お正月評判の映画「レ・ミゼラブル」に行きました。「レ・ミゼラブル」は私の大好きミュージカルの一つで、過去にニューヨーク、ロンドンで計3回観劇しています。今回、「英国王のスピーチ」のトム・フーパー監督がこの超ロングラン劇場ミュージカルをどんな映画に仕上げるのか、とても楽しみにしていました。
で、結果は・・・、期待を上回る「感動巨編」(手垢のついた大げさな表現ですが、それに相応しいです)で、ここまで胸を揺さぶられた作品は久しぶりでした。ミュージカルをかなり忠実に映画化しているのですが、映画ならではのスケールの大きい空間設定とミュージカルでは表現しにくいリアリティが存分に付加され、劇場版に勝るとも劣らない、申し分のない魅力的な作品になっています。パリの町並み、下水道の逃亡シーンなど、映画ならではのディテールが加わり、迫力満点の作品です。
俳優陣の熱演、熱唱も素晴らしいです。ジャン役のヒュー・ジャックマン、ジャベール役のラッセル・クロウ、二人の安定した演技が全編を通して重心低く支えます。そして、物語前半は、アン・ハサウェイの神かかり的な熱演、熱唱が言葉にできない素晴らしさ。さらに、後半は3人の若者、マリウス(エディ・レッドメイン)、コゼット(アマンダ・サイフリッド)、エポニーヌ(サマンサ・バークス)がそれぞれに持ち味と存在感を十分発揮して、しっかりスクリーンを引きしめてくれました。個人的には、ロンドンのウエストエンドでもエポニーヌ役で出ていたサマンサ・バークスの歌唱が耳に残りました。ラストシーンは、もう涙無しにスクリーンを見れません。唯一、若干の不満があったとすれば、ラッセル・クロウの歌でしょうか。他の俳優陣が素晴らしかっただけに、少し物足りなさが残りました。
もう言うことない映画だったのですが、改めて、この感動は原作の持つ骨太なテーマと素晴らしい音楽あってのことだと思いました。これだけの作品はなかなか無いと思うので、上映期間中に是非もう一度見に行きたいと思います。また、未見の方は是非、映画館に足を運ばれることをお勧めいたします。映画館とDVDでは映像と音楽の迫力がかなり違ってくると思いますので。
Les Misérables
監督 トム・フーパー
脚本 ウィリアム・ニコルソン
アラン・ブーブリル
クロード・ミシェル・シェーンベルク
ハーバート・クレッツマー
原作 小説
ヴィクトル・ユゴー
ミュージカル
アラン・ブーブリル
クロード・ミシェル・シェーンベルク
製作 ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
デブラ・ヘイワード
キャメロン・マッキントッシュ
製作総指揮 ライザ・チェイシン
アンジェラ・モリソン
ニコラス・アロット
リチャード・パパス
出演者
ヒュー・ジャックマン
ラッセル・クロウ
アン・ハサウェイ
アマンダ・サイフリッド
エディ・レッドメイン
アーロン・トヴェイト
サマンサ・バークス
イザベル・アレン
ダニエル・ハトルストーン
コルム・ウィルキンソン
ヘレナ・ボナム=カーター
サシャ・バロン・コーエン
音楽 クロード・ミシェル・シェーンベルク