今回のお気に入りは、有吉佐和子2です。
先日「女二人のニューギニア」の前半の感想を書きました。
今回は読み終えての感想です。
著者は往路の無理がたたって傷んだ体をひたすら休めることに徹して、回復後は急いで帰ることを考えていました。
畑中は著者を何とか引っ張り出してネイティブと会わせようとしますが、外出を拒否し続けます。
しかし酋長の第2婦人が出産した時だけは違いました。
出産に関わる単語や風習を研究するためには出産経験のある著者の協力が必要だったのです。
出産後の胎盤処理の話は確かに著者でなければ理解できなかったことでしょう。
このエピソードから、文化人類学という学問はひとつひとつ単語や風習を推理し確定させていく地道な学問なのだと理解することができました。
ある時著者はパンツ作りを始めます。
ただの足手まといから脱出したかったのです。
それが思いの他高く評価され、結局11枚も製作しました。
畑中は一所懸命働いた者にパンツを与えますが、やがてそれが災いとなります。
パンツを地位と名誉の証と考え、自らは働かず、別の者を働かせるようになったのです。
畑中がいくら命じても改善がみられず、結局そのネイティブを解雇することに。
この事象は、文明の流入がネイティブの価値観を変えたということで、文化人類学の研究対象になりうる事象だと思いながら読みましたが、研究者・畑中はただ激怒しているように描かれています。
きっとあくまで著者の目にはそう写っただけということでしょう。
そうこうしている内に滞在は1か月になりました。
足の傷みが治まるにはまだ時間がかかりそうと思っていた矢先、急転直下帰国することになります。
迷子のヘリが彼女らに道を教えてもらいに降りてきたのです。
こうしてこの滞在記は、ヘリに便乗して帰るという、誰も想定しなかった幕切れとなりました。
あまりにあっさりした終わり方だなと思っていたら、帰国した著者の身に危機が訪れます。
マラリアの発症です。
体調を崩して1か月、ようやくマラリアの専門医から適切な治療を受けることができ、快癒することができました。
医師によるとマラリアには種類かあり、発症後数日で手遅れになるものもあるそう。
帰路のヘリといいマラリアといい、強運に守られたのは間違いありません。
とにかく凄まじい滞在記でした。
あまりに無謀な冒険旅行で、よく生きて帰って来れたものです。
とても売れっ子作家の行くところではありません。
誘った畑中さんは誠に非常識ですが、彼女はニューギニア愛で目がくらんでいたので仕方なかったと思います。
悪気はこれっポッチもなかったのです。
本書は間違いなく名著です。
ぜひ冒険旅行の疑似体験をしましょう。
先日「女二人のニューギニア」の前半の感想を書きました。
今回は読み終えての感想です。
著者は往路の無理がたたって傷んだ体をひたすら休めることに徹して、回復後は急いで帰ることを考えていました。
畑中は著者を何とか引っ張り出してネイティブと会わせようとしますが、外出を拒否し続けます。
しかし酋長の第2婦人が出産した時だけは違いました。
出産に関わる単語や風習を研究するためには出産経験のある著者の協力が必要だったのです。
出産後の胎盤処理の話は確かに著者でなければ理解できなかったことでしょう。
このエピソードから、文化人類学という学問はひとつひとつ単語や風習を推理し確定させていく地道な学問なのだと理解することができました。
ある時著者はパンツ作りを始めます。
ただの足手まといから脱出したかったのです。
それが思いの他高く評価され、結局11枚も製作しました。
畑中は一所懸命働いた者にパンツを与えますが、やがてそれが災いとなります。
パンツを地位と名誉の証と考え、自らは働かず、別の者を働かせるようになったのです。
畑中がいくら命じても改善がみられず、結局そのネイティブを解雇することに。
この事象は、文明の流入がネイティブの価値観を変えたということで、文化人類学の研究対象になりうる事象だと思いながら読みましたが、研究者・畑中はただ激怒しているように描かれています。
きっとあくまで著者の目にはそう写っただけということでしょう。
そうこうしている内に滞在は1か月になりました。
足の傷みが治まるにはまだ時間がかかりそうと思っていた矢先、急転直下帰国することになります。
迷子のヘリが彼女らに道を教えてもらいに降りてきたのです。
こうしてこの滞在記は、ヘリに便乗して帰るという、誰も想定しなかった幕切れとなりました。
あまりにあっさりした終わり方だなと思っていたら、帰国した著者の身に危機が訪れます。
マラリアの発症です。
体調を崩して1か月、ようやくマラリアの専門医から適切な治療を受けることができ、快癒することができました。
医師によるとマラリアには種類かあり、発症後数日で手遅れになるものもあるそう。
帰路のヘリといいマラリアといい、強運に守られたのは間違いありません。
とにかく凄まじい滞在記でした。
あまりに無謀な冒険旅行で、よく生きて帰って来れたものです。
とても売れっ子作家の行くところではありません。
誘った畑中さんは誠に非常識ですが、彼女はニューギニア愛で目がくらんでいたので仕方なかったと思います。
悪気はこれっポッチもなかったのです。
本書は間違いなく名著です。
ぜひ冒険旅行の疑似体験をしましょう。
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