その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

マドリッド週末旅行/ ソフィア王妃芸術センターでゲルニカを見る

2012-12-09 19:19:35 | 旅行 イギリス外
 (昨年のこの時期にスペインのマドリードに週末旅行で訪れました。1年遅れですが、その時の記録を。)

 週末にマドリードへ弾丸旅行。学生時代の友人との再会が目的でしたが、マドリードは出張で1度訪れただけでしたので、少し街めぐりとオペラ観劇も。南欧の国スペインなのでロンドンと違って、さぞかし暖かいかと思いきや、思いのほか寒い気候でびっくりでした。

≪ソフィア王妃芸術センター≫
 私にとって、マドリッドに来たら見なくてはいけないこと。それは、ソフィア王妃芸術センターでのピカソのゲルニカでした。ソフィア王妃芸術センターは有名なプラド美術館から歩いて10分弱のところで、20世紀の近現代美術を中心に展示されています。ピカソの他にも、スペインの現代画家ミロやダリの絵も多くあるので、ミロ好き、ダリ好きの私には、たまらない美術館です。


(外観)


(もと病院の建物を美術館に改装したとか)

 さて、お目当てのゲルニカですが、他の展示室はすきすきだったのですが、ここだけは沢山の人だかりが出来ていました。しかも、作品の3メートル以内には近づけないように、線が引かれ、警備員が厳しく見張っています。私の経験では、これほどまでの扱いを受けている絵は、欧州ではルーブルのモナリザぐらいでしたので、いかにゲルニカが特別扱いされているかが分かります。



 349 cm × 776 cmの絵ですから相当大きいはずなのですが、3m離れているせいか、思っていたほどの大きさは感じませんでした。あと、これは私が無知だっただけですが、「ゲルニカ」は白黒(モノクローム)なのですね。

 絵全体から何とも言えない重々しいオーラが発せられていました。泣く女、嘶く馬、叫ぶ人、うつろな目をした牛、倒れる人・・・語らぬ絵から断末魔の叫びが聞こえて来ます。白黒が作品の重々しさを更に引きたてているようでした。

 ちょっと重くなった気分を絶ち切れないまま美術館を後にすると、外はもう夕暮れ。美術館の前庭でスケートボートに興じる少年達の歓声が、沈んだ気持ちを励ましてくれるように聞えます。コートの襟を立て、晩秋と言うより冬のマドリッドの街を歩きはじめました。


(美術館前庭)


 ※付録 クリスマスムード一杯のマドリッド市内です。



 2011年12月3日


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4 コメント

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ゲルニカ (sony)
2012-12-10 10:23:17
1981年まで42年間アメリカにあったものがスペインにもどったのですね。戻る直前ニューヨークの近代美術館で見て圧倒されたことを思いだしました。かなり近くで見ましたので大きさには驚かされました。白黒の迫力はすごいです。もう一度スペインで見たいと思いますが・・・
友人が「ゲルニカーピカソ、故国への愛」を翻訳しています。冨山房から。子供向けに書かれたようですが、製作過程がわかり、またピカソの素晴らしさ戦争に対する考え方がわかり楽しい本です。購入するほどではありませんが、ご参考までに。
王立ソフィア芸術センターは行ったことがないので是非いつか行きたいと思います。しかし東京からですと遠いですよね。
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マドリッド (レイネ)
2012-12-10 16:50:30
おお、なんとグッド・タイミング!来週木曜日から4泊でクリスマス直前までマドリッドに行くんです。わたしも夫も初めての町なので、色々参考にさせていただきたいと思います。続きの記事待ってます。
やっぱり、スペインといっても内陸部だから、マドリッドは寒そうですね。また、この時期は雪で飛行機が遅れたりしないかと心配もあります。
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Unknown (かんとく)
2012-12-11 08:16:51
Sonyさん
そういえば、ゲルニカは米国にあったんですね。スペインの国情が安定して、戻ったという話を思い出しました。
本の紹介ありがとうございます。図書館で探してみますね。
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Unknown (かんとく)
2012-12-11 08:24:10
レイネさん
いいですね。クリスマス前をスペインなんて。私は週末の2日の滞在でしたけど、寒かった記憶が強いので、行く前に気温を確認されたほうが良いと思います。
珍しいところには行ってませんが、お役にたてば嬉しいです。
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