モンブランへご来店の皆様、こんばんは。
今年は流行の立ち上がりが早かったので、大きな流行も懸念されていたインフルエンザですが、IDSC(国立感染症研究所 感染症情報センター)で発表されている流行状況によると、定点あたりの報告数の全国合計は下がってきています。
過去10年の流行の推移を見ると、患者数がいったん減少傾向になった後にまた流行が大きくぶり返した例はないので、今シーズンは「小流行」で終わってくれるかもしれません。
今シーズンの流行が始まる前に書いた記事では、
・今シーズンはWHOにより、A型インフルエンザの中のH1型に対するワクチンの種類が変更された。
→シーズン初めの患者さんがかかったウイルスを調べると、変更したワクチンと違う「株」のウイルスが見られた。
→今シーズンのH1型ワクチンは「はずれ」?
→そうであれば、今シーズンはワクチンが効かずに、A型インフルエンザのH1型が流行るかも?
という推測を書きました。
しかし、実際には、今までのところ流行のほとんどはAH1型でしたが、流行の規模は過去10年間で下から2番目くらいのレベルです。
AH3型とB型インフルエンザは今シーズンはほとんど流行っていません。
とすると、今シーズンは結局、WHOが流行を予測して変更したAH1型のワクチン株が「はずれ」じゃなく、「当たり」だったのか?
という推理が出てきます。
実際、毎日新聞のネットニュース(2月26日)でも
>分離されたウイルスはAソ連型が92.3%を占めた。
>今シーズンはワクチンの使用株が7シーズンぶりに変更され、流行した型と一致した。
と書かれています。
この表現だとワクチン株が「当たった」かのようにも読めてしまいますが、調べた限りでは感染研からは、本格的な流行が始まってから、患者さんから分離されたAH1型(=Aソ連型)ウイルスの「株」について、どの株が主流だったか、という報告は出ていません。
つまり、今の時点ではAH1型を主流とする今年の流行が小規模になりそうな理由を、
「今年変更になったワクチンの株が”当たり”だったから」
と言うことは、まだできないでしょう。
では、今年のワクチンが”当たり”でなかった場合に、どうして今回の流行が小規模になりそうなのかについては、私なりにいくつか仮説を考えているのですが、それはワクチンの当たりはずれについて、はっきりした情報を手に入れられてから、絞り込もうと思っています。
ともあれ、今シーズンはこのままもう流行が終息に向かってくれれば何よりですよね。