今回のお気に入りは、画文集2冊です。
いつものように魅力的な博物図譜はないものか?とさがしている内に行き当たった
のが「画文集 花の肖像」。
以下のような連想ゲームで行き当たりました。
博物図譜 → 植物画 → 日本の巨匠 → 太田洋愛氏 → 串田孫一氏との
共著 → 「画文集 花の肖像」
本書を購入することに決めた理由は、第一に串田孫一氏が文章を書いていたこと。
第二に、牧野富太郎博士の弟子であり、日本の植物画の巨匠といわれた
太田洋愛氏が植物画を描いていたこと。
つい先日まで串田氏の「博物誌」を3巻続けて読んでいて、とても素敵な文章に
魅了されていましたので、この画文集に添えられた文章をぜひ読みたいと
思いました。
「博物誌」は数ページという短いエッセイでしたが、本書は原稿用紙1枚に
満たない文章を各植物画に添えています。
詩人だけあって短い文章がまた魅力たっぷり。
串田氏の著作は多いそうなので深みにはまりそうです。
さてこのまま日本の巨匠といわれる太田洋愛氏の植物画の話を後回しに
していると、ボタニカルアートを趣味にしている方に怒られそうです。
本書は文庫本にもなっていますが、折角巨匠の絵を初めて鑑賞するのですからと、
昭和54年に出版されたA5変判を選びました。
美しい植物画を大判でじっくり堪能しながら、串田氏の名文を読むとその世界が
二重にも三重にも広がります。
画文集というジャンルは初めてでしたがなかなか贅沢なものです。
私にとって残念だったのは一部の植物画が墨絵だったこと。
植物の知識が乏しいものですから、本来の色を思い描けないのを情けなく
思いながら鑑賞しました。
写真や映像のテクニックでモノクロが素晴らしい効果を生む場面があります。
それと同様に、太田氏も花の種類により、あえて墨絵という技法を選び、
その効果を狙ったのだろうと思うので、あくまで自分に見る目がないだけの
話ですが・・・。
いずれにしても本書は、「画文集」という自分にとっての新たなジャンルの
素晴らしさを理解する記念の一冊になりました。
<内容紹介>(引用)
====================
日本の植物画を代表する巨匠、太田洋愛氏(1910-1988)は、戦前、
「ハス博士」大賀一郎博士と「植物学界の鬼才」牧野富太郎博士の二人から
「植物画」の指導を受け、その後長年にわたってわが国の植物画の先駆的役割を
果し、「日本桜集」や「原色日本のラン」他、数々の植物図譜や図鑑の植物画を
担当するなど確かな足跡を残しました。
本画文集は、昭和47年、NHK「趣味の園芸」の表紙絵をボタニカルアート
(芸術作品として表現する植物画)で飾ることになり、その創刊号に
「さくらそう」を描き、その後継続して4年間に48点の表紙用作品を制作。
それらを中心に、他に太田氏が戦後折にふれ描きためた多くの植物写生図から
作品を精選し加えて第一集を出版。
解説は随筆家の串田孫一氏。
====================
なお、ボタニカルアートと串田孫一氏の組み合わせの画文集を、もう一冊
見つけたので、それも入手しました。
「野生の花」 文:串田孫一 絵:荒谷由美子 アトリエ風信刊
本書については、古書店の但し書きに「串田孫一の献呈本で、コメント
6行あり」とありました。
ここではコメントの内容等については差し控え、実際に目にした串田氏の
文字について感想を書きたいと思います。
串田氏の文字は、今までサイン、署名として書かれた丸っぽい文字を見かけて
きましたが、コメントの文字はペン習字の教本のように達筆で驚きました。
考えてもみれば普通に書く文字とサインの文字が違うのは当たり前です。
さて画文集自体の感想ですが、こちらも串田氏の短文が光りましたが、
荒谷氏の植物画も期待以上に光りました。
細密技法を屈指して「野生の花」の美しさと強さを見事に表現していました。
「花の肖像」が「肖像」という通り「花」に焦点をあてて描いていましたが、
「野生の花」は全身像としてがっしりとした根まで丁寧に描くことで、
野生の力を表現していました。
「花の肖像」ほど画法がバラエティにとんでいないことで、安定した気持ちで
作品鑑賞をすることができました。
どちらの画文集も思い出したときに手にとって眺めては心を和ませることに
打って付けです。
