その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

榎本 まみ 『督促OL修行日記』 (文藝春秋)

2013-09-19 00:05:26 | 


 信販会社に就職し、督促担当としてコールセンタに配属されたOLのスポ根ならぬサラ(サラリーマン)根物語。気軽に簡単に読めるが、思いのほか中身は濃い。督促業務の実情、新人の仕事の覚え方、メンタル面での自己管理などについて、ノウハウ本のような「べき論」でなく、面白おかしく体験を語る中に、社会人生活をサバイブしていくためのコツが散りばめられている。

 例えば、「実際、お客さまとの間にクレームを起こしたり、相手に言い負けてしまうオペレーターさんは、足元が落ち着いてしないことが多い。・・・逆も真なりで、足を整えることで心も整えることが可能なんじゃないだろうか。いきなり怒鳴られてショックで固まってしまったら、グッと足に力を入れて踏ん張って欲しい。そうすることで早く金縛りを解くことができる。」(p91)なんて、なかなか良いアドバイスだと思う。

 アマゾンのレビューの中には督促業務の実情についての記述などについて、その信ぴょう性を疑うようなコメントが散見されたが、私は信販業界の所属ではないが、コールセンター業務の経験もあるし督促業務も若い時にやったので、仕事勘はあるつもりだが、本書の内容については全く違和感は無かった。

 1時間ほどで完読できるので、是非、若い社会人や大学生に読んで欲しい。

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