その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

NHK交響楽団/ ジンマン指揮/ マーラー交響曲第7番

2013-01-12 20:39:42 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


 今年のコンサート初めに、N響定期公演ジンマン指揮のマーラー交響曲7番を聴きに行きました。マーラーの7番を生で聴くのは、2011年5月にロンドンでマゼール指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏会以来2回目です。前回は曲そのものが全く理解できず退散したので(こちら→)、今回はYouTubeで少し予習をして臨んでいます。

 ジンマンというアメリカの指揮者は初めてですが、マーラーの交響曲全曲をチューリッヒのオーケストラと録音しているぐらいですので、マーラーには詳しい方のようで期待大でした。ただ、私自身が前夜の職場の飲み会で、帰宅が午前2時。二日酔いの体と精神がマーラーに耐えられるかが不安材料でした。

 結果は・・・、私が悪いのかパフォーマーが悪いのか、真相はわかりませんが、稀なほど心に響かない平凡な演奏でした。音が小さくて聴こえてこない、音が美しくない(特にトランペット)、オーケストラとしてのまとまりも感じられない・・・。団員の皆さんはまだお屠蘇気分を残していたんでしょうか?正直、マーラーを生で聴いた!という高揚感や達成感を全く感じることのできない演奏でした。ジンマンさんの音楽作りは奇をてらった感じは全くしない安定したものでしたので、この凡演はオケがメインの原因ではないかなあ~。途中ウトウトきたのも、体調のせいではなく、あまりにも惹きつけられない演奏だったからです(と人のせいにしておこう)。

 聴衆の拍手はそれなりに大きいものでしたが、私の3,4列後ろの人は大きくブーイングをしていました。私もゆるい拍手はしつつ、心の中ではブーイングに大いに賛同。もともと掴みどころが難しい曲ですが、正月明けの演目としてはN響にはきつかったのかも。でもプロですからね~。残念な演奏会でした。



第1745回 定期公演 Cプログラム
2013年1月12日(土) 開場 2:00pm 開演 3:00pm

NHKホール
指揮:デーヴィッド・ジンマン

マーラー/交響曲 第7番 ホ短調「夜の歌」


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城田 真琴  『ビッグデータの衝撃――巨大なデータが戦略を決める』

2013-01-12 10:16:51 | 


 「クラウド」に続く、旬なIT用語「ビッグデータ」。新聞を読んでいて、多くのIT会社社長が新年あいさつで、ビッグデータに言及していたのは印象的だった。

 本書は「膨大なデータを分析し、価値ある洞察や知見を得ようとする取り組み」(p5)であるビッグデータを推進する企業の取り組み事例、ビジネスに活用していくうえでのポイント、プライバシー問題との兼ね合い、将来に向けた展望を分かりやすく解説してくれている。ビッグデータの概観を掴みたい人には良くできた入門書。

 私自身、本書によりビッグデータの全体像が把握できて良かった。今後のビジネス展開には、ビッグデータの活用は不可避であるどころか競争力の源泉となることが理解できた。一方で、一人の消費者としては自分の行動履歴や個人情報がここまで把握されることには恐怖を覚える。

 ITテクノロジーの早い移り変わりから、この手の入門書はどうしても賞味期限が短くなる宿命にあるので、テーマに興味のある方は早めに読まれることを勧めたい。


(個人的備忘録)
・ビッグデータの特性:Volume(量),Variety(多様性),Velocity(速度)
・何故、今ビッグデータなのか?:
 ①ソーシャルメディア等の進展による、大量かつ多様なデータが身近なところから生まれる
 ②ハードウエア、ソフトウエア技術の進展。特に、大規模データ分散処理技術「ハドゥ-プ」
 ③クラウドの進展
・ハドゥ-プのメリットは、コスト面、処理時間の面で諦めざる得なかった膨大な量の非構造化データ処理を可能にしたこと
・ハドゥ-プのディストリブーション:より便利に利用できるようパッケージ化して提供したもの
・ビッグデータを活用したビジネスを考える上では、自然言語処理やセマンティック技術、統計解析など、個別データから有用な知見を導き出す技術にも注目する必要がある
・日本ではまだLOD(Linked Open Data)の取り組みは立ち遅れ気味。米国では、政府がLOD形式で無償公開しているデータを活用して、新たなビジネスを開始するベンチャーが次々と誕生している。
・マイクロソフト(WIndows Azure Marketplace)とアマゾン(Public Data Sets on AWS)のビジネスモデル:
 データの利用料自体で収益をあげようしていない。自社が運営するクラウド上でデータを提供しているため、クラウド上で稼働するアプリケーションに、マーケットプレイスのデータを組みやすくすることでアプリケーションの価値を向上させ、クラウドの利用料金で収益をあげるモデル。
・ビッグデータの時代には、データサイエンティスト(統計解析や機械学習、分散処理技術などを用いて、大量のデータをビジネス上意味ある洞察を引き出し、意思決定者に分かりやすく伝えたり、データを用いた新たなサービスを作り出す)が職種として有望
コメント (2)
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