鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその724~ビュフォンの博物誌

2013-01-17 12:22:34 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回のお気に入りは、「ビュフォンの博物誌」です。

「ビュフォンの博物誌―全自然図譜と進化論の萌芽 『一般と個別の博物誌』
ソンニーニ版より」という本を購入しました。
著者はジョルジュ・ルイ・ルクレール・ビュフォン、翻訳はベカエール 直美。

本の紹介文は次の通り。

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空前絶後の哺乳類、鳥類、両生・爬虫類、魚類、軟体動物、節足動物、植物…。
『一般と個別の博物誌』1123点3000余種のカラー図版を完全収録。
工作舎創立20周年記念出版。
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監修の荒俣宏氏の前書きによると通称「ビュフォンの博物誌」は、正式名称を
「一般と個別の博物誌」といい、あまりに膨大なため、翻訳する人は現れない
だろうと思っていたそう。
現に今回手にした訳本も、序文を翻訳し、巻末に添えた以外は、博物図譜を
1ページに4枚ずつ、延べ1123点収録し、ページ下に各図譜の説明を1行ずつ
掲載するにとどめています。

たったそれだけ?
もっと図譜を説明する文章はないの?
そうも思いましたが、とにかく原書が膨大なため、図譜説明文の翻訳を断念し、
思い切り割り切って全図譜紹介に徹したのでしょう。
そうでもしないと荒俣氏の言ったとおり、永遠に日本の読者に紹介できなかった
ことでしょう。

私自身、荒俣氏の世界大博物図鑑に掲載された美しい図譜を十分鑑賞し終え
ましたが、彼が苦労して書いた説明文はボリュームがあり過ぎてなかなか未だ
読み進んでいません。
そんな私ですから、「ビュフォンの博物誌」は図譜ばかりでも大いに楽しめ
ました。

ちなみにビュフォン本人が執筆したのは1749年から1789年までの41年間。
彼の死後ラセベートが引継ぎ、1789年から1804年まで執筆したそうです。
さらにソンニーニにより1799年から1808人までに彩色版が刊行されたそうです。
執筆から彩色までなんと60年の大事業。
これを完訳するのは確かに無理そう。

私は美しい博物図譜を鑑賞することを楽しみにしており、博物図鑑を購入する
条件は、彩色版を最低条件と考えています。
たとえビュフォンでもオリジナルの単色版だったら購入しませんでした。

カラー図録の本書は、新品で12600円。
中古でも8000円が相場のようです。
世界大博物図鑑なみに高価な本ですが、探せばあるもので、輸送用カバー付きの
美品が今回は4000円ほどで手に入りました。

図譜を1ページに4枚載せるように縮小しているのでちょっぴり残念ですが、
例えば2倍のサイズで制作していたら、本の価格も2倍近くなり、入手する気にさえ
ならなかったことでしょう。

とりあえず博物史上、代表的な博物誌を手に取り、膨大な図譜をたっぷりと鑑賞
できたことは幸せな経験でした。

説明文を省き、図録紹介に徹して出版するという大胆な企画を実現してくれた
出版チームに感謝です。



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