ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

1185、Sunrise、Sunset

2011年06月14日 | Weblog
1964年にブロードウェイで初演されたミュージカルで、1971年に映画化された「Fiddler on the Roof(屋根の上のヴァオリン弾き)の主題歌です。
帝政ロシア時代のウクライナの寒村に、ユダヤ人たちが小さな社会を営んでいました。
あるユダヤ人一家は貧しいながらも暖かい家庭を築き、信仰深いユダヤの伝統を守って生きていました。
牛乳屋のテヴィエ、妻ゴールデ、愛らしい5人の娘たち。
テヴィエの口癖は「Traditions!」で、伝統を重んじ、娘たちの結婚もしきたりに沿った結婚を望んでいました。
結婚相手はマッチメイカー(仲人)が決めるのがしきたりですが娘たちはそれに反し、自らの意志で結婚し家を出ていきます。
さらにユダヤ人迫害がエスカレートし、国外追放へと向かいます。(ロシア革命前夜)
テヴィエたちは着の身着のまま住み慣れた村から追放され、アメリカに亡命するためニューヨークに向かい、一家は離散して行きます。
そんな中、長女のツァイテルと仕立屋のモーテルとの結婚式で歌われるのが「SUNRISE SUNSET」です。
娘を嫁がせる親の寂しい心情と喜びを歌った感動的な名曲です。

 歌詞の一部
(Tevye)
Is this the little girl I carried? (これが私が抱っこしてた小さな娘?)
Is this the little boy at play? (これが遊び回っていた小さな少年?)
(Golde) 
I don’t remember growing older (大きくなったのを覚えてないわ)
When did they? (いつだったのかしら?)
(Tevye)
When did she get to be a beauty? (いつ彼女は美しくなったんだろう?)
When did he grow to be so tall? (いつ彼はこんなに背が高くなったんだろう?)
(Golde)
Wasn’t it yesterday 
When they were small? (ふたりが小さかったのは昨日のようでしょう?)
(Chorus)
Sunrise, sunset (日は昇り、日は沈み)
Sunrise, sunset ((日は昇り、日は沈み)
Swiftly flow the days (慌しく日々が流れ去る)
Seedlings turn overnight to sunflowers (蒔いた種が、一晩でヒマワリに変り)
Blossoming even as we gaze (私たちが見ているように咲き誇っている)
(Chorus)
Sunrise, sunset (日は昇り、日は沈み)
Sunrise, sunset (日は昇り、日は沈み)
Swiftly fly the years (慌しく年月は過ぎ去る)
One season following another (季節は移り変わる)
Laden with happiness and tears (喜びと涙を湛えながら)

「Sunrise, sunset、Sunrise, sunset」のフレーズは一度聞いたら耳に残る旋律です。

映画の中で屋根の上で哀しげな曲を奏でるヴァイオリン弾きがいます。
この映画をブロードウェイの映画館で見たとき、なんで屋根の上でヴァイオリンを弾くんだろう、と思いました。
映画のテーマが家族愛、友情、恋愛、結婚など、当時のユダヤ人の人生観を描いたもので、伝統(Traditions!)を重んじる信仰からきています。
2000年に渡って迫害されてきたユダヤ人が持ち続けてきた信仰心。
地上ではなく、高い屋根の上でヴァイオリンを弾くということは、神に最も近い所を象徴したものだと思います。
Sing、Sing、Sing」で最近歌い始めたのが「Sunrise、Sunset」です。
歌の後、杯を踏み付けますが、二人の結婚が壊れないことを願ったものだと思います。

ニューヨークのユダヤ人については
35、ニューヨークでテニス
132、ニューヨークのお店
168、ベーグル(Bagel)
178、PS41
339、ダイヤモンド街(47St&5Ave~6Ave)
などを参照
ヨーロッパからの移民については
60、自由の女神
601、ニュ-ヨーク港
などを参照