鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその758~アンティーク図鑑購入

2013-05-18 12:26:40 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、アンティーク図鑑購入です。

博物図譜鑑賞の趣味が高じて、いずれは本物の図版を入手したくなると
思っていました。
ただ本物の図版=手彩色銅版画や手彩色石版画は1枚数千円~数万円も
するので、図譜をたっぷり鑑賞した後の老後に、選りすぐりの数枚を
購入することになるだろうと考えていました。

ところが今回、ネットオークションにアンティークな植物図鑑が低価格で
出品されているのを見かけ、つい落札してしまいました。
その植物図鑑には多色石版の図版が72枚も掲載されていました。
落札価格は12000円ですから、1枚あたり167円!
美しい石版画がこの価格で手に入るとは思っていませんでしたので、
とても嬉しいです。
まだ届いていませんが、図版鑑賞を楽しみにしています。

ところで多色石版画って何?
よく聞く手彩色石版画とどう違うのでしょう。
早速、調べてみました。

多色石版は、クロモ・リトグラフィといい、19世紀後半に確立した
カラー印刷技術です。
専門の画工と呼ばれる職人が、自らの目で原画の色の組み合わせを
判断し、緑色だけの版、黄色だけ版・・・と必要な色を載せる版を
墨やクレヨンで描いて作り、それらをすべて刷り重ねることでカラー
印刷を可能にします。
石板に凹凸がないため、大量に印刷しても版が摩滅しないことと、
手彩色が不要なことから広く普及しました。
ただし熟練の技が要求される、非常に専門的な作業で、気が遠くなる
ほどの時間と手間がかかる印刷方法です。
その独特のあじわいが魅力的なため、美術界では今でも使われています。

「熟練の職人が時間と手間をかけて作った多色石版画」って何より贅沢。
現在では、デジタル化と機械化により原画と寸分の狂いもなく再現する
ことが可能ですが、逆にアナログ的なあじわいが失われています。
120年の時を越えた職人の手業こそ、今、最も贅沢です。

早く届かないかな。


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書 名:「Flora von Deutschland」(ドイツの花)
著 者:Wilhelm Medicus(ドイツの植物学者)
出 版:1893年、ドイツ
ページ:229ページ、内72枚多色石版画
寸 法:H206×W145×D30

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コメント
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