するのだろうと思っていると次に選手交替を行ったのはリードしていた富山だった。68分 163cmの左SB竹澤君を下げて176cm の菅田君を投入した。 まだ少し早いけど相手のロングボール対策かな…ってな話をIさんと交わした。
72分四中工は攻め込まれながらもシュートは撃たせず一本のライナーの縦パスが前線に送られる。そこに走りこんだ井出川君がドリブルで富山ゴールに迫ると富山DF,MF陣は全く彼を捉えられない。井出川君がそのまま放ったドリブルシュートが富山ゴールネットを揺らし四中工があっさりと同点に追いついた。







見事な一本のパスそして見事な高速ドリブルだった。
“ビルドアップや構築の方策なんていらないですね。1本の縦パスとドリブル突破だっていうお手本ですね。” I さんはこう振り返った。 今、日本代表と言うか日本人の指導者に必要なのはこの発想も持つことだろうなぁと思わせられた。
同点に追いついた四中工ベンチは2年生MF加藤君を下げて2年生の舘君を入れる。舘君は昨年1年生ながら60分から途中出場をした実績がある。
そして同点に追いつかれた富山ベンチは74分2人目の交替選手。3年生の高浪君を2年生の西村君に替わって投入する。3年生が入ってよかったなぁ~と思う一方で高浪君のドリブルに思わずおっと思わされる。
だが終盤に来て攻勢に出るのは追いついた四中工。 81分、坂君からボランチの森島君に渡り細木君のマークを受けながらも舘君に送ると村上君のマークをうまくかわしてシュートに持ち込むがポストの右に外れる。 82分25秒にはまたも坂君から森島君に渡りマークに入った野沢君のチャージがファールとなりFKとなる。そして前半同様大辻君がダミーとなり中田君の直接狙ったFKが僅かにクロスバーを越える。 85分にはクリアーボールを拾った森島君がオーバーラップした大辻君に送り入れたクロスに井出川君が藤井君と競りながら飛び込むがここはGK高橋君がキャッチ。 
四中工は森島君と小林君のドリブルが冴える。ボランチから後ろの押し上げも早いせいかこぼれダマをことごとく拾い続ける。
PK戦になっても準々決勝の履正社戦でPK戦を経験したばかりの四中工の方が有利かなと思った。時計は90分を迎えようとするとIさんが “ アップしていたGKが呼ばれましたね。””準決勝は延長戦無しですか?” “そうだと思いますよ。PK戦要員のGKですかねぇ”
そして90分42秒、何ともいえない歓声の中3年生GKの田子君がピッチに入った。公式戦は初めての起用らしい。



“PK戦の前に1回ボールを触った方が良いんですけど。” “それが強烈なシュートだったら可愛そうですね。”
92分13秒、富山ゴールマウスに入れられたロブを田子君は無難にキャッチしたけどその1分後のゴールキックはそのまま中田君に渡ってしまいロングシュートを撃たれた。ゴール枠は捉えられなかったけど中田君は当たっていたからなぁ….
そしてホイッスルが鳴り国立競技場では20回目の、準決勝としては16回目のPK戦に突入となった。
思えば初めてPK戦という言葉を覚えたのは小学校の時の全国高校サッカーのこの四中工の試合だった。相手は当時の競合校、神戸高校だった。 そして四中工がPK勝ちを収めた。
“昔はPK戦じゃなくて抽選が行われたんですよ。主将同士がじゃんけんして勝った方が2通ある封筒のどちからを選んで..”
公式では引き分けとなるサッカーのPK戦だけど、いつみてもどきどきすますねぇ~….

先行の富山も後攻の四中工も最初の2人ずつは無難に決めた。そして富山第一3人目の野沢君も左下隅に決める。
“富一のGKは2人とも蹴る方向の読みが当たっていますね。”とIさんが言う。そして3人目中田君のPKを見事に左下に飛んで弾き出した。



 “良いFK蹴っていたんですけどねぇ~。それがあだになりましたか….” さすがI さん、言われるまで気付かなかった。 富山は4人目渡辺君が決め、外せば終わりの四中工4人目村澤君は右上に決めた。 そして富山5人目の細木君は中央に蹴りこみ激戦に終止符を打った。




“GK、ちょっと動くのが早すぎましたか….” おもわずこう言ってしまった。だけど蹴ってから飛べというのは妥当なアドヴァイスではないだろう….
富山第一が富山県というよりも北信越勢では初めて決勝進出を決めた。 あの柳澤を擁しても出来なかったのだけど。
GK田子君はこのPK戦で一躍ヒーローに。 結局決勝戦は出場機会が無かったので国立というよりも公式戦に出場時間は数分だったけど人々の記憶に残る数分だった。卒業後はサッカーを続けるのかな….
敗れた四日市中央工はまたも単独優勝に手が届かなかった。しかしこの試合のスタメン5人が1,2年生。新チームも楽しみではないかな。
両チームの選手が挨拶を兼ねて場内を一周する。勝者と敗者。明暗は痛いくらいに対照的だ。
“富一のGKだけこちらのバックスタンドの前で一礼しましたね。” I さんが教えてくれた。あれだけ喜びを爆発させながらもう次の試合に向けて冷静になってるんじゃないですか….と口にした。

まだ両チームの選手が残っているのだけど次の試合の選手達がピッチに入ってきた。
“おいおいもう入ってくるのか?”“放送時間が押しているからでしょうね。” 
そして四中工の3位の表彰は第二試合終了後に行いますとの場内アナウンスが。
“すぐに帰してもらえないの?ちょっとかわいそうだねぇ~。” 
まだ暖かい陽射しが残っている。この陽射しは両チームの選手に何年かしたら違った思いでよみがえるんだろうなぁ~と思いながら次の試合開始を待つことにした…..

国立最蹴章 今年も劇的な… 富山第一 3-2 星陵 13th January 2014

2014-01-18 | 五輪 U-20, U-17
時計の針は78分。スコアーは星陵が 2-0 でリードしている。初優勝、改装に入る前の国立競技場で最後に優勝を果たすまであと10数分だった。 数分前に2点目を上げた2年生の森山君に替わって投入された3年生の長谷川君がドリブルで富山ゴール前に迫る。このままシュートに持ち込むかな、と思ったところにCBの村上君がマークに入る。そして両者は交錯したかのように転倒をした。山本主審が駆け寄る。ここでPKを与えられたら星陵の優勝は確実だ。 しかしイエローカードを取り出した山本主審は長谷川君のシュミレーションを取った。 この瞬間富山県民を始め富山第一関係者は背筋にどっと冷や汗をかいただろう。
早く1点を返したい富山だが星陵DF陣の戻りが早いのでなかなか崩してのシュートに持ち込めない。 後半も40分を回った。高校サッカー魔の5分に入った。 星陵ベンチは主将の寺村君をベンチに下げる。主将としては最後までピッチに居たかったかも知れないけど、替わって入ったのが3年生の稲垣君。 準決勝に続いて国立のピッチに立ててよかったなぁと思った。 
その直後、左SBの竹澤君からロングフィードが送られる。そこには交替出場の村井君が。そして中央に送りまたも交替出場選手、高浪君に渡ると寺田君のマークをかわして放ったショットがGK近藤君を破って星陵ゴールネットにこの試合初めて突き刺さった。




 
喜ぶ間も惜しむ富山イレブンはボールをセットしポジションに着く。 そして再開された試合は富山の波状攻撃が続く。
奇跡が起こるか?いや星陵も必死だ。大きく蹴りだせ。トップに繋いでドリブルで上がって貰え…と呟く。
90分を過ぎる。ロスタイムが3分と表示された。両チームにとっては微妙な長さだ。 
そして91分59秒、スローインを受けた大塚君が渡辺君に送る。DF3人に囲まれながら渡辺君は川縁君に戻す。そして左サイドを上がってきた竹澤君に送る。 竹澤君がドリブルでPA内に切れ込むところに森下君がマークに入る。そのタックルが竹澤君の足元に入ったか竹澤君が転倒すると山本主審はホイッスルを吹きペナルティースポットを指す。 森下君が天を仰いで立ち上がれない。そこに2年生の原田君が駆け寄り先輩の森下君に手を貸す。 そして倒された竹澤君が声を掛ける。この両君は小中学校時代は同じチームでボールを蹴った仲らしい。



主将の大塚君がボールをセットする。歓声が国立競技場に渦巻く。富山第一の大塚監督はライン際で膝を着いてこの状況を見守る。監督の息子でもある大塚君、大変な重圧だろうなぁと思うも落ち着いてゴール左隅に蹴りこみ土壇場で試合は振り出しに戻った。





僅か5分余りで連続失点を喫したGK近藤君の表情が印象的だった。 
そしてタイムアップのホイッスル。富一にとっては歓喜の、星陵にとっては悪夢の同点劇だった。
こうなったら追いついた者の有利と言われるが、富山は追いつく為に守備的選手を下げたので防御は手薄になるはずだ。
星陵にも充分にチャンスがと思った。それにあと20分も国立でプレー出来るんだから….と思った。





富山のキックオフで始まった後半。92分23秒、ロングフィードを受けた長谷川君に村上君と川縁君がマークに入る。そしてこぼれたところを山本君が飛び込んでヘッドを放つがポストの右に外れていく。原田君が詰めたのだが届かなかった。
痛恨のPKを献上した山本君の決死の表情に思わず胸が熱くなる。



97分には星陵藤田君が放ったロングシュートがクロスバーを叩く。追いつかれた星陵がその悪夢を振り払っていると思った。
その直後に星陵上田君が川縁君を倒してファールを取られるがすぐに上田君は手を差し出して川縁君を起こす。そして富山の大塚君も上田君に声を掛ける。激戦の中にも“高校生らしい”シーンが見られて微笑ましく思う。
延長前半終了間際にも星陵長谷川君が左サイドを上がり原田君を経由して中に入れ、長谷川君と藤井君が競りながら飛び込むもここはGK高橋君がキャッチ。追い付かれた星陵が前半はやや攻勢だった。
延長後半に入ると注目の富山第一控えGK田子君がアップを始める。PK戦を見据えるとなれば交替枠は田子君の為に残しておかねばならない。だから延長前半の富山は体力を温存したのかな?と勘ぐった。
105分星陵ベンチは最後の交替選手川森君を投入する。 下がったのは75分に入った長谷川君。 30分足らずでのベンチ後退となった。だけど30分間プレーした国立は良い思い出になるはずだ。川森君は2列目に入ったのかな….
107分57秒。大塚君から細木君に送られるがその前にクリアー。そのこぼれ球を拾った城山君が撃つが前川君に当たりコースが変わる。そして細木君が拾う前に鈴木君がサイドに出してクリアーした。
大塚監督はベンチ前で田子君に声を掛けている。このプレーが終わったら投入かな….
そして城山君が助走を取りロングスローを入れるとボールは高浪君と藤田君の間を抜けて村井君の脚元に。左足から放った村井君の渾身のシュートは星稜ゴールに決まり遂に富山第一がリードを奪った。
狂喜乱舞の富山ベンチ。対照的な星稜ベンチ。河崎監督そして主将の寺村君の表情が。

