斜視自動車評議会備忘録

実用車4台による12輪生活と気になるクルマの話題を中心に気になることをぼちぼちと

内装の日産!?

2006年08月10日 | クルマ
最近は「技術の日産」ではなく、タイトルにあるような言われ方をしているとか。
個人的にはこれを聞いた時に「電気系統のホンダ」や「錆のトヨタ」のように過去から引き摺っている、各メーカーならではの弱点の事なのかと思いましたよ。
だって一昔前までの日産の内装といえば、ダッシュは割れやすいし、シート生地は日焼けですぐに褪色してしまう。
揚句には生地に張力がなくなってしまい、なかのスポンジが爆発してくる。
素材の弱さだけではなく、規格品を拒むようなオーディオを積極的に採用したり“絶壁インパネ”と揶揄されたダッシュ周を好んで採用したりしていました。
良く言えば個性的や特徴的なのかもしれませんが、万人に勧められるものではありません。
魅力的なメカニズムに対して若干追いつかない内装をさしているのかと思いきや・・・

しかし、これは当方の大きな勘違いであったらしく、どうやら最近では“センスがいい方向”で使われているらしいです。(この言い回しで、疑問に思っている事を察して欲しいです)

まず、こう呼ばれるようになった原因として思いつくフシがひとつあります。
それは“日産のモダンインテリアであるティアナ”の存在でしょう。
イームスやヤコブセンといった、20世紀中盤の建築デザイナーの名前と共に紹介されています。

そして、近年の日産はインテリアセレクションと銘打った特別仕様を出すのが恒例となっております。
この特別仕様の特徴は自動車とはまったく関係のない、インテリアデザインのビックネームが付いている事が多いのです。

その代表が今年はマーチ、キューブ、ラフェスタに設定された“+CONRAN”でしょう。
イギリスの著名なインテリア(建築系ね)デザイングループによってアレンジされた内装を持つ特別仕様車です。

表皮と色は変わったのかもしれませんが、根本的なデザインは同じです。
格段に快適性が向上するわけではありません。

このブランド名を名乗るのに幾ら払ったのか
個人的には安っぽさを強調するだけだと思う“○○調塗装”がいたるところに採用されているのも、好感をもてないところです。

面と向かっていえないところとして、実はこの仕様のキューブを買った人が近くにおりまして、自慢を聞いたら・・・・
「このキューブ特別仕様で、シート地がコンランなのよと」いっていたので・・・
アレンジしたデザイナーグループの名称なのに・・・
インテリアセレクションの“+CONRAN”だって、エンドユーザーの認識はハリアーやアルファードなんかにあるアルカンターラ仕様と同じですよ。
そう考えると、ハリアーやアルファードのほうが親切でしょう。
だってこっちはシートの生地であることには間違いないし、標準車と近い色調のものを採用しているので、オリジナルのイメージを崩さないまま、質感の向上を感じ取れます。

件の“コンラン”は佇まいは素晴らしいですが、走行中の据わりは標準車のほうに分があるような気がします。

日産の特別仕様内装といえば・・・「東レのエクセーヌでは」と思った、少し古い当方のぼやきです。
好みの問題ですが、ガラモノの表皮は飽きると思うし、騒がしい感じがします。

補足
個人的には初期のコンセプトを全否定するマイチェンをした、プレサージュがイチバン「内装の日産」を感じるような気がします。
日本で身近にイームスを感じるのは、JRのホームにあるプラスチック製の丸い椅子だけでいいです。
あの絶妙な座り心地と個性的なアピアランスこそが、良く出来たデザインなのです。
走行中にイマイチなものには如何なものでしょう・・・