Weblog喫茶 モンブラン

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SCRAPPERの奇妙な冒険

2007-09-07 22:25:48 | ヴィシアの日常

モンブランへご来店の皆様、こんばんは。
台風関連を初め、いろいろなニュースが今日も飛び交った日本ですが、私としては今日イチオシのニュースはこの話題です。

<人気漫画、米科学誌表紙に> (時事通信)
人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」で知られる漫画家の荒木飛呂彦さんが描いた、7日付の米科学誌「セル」の表紙。医学や生物学の分野で権威のある同誌の表紙を、日本人漫画家が描くのは異例。

探した中で、肝心の写真が一番大きく出ていたのが時事通信さんのサイトでしたので上に写真のリンクを貼らせていただきました。

この雑誌「セル(Cell)」は、大学院などでいわゆるバイオ関係を研究していた人なら、絶対に研究室で購読していたはず・・・といっても差し支えないほどの、アメリカの科学論文誌です。

科学誌というとアメリカの「サイエンス」やイギリスの「ネイチャー」が歴史もあり有名ですが、これらが科学全般を幅広く扱っているのに対して、「Cell」はその名の通り、医学・生物学系です。

サイエンスやネイチャーは、週刊誌ということもあり、各号は薄いし紙質もイマイチ、活字も昔ながらの重々しい字体なのですが、Cellは月刊誌で分厚く、紙質ピカピカで字体もモダンな「Arial」だったかな? 見やすくて非常によろしいです。
(9/8 訂正:現在は月刊誌ではなく、月2回発行です。)

何より特筆すべきは、毎号の表紙のきれいさ。
このリンク先をスクロールすると、”Cell一家”雑誌群の表紙の見本が見られます。

肉厚の表紙全面を使い、余計な文字を入れずに顕微鏡写真やCGイラストなどを大胆に配したカラフルなデザインは、殺風景な表紙が多い論文誌の中では常に目立っていて、科学とグラフィックの見事な調和をいつも見せてくれました。

生物系の研究者は、研究対象に不思議な「美」を見いだすことが多いと思うのですが、Cellの表紙はまさに「科学の中の美」をとらえ続けた、秀逸なセンスにあふれたものと言えるでしょう。

そんなCell最新号の表紙を、今回たぶんこの雑誌の史上初めて、日本人漫画家が描いたわけです。
しかも普通の論文に添付するような図やイラストではなく、まさにコミックのワンシーンのようなカット。

なぜこんなことが実現したかというと、最新号に掲載されているこの論文のおかげなのです。(リンク先は論文の概要を掲載)

これは三菱化学生命科学研究所を中心とする研究チームが書いた、脳のシナプスにおける神経伝達物質放出の制御機構の一部を解明した論文です。
「SCRAPPER(壊し屋)」と名づけられたタンパク質が、重要な働きをしていたという発見です。

Last author(研究チームのトップ)である瀬藤光利・自然科学研究機構生理学研究所准教授が、荒木氏の「ジョジョ」の大ファンで、Cellに論文が掲載されるにあたり「ぜひイメージイラストを」とお願いして、描いてもらったのだとか。

なんと素晴らしい・・・。

私もかつては一応分子生物学の研究をやっておりましたが、もしこんなすごい成果が得られてたら、大友克洋さんに表紙を描いてもらいたかったなー。
コネクションが全然ないけど・・・。

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
トラバックさせていただきました^^ (J)
2007-09-07 22:56:41
はじめまして!Jと申します。

トラバックをさせていただきました!!


>大友克洋さんに表紙を描いてもらいたかったなー。

それはいいですね!

私は松本大洋あたりに書いていただきたいなぁーなんて思います。
同じくつてなんてありませんが^^;
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そいつはすごいや (ぱぴりお)
2007-09-07 23:49:13
快挙ですね。

雑誌のトップに論文が載るとそんなわがままをきいてくるのか。

こうなると、別刷りも表紙つきでしょう。



私がセルの表紙を頼むとすると、本宮ひろしがいいな。
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すごいですね~! (のりまき1975)
2007-09-08 00:18:59
日本人漫画家初の快挙ですね!
ちなみに、ジョジョ~の漫画は読まれたことありますか?
私は最初読んでよく分からなかったのですが、長く続いてましたよね~。
私も漫画家さんのつてはありましぇ~ん^^;
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へ~ (harry)
2007-09-08 00:40:01
米科学誌の表紙を日本人の漫画家さんが
描くんだ~。
すごいねぇ。
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皆さんへ (ヴィシア)
2007-09-08 01:57:49
皆さん、ややマイナーな話題かと思いきや、すぐにこんなにコメントが!ありがとうございます。

しかも、「Cell」の公式サイトは、この一報がネットで広まるやいなやアクセスが殺到してサイトがダウン。未だに復旧していません。
日本からのアクセスでしょうね・・・。

この話題、遅く帰宅したぱぴりおと、すごく馬鹿馬鹿しく盛り上がりました。
あんまり面白かったので明日は番外編を書こうと思います。
皆さんのご提案へのお返事も、そこにまとめて書きますね。

お楽しみに!(^O^)

初めましてのJさんも、よかったら明日もみて行ってくださいね!だいたい深夜前に更新です。
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Unknown (茶葉ママ)
2007-09-08 22:18:26
快挙ですね。
私は先日、ぴあの表紙の及川正通さんがギネスに載って「すっげぇ日本人!」と仰天しました。
今までも海苔巻きの長さ世界一とかけんだま世界一とかあるかもしれませんが。
日本人の活躍って嬉しいし誇らしいですね。
それにしても個性的な絵ですねぇ。
アメリカ人もびっくりしたのでは?
きっと私のシナプスは劣化してるだろうなぁ。
最近、間違った伝達ばかりしています。
コーヒーをやめたらいくらか改善されるかしらぁ?
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茶葉ママさんへ (ヴィシア)
2007-09-08 23:03:30
茶葉ママさん、コメントありがとう!

映画の中などでは、メガネにカメラ、七三分けでやたらお辞儀をする変な人々として描かれることの多い日本人でしたが、今や "JAPAN COOL!" な時代。

Cellの公式HPに行くと、今号の表紙の説明が書いてあるのですが、一部引用しますと

>Japanese manga artist Hirohiko Araki created the cover image with scientific direction from Drs. Setou and Ageta.

"Japanese manga artist" ですよー。(^▽^)
ほんとにマンガは日本のcoolな文化なんですね。

私は病気で脳細胞をだいぶ失っているはずだと思うのですが、なんとかかなり復活しました。
なので、健康な方ならきっともっとどんどん鍛えることも可能なんじゃないでしょうか。
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