それでもロスタイムは1分ある。 もう1度ドラマは…. 富山ベンチは最後の交代選手、GK田子君ではなく平君が投入される。3年生の平君、国立のピッチに立てて良かったなぁ…  星稜はCB寺田君が前線に上がるが、111分16秒。主審の試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。 

あぁ~今年も終わったなぁ~。

 

現行の国立競技場では最後となる全国高校サッカー選手権大会の決勝戦は初の北陸勢同士の対戦となった。というよりも北陸の代表校が決勝戦に決勝戦に進出するのも初めて。最近ではどこの代表校が決勝進出しても昨年の様に雪で順延されたり雨が降ったりといった天候でなくいいコンディションでやらせてあげたいと思うようになってきた。
今年、気温は8.6度であったが快晴の下でキックオフとなった。 

富山第一は1回戦小峯総監督率いる長崎総科大付属を相手に西村君のゴールで先制するも26分には村上君が退場となり残り54分を10人で戦うことに。だが2点を追加し 3-0 とし安全圏と思われたが連続失点を喫し1人少ないながらも何とか逃げ切った。
2回戦では4人の選手が警告を受けながら熊本国府を大塚君のゴールで 1-0 で降し、3回戦の市立浦和戦ではCBに村上君が戻り25分までで3ゴールを挙げ主導権を握るも長崎総科大付属戦同様に連続失点を許す。更に地元の大声援を受けた市立浦和が攻勢に出るも試合も1点差で逃げ切った。
準々決勝戦では川縁君が累積警告で出場できず2回戦で村上君の代わりにCBに入った斎君がボランチに入った。
この試合も攻撃陣は好調で前半を 1-0 で折り返すも後半は3ゴールを日章学園ゴールに叩きこみ今度は守備陣も失点を許さず 4-0 で今大会初めて快勝を納めた。 そして準決勝の四日市中央工戦は2度のリードもその度に追い付かれる展開。PK戦ではスペシャリストのGK田子君の活躍で勝利をものにし2002年、2006年ワールドカップで5試合FWとしてスタメン出場をした柳沢を擁した第73回大会でもベスト16止まりだった富山第一が決勝に駒を進めた。



一方、2回戦から登場の星稜は初戦奈良の一条高校に 5-0 と圧勝。しかし3回戦玉野光南、準々決勝、修徳戦共に 80分間で0-0 後のPK戦を制し国立に駒を進めた。 修徳戦ではGK近藤君が3連続PKをストップし勝利の立役者に。
そして準決勝、連続決勝進出を目指す小屋松君を擁する京都橘を下馬評とは異なり 4-0 で圧勝。本田圭祐時代にも果たせなかった決勝進出を決めた。



富山第一は準決勝戦と同じスタメン。星陵は橘戦で警告を受けて累積警告の為に出場停止となった平田君に替わって鈴木君がボランチに入った以外は同じメンバー。その鈴木君も橘戦は74分から途中出場だった。

佐藤主審のホイッスル後に富山第一のキックオフで始まった決勝戦、序盤は富山が主導権を握る。3分、5分にはFKのチャンスを得る。5試合で13得点中6得点を挙げた富山のセットプレーは脅威だ。9分には星稜仲谷君がスピードに乗ったドリブルで上がって来るが最後はCB村上君がマークに入りシュートは撃たせなかった。それから再び富山が攻勢を続ける。
スタンドからは“星稜ここでかっ飛ばせよ!!”との声援が良く聞こえてくる。観戦した準決勝戦では気付かなかったけどチアーガールに混じり男子選手がセンターに入り共に振付をしてスタンドを盛り上げていたらしいが彼は背番号68番2年生ボランチの奥田聖也君。今年4月に前十字靭帯が断裂し半年間プレー出来ず、今大会は応援団長に回ったらしい。なかなか出来る事ではない。 来年は怪我を完治させて今度はさいたまスタジアムのピッチに立って欲しいものだ。
大会後は彼の雄姿が YOU TUBE にアップされ“チア兄貴”と称され人気者になっているらしい。




だがピッチ上は富山が押す展開が続く。19分には竹澤君のスルーパスを受けた野沢君がシュートを放つがGK近藤君がストップ。 20分31秒には野沢君が今度は中央に送り渡辺君がヘッドを撃つがここはポストの右に外れる。 21分には渡辺君が星稜ゴール前にドリブルで持ち込むが次から次へと星稜DF陣が粘り強くマークに入りシュートは許さない。22分には野沢君がシュートに持ち込むが森下君がブロック。25分、FK のチャンスから波状攻撃を見せ、29分には上田君が西村君へのチャージがファール、イエローとなり得たFKから野沢君が上田君のマークの前に放ったショットは僅かにクロスバーを越える。
主導権は握られても今大会4試合無失点の星稜DF陣の守備の固さが勝っていた。

そして32分久々富山ゴール前に迫った星稜は大きくバウンドしたボールをコントロールしようとした原田君の脇腹にマークに入った村上君の脚が入ってしまい原田君が倒れて起き上がれない。 佐藤主審はホイッスルを吹きすぐにスポットを指し村上君にイエローカードを出す。 ただスタンドは倒れた原田君の方に関心が行った様で星稜応援団もこのPK獲得を喜ぶと言う空気では無かった様だった。
だけどこのPKを主将の寺村君が左隅に決めやや劣勢だった星稜が先制ゴールを挙げた。 寺村君は今大会3ゴール目だったけどすべてがPKだった。 なんだかレンセンブリンクみたいだなぁ…と思った。(関係ないか?)
この試合最初のシュートが先制ゴールになるとは準決勝の良い流れを星稜が引き継いでいると思った。
40分を過ぎた時間に前半はどんなドラマがあるかと思っていたら先制された富山の野沢君が42分に惜しいミドルを放ち、続いて星稜の仲谷君と寺村君が連続してシュートを放ったが得点には至らず星稜リードのまま前半が終わった。



ハーフタイムの間、テレビでは1976年度大会から首都圏開催になり国立競技場が夢の舞台となった過去の大会の名場面を流していた。 当初は関東勢が強く、対抗できたのは静岡県勢と島原商や国見といった小峯先生の指導のかかった高校と四日市中央工くらいだった。 最近は選手権が高校生世代の最高の大会ではなくなってきているらしい。 実際に大会期間中はウクライナでU-18の大会が行われてクラブチームの選手で構成された日本 U-18 が優勝したらしい。
それでも選手権は私を含めて多くの人を惹きつける大会には変わらない。

両チーム選手交替無で始まった後半は46分スローインから繋いだボールを受けた富山ボランチ川縁君のシュートで始まった。川縁君は中学2年の時に母親を火事で亡くしたらしい。 お母さんはその雄姿を見たかったと思う。
後半の最初のシュートを許した星稜だったけど以降は星稜が優勢に試合を進めた。 48分には原田君が竹澤君と村上君のマークをかわしてシュートに持ち込み、49分には寺村君がドリブルで富山ゴール前に迫り城山君に倒されるがノーホイッスル。星稜は鈴木君と前川君の両ボランチが前半から前後の動きが早く攻守に、特に守備にからんでいた。そのせいか後半は立ち上がりから星稜はパスをよく繋いでいた。
1点ビハインドの富山は縦に中にと繋ぐシーンが多くなる。もっと両サイドを広く使えば、と思った。 52分に竹澤君が左サイドをオーバーラップで上がり野沢君からのパスを受け入れたクロスが西村君のヘッドを導いた様に。
60分この試合の最初の交替選手、富山の高浪君が西村君に替わって投入される。準決勝戦に続いて今大会4試合目の途中出場だ。高速ドリブルが持ち味らしい。 65分には右サイドをドリブルで上がり逆サイドの野沢君に振り竹澤君に送るとヒールで野沢君に戻し中の川縁君に。川縁君は相手DFに囲まれながらもドリブルシュートに持ち込むが惜しくもゴールには至らなかった。サイドをワイドに使うとこういうチャンスも生まれるのかと思われた展開だった。
その直後にもCKのクリアーを拾った竹澤君がボランチ細木君に送りクロスが入る。大塚君と渡辺君が飛び込むがここは誰にも当たらなかった。 67分には渡辺君がドリブルで上がるがここはフォローが無かった。 
ピッチをワイドに使い出した富山が次のゴールに近いかなと思いだした70分大塚君からのパスをインターセプトした上田君が富山PAの左側に流れた仲谷君に送る。そして仲谷君が折り返すと中央から走り込んだ森山君がぴたりとヘッドで合わせて星稜の2点目を決めた。 ちょっと川縁君のマークが後手に回ったみたいで充分に競り合えなかったみたいだった。
それにしても2年生FW森山君は京都橘戦に続いての国立連続ゴール。 来年以降も楽しみな選手だ。
そして75分、森山君がベンチに下がり3年生の179㎝長谷川君が投入される。 守りに移るにはまだ早いかなと思ったけど、下がったのが2年生なので妥当かもしれないなぁと思った。そして投入されたのが3年生だし….
あと15分で2点リード。 1997年9月28日のワールドカップ予選の日韓戦で呂比須が下がり逆転負けを喫したけど、あれは73分だったけどあの時は1点差。 この試合は2点差。多分国立初登場の長身の長谷川君をトップに残してロングボールを入れるのかなと思った。そしてこの時点ではあんなドラマがあるとは想像できなかった。

 

大会が終わり3年生達はどうしているだろう。富山第一の優勝は高円宮杯プレミアリーグ勢の初戴冠という事で高体連関係者達の間で話題になっているらしい。 “格上”のJリーグU-18を相手にする時は守備を固めてカウンター狙いになる傾向があり、またリーグ戦とトーナメント戦では戦い方も異なるらしい。
しかしワールドカップは出場国が拡大され世界の戦いはベスト16が出そろってからと言われている。そしてベスト16からはトーナメントで行われる。まぁ日本はまだまだそこに出られるかどうかの線上だけど。 世界の列強は1次リーグとトーナメント戦以降の戦い方が使い分けられるのだろうなぁ…..

