今回のお気に入りは、博物誌②です。
先日、博物誌3巻(1956、1957、Ⅲ)を読み終わりました。
本書は家族が起きてくる前の静かな朝に少しずつ読みました。
著者の串田孫一氏は哲学者、詩人でもあるそうで、とくに
詩人らしい表現が随所に出てきました。
山小屋や雪渓で出会った虫、山道や庭の植物と心通わせ、
思索をめぐらし、ゆったりとした時間が流れる・・・。
そういう短文を、1年に100編を書き、1冊ずつに
まとめたそうなので、3~4日で1ページ半の文章と1枚の
絵を仕上げる作業を3年間続けたことになります。
博物誌として、昆虫や鳥、植物、さらには微生物までを
克明に調べ上げ、短文に散りばめる苦労は並大抵のもの
ではなかったことでしょう。
また本の間に挟められていた出版社のオマケに、本書を
めぐる識者や読者の評、それに対する著者の弁が
載っており、サイドストーリーとして楽しめました。
そこには多くの読者から押し花や昆虫標本が送られ、
同定を求められているという裏話が書かれていました。
Ⅲのあとがきに、3年間書く約束をしたのでこの形で
書き続けたが、これからは違う形で書く、とありました。
定型作業の呪縛や同定作業に区切りをつけたいという
著者の気持ちはとてもよくわかりました。
これから本書は、他の博物図譜と同様、ときどき
思い立ったときに拾い読みをする、そんな付き合いに
なることでしょう。
最後にオマケ。
本書は1950年代後半に書かれましたが、旧字体の
漢字のオンパレードでした。
例えば、気圧→氣壓、画→畫、昼→晝、恋→戀。
どうです? 読めないですよね。
自分が生まれた時代ってそんな時代だったんですね。
驚きでした。
先日、博物誌3巻(1956、1957、Ⅲ)を読み終わりました。
本書は家族が起きてくる前の静かな朝に少しずつ読みました。
著者の串田孫一氏は哲学者、詩人でもあるそうで、とくに
詩人らしい表現が随所に出てきました。
山小屋や雪渓で出会った虫、山道や庭の植物と心通わせ、
思索をめぐらし、ゆったりとした時間が流れる・・・。
そういう短文を、1年に100編を書き、1冊ずつに
まとめたそうなので、3~4日で1ページ半の文章と1枚の
絵を仕上げる作業を3年間続けたことになります。
博物誌として、昆虫や鳥、植物、さらには微生物までを
克明に調べ上げ、短文に散りばめる苦労は並大抵のもの
ではなかったことでしょう。
また本の間に挟められていた出版社のオマケに、本書を
めぐる識者や読者の評、それに対する著者の弁が
載っており、サイドストーリーとして楽しめました。
そこには多くの読者から押し花や昆虫標本が送られ、
同定を求められているという裏話が書かれていました。
Ⅲのあとがきに、3年間書く約束をしたのでこの形で
書き続けたが、これからは違う形で書く、とありました。
定型作業の呪縛や同定作業に区切りをつけたいという
著者の気持ちはとてもよくわかりました。
これから本書は、他の博物図譜と同様、ときどき
思い立ったときに拾い読みをする、そんな付き合いに
なることでしょう。
最後にオマケ。
本書は1950年代後半に書かれましたが、旧字体の
漢字のオンパレードでした。
例えば、気圧→氣壓、画→畫、昼→晝、恋→戀。
どうです? 読めないですよね。
自分が生まれた時代ってそんな時代だったんですね。
驚きでした。