今回のお気に入りは「原色日本のスミレ」です。
図鑑は大きくて高価なので「日本の薬用植物」以降は少し控えようと思っていました。
ところがその舌の根が乾かない内に本書を購入、鑑賞することになりました。
浜平助著「原色日本のスミレ」
本書はスミレの控えめな美しさをたっぷり堪能できることも魅力ですが、何より本書にまつわるストーリーの面白さに惹かれました。
まずは本書の基本情報。
いつも頼りにしているAMAZONの内容紹介が無いため「増補版」の内容紹介を引用します。
=====
スミレ属の総説、原色日本のスミレの図版とその解説を収載。
著者自身による彩色画を掲載し、花時の全体の姿、花の分解図、果時の葉などを表現。
1975年刊の増補。
=====
著者略歴
大正14年長野県に生まれる。昭和22年東京高等師範学校理科第三部卒業。
22~23年東京第二師範学校男子部教官。24年長野県永明高等学校教諭。
25~29年東京都立小松川高等学校教諭。30~41年長野県諏訪二葉高等学校教諭。
42~44年長野県阿南高等学校教頭。45~49年長野県岡谷東高等学校教頭。
50~52年長野県屋代南高等学校校長。53~55年長野県富士見高等学校校長。
56年長野県教育委員会事務局教学指導課高校教育指導係長。
57~59年長野県長野西高等学校校長。平成8年6月10日逝去。
昭和30年以来、日本産スミレ属の研究にとり組む。
昭和39年5月、植樹祭に御来県の天皇・皇后両陛下にスミレについて御進講。
=====
著者は長野県で高校教師を続けながらスミレの研究を続け、ついには天皇陛下への御進講まで任されるまでに至ったとあります。
御進講のとき著者39歳。
その道の権威者と認められるには異例の若さです。
また本書の刊行時も著者50歳。
しかも同年校長に就任しています。
恐ろしく若いです。
さらに本書の評価がすごい!
ここにネット上での評価をご紹介します。
・あるスミレファンの方のブログによると、本書はスミレファンのバイブル的本で、2002年に有志による増補復刻版が出たほどだそう。
・登山で見つけた植物を紹介する仕事をされている方は、いがりまさし著「日本のスミレ」と本書が手放せないと書いています。
いろいろな分野で時代の流れの速さに戸惑うことが多い昨今ですが、科学の分野はその最たるもの。
植物図鑑が44年経った現在も頼りにされ続けているなんて想像もしていませんでした。
これまで古い図鑑を数多く鑑賞してきましたが、現代に通用している図鑑は他に思い浮かびません。
世の人々は浜平助氏の偉業をもっと知り、讃えるべきと強く思いました。
下記は自分のための備忘録です。
取るに足らない内容なので、読み飛ばしてください。
・スミレを同定するポイントはサイズや葉の形などいろいろあるそう。
面白かったのは茎の有無と花柱(めしべの先端)の形状による区別。
・アマゾンには巨木になるスミレがあるそう。
・種子を数mも飛ばすものもあれば、真下に落とすだけのものもある。
・これまで本書ほど雑種について詳しく書いた図鑑を知らない。
自然界や人の手により交雑され、雑種が生まれる割合が多いのか?
それとも何らかの原因で変種が生まれる割合が多いのだろうか?
またこれはスミレだけのことなのだろうか?
いろいろ疑問が残った。
・著者は知床から沖縄までの数多くの植物図を描いたり、各種の生息分布図を制作している。
本書の膨大な著述を含め、どうして一介の教師にそれが可能だったのかを知りたい。
図鑑は大きくて高価なので「日本の薬用植物」以降は少し控えようと思っていました。
ところがその舌の根が乾かない内に本書を購入、鑑賞することになりました。
浜平助著「原色日本のスミレ」
本書はスミレの控えめな美しさをたっぷり堪能できることも魅力ですが、何より本書にまつわるストーリーの面白さに惹かれました。
まずは本書の基本情報。
いつも頼りにしているAMAZONの内容紹介が無いため「増補版」の内容紹介を引用します。
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スミレ属の総説、原色日本のスミレの図版とその解説を収載。
著者自身による彩色画を掲載し、花時の全体の姿、花の分解図、果時の葉などを表現。
1975年刊の増補。
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著者略歴
大正14年長野県に生まれる。昭和22年東京高等師範学校理科第三部卒業。
22~23年東京第二師範学校男子部教官。24年長野県永明高等学校教諭。
25~29年東京都立小松川高等学校教諭。30~41年長野県諏訪二葉高等学校教諭。
42~44年長野県阿南高等学校教頭。45~49年長野県岡谷東高等学校教頭。
50~52年長野県屋代南高等学校校長。53~55年長野県富士見高等学校校長。
56年長野県教育委員会事務局教学指導課高校教育指導係長。
57~59年長野県長野西高等学校校長。平成8年6月10日逝去。
昭和30年以来、日本産スミレ属の研究にとり組む。
昭和39年5月、植樹祭に御来県の天皇・皇后両陛下にスミレについて御進講。
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著者は長野県で高校教師を続けながらスミレの研究を続け、ついには天皇陛下への御進講まで任されるまでに至ったとあります。
御進講のとき著者39歳。
その道の権威者と認められるには異例の若さです。
また本書の刊行時も著者50歳。
しかも同年校長に就任しています。
恐ろしく若いです。
さらに本書の評価がすごい!
ここにネット上での評価をご紹介します。
・あるスミレファンの方のブログによると、本書はスミレファンのバイブル的本で、2002年に有志による増補復刻版が出たほどだそう。
・登山で見つけた植物を紹介する仕事をされている方は、いがりまさし著「日本のスミレ」と本書が手放せないと書いています。
いろいろな分野で時代の流れの速さに戸惑うことが多い昨今ですが、科学の分野はその最たるもの。
植物図鑑が44年経った現在も頼りにされ続けているなんて想像もしていませんでした。
これまで古い図鑑を数多く鑑賞してきましたが、現代に通用している図鑑は他に思い浮かびません。
世の人々は浜平助氏の偉業をもっと知り、讃えるべきと強く思いました。
下記は自分のための備忘録です。
取るに足らない内容なので、読み飛ばしてください。
・スミレを同定するポイントはサイズや葉の形などいろいろあるそう。
面白かったのは茎の有無と花柱(めしべの先端)の形状による区別。
・アマゾンには巨木になるスミレがあるそう。
・種子を数mも飛ばすものもあれば、真下に落とすだけのものもある。
・これまで本書ほど雑種について詳しく書いた図鑑を知らない。
自然界や人の手により交雑され、雑種が生まれる割合が多いのか?
それとも何らかの原因で変種が生まれる割合が多いのだろうか?
またこれはスミレだけのことなのだろうか?
いろいろ疑問が残った。
・著者は知床から沖縄までの数多くの植物図を描いたり、各種の生息分布図を制作している。
本書の膨大な著述を含め、どうして一介の教師にそれが可能だったのかを知りたい。
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