同級生は夏休み前に引退するか2学期も続けて選手権都道府県大会に臨むか悩んでいた。
最近の大学受験は推薦制度が多様化しているのでその門は確実に拡がっている。 だから思い切り“部活”に打ち込める今の高校生が羨ましくもある。 

まぁ俺も随分と歳をとったという事か….. 来年はさいたまスタジアム2002 まで出て行こうかな。家から近いし。寒すぎない事を今から祈っておこう。



オセアニアのサッカー興隆の為に…. Raja Casablanca 2-1 Auckland City FC 11th December 2013

2013-12-22 | Aussie & Kiwi
2年前から始まった FIFA World Cup 2014 の地区予選。様々なドラマがあった。その中で北中米カリブ海地区の予選はいつも本大会出場を楽々決める常連のメキシコが大苦戦。あわや予選落ちの危機に晒された。
今年10月16日に行われた最終節でメキシコはコスタリカに敗れこの時点でかろうじて大陸間プレーオフ進出の4位の座にいた。そして同じ日に Panama City で行われたパナマ対アメリカ戦。既に本大会出場を決めているアメリカに対し、ホームのパナマは 2-1 でリードしておりそのままロスタイムに入った。このまま試合が終わればパナマはメキシコと勝点 11 得失点差 -2 で並ぶが総得点でパナマが上回り、メキシコは1982年大会以来の地区予選落ち ( 1990 年大会は出場停止で予選にも出られず。) の憂き目に会い、パナマのプレーオフ進出が決まるところであった。
しかし、ロスタイムに入った91分にアメリカの Graham Zusi, 92分にも Aron Johnnsson に連続ゴールを許しまさかの逆転負けを喫し、メキシコが奇跡的にニュージーランドとの大陸間プレーオフ進出を決めた。
そして11月13日。スタメンを5人入れ替えたメキシコは Azteca Stadium で All Whites を 5-1 と粉砕。続く Wellingtonでのアウェー戦も 4-2 で快勝し本大会出場を決めた。
今回の北中米カリブ海地区予選の結果はニュージーランドにとっては悲劇であった。 北中米地区予選が進むにつれて、プレーオフの相手がメキシコになるのではと言う不安が濃く現実味を帯び始めついに対戦相手がメキシコに決まってしまった。



オセアニア予選を勝ち抜いた All Whites にとってはこの地域の4番手がまさかメキシコになるとは思わなかっただろう。 
2010年大会は Ryan Nelsen を始めとした粘り強い守備力で前回覇者のイタリアと引き分けるなど3分勝点3で大会を終えてニュージーランドのサッカー興隆のきっかけとするべく健闘という印象を残した。
2005年2月25日からニュージーランド代表 All Whites を率いる Ricki Herbert 監督としては史上初の2大会連続ワールドカップ本大会出場を目標としその可能性も感じていたはずであった…….
4年前28年ぶりに本大会出場を決めたその歓喜のWellington でメキシコに 2-4 で敗れた後 Herbert 監督は辞任を表明。 今後の同国のサッカー人気がまたも危惧されはじめた。



昨年、一昨年は日本で開催された FIFA Club World Cup は今年はモロッコでの開催となった。
そして昨年と一昨年には開催国枠でJリーグのチームが出場できたが今年の ACL では 広州恒大の軍門に下り、日本のチームの出場はならなかった。 そんな中、昨年に引き続きこの大会に出場を決めた日本人選手が Auckland City FC 所属の岩田卓也。 大会の放映権を得ている日本テレビは Bayern München や Athletico Mineiro の事ばかり言及するが私の最大の関心は彼の雄姿が拝めるかどうかであった。



バルセロナで事前合宿
12月3日。 事前合宿の地バルセロナに向けてチームはAuckland を発ったとの事。そして5日には地元の名門、かつて
中村俊輔が在籍した RCD Espanyolと練習試合を行った。
この試合には Espanyol サイドも Pere Martinez Sastre、Borja Martinez といったレギュラー選手もスタメンに起用された。
しかしそれに臆することなく立ち上がりの Auckland は攻勢をかけ、20分にはフィジーからの助っ人 Roy Krishna がゴールを狙うがここは Espanyol GK Koke がファインセーブでストップ。 
以降は地力に勝る Espanyol がペースを掴み22分には少し遠目の位置得たFK から直接狙うがこれはクロスバーを越えた。 その後、 Peres Martinez のクロスにペナルティースポット付近の Railoがフリーであわせるがこの絶好機は外してしまった。
前半終了前に Auckland のアルゼンチン人FW Tade がシュートを放つがこれは GK Koke が掴む。
Auckland のTribulietx 監督は前半のパフォーマンスに不安を和らげる要素が多く喜ばされたと試合後コメントを残した。
“前半は1失点は覚悟はしていたけど、ボールを良く動かし相手よりも支配率で上回ることが出来た。 前半の方が選手達はより堅実であったが、何人かの選手はここに来る前にフル出場をしたことを心に留めて置かねばならない。そして時差が最初のタッチを不安定にさせたりフィジカル的な問題の大きな要因と思わねばならない。”我々はボールを受けたときに動きや判断を強制されるのではなく主導権を持たねばならない。守備的な面ではよく構築できたと思う。そして Espanoyl は我々を破ることが出来なかった。ここでの回答は明確だ。“

後半は両軍共に全選手を交代させた。そして Espanyol に運動量が戻った。
立ち上がりペナルティーエリアでボールをまわされ最後はArthur がシュートに持ち込むがそのシュートはミスをしてくれて失点は免れた。
しかし65分、中盤でこぼれダマを拾った Mamapou がそのまま放ったロングシュートが後半から交替で入ったGK Louie Caunter を破り先制ゴールが Espanyol に生まれた。
Auckland は失点後も右サイドを James Pritchett , Ryan de Vries and John Irving.らが支配をし Espanyol ゴール前に迫るが最後の詰めが甘くゴールは奪えなかった。
75分には中盤でよく動いていたEspanyol の Miravent が放ったショットを若い GK Caunter がファインセーブでストップ。失点は1でとめた。
“スペインの全てのチームは30人から40人の選手からメンバーを選んでいるが我々はそんなにいない。しかし多くの若手が後半からプレーをし Espanyol の様なチームを相手に良い経験を積められたと思う。 Espanoyol の選手達は動きが速くボールさばきも素晴らしく、こちらがボールを持ってもすぐに詰めて来る。そういった選手達を相手に Auckland の若手達の発展は素晴らしくこの経験から若い選手達は多くの前向きなものを掴めたと思う。”
この様なコメントをTribulietx 監督は残した。
残念ながらこの試合に岩田選手は出場しなかった。足首の故障から大事をとったらしい。 この報道を地元紙で知ったときはちょっと心配になってしまった…..
翌日 Auckland City FC一行は最初の試合が行われるモロッコの Agadir に移動したとの事であった.

Soccer: Spaniard inspires Cup side

Espanyol 戦で活躍したフィジーのストライカー Roy Krishna は2008年大会に Waitakere のメンバーとしても Club World Cup に出場。この時は日本開催で国立競技場で行われた Adelaide United との試合は現場で観戦した。
FIFA World Cup 2010, 2014 の予選もフィジー代表として出場している。 Raja Casablanca DF陣を悩ませただけの実力は持っていたと良く理解できた。



またMFのCristobal Marquez は2008年からEl Submarino Amarillo (the Yellow Submarine) ことVillaral でプレーした経歴を持つ。2010-11 にはトップチームで2試合プレーした経歴がある。それでも B チーム時代は同僚に今やArsenal のスター選手Santi Cazorla そしてReal Madrid のGK Diego Lopez 達がおりその当時の監督は現在Manchester City で指揮を執るManuel Pellegrini.であった。 2011 シーズンからはウクライナの Karpathy Lviv に移籍しスペインリーグ2部の Elche にローン移籍をしていいた。 
その Karpathy Lviv とは彼の給与未払い問題で法廷と争われて約 99.4万 NZドル ( 約8,500 万円 ) が支払われるようになったがその直後に Tribulietx 監督は Marquez にアプローチ。欧州でプレーをすれば FIFA Club World Cup に出場できるチャンスが少ないと Auckland 入りを説得したとの事。
“これは良い機会だ。ウクライナでは良いシーズンを過ごせなかった。彼らは契約を尊重しなかったのでそこでのキャリアーを終えた。ここオークランドには何かを持って来たかった。私は個人プレーをする選手ではなくチームの中でプレーする選手だ。”
先週の Waitakere との試合では類まれなテクニックを披露。地元の観客に“ここらでは見られないプレー”と賞賛を得たらしい。また190cmの長身守備的MF Mario Bilen もチームにフィットしてきており決して Underdog で終わらないと意気は上がったらしい。
“難しい試合になるだろう。しかし夢は最初の試合を突破し存在を知らしめることだ。 世界に我々が何が出来ることを示したい。それは可能であると思う。 我々にもチャンスはあるはずだ。 ” Marquez はこう語った。



日本人選手 連続出場なる!!

FIFA Club World Cup 2013 の開幕戦は12月11日に Agadir で開催された。そしてこの試合が放映されたのは翌日だった。その試合の録画をようやく私が見られたのは更に翌日の事であった。それまで私は試合結果を見ないように、偶然でも知ってしまわないように気をつけていた。幸いにも?この試合を取り扱う日本のマスコミは皆無に等しく気を使う必要もなかたけど。

注目のスタメン。まず Auckland City の左SB には背番号3番、日本人選手岩田卓也が起用された事を知り声を出して拳を握り締めた。 怪我の為に Espanyol 戦に出場できなかったのでこの試合もベンチスタートかと危惧したけど見事に2年連続出場を果たしてくれた。
GK Tanati Williams も岩田同様昨年に続いて連続出場。 スペイン陣CB Angel Berlanga は2011年大会から3大会連続出場でもう一人のCB Ivan Vicelich は All Whites のメンバーとしてWorld Cup 2010 に出場。重鎮だった Ryan Nelsen とCBを組み、イタリアの猛攻を不可解なPK1失点に抑えた。この試合でも守勢に回ることは容易に予想されたので彼に掛る期待も大きかった。 右SB 25歳のJohn Irving はかつて English Premiership のEverton にも在籍した。ボランチには Villareal にいた Marques と31歳のウェールズ人 MF Christopher Bale が入る。 Bale は今大会で4回目の Club World Cup 出場となる。2007, 2008年大会は Waitakere のメンバーとして来日をした。 その後ろには長身のクロアチア人の MF Mario Bilenが置かれた。 攻撃陣では2列目右にフィジーからの助っ人 Ray Krishna 。 左の Daniel Koprivic は今大会で6回目、8試合目の出場。この選手も Bale 同様 2007, 2008 年は Waitakere のメンバーとして来日。 ワントップには England から来た Adam Dickinson。 2009年に初出場以来4大会6試合目の出場。
こうしてみると FIFA 大会の出場経験をみれば Auckland の方が断然上回っており、それが何とか試合に良い様に現れてくれればと思った。

一方ホームの Raja Casablanca はFIFA Club World Cup は2000年のブラジルで開催された大会に出場しておりその時は Corinthians 2-0, Al Nassr 4-3 そして Real Madrid 3-2 と3戦3敗で大会を後にした。 しかしそこはサッカー国技のモロッコで国内リーグ優勝11回。 アフリカクラブ選手権優勝3回の名門チーム。メンバーを調べると CB Oulhaj, 左SB Karroushy がモロッコ代表。 Issam Erraki と組む Guehi はコートジボアール人MFでまだ代表暦は無いが何とか代表入りをして翌年のワールドカップメンバー入りを目指しているとか。 攻撃陣ではトップしたの Chtibi と2列目左の Hatidi がモロッコ代表暦がある。 2列目右の Mohsine Moutaouali は何故か代表暦が無い。 トップの Moussine Iajour はまだ代表暦は無いが2005年オランダで開催された FIFA U-20 に出場。決勝トーナメント1回戦ではGK 西川、 FW 平山を擁する日本と対戦しロスタイムの得点で 1-0 で日本を破った。この日のスタメンでは唯一FIFA 主催大会に出場した事がある選手だった。
地力に勝ると言われている Raja Casablanca の最大のアドヴァンテージはBoca Juniors, Borussia Dortmund そして Celtic に次いで熱狂サポーター世界ランク4位と公式に言われているサポーター達の熱い声援。 ちなみに9位が浦和レッズらしい。実力もさることながらこのサポーター達の後押しが Auckland イレブンにと言うよりも審判団にどう影響するかが懸念された。




