モンブランへご来店の皆様、こんばんは。
今この瞬間にも、世界中で新しく生まれ続けているたくさんの本。
日本語の本だって、一生かかっても全部は読みきれません。
私が一度も読むことのないまま終わってしまう本のほうが、何千倍もあることでしょう。
過ぎ去ってしまった子供時代や、それなりに苦悩していたティーンエイジャーの頃、出会えればよかっただろうについにめぐり会えなかった本も、そりゃーたくさんあるはず。
でも、時々ひょっこりと、本の神様が膨大なコレクションの中から、私に贈り物をくれることがあります。
それは神田の大きな書店をうろついている時だったり、たまに寄った古本屋だったり。
この本もずいぶん前に、そんな古本屋の店先のワゴンの中で、砂ぼこりをかぶっていた贈り物でした。
マインダート・ディヤング作「びりっかすの子ねこ」。
オランダで生まれ、8歳でアメリカに移住して、作家になった人です。
犬屋さんの納屋の奥、犬たちが入ったおりだらけのなかで、6ぴきのきょうだいのあとから7番目の最後に生まれた、びりっかすの子ねこ。
にいさんたちに押されて、おかあさんのおちちももらえずに、いつもはらぺこ、ふるえています。
ある日、親子の行列についていこうとして、びりっかすの子ねこは、としよりいぬのおりの中に落っこちてしまい、それがきっかけで、目も見えず耳も聞こえない、鼻もろくにきかないとしよりいぬと、心を通わせ一緒に暮らすようになりました。
ところが、ある日ふとしたことで子ねこは外に閉め出されてしまいます。
戻れないことを知った子ねこは、意を決して暗闇の中へ旅立ちます。
そして一晩の間に、七軒の家でさまざまな経験をして、最後には意外な形でしあわせをつかむのです。
子ねこの足で行けるだけの、わずか家七軒の小さな世界。
けれども、そこには実にさまざまな人々が住んでいます。
きっと現実の世界の比喩なんでしょうね。
つらい思いもしたけれど、世界の端っこにしあわせは待っていてくれました。
ジム・マクマラン氏の素朴な挿絵と、中村妙子氏の、まるで歌のようなリズムの良いすぐれた日本語訳は、こどもに読んであげるのにぴったりです。
私が病気になる前、まだ小さかったしゅんけいに、この本を読んであげたことを思い出しました。
毎日少しずつ読んであげていたのですが、いつも「もっと読んで」とねだられました。
びりっかすだって、きっとしあわせは、どこかで待っている。
心が素直に温まる、ずっと大切にしたい本です。
びりが損だとか劣ってるとか、そういう事ではないんですね。
みにくいあひるの子もそうだったし。
幸せはどこに落ちてるかわからない。
今、不幸と思ってる状態がけっこう幸せだったり、
有頂天から奈落もあるし。
私は娘に全然、読み聞かせをしてあげなかったことを悔やみます。
もっとお母さんらしいことをしてあげたかったな。
今、逆に娘から吸収することが多いです。
目を見開いて素直な心を持てば、知識はまだまだ得られそうですね。
つらい思いをして、ひどい目にあっても、
世界の端っこで、愛にあふれた温かい手がさしのべられれば
ハッピーエンドなんですよね。
昔話の「めでたし、めでたし」って、なんだかとても好きなんですよ。
神様の優しいほほえみを感じますね。
日々世の中で暮らしていると、ともすれば心もくたびれがちですが
きれいに洗ってお日さまにあててくれるような、そんな本です。
お久しぶりです
本のタイトルを見て「あっ!」っと思いました
小学生の頃、この本持っていました
30年くらい前に読んだので、内容は覚えていませんが、タイトルは覚えていました。と言うか、思い出しました。 「びりっかす」なんて言葉、普段使いませんし・・(^^;
本と巡り合うのも運命ですよね~?
私の最近のお気に入りの絵本は、島田ゆかさんの「ガラゴ」と「バムとケロ」シリーズです。とっても絵が細かくて、キレイですよ~
★プーのママさんへ:
お久しぶりです~。(^^)お元気でしたか?
子供の頃に読まれたんですね。プーのママさんの記憶の引き出しを、ひとつ開けるお手伝いができてほんとうに嬉しいです。
本との出会いは、時々運命を感じますよね。
バムとケロ、持ってはいませんが好きですよー。あの絵の「マブタ感」がなんともいえずいい味です。
★ねこママさんへ:
いやいや、お気になさらず・・・。
確かgooブログって、投稿したコメントを自分で修正できないんですよね。編集フォームがそのうち付くといいんですが。
おお!池波正太郎ですか。鬼平犯科帳かな?梅安もかっこいいですよね。ウチの父も好きで揃えてましたよ。結構読むとハマっちゃうんですよね。(^^;
動物ものってわりと、最後は死んでしまったりして読むのがつらいものもあったりするんですが(狼王ロボとか)、このお話は大丈夫。
よかったねぇ・・・ってほのぼの涙ぐめます。
特に動物ものは終わりが良くても悪くても途中で泣けてしまいますが・・・。
そうそう、動物ものってなぜだか泣いてしまいます。
なので人前では読めません。(笑)
「灰色熊の伝記」のラストなんか、もー未だにダメですね。
泣かずに読めたのは「What's マイケル?」くらいかなー。(^▽^;
サビ柄で貰い手のないカスっ子だったし。
読んでみたいです。
アマゾンにあったよー。新品在庫はラスト1冊。
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%B3%E3%82%8A%E3%81%A3%E3%81%8B%E3%81%99%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%81%AD%E3%81%93-%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E3%81%A9%E3%81%86%E3%82%8F%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8-5-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%88-%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%82%B0/dp/4035320501/ref=pd_bbs_sr_1?ie=UTF8&s=books&qid=1196057169&sr=8-1
(URL長~・・・)
私の持っているものと同じではないけれど、ご参考まで。
実はこの本は古いため、最初の版では”差別用語”が出てくるので、たぶんそこが改訂されているのだと思うよ。
だからちょっと、もともとの言葉のリズムが失われてしまっている部分があるかもしれない。