元・副会長のCinema Days

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DEVIALETのアンプを聴いてみた。

2013-11-10 09:03:17 | プア・オーディオへの招待
 先日、フランスのメーカーDEVIALETのプリメインアンプを試聴する機会を持つことが出来た。同社の製品は以前D-Premier Airという機種を聴いたことがあるが、今回聴けたのは最近リリースされた新作の110と170である。

 ただし残念だったのは、繋げていたスピーカーがデンマークGato audio社のFM-6であったことだ。このスピーカーは前に聴いたことがあるが、消極的な展開の実につまらない音であった。今回の試聴会でも、やっぱり出てくるサウンドは面白味の無い退屈なもの。以前D-Premier Airに伊FRANCO SERBLIN社のスピーカーを接続した際に聴けた素晴らしい美音とは雲泥の差である。



 さらに言えば、110は定価78万円で、170に至っては98万円とプリメイン型アンプとしてはハイエンドクラスでありながら、他社の同クラスの製品との聴き比べが出来なかったため、果たしてこのDEVIALET製品が価格に見合った性能を有しているのか分からなかった。

 結局、今回チェック出来たのは110と170とのパフォーマンスの違いと、DEVIALET製品の定格やエクステリアだけである。

 両モデルは20万円の差しかないが、聴感上のクォリティは大きく異なる。早い話が、170の方がはるかに上だ。レンジ感、音場の広さ、音の伸び、どれをとっても110に大きく差を付ける。スタッフの話によると一番売れているのが170だというが、それも当然だろう。

 それから、DEVIALETのプリメインアンプはデザインが上質だ。一見オーディオボードかと思うほどスリムで、かつハイテックな雰囲気を醸し出している。少なくとも、従来のオーディオ用アンプが持つ威圧感は皆無だ。インテリア性もとびきり優れている。



 リモコンも未来志向の外観を有しているが、困ったことにヴォリューム表示が無い(笑)。その代わり、何とスマートフォンをリモコンとして使用可能なのだ。考えてみれば、スマホ全盛の昨今このような発想の製品が出てきてもおかしくなかったはずだが、いち早くそれを実現化した同社の企画力は大したものだ。

 なお、舶来品しかもフランス製ということでメンテナンス面で不安を覚える向きもあると思うが、メーカー担当者の話によると、今まで(前モデルも含めて)重大な故障事例は報告されていないという。それには理由があり、DEVIALETのアンプは内部配線が基盤の連結によって構成されているからだ。アンプの故障のほとんどは結線不良によるが、DEVIALET製品は内部ケーブル結線をほとんど廃止したことにより、トラブル発生率を大幅に抑え込むことに成功したのだという。

 もちろん、デジタル増幅方式に加えこのような内部構造にしたことによって筐体を小さく出来る。何度でも言っていることだが、やたらデカくて重いコンポーネントばかりを有り難がる風潮はもう古い。DEVIALETのモデルは高くて誰でも手を出せるようなものではないが、このような方法論がミドルクラスやエントリークラスにまで広まっていくことが、もしかするとオーディオの復調に繋がるのかもしれない。

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