大会直前のリーグ戦では12月4日の Hassania Agadir 11月29日の Difaa El Jadida 戦に共に 0-1 で連敗を喫していた。その影響か監督が更迭され現在のチュニジア人の Faouzi Benzarti 監督が就任したとの事。
しかし1週間前に Agadir に来ていたことが更に大きなアドヴァンテージになると思った。この試合のメンバーが解ればなぁ~と思った…



6日前に亡くなったネルソン=マンデラ氏への追悼の為の黙祷 ( この模様は日本テレビでは放映されず ) の後に Auckland FC のキックオフで試合が始まった。キックオフ直後、Raja Casablanca ゴール前にロブがあげられ Auckland の選手が雪崩れ込む。そしてスローインを得ると早速岩田がボールを投げ込む。 完全アウェーのAuckland の数少ないアドヴァンテージは上背があることととこの大会への経験が多いこと。 2分17秒には岩田が Marquez とのワンツーで左サイドを抜け出し中に入れる。3分15秒には逆にCasablanca が左サイドから攻撃に出て Karroushy からのセンタリングに Chtibi が走りこんで撃つがここは Vicelich がクリアー。Auckland の選手がボールを前に運ぶとすかさず口笛が鳴り響き、Casablanca の選手達が取り返すと大歓声が上がる。 5分59秒、岩田がスライディングで相手の攻撃を止め、そのこぼれダマを拾った Krishna から Morquez に繋ぎ中に入れるが今度はボランチの Guehi がクリアー。 Auckland スペースに選手が出てきてボールを受けるなどこれまでの大会では見せなかった繋ぎを見せる。 Tribulietx監督はとにかくスペースを突く動きを徹底させたかったらしい。 
しかしAuckland の攻勢もここまで、6分36秒、左サイドの Karrouchy から Chtibi を経由して Guehi に渡り、右サイドのMoutaoualiに送られる。岩田がマークに入る前に上がってきた Karrouchy に渡り Irving, Koprivic がマークに入る前にシュートを放たれる。このショットは外れたがこれを境にCasablanca の攻勢が続いた。7分54秒には Erraki から Iajour に渡り Vicelich がマークに入るもシュートに持ち込まれるがGK正面に。11分30秒、Irving が Karrouchy を倒して与えたFKの早いリスタートから Erraki が放つがここはゴール枠を外す。17分11秒、 Chtibi がMoutaoualiとのワンツーから抜け出すがここは Vicelich がクリアー。 
Casablanca は右サイドをMoutaouali ドリブルでががんがん上がって来たと思えばトップ下の Chtibi に預けてリターンを貰ったり、素晴らしいスルーパスを送ったりと対峙する岩田は序盤何度か後手に回ることがあった。 ちょっと彼一人では対応は厳しいと思わされた。 また Hachimi, Karrouchy の両サイドバックがワイドに開き攻撃時は高い位置を保持するのでAuckland の2列目以降が押し込まれる形に。 ボランチの Guehi と Erraki が良い位置にいるのでAuckland がボールを取り返しても経てパスが入りにくい。
21分33秒にはMoutaoualiから受けた Iahour が岩田のマークをかいくぐってシュートに持ち込むがここはGK Williams がストップ。22分18秒にはMoutaoualiがドリブルで上がって来るがここは岩田と Berlanga と2人掛りでストップ。22分31秒にはショートコーナーから中に入れられるが長身 CB Vicelich がクリアー。23分5秒にはまたもショートコーナーから 左SB Karrouchy がシュートを撃つがGK Williams がキャッチ。 23分50秒には Iajour , 24分47秒には Guehi が連続してミドルを放つ。 Casablanca の選手達がシュートを放ったり、CKを得たりするたびに大歓声が彼らを後押しした。
29分29秒Moutaoualiから Hafidi への浮きダマのパスが通り Iajour 送られる。 Vicelich がマークに入ったところを後方のMoutaoualiに戻されシュートを撃たれるがアンカーの Bilen に当たってゴールラインを割った。
Auckland はCasablanca の猛攻に晒されている様には見えるが決定的なシュートは何とか防ぐと言う粘りのディフェンスを見せていた。 CKを取られても高さでは上回るAuckland DF陣はしっかりと中を固めていた。
しかし均衡は破られてしまう。38分11秒、Moutaoualiから Iajour に渡りボランチの Guehi に送られる。そして左サイドを上がってきた Karrouchy にパスが通ると Karrouchy はワンタッチパスを前線にそこに走りこんだ Iajour が Vicelich のマークを受けながらもシュートに持ち込み GK Williams の左を破ってAuckland ゴールネットを揺らし先制ゴールを上げた。








ここまでしっかり守ってきたのに….と残念に思った。大歓声を上げるCasablanca サポーター。大喜びと言うよりも快勝を期待していた彼らにとっては安心の遅すぎた先制ゴールであったか…… テレビに映し出されたAuckland のTribulietx 監督がミネラルウォーターをあおったのが印象的だった。
先制ゴールを許したAuckland であったが終了間際にチャンスを迎える。44分36秒、FW Dickinson にボールが入りドリブルでPA付近に迫る。 Hachimi のスライディングが明らかに Dickinson の脚に入り転倒するが笛は鳴らない。更にこぼれダマを拾った Marquez がドリブルでPAに入って転倒する。リプレーを見ればマークに入った Benlamalem が脛を蹴っているのにガンビア人の Gassama 主審は笛を吹かない。 どちらかのプレーは明らかなファールだったけど。 ファールをアピールする Marquez に観客は口笛を浴びせた。
しかし前半終了直前にCasablanca の選手が倒れてボールアウトにしAuckland のスローインとなったが、Marquez がCasablanca の選手に返した時は拍手が送られた。

同点!しかしロスタイムに無念の決勝点….

両軍選手交替無しにCasablanca のキックオフで始まった後半もMoutaoualiで幕が開けた。開始早々 Berlange がMoutaoualiを倒してFKを与えるがこのFKは Irving がヘッドでクリアー。その直後のCKは Vicelich がヘッドでクリアーするもこぼれダマを拾ったMoutaoualiがチップキックでAuckland ゴール前に送りテクニックを見せる。 50分には岩田をかわして前に上がるがここは Berlange がカバー。51分には左サイドに回ったMoutaoualiが Vicelich と競りながらドリブルシュートに持ち込むがファーポストの左に外れる。 何とか追加点は止めないと….と案じるが、55分を過ぎるとAuckland が前に出てくる機会が増え始めた。 その基点となったのは左MFの Roy Krishna。前半も何度かドリブル突破を見せていたが後半は更にそのドリブルがボランチの Guehi 一人では止められずSBの Hachimi , トップ下の Chtibi が引っ張られる様になった。
55分にはボール支配率がCasablanca 59 Auckland 41 と表示されるがこの時に試合を支配しているのはAuckland だった。56分岩田が Dickinson に送るとマークに入った Benlamalen に倒されイエローカードが出されFKが与えられる。 Marquez の FK から Koprivic に繋ぎ中央に走りこんだ Krishna に送られるがその前に Erraki がクリアー。惜しいチャンスだった。そのCKから Vicelich がヘッドで前に送り跳ね返ったところを Koprivic が放つがゴール枠は外れる。 61分には再び Vicelich からゴール前に入れられ Krishna が撃つがここは GK Askiri の正面に。 徐々にオークランドがペースを掴みスタジアムに口笛だけが響くようになる。
そして63分久々MoutaoualiにPA付近でボールが渡るが3人でマークに入りボールがこぼれる。そのこぼれダマを拾った Krishna が一気にドリブルで上がると今度はここにマークが3人入る。しかしマークに入った Erraki, Oulhaj おして Benlamalen が重なる様に交錯しボールがこぼれる。それを再び拾った Krishna がそのままドリブルで上がりGK Askiriと1対1になる。 Krishna が冷静に放ったシュートはCasablanca ゴールに突き刺さりAuckland が同点に追いついた。









スタジアムはただ静寂が訪れた。何人いたのだろう観客席にいた Kiwi 達が大喜びしている。そしてテレビを見ていた私も思わず声を上げた。
Auckland City FC というよりも2009年大会の TP Mazembe との5位決定戦で Auckland City FC の Riki Van Steeden がロスタイムで決勝ゴールを上げて以来333分ぶりにオセアニア代表のチームがこの大会で決めた得点であった。
その直後、追いついた Auckland ベンチが動く。トップの Dickinson を下げてアルゼンチン人FW Emilliano Tade が投入された。 足の止まり始めた Casablanca DF ラインをドリブルで突破する方策だろう。
攻撃の方も悩まされていた Moutaouali は岩田と Berlaga が上手く協力して抑える様になっていた。そして Chitbi の運動量が落ちて来てMoutaoualiが孤立しだした。70分には Krishina が左サイドを突破し左サイドに回って来た Bale に出す。 Bale が入れたクロスに Koprivic がヘッドで狙おうとするが Chtibi が完全に抱え込んでヘッドが撃てない。 ここはホイッスルが鳴ってもよくは無かったか?  73分にはMoutaoualiからのスルーパスに Hachimi が反応できずMoutaoualiの表情が険しくなる。 この調子で行けばAuckland にもチャンスがあると思い出した。
Casablanca ベンチは74分遂に Chtibi を下げてコンゴ代表の Deo Kanda を投入する。 Kanda は2009年大会 TP Mazembe のメンバーとしてAuckland と対戦している。Kanda は2列目右に入り、 Hafidi がトップ下に入った。 この交替がそうしたのかポジションチェンジがそうしたのかこれでCasablanca が再び主導権を握りだした。
76分 Erraki から Iajour に縦パスが入るが Berlaga がマーク。 77分にはMoutaoualiのドリブルから中に送られHafidi を経由して Guehi がシュートを撃つが Irving がブロック。 
82分Auckland ベンチは2人目の交替選手パプアニューギニア代表 FW David Brown を投入する。これで2トップ気味にするのかな?と思ったけどCasablanca ベンチも延長はご免とばかりに Iajourを下げて中央アフリカ代表の Vivien Mabide を投入する。その直後にMoutaouali から Hafidi に渡るが Berlaga がスライディングでストップ。 87分には Mabide が右サイドから大きく左前方に送るがここも直前に Irvine に替わって投入されたベテラン James Prichett がスライディングでクリアー。 その向こうには Kanda, Hafidi がフリーだった。さすが元 All Whites のベテランと思った。88分には Erraki からMoutaoualiに入るがここも岩田が粘りのマークで中に入れさせない。 
そしてロスタイムが4分と表示される。 延長に入るとAuckland の方が苦しいかもしれないけど前半よりも得点の可能性が感じた。チャンスがあるはずだと期待した。試合前に岩田卓也のコメントが紹介された。“ チャンスを掴めば拡がる。”
そして90分左サイドを Krishina がドリブルで上がり中央を上がった Tade に送る。 そして更に前に入った Brown に。Brown は倒されるけど笛は鳴らない。そこから繋がれ中盤のMoutaoualiに繋がれる。 Bilen がファール覚悟でストップを図るが Moutaoualiは倒れそうで倒れず、Gassama 主審はアドヴァンテージを取り笛を吹かない。 そして左サイドを上がった Karrouchy に送る。 Karrouchy のクロスに中央で飛び込んだ Oulhaj のヘッドは GK Williams が良く反応するが走り込んだ Hafidiにこぼれ球を押し込まれてしまった。 もう一人中央に走り込んだKandaのマークに入っていた岩田の反対側にボールがこぼれるという不運だった。 痛恨のゴールを許した GK Williams と岩田の表情が……



大歓声の上がるスタジアム。しかしまだ数分残っている….. 再開後に Bale が Erraki に倒されFKのチャンスを掴む。散々相対したこの二人、最後に来て睨み合いを始めた。 そしてCasablanca ベンチは時間稼ぎか Hafidi を下げて Rahumani を入れる。 もう最後のチャンスだ。 GKが蹴り入れろ!全員ゴールマウスに入れ!とテレビに向かって叫ぶ。
しかしWilliams は蹴らずにCasablanca ゴール前に上げられたFKは跳ね返され、激闘に終止符を打つホイッスルが鳴り響いた。   

あぁ~惜しかったなぁ~。 
試合後、Tribulietx監督は選手達の健闘を誇りに思う、というコメントを残したらしい。 日本テレビでも“これだけハイレベルな開幕戦は初めて。”としきりに賞賛していた。 だったら昨年までのAuckland は何なんだ?とちょっと腹が立った。
Auckland の選手達は翌朝早くに Agadir 離れ30時間近く掛けて遠路ニュージーランドに帰国したらしい。
この間の選手達の心中は......
勝ったCasablanca は更にMonterrey そして何とAthletico Mineiroをも破り、史上初めて開催国枠のチームの決勝進出を決めた。 こんなに強いチームにあれだけ健闘したのか....それともこの試合がCasablanca を成長させたのか......

