元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「シティーハンター」

2024-06-17 06:25:31 | 映画の感想(さ行)

 2024年4月よりNetflixから配信。けっこう楽しめた。実は私は週刊少年ジャンプに連載されていた北条司による原作を、すべてリアルタイムで読んでいる。だからこのネタの面白さを少しは分かっているつもりだ。その観点からも、本作はかなり健闘している方ではないかと思う。1時間44分という長すぎない尺も、この手のシャシンとしては的確だ。

 新宿で相棒の槇村秀幸と共に、あらゆるトラブル処理を請け負う超一流のスイーパーの冴羽リョウは、有名コスプレイヤーのくるみの捜索を請け負う。折しも新宿では常人離れしたパワーを持つ者たちによる謎の暴力事件が多発しており、警視庁刑事の野上冴子も対応に苦慮していた。リョウと槇村はターゲットを追いかけるが、事件に巻き込まれて槇村は死亡。現場に居合わせた秀幸の妹の槇村香は、事の真相の解明をリョウに依頼する。

 このシリーズの魅力は、何といっても主人公の造型にある。凄腕の仕事人でありながら、救いようのないドスケベで下ネタが満載。この映画化作品もそこをしっかりカバーしており、お馴染みの“もっこり”シーンも大々的にフィーチャーされる。特に歌舞伎町の歓楽街を舞台に展開される前半のチェイスシーンは最高で、次から次と繰り出されるお下劣なギャグと、アイデア豊富なアクションの釣瓶打ちには思わず身を乗り出してしまった(笑)。

 中盤以降は香の生い立ちとか敵のシンジケートの概要などの説明的シークエンスが目立ってきて、テンポは悪くなる。さらに言えば“エンジェル・ダスト”に関するエピソードは連載開始時(80年代後半)のモチーフであり、現時点では証文の出し遅れのような感じは否めない。それでも、香と一緒に敵方のアジトに殴り込むクライマックスは、時折“そんなアホな!”と突っ込みを入れつつも盛り上がる。佐藤祐市の演出は調子が良く、画面造型はハリウッド作品などに比べれるとキビしいが、あまり気にならない。

 主演の鈴木亮平はまさに快演で、しなやかな身のこなしと羞恥心を忘れたようなワイセツ表現で観る者を圧倒。香に扮する森田望智は原作ファンからは異論が出るのかもしれないが、かなり頑張っていたのは確かだ。安藤政信に木村文乃、華村あすか、水崎綾女、杉本哲太、迫田孝也、そして橋爪功といった面子も好調だ。かなり評判は良いようなので、たぶんパート2は作られるのだろう。その際はまたチェックしたい。

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