ひと頃のソーラー電源式フットライトを話題にします。
公園や遊歩道、立体歩行施設等に整備する、景観照明になるので、特に平均照度何ルクスとか何ルーメンという指定はありません。
ソーラー電源(蓄電池付き)フットライトの登場は、配線や商用電源の引き込みが不要になるため、ソーラー電源式フットライトの部品構成の内、以下の4点に注目して頂きたいと思います。
・灯具
・ランプ
・ソーラー電源
・蓄電池部
◆A社(国内大手電機メーカー製)
特徴:4点の部品は単体での価格が公表されており、補修部品の供給サイクルも公表されている。
・灯具は同社製の蛍光灯や商用電源を使用したものと共通である。
・LEDランプユニットも一般的 な蛍光灯と互換性のある口金を採用しているだけでなく、他社製品も使用可能。
・ソーラーパネルは自社製ではなく、国内大手メーカー製の使用している旨の記載あり。
・蓄電池は、一般的な規格のディープサイクルバッテリーを防塵・防湿の等級を謳ったケースに入れている。
ただし、もっとも割高な製品である。
◆B社(国内大手商社取り扱い品)
特徴:部品点数を減らし、長期保証を謳いながら安価な製品を提供を可能としている。
・灯具とランプは一体扱いで独自規格品(おそらくファブレス的な生産委託品)。補修部品として灯体部分として購入可能。
・ソーラーパネルは国際規格品を採用しているが、ロットによって供給先は異なる。
・蓄電池は、防塵・防湿ケースと一体になった専用品。交換用部品価格もある。
今回取り上げる製品としては二番目に高価な製品である。
◆C社(海外資本の総合資材会社)
特徴:構成部品を一体化し、優れたデザイン性と設置性の高さを誇る。
・灯具とランプ、バッテリーは独自規格で一体品扱い(海外メーカーOEM品)。補修部品はユニットASSYでの供給のみ。
・ソーラーパネル(海外メーカーOEM品)。ロットごとに納入先は異なる。
・バッテリーは専用品になり、補修部品はユニットのみなので、単体での供給はない。
製品価格は最も安価であった。
◆D社(国内資本ただし、いわゆるベンチャー企業が取り扱い)
特徴:大手製品と変わらない配光特性の製品をより安価に。また、製品をユニット化することで施工工数の低減を考慮している。
・灯具とランプは一体扱いで独自規格品(B社の製造委託品のデッドコピーのようなもの)
・ソーラーパネルの供給先はロットごとに異なる。
・蓄電池は専用品だが値段は比較的安価。ただし、性能保証期間はもっとも短い。
製品価格は二番目に安価である。また、同社扱いの商用電源引き込みタイプと共通部品も多い。
設置手間まで考えた場合の初期導入コストは最も安価になる。
B社の製品のコストを100とした場合、こんな感じになります。
製品価格
A社150、B社100、C社75、D社80
施工工賃込み
A社160、B社100、C社90、D社85
個人的な感覚では、B社とD社の製品が多く納入されました。
コストパフォーマンス(ここでは、「要求仕様を最も安価に満たすことが出来る。」という意味合い)に優れたのは、当然D社という事になるのですが、新規参入企業で過去の実績当の課題がありました。
あれから、数年の時が経ち、フットライトも補修や修理が必要なものも出てくる時期となりました。
各メーカーの製品の現状を聞いてみますと。。
◆A社製品の対応
・灯具は現行品番、ランプはより安価なった移行品の供給。
・ソーラーパネルは当時の品番は廃番になるも、移行品はより安価で効率の高いものとなっている。
・バッテリーはやや値上がりしたが、指定品ではないので、市販品で早期に交換可能。
◆B社製品の対応
・灯体ユニットは、新製品に移行に伴い廃番となっている。新製品との互換性なし。(製造委託先の変更?)
・当時の灯体ユニットは在庫僅少だが、ある程度まとまった数の注文があれば再生産対応。
ただし、再生産時の価格は別途見積り。
・ソーラーパネルは、必要な容量にあった、対応可能な現行品を供給する。価格は横倍程度。
・蓄電池は同等品製造中止に伴い、現品再生で対応、納期に非常に時間が掛る。
しかも、当時の補修品より割高になっている。
◆C社
・補修部品は当時の製造委託会社との提携解消に伴い、流通在庫のみ。
・LED屋外照明事業はすでに撤退している。(というか別会社に部門ごと売却した)
◆D社
・取り扱いしていた企業が破たんしている。
・故障時や補修部品入手のための問合せ先等は一切不明。
ライフサイクルコストという概念も含めて、承認品を考慮する必要がより要求されるのではないでしょうか?