決勝戦と同じくらい楽しみだった試合だった。また来年どんなオセアニアのチームが出て来るか楽しみだ。

その時は現地で観戦したいなぁ.... だけどモロッコは遠いか....

今年も無念の….. 徳島ヴォルティス 2-0 京都サンガ FC 8th December 2013

2013-12-11 | 京都サンガ J-League
目の前では白のユニフォームの選手達が狂喜乱舞している。向こう正面の徳島サポーター達の歓声が耳に障ってくる。
既にグラウンドコートを羽織っているサンガの選手達は遠目から見ても落胆振りは手に取るように解る。そして我々サンガサポーター達も声が出ない。悔しすぎて涙も出ない。 これが現実だ。受け入れなければ、自分に言い聞かせる。

“要するにJ2で優勝するか2位以内に入らなきゃJ1に上がれる資格は無いって事ですかね…..”
後方にいたサンガサポーターにこう語りかけて足早にその場を立ち去った。 “気をつけて京都に帰ってください。”こう付け足して。 こんな結果になるとはなぁ~。 まぁ完全に無いとは思わなかったけど…




4度目のJ2陥落から3シーズンが過ぎた。昨年の昇格プレーオフは悪夢以外の何物でもなかった。新たに制定された昇格プレーオフの制度を呪いに呪った。 今シーズン京都に“替わって昇格した”大分がダントツの最下位でJ2に舞い戻る様を見ると昨シーズンJ2で6位だったという実力通りの結果と思った。 2位の湘南もJ2に逆戻りするけど….

今年は違う、シーズン3位に終わったけどガンバ大阪、ヴィッセル神戸といったJ1常連チームとの直接対決も試合内容は悪くなかった。今年は絶対に昇格できると信じて昇格プレーオフに“臨んだ。” 
そして押されながらも長崎と引き分け決勝進出を決めた。 その試合内容には大いに不安を感じたけど….

来年から東京五輪に向けて改装工事にはいる国立競技場。私もここで公式戦に出場する機会に恵まれた。種目はサッカーではないけど。改装前の国立で最後にJリーグの公式戦で勝利を飾るのは愛するサンガだと期待していた。
サンガは怪我で戦列を離れていた主将の安藤淳が復帰し右SBに入り、長崎戦で久々復帰しそのポジションに入った酒井がバヤリッツァとCBを組んだ。安藤の復帰は嬉しかったけど長崎戦を完封したDFラインはそのままでも良くは無かったか?と思った。しかし染谷が怪我で戦列を離れたことは試合が終わってから知った。
中盤はかわらず。前線は長崎戦では怪我から復帰し途中出場だった駒井が三平に替わって2列目右に入った。

一方の長崎は第40節の岡山戦の勝利 ( 2-0 ) で連敗を3で止め、以降は全く同じスタメンで前の千葉戦まで4試合戦い、その間2勝2分。 京都との決勝戦は千葉戦で負傷したドウグラスに替わって誰を津田と組む2トップに持って来るのかと言うことであったが高崎にお鉢が回ってきた。高崎のスタメンはが第15節の岡山戦以来。
CBの千代反田、橋内は今季サンガ戦は初出場。両者の出場試合を調べると千代反田が13試合橋内が14試合だった。怪我でもしていたのか?それともシーズン最初は3バックを採用していたので出番が無かったのか?
サンガの方では山瀬、バヤリッツァそしてかつて徳島でプレーした倉貫がこの徳島戦初出場だった。



徳島のキックオフで始まった試合は開始直後こそ徳島がサンガゴール前に蹴りこんできたけど、長崎戦ではあれほど後手に回っていたサンガが以降は主導権を握り続ける。中盤でボールが良く回り徳島の選手がボールを取っても早いプレスで前に出させない。 
駒井、山瀬が効果的なドリブルを見せる。徳島はファールでストップをせざるを得ない。そのFKから更にチャンスを広げると言う良い流れが続く。



7分には工藤がミドルを放ち、8分には横谷が藤原に倒され得たFKにバヤリッツァと横谷が飛び込むがここはGK松井がキャッチ。 10分には工藤からボールを受けた駒井が右サイドを突破し中に入れるが走りこんだ横谷にわずかに合わない。13分、またも工藤から受けた駒井がドリブルで上がりCKを得る。そのCKに秋本がヘッドで合わせるがゴール枠は外れた。 14分には工藤からのチップキックパスが横谷に渡るがここはマークに入った千代反田がクリアー。
23分横谷がドリブル突破を見せ濱田、アレックスを交わすが最後にボールを受けた山瀬がシュートを撃つ前にファールを取られた26分、またまた徳島PA付近で得たFKを福村がゴール前に入れる。中には秋本、バヤリッツァ、安藤らが待つ。一旦高崎が跳ね返すがこぼれダマを拾ってつなぎ福村が中に入れる。バヤリッツァが柴崎と競るがボールは2人に当たらずこぼれたところに横谷と千代反田が競り合うがボールは収まらずゴール前にこぼれる。そこにバヤリッツァと千代反田が縺れ込むがFK松井が掬い上げた。 
29分、秋本が濱田に倒されまたもFKを得る。高崎がヘッドでクリアーするもこぼれ球を拾った秋本が倉貫に繋ぎ中に入れるがわずかに飛び込んだバヤリッツァに合わずに松井がキャッチ。 先制点になりそうな攻撃が続いた。



序盤は、まだ日が落ちていない国立のピッチの上で展開され続ける向こう側の徳島ゴール前の様相を楽しんだ。この時点ではまだまだ改装前の国立競技場での思い出を少し楽しむ余裕があった。





32分この試合初めて徳島がこちらのサンガゴール側に迫って来た。 左サイド前方に走り込んだ津田に一発ロングパスが入る。マークに入った安藤のマークをかわして中に切れ込み後ろから走り込んだ大崎に戻す。大崎が放ったショットはGK呉承訓の正面を突いた。 このプレーで早く先制ゴールを挙げないと少し心配になったけどこの直後からも試合は向こう側の徳島サポーターの前の徳島ゴール前で進行した。
33分には分厚い連続攻撃を見せ最後は工藤から受けた横谷がシュートに持ち込むが松井がキャッチ。 36分には工藤が柴崎に倒され得たFKから駒井に繋ぎ大崎、濱田をかわしドリブル突破を試みるが最後は橋内にクリアーされた。

攻め続けるがゴールを割れない展開に最低でも 0-0 のまま前半を終えられればと思うようになった39分、またも縦パス1本でサンガゴール前に徳島攻撃陣が迫りCKを得る。 ここで入れられたらまずいなぁ~。マークきちんとつけよ…と思うとアレックスが上げたCKに下反田がフリーで放ったヘッドがサンガゴールネットに突き刺さってしまった。 呉承訓の手に当たったのになぁ~マークをきちんとって思ったのになぁ~と天を仰いだ。 





リプレーを見ると下反田が津田が開けたスペースにうまく秋本のマークを振り切ってフリーになっていた。 倉貫がゴールカバーに入ったけど呉承訓のセーブの手がボールの角度を変えてヘッドでクリアーできなかった。
徳島サポーター達の歓声がこちらにも聞こえてくる。 失点後相手サポーターの歓声ほど耳障りなものは無いけど、この時点ではまだ取り返せる、同点ではサンガが昇格する。まだ大丈夫と思っていた。それに千葉との準決勝戦では先制後徳島はすぐに同点ゴールを許していた。

しかし悪夢がすぐに襲ってくるとは夢にも思わなかった。 3分後の42分。 右サイド後方、宮崎からのロングフィードが中央から前線に走り込む津田に渡るとそのままフリーで抜け出た津田が中央から慌てて戻った安藤のマークも追いつかずサンガゴールに蹴り込んで追加点を決められてしまった。









この追加点には我々も本当に言葉を失ってしまった。 それだけショックを与えるゴールだった。 宮崎からフィードが出された時に高崎の頭に当たって少しコースが変わりそのまま津田の足元にいい具合に収まった。そしてそのせいでオフサウドラインが一瞬掛け損なってしまい GK 呉承訓も前に出るタイミングを逸してしまった。 津田にはリーグ戦でも2試合とも1ゴールずつ決められている。 押しまくりながら縦パス1本が津田に入って失点を許す…. この試合と同じ様なやられかたで。
この2点目が最後まで重くのしかかった。

せめて1点差でハーフタイムに入ってくれないかなぁ。1985年10月26日の“メキシコの青い空の日韓戦”の様に。
しかしロスタイムに入って山瀬の折り返しに合わせた秋本のヘッドは力なく松井の掌に収まり前半が終わった。
徳島サポーター達からゴールを挙げた千代反田と津田のコールが鳴り響いていた。

両チームとも選手交替ないまま後半が始まった。 



何とか開始15分以内にまず1点を還してくれ、ベンチの原一樹、宮吉はいつ投入されるのかと思った。しかし京都のキックオフで始まった後半は開始早々、高崎がフリーで抜け出す。GK呉承訓と交錯して転倒するがホイッスルは鳴らずにほっと胸をなでおろす。 その後も柴崎がミドルを放つなど前半と異なり徳島が攻勢に出てくる。徳島は選手間がいい具合に距離を持ちミドルパスを効果的に使う。これはサンガのプレス、ショートパス対策か?
そしてアレックスが高い位置に張り出して来た。これは相対する工藤と駒井への対策か? またボランチの柴崎と濱田が高い位置に上がってくるので京都は前半の様に中盤でパスが思うようにつながらなくなっていた。そのせいか京都のパスが足元へ足元へとしか繋げなくなっていた。


 
しかし最初の交代カードを切ったのは徳島だった。58分FW高崎を下げて同じFWのドウグラスが投入された。リードしている方が大事な交代枠をFW選手同士の交代で使ってくれたのでここはラッキーと思った。 そして京都は安藤を2列目に上げて3バックにし中盤を倉貫、秋本、安藤、山瀬と並べ 3-4-3 の布陣にした。しかしその直後徳島はカウンター攻撃からドウグラスから大崎に繋がれ中に入れられたところを一旦は秋本がクリアーするが拾われて柴崎が津田とのパス交換から抜け出しシュートを放たれるがバヤリッツァがクリアーし追加点は阻止した。
なかなか主導権を握れないサンガは61分ようやく工藤のドリブル突破からカウンター攻撃にうつり山瀬のシュートを引き出す。これはGK松井がブロックしCKに逃れ、そのCKから秋本が折り返しバヤリッツァがヘッドで落とした所を倉貫が拾うがシュートは打てずにCKに逃れられた。このあたりからサンガがようやく主導権を奪い返しつつあった。
64分ようやくサンガベンチが動く。 山瀬と倉貫を下げて三平と原一樹の二人を替えた。 これで三平と原が2トップに入り横谷がトップ下に入った。 こうなると今度は徳島ベンチが2枚目の交代カードを切る。 MF宮崎を下げて那須川を入れて右SBに入れる。そしてアレックスがMFの位置に入って来た。これは安藤対策だろう。 更に75分には2点目を決めた津田が下がりかつてサンガで活躍した斉藤大介を投入し中盤を厚くする。こんな形で斉藤と再会するとは…..



