ヤマハ専門に、30年間2輪業界に在籍、主にVmaxの整備中心です。意見感想は、個人主観です。連絡先はカテゴリに有ります。
PrivateFactory ベイカーズストリート V-max Garagename Right-arm ライトアーム


★2014年2月20日付で、VMG大原は、退職いたしました。

★勤務先:Right-arm 
ホームページアドレス:http://www.right-arm.jp/←※クリックでホームページ出ます。
 〒202−0014 東京都西東京市富士町5−1−17 ←※クリックで地図出ます。
 ℡:042−497−6758 
お電話を頂く場合は、営業日の営業時間内でお願いいたします。

 定休日 毎週月曜日 営業時間:AM11:00〜PM20:00
※月曜日が祝日の場合、定休日は、火曜日に振替になります。

 作業担当 ヤダ マサオ(矢田 正夫)

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どの業種にも言えることだと思いますが、同様な作業を行う場合でも、ショップや作業する人によって考え方が違ったり、作業方法が違う場合がほとんどです。さらに機械物で、純正ではなくカスタムを行う場合は、千差万別です。

  

毎年恒例の冬ごもり前の点検整備と部品変更でお預かりです。オーナーの方が、軽井沢在住なので、これから春まで冬場は、ガレージ保管になります。エアクリーナーはK&N製ですので、洗浄です。

  

ダイヤフラムは、回転や作動不良は見られないので、平気そうです。スパークプラグは、NGK製JR9Cが装着されていましたので、8番の新品(JR8C)に戻しました。

  

エンジンオイル、オイルフィルター、ギアオイル交換中です。シフトシャフトのオイルシールからオイル漏れがありましたので、エンジンオイルを入れる前にクランクケースカバーを外し、オイルシール交換です。

 

オイルシール交換後、漏れたオイルは洗浄しました。

  

クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等は見られないので、全量交換のみです。

  

 

キャリパーは、3カ所とも点検清掃のみです。

  

  

  

フルードは、フロント&リアブレーキ及びクラッチの3カ所とも交換です。リザーブタンクがすべて丸いタイプなので、写真が似ています。

  

ヘッドライトバルブのロー側が切れていましたので、交換です。フロントフォークオイルを交換しましたが、ダストシールもヒビが入り始めていましたので、交換です。

  

バッテリー交換です。オーナーのご希望により、今回は、GSユアサ製の液式純正バッテリーを使用です。マフラーを外し、オーナー持ち込のスイングアームに交換です。スイングアームはそれほど苦労しなかったのですが、スイングアームとマフラーの製作者が違うため、組み合わせ装着に、苦労しました。スイングアームの下側に補強バーが溶接されているのですが、この形状が新旧のスイングアームで違いました。

  

新しいスイングアームを装着し、マフラーを戻し、エンジンを始動です。エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は、平気そうです。始動前の電圧が低いのは、液式純正バッテリーのためです。

  

今回交換した部品類です。右側のエキパイは完全に分離で、外側のカバーのみでつながっていました。

  

左側のエキパイは、穴が開いていましたので、叩くと割れる状態です。

  

クランクケースカバーのボルトはステンコートに交換しました。他のボルトもできるだけ交換しました。

 

 スイングアームを交換しましたが、その際、ピボットのベアリングとオイルシールは交換しました。長さが変わったので、ドライブシャフトも交換です。ゲイルスピード製リアホイールは、スイングアームに合わせてセンター出ししましたので、トルクロッドはピロボールタイプに交換しました。リアホイール加工時に、ハブダストカバーも装着しました。

 

最終チェックと試乗です。各部、なるべくきれいにしてみました。また、リアタイヤのセンター出しを行ったので、走行時の挙動が変わり、左右の曲がり方の緩和と直線走行時の微妙なハンドル修整が緩和されたので、ハンドルを握るではなく手を添えている程度になりましたので、楽になったと思います。ただ、フロントタイヤは、既に偏摩耗していますので、少し安定しません。新品タイヤに交換すれば、改善されます。いずれにしても以前より、楽に乗れると思います。よろしくお願いいたします。