花に囲まれた生活と同じイメージです。
いつものように魅力的な博物図譜はないものか?とさがしている内に行き当たった
のが「画文集 花の肖像」。
以下のような連想ゲームで行き当たりました。
博物図譜 → 植物画 → 日本の巨匠 → 太田洋愛氏 → 串田孫一氏との
共著 → 「画文集 花の肖像」
本書を購入することに決めた理由は、第一に串田孫一氏が文章を書いていたこと。
第二に、牧野富太郎博士の弟子であり、日本の植物画の巨匠といわれた
太田洋愛氏が植物画を描いていたこと。
つい先日まで串田氏の「博物誌」を3巻続けて読んでいて、とても素敵な文章に
魅了されていましたので、この画文集に添えられた文章をぜひ読みたいと
思いました。
「博物誌」は数ページという短いエッセイでしたが、本書は原稿用紙1枚に
満たない文章を各植物画に添えています。
詩人だけあって短い文章がまた魅力たっぷり。
串田氏の著作は多いそうなので深みにはまりそうです。
さてこのまま日本の巨匠といわれる太田洋愛氏の植物画の話を後回しに
していると、ボタニカルアートを趣味にしている方に怒られそうです。
本書は文庫本にもなっていますが、折角巨匠の絵を初めて鑑賞するのですからと、
昭和54年に出版されたA5変判を選びました。
美しい植物画を大判でじっくり堪能しながら、串田氏の名文を読むとその世界が
二重にも三重にも広がります。
画文集というジャンルは初めてでしたがなかなか贅沢なものです。
私にとって残念だったのは一部の植物画が墨絵だったこと。
植物の知識が乏しいものですから、本来の色を思い描けないのを情けなく
思いながら鑑賞しました。
写真や映像のテクニックでモノクロが素晴らしい効果を生む場面があります。
それと同様に、太田氏も花の種類により、あえて墨絵という技法を選び、
その効果を狙ったのだろうと思うので、あくまで自分に見る目がないだけの
話ですが・・・。
いずれにしても本書は、「画文集」という自分にとっての新たなジャンルの
素晴らしさを理解する記念の一冊になりました。
<内容紹介>(引用)
====================
日本の植物画を代表する巨匠、太田洋愛氏(1910-1988)は、戦前、
「ハス博士」大賀一郎博士と「植物学界の鬼才」牧野富太郎博士の二人から
「植物画」の指導を受け、その後長年にわたってわが国の植物画の先駆的役割を
果し、「日本桜集」や「原色日本のラン」他、数々の植物図譜や図鑑の植物画を
担当するなど確かな足跡を残しました。
本画文集は、昭和47年、NHK「趣味の園芸」の表紙絵をボタニカルアート
(芸術作品として表現する植物画)で飾ることになり、その創刊号に
「さくらそう」を描き、その後継続して4年間に48点の表紙用作品を制作。
それらを中心に、他に太田氏が戦後折にふれ描きためた多くの植物写生図から
作品を精選し加えて第一集を出版。
解説は随筆家の串田孫一氏。
====================
なお、ボタニカルアートと串田孫一氏の組み合わせの画文集を、もう一冊
見つけたので、それも入手しました。
「野生の花」 文:串田孫一 絵:荒谷由美子 アトリエ風信刊
本書については、古書店の但し書きに「串田孫一の献呈本で、コメント
6行あり」とありました。
ここではコメントの内容等については差し控え、実際に目にした串田氏の
文字について感想を書きたいと思います。
串田氏の文字は、今までサイン、署名として書かれた丸っぽい文字を見かけて
きましたが、コメントの文字はペン習字の教本のように達筆で驚きました。
考えてもみれば普通に書く文字とサインの文字が違うのは当たり前です。
さて画文集自体の感想ですが、こちらも串田氏の短文が光りましたが、
荒谷氏の植物画も期待以上に光りました。
細密技法を屈指して「野生の花」の美しさと強さを見事に表現していました。
「花の肖像」が「肖像」という通り「花」に焦点をあてて描いていましたが、
「野生の花」は全身像としてがっしりとした根まで丁寧に描くことで、
野生の力を表現していました。
「花の肖像」ほど画法がバラエティにとんでいないことで、安定した気持ちで
作品鑑賞をすることができました。
どちらの画文集も思い出したときに手にとって眺めては心を和ませることに
打って付けです。
花に囲まれた生活と同じイメージです。