その直後ドウグラスがこの試合初めて積極的にボールを持ち右サイドをあがった。酒井をかわして逆サイドに送るとそこに走り込んだのは濱田か、やられると思ったけが安藤が必死のカバーでシュートを撃たせなかった。
78分今度は酒井から徳島PA内にボールが送られるとそれにGK松井が釣り出された格好に。左に走り込んだ三平が松井のいないゴールに放つが藤原がヘッドでクリアー。 那須川もゴールを守っていた。 あぁ~と天を仰ぐ。 ゴール裏でアップを続けている宮吉に早く声が掛からないかと気になる。この試合、負ければ終わりだ。早く交替をと思うがベンチはなかなか動かない。 80分左サイドの三平が秋山から受けて原に送りゴール前に飛び込む秋山に入れるがその前にGK松井がキャッチ。





83分に酒井から駒井にスルーパスが送られるがタイミング合わずシュートに至らない。
85分、宮吉がベンチに呼ばれ安藤に替わってようやくピッチに送り出される。 もっと早い時間でもよくは無かったか?あぁこんな時久保裕也がいてくれれば….と無い物ねだりをしてしまう。
徳島DFはしっかりと高い位置をキープする。これも2点リードしている余裕か? 時間が刻一刻と無くなりその点差が重くのしかかる。 87分ようやく駒井がミドルを放つがGK松井はCKに逃れる。 もっと早い時間からミドルを打ち続ければ徳島DFは前に出て来たのに….と思っても仕方がなかったか…



CKになってもハイボールには長身の千代反田と橋内がしっかりと対応する。 89分47秒酒井からバヤリッツァにスルーが入るがここも焦りからかシュートが撃てない。 そしてロスタイムが3分と表示される。 あぁ2点差でなければなぁ~と心の底から思い、これで終わるのか~と視線を落としてしまった。 91分工藤から受けた原のシュートは勢い無くGK松井がキャッチ92分福村のロブに秋本と宮吉が飛び込むがここもGK松井が難なく掴む。 宮吉のシュートは下反田にクリアーされ、横谷のシュートはGK松井にまたも捕られる。

そしてすべてを終える村上主審のホイッスルが鳴り響いた。

今シーズン勝てなかった徳島にまた敗れた。これで昇格プレーオフ3戦ノーゴールとなってしまった。
あぁ~またJ2か…… 徳島のサポーター達が羨ましく思った....




12月10日 秋本、原、倉貫、中村裕哉、サヌの契約満了5選手とは契約更新しない旨の発表があった。
監督人事も含めて来シーズンのサンガはどんなチームになるのだろう。 またさいたまスタジアムでサンガの試合を観戦できる日が近いうちに来ることを願うよ。



こんなシーンをもう一度見たいな~…….



第一関門突破。 今年こそ... 京都サンガ 0-0 V・ファーレン長崎 1st December 2013

2013-12-07 | 京都サンガ J-League
時計は92分を回っていた。ロスタイムは2分強程度しか残っていなかった。後半に入っても長崎の猛攻は止まず、サンガは得意のショートパスを繋ぐどころではなかった。 長崎が今度は左サイドから攻め上がり下田が中に入れるがここはサンガDFがクリアー。それが横谷に入り長崎DFともつれて倒れるとそのこぼれ球を76分から出場の駒井が拾い脱兎のごとく中央からドリブルで長崎ゴールに向う。前にはボランチの岩間しかいない。センターラインを駆け抜ける。“行け!行け!シュートだ!シュートに持ち込め!”私はテレビ画面に向かって叫んだ。 すると左に三平がフリーで上がってきた。
“よし出せ!右に出せ!” しかし駒井は岩間を抜きにかかり、抜け出そうとしたところで転倒してしまった。明らかに抜かれた岩間が駒井に当たりに行っていた。 

“おい!何をするんや!レッドやろ!”と叫ぶ。佐藤主審がすかさずレッドカードを岩間に出す。 時間が惜しい岩間はそのまま一直線に自軍ベンチに走り去る。 高木監督をはじめ長崎の選手が岩間を握手で迎える。 そのまま駒井が抜け出してシュートに持ち込んでおれば試合を決めるゴールが決まっていたはずだ。 このファールは長崎サポーターなら誰もが受け入れるところだろう。
“あ~、何でフリーの三平にださへんかったんや~。” そうしたら試合は完全に終わっていたはずだった。

横谷がFKをセットするがもうバヤリッツァをはじめDF陣は上がってこない。 このまま終わってくれればサンガが翌週の国立決戦にコマを進めるのだ。 そのFKから長崎ゴール前の三平にボールが入るが三平はシュート打たずに右コーナーにボールを運んで時間を稼ぐ。そしてそこで三平が倒され京都がFKを得る。長崎としてはファールなしで止めたいところだろうが。そのFKからまたも三平がドリブルで時間を稼ぐ。 もう94分になろうかと言うところで下田がボールを奪い前線の古部に送るがその前に福村が落ち着いて跳ね返す。 そして94分3秒,佐藤主審のホイッスルが鳴り響き愛するサンガが昇格に向けての国立決戦進出を決めた。 フィールドに倒れこむ長崎の選手達。 この試合というよりも今シーズンのJ2の台風の目になっていたのは長崎だった。サンガはなかなか長崎より上の順位に上がれなかった。
だけどそんな事はどうでも良かった。 残ったのはサンガ。昇格への挑戦権をまだ渡さなかった。 まだこれで5試合勝試合にお目にかかれていないのは気になるけど……



昨年の悪夢のプレーオフ大分戦から1年が経った。第39節神戸戦 ( 0-0 ) 第40節ガンバ戦 ( 0-2 ) と“模擬テスト”を不本意な結果で終えた時点で3位が確定してしまった。そのせいか続く水戸 ( 1-2 ) そして最終節の栃木 ( 1-2 ) と連敗でプレーオフを迎える事となった。
自分の予想では準決勝戦はどこと言うよりもおそらく決勝は千葉との対戦と思っていた。だけどまさか千葉が最終戦の最下位鳥取戦であんなに苦戦するとは思わなかったし最終節で長崎との“直接対決”を制した徳島が4位に上がって来るとは40節を終えた時点では予想しなかった。
準決勝の相手は徳島や6位には入れなかったけど札幌、松本と言った順位を上げてきたチームよりも、6位に順位を落としたチームと対戦したいと願った。そして最後の2試合を連敗した長崎との対戦となった。
長崎なら…リーグ戦の直接対決は1勝1分だったからとと少し楽観したけどその試合内容はかなり拮抗していたらしく昨年は同じ九州の大分に惨敗を喫したことからちょっといやな予感も否めなかった……

準決勝戦は民放やNHK BS でも中継が無くこのワールドカップにも匹敵するくらい重要な試合をどうやって見ればいいかと思案していたら毎月最初の日曜はCSが無料放送をする日らしくスカチャンで見る事が出来た。本当にラッキー今日はついているぞ!と思ったけど同じことは長崎サポーターにも言えたのだった。
学生時代汗を流した思い出の西京極競技場(関係ないか?)は久々満員の12,387人の観衆が集まった。



サンガはリーグ戦終盤になって安藤淳を始め酒井、横谷、駒井ら主力選手が相次いで次々に怪我で離脱。
一体どうなるのかとまっ青になったけど長崎戦には横谷が復帰しワントップに入り、駒井もベンチに入った。そして酒井が久々35節の長崎戦以来の復帰となり下畠に替わって右SBに入った。これは嬉しいびっくりだった。
これでこの日のサンガDFラインは福村、バヤリッツァ、染谷、酒井と並ぶ昨年の悔しさを知るプレーオフメンバーとなった。そしてアンカーの秋本は昨年のプレーオフは負傷で出られなかった。それだけに心中期するものがあっただろう。


 
一方今シーズンJ2台風の目だった長崎は、第40節で千葉をアウェーで降した ( 2-0 ) 後は松本 ( 0-1 ) 、徳島 ( 0-1 ) と昇格プレーオフを争うチームに連敗し5位で全日程を終えて京都戦に臨むことになったが、そのスタメンを見ると徳島戦で退場になった岡本に替わって藤井が第24節群馬戦以来のスタメン抜擢。ワントップには幸野ではなく小笠原が第27節水戸戦以来のスタメン起用。そして2列目右には古部に替わって今季の京都戦に2回ともスタメン起用された実績からか?金久保が起用された。 
小笠原の起用は京都産業大学出身で西京極に慣れていると言う事か?



