初めて浜松の地を訪れました。自由時間は5月3日の午前半日のみだったので、まずは小説/映画「蜜蜂と遠雷」の舞台だったはずの中田島砂丘へ朝ラン(※)。
前夜11時半にチェックインした駅前のビジネスホテルを朝6時40分に出発。ホテルからは丁度5キロほどです。浜松駅南口から南へ伸びる1本道(中田島街道)をひたすら南へ向かいます。雲一つない春の青空が広がり、朝のひんやりとした空気が頬に心地よいです。
国道一号線を横切り、馬込川を渡って遠州灘海浜公園へ到着。
遠州灘海浜公園には風車とかもありますが、園内の津波避難用に作られた古墳のような小山に上ると360度の展望が開けます。
中田島砂丘はこの公園の向かいに太平洋とともにあります。写真ではわかりませんが、帽子が吹き飛ばされそうな強烈な風が海から私の身体に体当たりしてきます。普段、海とは縁遠い生活をしている私には、この広大さ、強い風、風と波の音ら全てが新鮮で、気分が高揚します。
日本三大砂丘に数えられるだけあって、ただただ広い。強い風が瞬く間に私の後ろにできる足跡を消し去っていきます。砂の中に自分も取り込まれていきそう。どんな表現が使われていたか全く覚えがないのですが、学生時代に読んだ安部公房『砂の女』が頭に浮かんできました。
風の音を聞いて、「この世界は音楽で満ちている」と主人公の栄伝亜夜が言ったのは、小説だったか映画だったか記憶はあいまいですが、確かにこの音を聴いていると音楽とも言えそう。
30分ほど朝の砂丘をうろうろ。私と似たような砂丘目当ての観光客とお見受けする人が数名いますが、広い砂丘の中ではまるで私が独り占めしているよう。充実した朝のひと時でした。
※後で調べたら、映画の海浜シーンのロケ地は千葉県房総エリアでした。小説はもともと架空の設定ですが、国際ピアノコンクールが行われる浜松がモデルと思われます。
2025年5月3日