で、最近の話ですが。。
某公園管理事務所から、「D社のフットライトが点滅するようになったのと、蓄電池の劣化に伴いひと晩の点灯がしなくなった。」何とかならないかと問い合わせがありました。
個人的には「電気屋さんに聞いて欲しい。」と回答したいところですが、きっと断られたから自分のところに回ってきたのかな。
設計段階では、参考にした製品はあっても指定はしません。「ソーラー電源フットライト・蓄電池動作12h以上」とは書きましたが
補足
えーっと、施工時にはC社かD社の製品を入れてないと、「無駄遣いをした!」とか「特定の業者と癒着している!!」と騒ぐ地方自治体の議員さんやその方お抱えの市民団体がいます。
そして、今回のような事でフットライトを更新すると同じ方々が、「製品をよく調査しないで納入することで、市民に多大な損失を与えた。」と叫ぶわけです。
新規参入企業を採用しないと“参入障壁がある”といわれ、ライフサイクルコストに優れた定番メーカー製の初期導入コストの高いものを導入すると“特定企業との癒着”と言われる。。
公園や遊歩道、立体歩行施設等に整備する、景観照明になるので、特に平均照度何ルクスとか何ルーメンという指定はありません。
ソーラー電源(蓄電池付き)フットライトの登場は、配線や商用電源の引き込みが不要になるため、ソーラー電源式フットライトの部品構成の内、以下の4点に注目して頂きたいと思います。
・灯具
・ランプ
・ソーラー電源
・蓄電池部
◆A社(国内大手電機メーカー製)
特徴:4点の部品は単体での価格が公表されており、補修部品の供給サイクルも公表されている。
・灯具は同社製の蛍光灯や商用電源を使用したものと共通である。
・LEDランプユニットも一般的 な蛍光灯と互換性のある口金を採用しているだけでなく、他社製品も使用可能。
・ソーラーパネルは自社製ではなく、国内大手メーカー製の使用している旨の記載あり。
・蓄電池は、一般的な規格のディープサイクルバッテリーを防塵・防湿の等級を謳ったケースに入れている。
ただし、もっとも割高な製品である。
◆B社(国内大手商社取り扱い品)
特徴:部品点数を減らし、長期保証を謳いながら安価な製品を提供を可能としている。
・灯具とランプは一体扱いで独自規格品(おそらくファブレス的な生産委託品)。補修部品として灯体部分として購入可能。
・ソーラーパネルは国際規格品を採用しているが、ロットによって供給先は異なる。
・蓄電池は、防塵・防湿ケースと一体になった専用品。交換用部品価格もある。
今回取り上げる製品としては二番目に高価な製品である。
◆C社(海外資本の総合資材会社)
特徴:構成部品を一体化し、優れたデザイン性と設置性の高さを誇る。
・灯具とランプ、バッテリーは独自規格で一体品扱い(海外メーカーOEM品)。補修部品はユニットASSYでの供給のみ。
・ソーラーパネル(海外メーカーOEM品)。ロットごとに納入先は異なる。
・バッテリーは専用品になり、補修部品はユニットのみなので、単体での供給はない。
製品価格は最も安価であった。
◆D社(国内資本ただし、いわゆるベンチャー企業が取り扱い)
特徴:大手製品と変わらない配光特性の製品をより安価に。また、製品をユニット化することで施工工数の低減を考慮している。
・灯具とランプは一体扱いで独自規格品(B社の製造委託品のデッドコピーのようなもの)
・ソーラーパネルの供給先はロットごとに異なる。
・蓄電池は専用品だが値段は比較的安価。ただし、性能保証期間はもっとも短い。
製品価格は二番目に安価である。また、同社扱いの商用電源引き込みタイプと共通部品も多い。
設置手間まで考えた場合の初期導入コストは最も安価になる。
B社の製品のコストを100とした場合、こんな感じになります。
製品価格
A社150、B社100、C社75、D社80
施工工賃込み
A社160、B社100、C社90、D社85
個人的な感覚では、B社とD社の製品が多く納入されました。
コストパフォーマンス(ここでは、「要求仕様を最も安価に満たすことが出来る。」という意味合い)に優れたのは、当然D社という事になるのですが、新規参入企業で過去の実績当の課題がありました。
あれから、数年の時が経ち、フットライトも補修や修理が必要なものも出てくる時期となりました。
各メーカーの製品の現状を聞いてみますと。。
◆A社製品の対応
・灯具は現行品番、ランプはより安価なった移行品の供給。
・ソーラーパネルは当時の品番は廃番になるも、移行品はより安価で効率の高いものとなっている。
・バッテリーはやや値上がりしたが、指定品ではないので、市販品で早期に交換可能。
◆B社製品の対応
・灯体ユニットは、新製品に移行に伴い廃番となっている。新製品との互換性なし。(製造委託先の変更?)
・当時の灯体ユニットは在庫僅少だが、ある程度まとまった数の注文があれば再生産対応。
ただし、再生産時の価格は別途見積り。
・ソーラーパネルは、必要な容量にあった、対応可能な現行品を供給する。価格は横倍程度。
・蓄電池は同等品製造中止に伴い、現品再生で対応、納期に非常に時間が掛る。
しかも、当時の補修品より割高になっている。
◆C社
・補修部品は当時の製造委託会社との提携解消に伴い、流通在庫のみ。
・LED屋外照明事業はすでに撤退している。(というか別会社に部門ごと売却した)
◆D社
・取り扱いしていた企業が破たんしている。
・故障時や補修部品入手のための問合せ先等は一切不明。
ライフサイクルコストという概念も含めて、承認品を考慮する必要がより要求されるのではないでしょうか?
で、最近の話ですが。。
某公園管理事務所から、「D社のフットライトが点滅するようになったのと、蓄電池の劣化に伴いひと晩の点灯がしなくなった。」何とかならないかと問い合わせがありました。
個人的には「電気屋さんに聞いて欲しい。」と回答したいところですが、きっと断られたから自分のところに回ってきたのかな。
設計段階では、参考にした製品はあっても指定はしません。「ソーラー電源フットライト・蓄電池動作12h以上」とは書きましたが
補足
えーっと、施工時にはC社かD社の製品を入れてないと、「無駄遣いをした!」とか「特定の業者と癒着している!!」と騒ぐ地方自治体の議員さんやその方お抱えの市民団体がいます。
そして、今回のような事でフットライトを更新すると同じ方々が、「製品をよく調査しないで納入することで、市民に多大な損失を与えた。」と叫ぶわけです。
新規参入企業を採用しないと“参入障壁がある”といわれ、ライフサイクルコストに優れた定番メーカー製の初期導入コストの高いものを導入すると“特定企業との癒着”と言われる。。