2018.11.25 作業担当 ヤダ(矢田)



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旧型Vmaxも生産終了から11年を経過し、旧車になりつつあります。一番売れたと思われる時期でもあるので、タマ数の多い1998年前後の車両の修理が最近多いような気がしますが、他店購入で不調が治らず修理入庫のケースも増えています。

 

4000回転より上のエンジン回転域が不調でお預かりです。

 

現状把握で、一旦、試乗です。エンジンは問題無いようで、始動や走行は可能ですが、アクセルへの反応がおかしく、吹けも遅い症状です。点火はしており、Vブーストも一応作動していますが、通常より遅いです。

  

マフラーがノーマルなので、吸気系とキャブレターを点検していきます。過去にキャブレターを外したようですが、戻し方がいい加減な状態になっています。エアクリーナーは純正で、詰まるような汚れではないようです。

  

ベントチューブ(フロート室用)の向きがおかしく裏ブタの位置が違っており、なぜか1個違う年式のキャブレターのようです。ダイヤフラム側を分解してみるとダイノジェットST7のジェットニードル(針)とスプリングが組まれており、ダイヤフラムの穴も拡大加工されていますので、過去にフルタイム状態だったと思われます。ダイヤフラムについては、4個とも緩んでおり、位置が回転していたので、今回は、とりあえず正常配置に戻して再使用です。

  

左側が年式の違うキャブで、右側が残り3個の状態です。針の位置から右下の穴がメインエアジェットになります。左側は、標準ですが、右側は、ダイノジェットの部品でエアジェットが絞られています。ダイノジェットST7のキットは純正エアクリーナーボックスを取り外し、K&N製のエアクリーナーを直付けするので、メインエアジェットにかかる圧力とメインノズル系にかかる圧力のバランスが変わるので、そのままだとエア系の圧力が高くなり、メイン系のガソリンとエアの混合比が変わり、ガソリンが相対的に薄くなるので、中高回転で回転が上がらなくなります。このため混合比を変えるため、ダイノジェットST7の場合は、メインエアジェットを絞り、バランスさせています。ただ、このメインエアジェットを絞ったまま純正のエアクリーナーボックスを戻してしまうと逆に混合比が変わり、ガソリンが相対的に濃くなってしまうので、全体的にアクセルへの反応が鈍くなり中高回転で吹けなくなります。

  

キャブレターを外したついでに、Vブーストバルブの作動点検を行います。外した状態でストッパーとリンクの隙間を点検し、ワイヤーをつないで、モーターを回転させ、全閉状態の調整をします。脱着した場合等は、ワイヤーの調整をしないと全閉全開にならない場合があります。ワイヤーの位置調整は、ワイヤーを固定しているボルトを緩め、モーターを回転させ、全閉状態にしてからボルトを締めワイヤーを固定します。

  

キャブレターを全分解し、各部状態を確認してから組みなおします。今回の車両は、逆車ですが、なぜかスロージェットは国内仕様の番手でした。逆車純正に戻します。メインジェットは、ダイノジェット用でしたので、ミクニ純正に戻します。

  

各部、痛んでいる部品の交換や、なぜか無くなっている部品を組み付けていきます。

  

作業中に気が付きましたが、クーラントのリザーブタンクが空になっており、本体側も液量が減っていました。ただの蒸発か、漏れか不明でしたので、とりあえず水を足して様子見です。

  

エンジンガードが付いていますが、ワイズギア製でもなくコピー商品のようです。

  

今回、交換した部品類です。エンリッチャーバルブも劣化していましたので、4個とも交換です。後は、ダイノジェットの部品を逆車純正に戻しました。

 

最終チェックと試乗です。一応、標準に戻りましたが、燃焼状態については、しばらく走行しないと戻らないと思います。また、プラグコードは社外品に交換してもあまり影響はないですが、プラグキャップの抵抗値を変えてしまうと点火時期に影響が出ると思います。とりあえず、通常走行できるようになりましたので、納車になりました。

2018.11.24 作業担当 ヤダ(矢田)

 

 



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