サンガはGK呉承訓をはじめ全員が今季1度は長崎戦にはスタメン出場した経験があるイレブンで長崎も藤井以外のスタメン全員が京都戦はスタメン出場を果たした選手達だった。
京都のキックオフで始まった試合。開始早々金久保が右サイドを突破してCKを取るなど長崎の早い一歩の出だしが目立つ。先制ゴールは長崎の方がより欲するところであろう。横谷、三平らが倒されファールは貰えたがマークの厳しさを感じさせる。その早いプレスにサンガはなかなか得意のパスワークが見せられない。 そしてボールを奪われるとカウンター攻撃が早い。その際には金久保、神埼ら両サイドが積極的に上がってくる。サンガとしてはカウンターを食らわないようにシュートで終わりたいところだけど22分25秒にようやく右サイドでボールが繋がり倉貫からのパスを受けた三平が粘ってCKを貰いそのCKから秋本が放ったヘッドが前半サンガが放ったシュートは3本のうちの最初のシュートだった。



27分、今度は長崎がチャンスを掴む。 右サイド工藤からボールを奪った井上が奥埜に送りそのまま中央に切れ込んでミドルシュートに持ち込む。弾道はわずかにゴールポストの右に外れてくれたがちょっとひやっとした場面だった。そしてこれが長崎にとっても最初のシュートだった。 両軍相手ゴール前に迫るもDF陣がしっかりとシュートを撃たさなかったと言う事か?長崎の前半のシュートもこれを含めて2本だけであった。
前半は長崎の中盤でのはやいチェックが目に付いた。そのせいかサンガの縦パスには殆ど繋がらなかった。そして前線の横谷、三平には激しいマークで動き制限されていた。
しかし前半を無失点で終え、サンガも無得点ではあったが引き分けでも決勝進出が可能なので前半 0-0 で終わったことは長崎サポーターが感じるよりはフラストレーションは少ないと思った。



両チーム選手交代無く始まった後半開始早々の 45分53秒,秋本からの絶妙の浮き球が長崎ゴール前の三平に入り高杉をかわしてシュートに持ち込む。 よし!先制!と腰を上げるもGK金山の正面に。先制はならなかったけど
テレビ観戦した第33節千葉戦の様に後半は一気に攻勢に出てくれると予想した。
しかし以降試合の主導権を握ったのは長崎でサンガが次に相手ゴール前に迫るのは40分以上も後の事だった。
48分17秒、金久保のFKから奥埜がシュートに持ち込み得たCKから金久保が放ったシュートはバヤリッツァがクリアー。 51分にはCKから高杉がバヤリッツァと競りながら放ったヘッドはゴールを捉えられなかったが長崎のCKとなり、そのCKからネァーに走りこんだ小笠原が放ったショットはまたもCKに。 そのCKに今度は藤井がどんぴしゃのタイミングでヘッドを合わされたけどクロスバーを越えてくれた。
53分50秒、久々前線の横谷にボールが入りカウンター攻撃に移ろうとする。そこに山口がマークに入り2人とももつれて転倒すると山口だけが起き上がれない。本人が×マークを出してベンチに下がることになってしまった。 
そして投入されたのが38節熊本戦以来の出場となる下田。下田は左サイドに入りCBには藤井が入った。長崎はこの遠征にはDF選手は少人数しか帯同しておらず山口の離脱は不謹慎ではあるがサンガには好都合と思われた。しかし、以降も試合は長崎ペースで進む。61分にはサンガのスローインを井上が奪い奥埜に送る。そして前線の小笠原にスルーパスが入る。危ないっと声を出してしまったがシュートはクロスバーを越えてくれた。
そしてシュートの際に小笠原が脚を傷めたのかベンチに下がり古部が投入され佐藤と共にシャドーの位置に入り奥埜がワントップの位置に。古部も立命館大学OBだ。(関係ないか?)
長崎は前線からのプレスが早くそのうえキチンとブロックを構成するのでサンガが攻め込むという前に1本目の次の2本目更に次の3本目のパスがさっぱり繋がらずに跳ね返されてしまう、それをすぐにサンガゴール付近にまで繋がれるという繰り返しだった。 そのせいか65分からはサンガはロングボールを使い出した。
73分には長崎7本目のCKから藤井がヘッドを放つがここは呉承訓がナイスセーブでストップ。 
劣勢続きのサンガは76分倉貫を下げて駒井を投入する。 よくぞこのプレーオフに間に合ってくれたぞ駒井。ここは彼のドリブルに期待した。 その直後に今度は長崎が最後の交替選手を投入するがそれはFW幸野ではなく鄭薫聖がであった。幸野の得点力よりも鄭薫聖のドリブルを選んだか。
時間は経つが攻勢を続けるのはセカンドボールを拾いまくる長崎。 82分24秒、右サイドで古部からのヘッドのパスを受けた鄭薫聖に染谷がマークに入るがその前に金久保に送る。そして逆サイドに振ったところ走り込んだ神崎がシュートを放つ。あっと思うがここも呉承訓が右に倒れ込みナイスセーブでストップ。ほっと胸をなでおろすがここまで決定機を続けられるとどちらが順位が上、どちらがJリーグ在籍が長いのかと思わせられる。それにしてもCKの度に長崎サポーター達の声援がよく聞こえたなぁ....



85分サンガベンチは山瀬を下げて昨年のプレーオフで主将を務めた中山博貴を投入する。 
89分を過ぎると長崎は高杉を前線に上げて1点を取りに来た。
のこり時間、サンガはどこで引き分けを狙いに行くのか…もし万が一失点を喫したら短い時間で取り返す為にFW原一樹、宮吉を投入する為に交代枠を温存すべきか…と思った。

昨年と異なり今年は決勝進出を決めた。よかった~と一瞬喜んだけど試合内容を振り返ると決勝戦が心配になって来た。 対戦相手は徳島に決まった。一昨年は最後に鳥栖、岡山に連敗して4位に終わりJ1昇格を逃したチームだ。このシーズンのサンガは7位に沈んだんだけど。 翌年は3位のサンガが悪夢の準決勝敗退だった。
世間ははやばやと史上初の四国からのJ1チームと徳島よりの論調だけど。その徳島時代に苦汁を舐めた呉承訓そして倉貫がサンガのメンバーで昇格を狙う。 この試合MVPの活躍だった呉承訓は次の試合でも相手シュートをストップしてもらい、そのまま昇格そして韓国代表を狙ってほしい。かつて朴智星が辿った様に。



長崎戦が終わって私はすぐに自転車を飛ばして昇格決定戦のチケットを買いに行った。
そして翌週が自分にとって本当に幸せな日となることを願った。

広州が強すぎるのか J リーグが弱すぎるのか 柏レイソル1-4 広州恒大 25th Sep.

2013-10-02 | Football Asia


相手が強すぎるのか、こちらが弱すぎるのか….贔屓チームや自分自身が大敗を喫した時のいつも思う事だ。
だけど大概の場合がその両方だという事はすぐに理解してしまうのだけど….

9月18日。サウジアラビアのリヤドで柏レイソルは難敵 Al Shabab と2-2 で引き分け ACL 準決勝進出を決めた。
J-League としては2009年大会の名古屋グランパス以来の快挙。しかし反対に2007浦和レッズ、2008年ガンバ大阪とJ League 勢が連覇して以来4シーズンで3度韓国勢が優勝 ( 09浦項、10 城南一和、12 蔚山現代 )。 優勝を逃した2011年大会でも全北現代が決勝まで進出している。 アジアの盟主を自負する日本といてはいつまでもK-League 勢の後塵を拝したくないところだ。

しかし今シーズン、期待された浦和レッズを始め3チームが1次リーグの壁を破れなかった。 だから2年連続 ACL 出場を決めそして1次リーグを突破し準決勝に進んでくれた事は本当にありがたく思った。 韓国、中国そしてサウジアラビア勢を相手にしてもアウェーで負けていないという事が他の3チームとは違いなぁと思わせてくれる。 その柏が今シーズンの J-League では10位にいることが信じられないんだけど。

対戦相手は広州恒大。また広州かと思ったと同時に、はっきり言ってアジアの“銀河系軍団”をまた見られるとも思った。
中国超級からはまだACLのタイトルを取ったチームは無い。 東アジア勢では既に日本や韓国の勝ち取っているタイトルを何とか勝ち取りたいだろう。 昨シーズン、ここ柏で対戦した試合観戦後は率直に優勝するかと思ったけど準々決勝でサウジアラビアの Al Ittihad に敗れてしまい、2004年大会上海申花以来の準決勝進出はならなかった。
但し、意外に思ったのはACLでは中国超級勢はJリーグ勢よりも好成績を収めたシーズンが多かった。
2002-03 シーズンでは大連実徳が準決勝に、2004年には上海実徳、2005年には山東魯能泰山がそれぞれ準々決勝に。2005年には山東と深セン紅鑽がベスト4に進出した。 この時期Jリーグ勢は1次リーグを突破できなかった…..

9月25日。 朝から天気予報を気にする。台風20号が近づいているとかいないとかで雨が心配された。
競技場に向かう電車から何度も曇天を見上げた。 そして競技場に到着すると雨が降り出した。 柏スタジアムはピッチと観客席が近くて迫力のあるスタジアムだけど雨が降るとサポーターというよりも観客泣かせだ。 メインスタンドももっと屋根を広げてくれないかな?といつも思う。 ACLの準決勝戦なので奮発してSS席を購入したけど折角なのでと前方席にしたのだけどそこは全く屋根の掛かっていないところだった。 こりゃたまらんとばかりに後方の記者席のすぐ前のSS席に移動した。 そこには誰も人が来ないことを願いながら…..
すぐ近くには日本に在住する中国人達が多く座っていた。やはりここでも高いチケットは中国人が買うのか….と思った。すぐ隣りには日本に居る中国人が座っていた。 彼は英語が出来るので色々とサッカーの話をしていた(なんと東大に留学しているとの事。日本語は勉強中なので英語の方が話せると言っていた。 それも凄いけど。) すると赤いジャージーを着た選手達が4名やって来てすぐ近くに座った。留学生から彼らは控えの選手達で元代表GKの楊君がそのなかにいると教えてくれた。そして馮仁亮も。
楊君は昨年のACL柏戦ではゴールを守ったけど今は現国家代表の曾城がレギュラーだ。 この試合の控えGKは2007年から広州に在籍する31歳のベテラン李帥だった。 楊君は2007年 Asian Cup のウズベキスタン戦に出場したGKだったと後で知った。 本当はここでは無くてピッチに居たかっただろうなぁ~と思った。



また馮仁亮はロンドン五輪予選メンバー入りが確実視されていたけど年齢を約8か月誤魔化していた事がばれてメンバー入りところか2011年の Asian Cup メンバー入りもフイしてしまった。しかし2012年6月のベトナム戦ではメンバー入りを果たし2ゴールを決めた。( 試合は 3-0 で勝利 ) 。
選手達の周囲には次々と中国人観客が近づき一緒に写真を撮ったり、サインを貰ったりしていた。 
ミーハーな私も一緒に写真を撮ったりサインを貰ったりした。 そして色々通訳をしてくれた留学生にも御礼を言った。すると彼は通訳をしたおかげで彼らと話が出来たとも言ってくれた…….そして彼は“この4選手の給料を合わせると柏のこの試合の選手の給料より多いんじゃないですか。”とも言っていた。 やはりアジアでも勝ち抜くのは資金がそこまで必要か….. この試合には昨年 Real Madrid と親善試合をした時に見られたチアーガール達は帯同していなかったのも残念だった.....




