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元・副会長のCinema Days

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「第22回九州ハイエンドオーディオフェア」リポート(その1)

2025-04-11 06:08:31 | プア・オーディオへの招待
 去る2025年4月4日から6日にかけて、福岡市博多区石城にある福岡国際会議場で開催された「第22回九州ハイエンドオーディオフェア」に行ってきた。前年は会場の事情で8月に実施されたが、本来このイベントは長らく3月から5月の連休の間に行なわれており、今回は例年通りの日程に戻った感じだ。少なくとも、昨年のような酷暑の中での開催ではなかっただけでも有り難い。

 まず目を引いたのは、英国dCS社の超弩級DACシステムのVARESE(ヴァレーズ)である。インターフェースや電源部分など5つのユニットから構成されており、それぞれ贅を尽くした物量と最新鋭の回路が搭載されている。価格も尋常ではなく、全部合わせれば駅近の土地付き一戸建てが手に入るほどのプライスだ。



 もちろんDACだけでは音は出ないので、このシステムに見合ったクラスのアンプとスピーカーを繋いでデモが行なわれていたが、確かに質感が高く整ったサウンドが楽しめる。しかし、これほどの価格帯では果たしてこれが妥当なクォリティの音なのか分からない。まあ、このクラスでコストパフォーマンスがどうのという話をするのはナンセンスだろう(笑)。

 音源はハイレゾ仕様のストリーミングだ。このブースに限らず、ソースにネット配信が利用されているケースが多かった。CDが鳴らされていたデモは数えるほどだ。もはや、ピュア・オーディオの世界ではCDは時代遅れになりつつあるのだろう。かと思えば、やたら目立ったのがアナログレコードの音出しだ。言うまでもなく、レコード再生はCDよりも趣味性は高い。ともあれ、ストリーミングとアナログレコードという新旧2つの音源が今後も脚光を浴びていくと思われる。



 スピーカーで印象に残ったのが、仏DIPTYQUE AUDIO社DP160 MKIIだ。初めて聞くブランド名だが、平面スピーカーを得意としているメーカーらしく、本機種の見た目のインパクトはかなりのもの。まるで屏風であり(笑)、これがオーディオ機器とは思えない。ただし、この形状にも確固としたメリットがあるらしく、音が均質に前方に出てくるため、位相や定位の向上に有利だとのこと。なるほど、この自然な音場感は魅力的だ。

 サウンド自体は、同じフランスのメーカーであるFOCALのスピーカーほど個性的ではないが、それでも甘やかな色付けの、愛嬌のある音が出てくる。たぶん作り手は“これがナチュラルな音色だ”と合点しているのだろうが、オーディオにも“お国柄”があるのは当然だろう。ただし、このモデルはあまりにも高額だ。そしてそれ以前に、広いリスニングルームが必要。一般ピーブルには縁の無い商品だが、こういう場所で“鑑賞”する分には一向に構わないと思われる。

(この項つづく)

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