その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ラザレフ指揮/ 日本フィルハーモニー交響楽団/ ラフマニノフ「交響的舞曲」ほか

2013-06-15 00:04:42 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


 日フィルと首席指揮者アレクサンドル・ラザレフさんのコンビによるコンサートは、ツイッターでの評判がいつも良いので気になっていました。しかも、今回のプログラムには、久しぶりに聴きたいと思っていたラフマニノフのシンフォニックダンスも入っています。当日券狙いでサントリーホールへ乱入しました。

 そのラザレフさん。大きな動作による明確な指揮ぶりもさることながら、ステージでの愛想の良さが印象的でした。演奏終了後のガッツポーズ、常にソリストや楽員ら演奏家を褒め称える姿勢、観衆に向かって感謝を表すジェスチャー、ちょっと大げさすぎるんではと思うほどの大きな体を一杯に使ったボディー・ラングエージはとっても分かりやすいし、微笑ましいぐらいです。

 プログラムはシリーズで続いているラフマニノフ特集。どの曲も、美しく甘いメロディもあれば、激しくリズムを刻むところもある、ラフマニノフらしい魅力的な音楽です。2曲目の「パガニーニの主題による狂詩曲」は河村尚子さんによるピアノです。河村さんのピアノは初めて聴きましたが、癖のない、素直でのびやかな演奏でした。逆に、私にはちょっとキャラが良く分からないというか、もっとエッジが立っていても良いんじゃないかなあと思うところはありました。当日券最後のB券だったためか、ステージ右斜め後方のエリアだったので、ピアノの屋根の後方だったのが残念でした。音が直接は耳に入らず間接的に聞えてくるので、角が取れた、こもった音に聞えてしまったようです。

 休憩後のシンフォニックダンス。4年前にゲルギエフ指揮でロンドン響を聴いています。これも緩急のついた曲ですが、「緩」の部分が特に良かったと思いました。木管が美しくホールに響きます。が、「急」のところはちょっと不満も。これも席位置が原因かもしれませんが、どうも「急」のところは弦が管に負けるのか、良く聞えません。アンサンブルも乱れると言うほどではないのですが、皆が指揮棒について行ってはいるのですが、各自が自分のところで精一杯で、一つの纏まりとしての音の強さや、「急」ならではの音のキレが表れていないように聞えてしまいました。ただ、ツイッター上での評価は皆さん絶賛されてましたし、会場の拍手もとっても大きなものだったので、きっと私の耳か席が悪いのでしょう。

 もちろんこんなネガティブなところは全体のごく一部です。ラザレフおじさんのパフォーマンス、美しいソロやアンサンブル、楽しくノリノリの音楽を十二分に楽しんだハナ金でした。


〈開演15分前〉


日本フィルハーモニー交響楽団第651回定期演奏会
日時:2013年6月14日(金) 19:00 開演
指揮:アレクサンドル・ラザレフ
出演:河村尚子(Pf)

曲目
ラフマニノフ:カプリチョ・ボヘミアン
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
ラフマニノフ:交響的舞曲

会場:サントリーホール 大ホール

JAPAN PHILHARMONIC ORCHESTRA SUBSCRIPTION CONCERT NO.651
Cond: Alexander Lazarev
Pf: Hisako Kawamura
Rakhmaninov /Caprice bohemien /Rhapsody on a Theme of Paganini /Symphonic Dances
コメント
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