準々決勝のLekhwia ( カタール ) 戦、ホームの First Leg では 4-2-3-1 の攻撃的フォーメーションでキックオフを迎えたが前半をスコアレスで折り返すと後半に黄博文、鄭智、榮昊を投入して 2-0 の勝利を納める。続くアウェーの 2nd Leg では郜林、馮瀟霆をベンチに置き榮昊、黄博文をスタメン起用して 4-3-3 の布陣で臨んだ。 前線で Concaを真ん中に置き、Muriqi, Elkesonをサイドにおき2列目に鄭智、趙旭日、黄博文の3選手をおいた。試合はアウェーながら前半に Conca, Elkeson そして Muriqui の連続ゴールで主導権を握り 4-1 の勝利を納めた。
広州スタメン、というよりも名将 Lippi 監督はこの試合どんな布陣で臨むのだろうと楽しみにしていた。

     


前の週の Lekhwia 戦のスタメンからCBの馮瀟霆が趙旭日に替わって起用された以外は同じスタメン。フォーメーションは
GK 曾城の前に 4-2-3-1 の布陣だった。 トップにはMuriqiが入り2列目には左に Elkeson, 真ん中にConca。右には郜林ではなく黄博文。9月13日の上海申花戦、そして Lekhwia 戦に続いてのスタメンだった。 ボランチに榮昊と鄭智。CBにはかつて大宮アルディージャでプレーした金英権と馮瀟霆。左SBに孫祥。右SBには張琳凡が起用された。 黄博文と馮瀟霆以外は7月の東アジア選手権メンバーだった。
4月13日の浦和レッズ戦では 4-3-2-1 のフォーメーションで Elkeson, 黄博文以外はその試合にスタメン出場をしており昨年のACL柏戦には鄭智、馮瀟霆、孫祥、趙旭日、Conca、Muriqiがスタメンだった。



1週間前にサウジアラビアで激戦を終えた柏レイソルは Al Shabab 戦のスタメンで累積警告で出場停止の大谷以外は全て同じスタメン。その大谷の替わりに茨田がスタメンに起用された。
Al Shbab 戦の4日後の22日に他の試合とは1日遅らせて第27節のセレッソ大阪戦をアウェーで行った。この試合に出場して中2日で広州戦にスタメンで臨んだ選手は Gk 菅野CB 鈴木、左SB橋本、ボランチ茨田、そして工藤、田中、ワグネルの7選手。 クレオは78分からの途中出場だった。 準決勝の広州戦に備えて柏もセレッソ戦を21日に行った方がよくは無かったか?
“勝った”あとの方が疲労は少ないからなぁ~(実際は引き分けだけど)と思った。

私が期待したのはなんと言っても Gabriel Cordova ことクレオ。 昨シーズンまで広州恒大に在籍し、ACLの柏戦では強烈な印象を私は持った。 しかし Knock Out Stage に入りパラグアイ代表の Lucass Barrios が加入したことにより ACL では出場機会を失い、外国人枠の問題もあり今シーズンから柏レイソルに期限付きで移籍してきた選手だ。古巣広州との対戦だけに燃えないわけが無いと期待をしていた。 念願のセルビア代表入りを果たしそうだけど残念ながら来年のワールドカップはちょっと…..
1次リーグ浦和レッズ戦ではワントップに起用されたパラグアイ代表の Lucas Barrios は給料未払い問題もあって Spartak Moscow に移籍してしまった。
昨年の柏での広州恒大戦に出場した選手でこの試合も出場したのは6選手。田中、工藤の2トップ。 2列目左にワグネル、栗澤がボランチ。近藤がCB。GK菅野がそれぞれ起用され、 Hanover96 に移籍した酒井弘樹が右SBだった。




広州キックオフで始まった試合の立ち上がり、32秒に鄭智がワグネルに、50秒には Muriqi が茨田にそれぞれ倒されファールを得るが柏の気迫を感じた。 4分には右サイドから中央にドリブルで持ち込んだ工藤が左サイドのワグネルに送り中に折り返すとクレオに当たりゴールラインを割る。 コントロールしてくれよ~と思ったけど線審の旗が上がってオフサイドと判定された。その直後に Mriqi からゴール前の Elkesson にスルーパスが入るがここはCB近藤が身体を張ってクリアー。8分には Elkessonが上がり Muriqi にボールが入るがここはワグネルがストップ。 何度か中盤から Mriqi や Elkesson に中盤からラストパスが送られるが柏 DF 陣が身体を張ってクリアーしていた。 
そして14分。FKを得た柏はワグネルがボールをセットする。 ゴール前に入れられたボールはクレオの頭をかすめるようにしてそのまま広州ゴールに飛び込んだ。 大喜びのクレオを見て “ クレオ!ナイスゴール!もう1ゴールで古巣に倍返しだ! ” と心の中で叫んだ。 



先制を許した広州ベンチはここでフォーメーションを変えてきた。外人3選手、 Mriqi, Conca, Elkessen を3トップに置き2列目に右から黄博文、鄭智、榮昊の3選手を置き 4-3-3 の布陣にし、柏の中盤にプレシャーを与えてきた。 22分には波状攻撃から最後は榮昊のシュート気味に蹴った弾道がミスキックとなりそれが前のフリーの Mriqi に繋がるがこの決定機は Mriqi のシュートはポストの内側を叩いてくれた。 後方に陣取るレイソルサポータータ達からは安堵の嘆息が聞こえた気がした。
これが前半に広州が見せた唯一の決定機であった。 以降は柏イレブンの出足が一歩早く、特に左サイドからの崩しが目に付いた。



21分には左サイドに寄った田中からのクロスを工藤がヘッドで落としたところをクレオが放ったショットは惜しくもゴール枠を外れた。
23分には右サイド工藤からのクロスをクレオがヘッドで狙うがGK曾城がキャッチ。 
37分には広州ベンチが黄博文に変わって郜林が早くも投入する。ずいぶん早くから選手を替えるなぁと思ったら25分頃に Conca の入れたフリーキックに飛び込んだ黄博文が GK菅野と競り合ったときに負傷したらしい。 これで柏の左サイド対策とするのかと思うが以降も柏の攻勢が続いた。 37分、左サイドからワグネルが入れたクロスが馮瀟霆がかぶり田中の前に落ちる。榮昊がマークに入る前に田中が押し込もうとするが GK 曾城の脚に当たりゴールラインは割れなかった。絶好の追加点のチャンスだった。



45分にもまたもワグネルが左サイドから入れたクロスにクレオが孫祥と競りながら放ったヘッドはわずかにクロスバーを越えた。

25分過ぎから柏の攻勢が続いたがその起点になるのはワグネルだった。 ワグネルは攻撃時だけでなく何度かバイタルエリアで相手ボールを奪いピンチを防いでいた。 
それにしてもアウェー側立見席はびっしりと赤いユニフォームで埋まっていた。そして柏の選手がCKを蹴るときは凄いブーイングだった。 




ハーフタイムの間、雨がすっかり上がったので前方の“元の席”に戻ることにした。周囲は結構赤の広州恒大のレプリカを着た中国人サポーターがいた。見事隣は若いカップルが座っていた。赤いレプリカを着ていたのですぐに中国人とわかったけど流暢な日本語を話していた。日本に来て2年。出身は広州だと言っていた。かつて中国には素晴らしい選手が揃っていて日本は勝てなかった事や広東の英雄、謝育新の事なんかを話したら“自分はその頃の事を知らないのでもっと教えてください。”と頼まれてしまった。
そして彼から“今日本は強くなりすぎて、中国は弱くなった。それが2国間の差になっている。”と言ってきた。そして私は“女子も深刻じゃないかな?かつては世界のトップを争っていたのに。”と付け加えた。 
そんな話をしていると先制ゴールの得点者はクレオでなくワグネルに公式記録は変更とのアナウンスが流れた。 よしクレオ、今度こそゴールを決めて倍返しだ。と心の中で思った。 

後半も柏の攻撃で始まった。 47分には栗澤が前線のクレオに送り戻したところを田中が放つがGK正面に。 
51分広州ベンチは早くも二人目の交替選手を送る。 馮瀟霆を下げて趙旭日を投入した。 これで榮昊が右SB張琳凡がCBにそれぞれ入った。投入直後に強烈なミドルを放った趙旭日は黄博文、鄭智らと共に2列目に入った。趙旭日は。長身ながらも縦へのスピードもある選手。彼の投入が広州を勢いづかせこれを境に形勢は一気に広州に傾いた。
そして58分、左サイドを上がった孫祥が中に入れる。戻った近藤が体を投げ出してクリアーするがそのこぼれ球が Mriqi の前に転がりそのまま撃たれたショットが柏ゴールに突き刺ささり同点にされてしまった。 同点にされた事よりもゴールを許したことがショックだった。そして広州サポーター達の大歓声がスタジアムに響いた。



そして同点にされた直後に柏ベンチは茨田を下げて谷口を投入した。 広州は右SB孫祥のオーバーラップも目立って来ていた。
何とか先に2点目が欲しい柏は66分CKを得る。 そのCKに中央から近藤がヘッドで右に送り更に鈴木がヘッドでゴールを狙う。観客席からでもよし!ゴール!と思ったが趙旭日がヘッドでクリアーしてしまった。 本当に惜しいチャンスだった。この直後にボールをつながれカウンターを食らいそうになるがその前に“ファール”でストップ。 だがそのリスタートから綱gれ最後はConcaにミドルシュートを決められ痛恨の逆転ゴールを許した。 Concaは後半はやや低いポジションに下がってボールを受けてボールをキープされていたがここではそのままシュートを撃たしてしまった。
この失点は柏イレブンに与える影響は計り知れないと思った。決定機を防がれた直後に許した失点であったから。



広州サポーター達からは“三比一!(3対1にしろ)”との歓声が上がる。 こちらは何とか追いついてくれないかな…と思うのだけど。
だが68分、ワグネルからボールを奪った郜林が前線に送ると Elkeson が完全にフリーで柏ゴールに迫る。あぁやられた本当に3対1だと思った瞬間、近藤がマークに入る前に放った Elkesonのシュートは大きく外れてくれた。まだ天に見捨てられていないとほっと安心する。 

71分クレオが中央から強烈なミドルを放つとGK曾城は逆に動きながら何とか手に当てて弾道を叩き落とすとそのままボールはゴールポストの左に転がった。 あぁもうこれでだめだ。今日は運がないと天を仰いだ。 趙旭日が投入されてから柏はゴール前のラストパスが繋がらず守勢に回ってもマークがずれて後手に回っていた。 クレオにもボールが出ず中盤に戻ったりするが広州DFのタイトなマークにあい自由に動けなくなっており79分に澤に替わってベンチに下げられてしまった。 そして田中がワントップに入った。

早く同点に追い付いてくれと願うも82分CKからキムチャンスと谷口の間にうまく入ったConcaに押し込まれてしまい試合をというよりも決勝進出を決定づけるゴールを決められてしまった。 



広州サポーター達の歓声ばかりが響いたが、しばらくすると柏サポーター達からも“恐れることなかれ~俺達が付いている~”と合唱が始まる。 せめて1点差で広州に乗り込んでくれ、そうすれば 2-0 で勝てばいいんだ。 2-0 ならそれが可能だと思った。だけど柏イレブンの動きにキレは無くなってきており、相手の突破をファールで止めざるを得ないシーンが目につき始めた。そして1対1でも体力差が表れるようになった。頼みのワグネルも後半は郜林や榮昊の上がりに押し込まれるような形になっていた。あぁこんな時レアンドロ=ドミンゲスが居たらなぁ~と思った。



広州ベンチは3点目が入る前の79分に孫祥を下げて趙鵬を投入し中盤に入れ榮昊を左SBに置き張琳凡を右SBに回し、守備固めに入っていた。その直後に追加点が入ったのだから名将 Lippi 監督の思い描く通りの展開となった。
試合はこのまま終わってくれなかった91分Muriqiにとどめを刺される4点目を決められこの時点で柏の決勝進出は事実上霧散してしまった……



試合終了後隣の中国人カップル2ショット写真を撮ってあげると非常に丁寧にお礼を言われた。彼女の方は恥ずかしかったのか日本語は話さなかった。

この試合の収穫は……雨にたたられなかった事と楊君との写真を撮ったことかな…..

そして帰途に就いた車中で誓った。 もう一度こんどこそ中国語を勉強しなおすぞ……