個人的にいろいろあった10月は、長かったです。11月に入り気温が下がってきていますので、タイヤの空気圧は要チェックです。
コンディションレベルチェックパックAでお預かりです。暖気後のアイドリング不調や、ハンドル振れ、エンジンオイル漏れ等の修理でお預かりです。クーラントですが、オーナーも気にしていましたが、油分が混じってきているようなので、セパレーター部修理になると思います。
中古車で購入されたとのことですが、キャブレターの脱着の形跡があり、エアクリーナーボックスや、キャブレター周りの取付けがずれています。シリンダーヘッドカバー部は、前後ともエンジンオイルが出ていますので、ガスケット交換が必要です。
エンジン側のクラッチレリーズからフルード漏れがあり、クランクケースの塗装も剥げています。
ヘッドカバーガスケットを交換する際は、クーラントを抜いて作業しますが、サーモスタット部もクーラント漏れがあるので、同時修理になります。バッテリーは、XJR用のMFバッテリーのようですが、プレート止めのグロメットや配線保護のグロメットが無くなっているので、装着します。
バッテリーの電圧と容量は平気そうです。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。
エアクリーナーは、ヤマハ純正でまだ使えそうです。ダイヤフラムは、回転や作動不良も見られないので、平気そうです。
スパークプラグは、NGK製JR8Cですが、3番気筒の焼けがカブリ気味です。点火は4気筒ともしています。
リアバンクのプラグコード差し込み口が腐食していたので修正です。バッテリー交換時等にここを外すと接触不良の原因になります。車体増し締めも行っていますが、エンジンガードを外しました。ワイズギアのコピー商品のようですが、作りが悪いのと、この形状のエンジンガード(ワイズギア含)を装着していて走行中転倒すると斜めに曲がり、フレームをひねるので、フレーム損傷の原因になります。
ステムベアリングが劣化しており、引っ掛かりがあり、さらに締めすぎだったので、動きがものすごく悪かったです。あまりに酷かったので、少し緩めましたが、緩めた場合、回転はしやすくなりますが、ガタが出ることと、適正トルクで締めていないので、ハンドル振れの原因になります。ただ、動かないよりはましです。バイザーが付いていますが、ホース類の通し方がズレています。
エア加圧式のフロントフォークなので、空気圧が規定値以下だと柔らかすぎることと1G状態の車高も下がります。トップキャップが錆びているので、フォークオイル交換時期は最近ではないようです。
ダストシールにヒビがあるので、次回フォークオイル交換時に交換した方が良いです。オイルシールは、まだ、大丈夫そうですが、水分が入るので、クリップは錆び始めています。
バックステップ着いており、ブレーキ側ですが、リンクの位置が悪く、ブレーキペダルを踏み込むと当たります。リンクを外側に出した方が良いです。(修整済)クラッチマスターですが、ヤマハ用ではないようで、ピストン径が14mmです。純正は5/8インチですので、少し小さいです。
ブレーキ側のマスターはピストン径5/8インチなので、適合しています。クラッチフルードは劣化しています。エンジン側とつながっているので、熱による劣化が早いです。
フロントとリアのブレーキフルードです。劣化具合が違うので、交換時期が違う可能性があります。
ダミーダクトの網の部分に、プレートを装着しているケースをよく見ます。左側は穴が無いので、装着しても関係ないですが、右側は、純正で穴が開いており、ラジエターキャップが付いているアルミブロック周辺を走行風で冷やすようになっているので、穴位置(スリット)のズレているプレートを装着すると冷えなくなります。また、ラジエターですが、純正の前面側の網を社外品に交換しているケースがありますが、純正の網より塞いでいる面積が多い場合は、走行風が当たらずラジエターの冷却能力が落ちますので、最低限、純正と同じ透過面積がある部品を選んだ方が良いです。また、外してしまうと異物が当たった際にラジエターが破損しますので、網は最低限です。
点検と増し締め、キャブレター調整を行い、一旦、試乗です。キャブレターの調整を行ったので、アイドリングや、吹け上がり等の走行状態は、改善していると思いますが、ステムベアリングがダメですので、ハンドル振れは完治していません。ただ、動くようにしましたので、以前ほどはひどくないと思います。あとは、オーナーと相談の上、修理個所を決めます。
2018.11.02 作業担当 ヤダ(矢田)