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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「七人の無頼漢」

2025-04-18 06:05:22 | 映画の感想(さ行)
 (原題:SEVEN MEN FROM NOW)1956年製作の西部劇。78分という短めの尺だが、娯楽作として要領良くまとめられている。おそらく、この時代には同様のスタイルのシャシンが量産されていたのだろう。また本作には、展開や演出にも少しばかり工夫の跡が見られ、決して鑑賞して損した気にはならない。

 元保安官のストライドが以前勤務していた町で、7人組のならず者による銀行強盗事件が発生し、巻き添えになった妻も命を落としてしまう。復讐を誓うストライドは一味を追うが、その道すがら西に向かう幌馬車に乗ったジョン・グリーアとその妻アニーと出会い、同行することになる。さらにストライドは、マスターズとクリントという2人の訳ありな男たちと知り合い、彼らも加えて一味のアジトがあるフロラ・ヴィスタの町を目指す。



 冒頭、ストライドが道中に世話になった2人組を問答無用で射殺するシーンはかなりのインパクト。実は相手は件の7人組のメンバーだったのだ。さらにジョンにはアニーにも隠している秘密があり、それは7人組はもちろんマスターズとクリントの利害にも関係してくる。さらには先住民も絡んでくるという、この筋立てはけっこう非凡で、ラストが読めないという興趣が醸し出される。

 肝心の7人組に凄みが足りないのは不満だが、バッド・ベティカーの演出は緩急を付けた職人技で、アクション場面の段取りはよく出来ている。主演はランドルフ・スコットだが、彼の出演作を観るのは初めてだ。主に1950年代に活躍した西部劇スターで、甘いマスクとマッチョな体格で人気を博したという。ただし本作では過去の悔恨に悩まされながら、それでも困難な道を歩む主人公像を深みのある演技で表現しており、守備範囲の広い俳優だったことも窺える。

 マスターズに扮したリー・マーヴィンは、こういう得体の知れないキャラクターを演じさせれば無類の存在感を発揮する。特に二挺拳銃を逆向きにホルスターに差しているあたり、さすがの曲者ぶりだ。アニーを演じるゲイル・ラッセルは見た目も演技も申し分ない女優だと思ったが、名前を聞いたことが無かった。何でも若くして世を去ったらしく、惜しいことをしたものだ。ヘンリー・バースによる音楽も良いのだが、ダナム&ヘンリー・ヴァーズによるノンビリした主題歌が結構ウケた。

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