信販会社に就職し、督促担当としてコールセンタに配属されたOLのスポ根ならぬサラ(サラリーマン)根物語。気軽に簡単に読めるが、思いのほか中身は濃い。督促業務の実情、新人の仕事の覚え方、メンタル面での自己管理などについて、ノウハウ本のような「べき論」でなく、面白おかしく体験を語る中に、社会人生活をサバイブしていくためのコツが散りばめられている。
例えば、「実際、お客さまとの間にクレームを起こしたり、相手に言い負けてしまうオペレーターさんは、足元が落ち着いてしないことが多い。・・・逆も真なりで、足を整えることで心も整えることが可能なんじゃないだろうか。いきなり怒鳴られてショックで固まってしまったら、グッと足に力を入れて踏ん張って欲しい。そうすることで早く金縛りを解くことができる。」(p91)なんて、なかなか良いアドバイスだと思う。
アマゾンのレビューの中には督促業務の実情についての記述などについて、その信ぴょう性を疑うようなコメントが散見されたが、私は信販業界の所属ではないが、コールセンター業務の経験もあるし督促業務も若い時にやったので、仕事勘はあるつもりだが、本書の内容については全く違和感は無かった。
1時間ほどで完読できるので、是非、若い社会人や大学生に読んで欲しい。