このメーカーのスピーカー作りの方向性は、徹底した高剛性である。今回試聴したSFS-2B7も一本120kgという重量級。エンクロージャー(筐体)自体が共鳴することを出来るだけ抑え、ユニット自体のパフォーマンスを発揮させようという方法論だ。以前試聴したKISO ACOUSTIC(キソ・アコースティック)のスピーカーのように、エンクロージャーごと盛大に共鳴させてその共鳴音もサウンドの一部として構成させるようなやり方とは正反対。いわば“昔ながら”の方法を踏襲している。
また、同社は(低音部、高音部などの)スピーカーユニットごとの販売も行っており、最終的にはユニットごとに別々のアンプで駆動する“マルチシステム”をも提案しているようだ。これも昔のマニアが目指したような方法論である。

このようにG.T.Soundの製品作りのコンセプトは“古い”とも言えるのだが、だからといって出てくる音もアナクロかというと、このSFS-2B7という新製品を聴く限りにおいては全然そうではない。これ見よがしなケレンを抑えた自然でフラットな音の出方、しかも高解像度でハイスピードである。海外の有名ブランドと比肩しうる実力機だと思う。ただし“マルチシステム”の要素を取り入れた製品展開は、マーケティング面ではどうなのかという課題もあるだろう。
さて、今回印象的だったのが、この大型で高価なスピーカーを駆動していたのが、ACCUPHASEのE-560という定価60万円ほどのプリメイン型であった点だ。 E-560も値の張る商品には違いないが、420万円もするスピーカーに対してはあまりに非力のように思える。ところが実際聴いてみるとさほど違和感はない。十分楽しく聴ける。
社長の話によると、本当にスピーカーが上質のものならば、繋ぐアンプを選ばないのが当たり前なのだという。最近はスピーカーの能率(アンプの出力に対して得られる音圧の割合)があまりにも低くなり、大きな駆動力を持ったアンプで無理矢理にドライヴさせるという方式がまかり通っているが、これは本来間違いであるということらしい。これには私も同意したい。

確かにG.T.Soundのスピーカーの能率は高い。オーディオシステムの音の方向性を決定するのはスピーカーだから、気に入ったスピーカーを鳴らすためにアンプ側に多大な負担を強いるのは筋違いだろう。スピーカーの値段の二倍も三倍も高価なアンプを持ってこないと上手く鳴らないというのは、あまり愉快な気分になれない。ユーザーに余計なプレッシャーを掛けるスピーカーの低能率指向など、個人的には蹴飛ばしてしまいたい(爆)。
あと、主宰者からは他の大手メーカーの音作りに対する批判も数多く聞けたが、それが正しいかどうかはともかく、信念を持ってオーディオ作りに邁進している人間の意見というのは聞いていて楽しいものだ。その意味でも今回の試聴会は有意義であった。
(この項おわり)
また、同社は(低音部、高音部などの)スピーカーユニットごとの販売も行っており、最終的にはユニットごとに別々のアンプで駆動する“マルチシステム”をも提案しているようだ。これも昔のマニアが目指したような方法論である。

このようにG.T.Soundの製品作りのコンセプトは“古い”とも言えるのだが、だからといって出てくる音もアナクロかというと、このSFS-2B7という新製品を聴く限りにおいては全然そうではない。これ見よがしなケレンを抑えた自然でフラットな音の出方、しかも高解像度でハイスピードである。海外の有名ブランドと比肩しうる実力機だと思う。ただし“マルチシステム”の要素を取り入れた製品展開は、マーケティング面ではどうなのかという課題もあるだろう。
さて、今回印象的だったのが、この大型で高価なスピーカーを駆動していたのが、ACCUPHASEのE-560という定価60万円ほどのプリメイン型であった点だ。 E-560も値の張る商品には違いないが、420万円もするスピーカーに対してはあまりに非力のように思える。ところが実際聴いてみるとさほど違和感はない。十分楽しく聴ける。
社長の話によると、本当にスピーカーが上質のものならば、繋ぐアンプを選ばないのが当たり前なのだという。最近はスピーカーの能率(アンプの出力に対して得られる音圧の割合)があまりにも低くなり、大きな駆動力を持ったアンプで無理矢理にドライヴさせるという方式がまかり通っているが、これは本来間違いであるということらしい。これには私も同意したい。

確かにG.T.Soundのスピーカーの能率は高い。オーディオシステムの音の方向性を決定するのはスピーカーだから、気に入ったスピーカーを鳴らすためにアンプ側に多大な負担を強いるのは筋違いだろう。スピーカーの値段の二倍も三倍も高価なアンプを持ってこないと上手く鳴らないというのは、あまり愉快な気分になれない。ユーザーに余計なプレッシャーを掛けるスピーカーの低能率指向など、個人的には蹴飛ばしてしまいたい(爆)。
あと、主宰者からは他の大手メーカーの音作りに対する批判も数多く聞けたが、それが正しいかどうかはともかく、信念を持ってオーディオ作りに邁進している人間の意見というのは聞いていて楽しいものだ。その意味でも今回の試聴会は有意義であった。
(この項おわり)