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その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

デヴィッド・テナント&クシュ・ジャンボ 『マクベス』

2025-02-17 07:29:35 | ミュージカル、演劇

ロンドンでも高評価を受けたという「マクベス」が東宝シネマで上映されるということで観に行った。マクベス夫妻を演じている二人(デヴィッド・テナント&クシュ・ジャンボ)の名前がタイトルのマクベスに附記されているぐらいなので、相当売出し中の役者さんなのであろう。

確かに、マクベス役のテナントの熱演は、カメラワークの巧みさもあって、悩めるマクベスはスクリーンから飛び出さんばかりであった。その他の役者さんも台詞廻し、演技共にしっかりしてて、さすが本場イギリスのシェイクスピア劇だと感じた。全てはとても聴きとれないが、やっぱりシェイクスピア劇は原語で観るのが、リズム感や音韻が感じられて嬉しい。

ただ、私の体調が思わしくなかったところもあって、芝居自体にはあまりのめり込むことができず、途中うとうとしてしまった。冒頭にまず魔女が出てこないのには面食らった。また、2時間弱の芝居に仕立ててているため、展開が早すぎる。もともとマクベスはシェイクスピア劇の中ではとても短い作品だが、倍速で見てるような感覚で、これではマクベス早送りバージョンだ。そのため、夫妻の関係性や各人物の造形表出が弱く、役者の熱演に頼った舞台に見えた。

演出は極めて現代的でスマートだと思った。柔道の試合場の2割カットぐらいの大きさの正方形の舞台で役者が行き来して芝居が展開するが、造作物は何もなく、舞台設定は聴衆の想像力に委ねられる。(ラストシーンに森のような背景が初めて出てくるが、意味がよく分からなかった)こうした舞台は個人的には嫌いではない。

ドンマー・ウエアハウスというロンドンのコヴェント・ガーデンの小劇場(私は行ったことは無い)での公演だが、時折映像に映る聴衆が皆ヘッドホンをつけていたのだが、何が流れているのか気になった。目の前の芝居を見るのにヘッドホン付けるって何なんだろう。

プログラムが売っていたので、買うかどうか迷ったが、私自身、集中して観劇出来て無かったので、止めた。上記の私の疑問は、プログラムに記載があるのかもしれない。

こうした海外の舞台を映像であったとしても鑑賞できるのは嬉しい。METやナショナルシアターの作品はしばしば映像化され、上演されるので、こうしたそれ以外の上演も上映して貰えると有難い。

 

原題: Macbeth: David Tennant & Cush Jumbo

作品名: デヴィッド・テナント&クシュ・ジャンボ『マクベス』

上映時間: 約115分

演出:マックス・ウェブスター

出演:デヴィッド・テナント、クシュ・ジャンボ

制作年:2024年  制作国:イギリス 

撮影:2024年1月 ドンマー・ウエアハウス

コピーライト:© 2024 BIRNAM WOOD FILMS LIMITED

公開表記:2025/2/5(水)〜 TOHOシネマズ 日比谷ほか公開

 

CAST

Ross: MOYO AKANDÉ

Musician/Gentlewoman: ANNIE GRACE

Donalbain/Soldier/Murderer/ Musician: BRIAN JAMES O’SULLIVAN

Lady Macbeth: CUSH JUMBO

Macduf’s Son/Fleance/Young Siward: CASPER KNOPF

Banquo: CAL MACANINCH

The Singer/Ensemble: KATHLEEN MAあCINNES

Musician/Ensemble: ALASDAIR MACRAE

Lady Macduf: RONA MORISON

Macduf: NOOF OUSELLAM

The Porter/Seytan: JATINDER SINGH RANDHAWA

Macbeth: DAVID TENNANT

Malcolm: ROS WATT

Duncan/Doctor: BENNY YOUNG

 

CREATIVE TEAM

Writer: WILLIAM SHAKESPEARE

Director: MAX WEBSTER

Designer: ROSANNA VIZE

Lighting Designer: BRUNO POET

Sound Designer: GARETH FRY

Movement and Intimacy Director: SHELLEY MAXWELL

Composer and Musical Director: ALASDAIR MACRAE

 

Fight Directors: RACHEL BOWN-WILLIAMS, RUTH COOPER-BROWN

Voice and Dialect Coach: BARBARA HOUSEMAN

Resident Assistant Director: ALESSANDRA DAVISON

Casting Director: ANNA COOPER CDG

 

FOR THE CAPTURE

Director: TIM VAN SOMEREN

Producer: EMILY CECIL-DENNETT

Executive Producer: MARC ALLENBY

Executive Producer: CHARLIE HINSHELWOOD

Editor: TIM VAN SOMEREN

 

DISTRIBUTED TO CINEMAS

WORLDWIDE BY TRAFALGAR RELEASING


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2 コメント

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レヴュー (守屋)
2025-02-17 15:20:12
おはようございます。

デイヴィッド・テナントは、イギリスではよく知られている俳優の一人だと思います。僕はテレヴィを観ませんが、彼がBBCのDr Whoを演じていたときはよく名前を新聞で見かけました。

レヴューがありましたので、リンクです。

https://www.theguardian.com/stage/2023/dec/16/macbeth-review-david-tennant-thrills-in-this-high-concept-production

We channel the sounds of the play through binaural headphones. The use of aural three-dimensionality here, designed by Gareth Fry, is incorporated with live folk music, which brings Celtic sounds while the action takes place on a central stage and glass box behind it.

この文章から推測すると、映画では劇場での体験を同じように経験できたようではないですね。
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Unknown (かんとく)
2025-02-17 15:46:28
守屋さん
早速のコメント、ありがとうございます!しかもガーディアンのレビューのリンクまでつけていただき感謝です。これ読むと3Dヘッドホンというのが芝居の演出要素としても大事な役割を果たしてそうですね。リアルと映像の違いを体験してみたかったです。
返信する

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