ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

1172、お蚕様

2011年06月01日 | Weblog
1161、火鉢」で、私の家は大きかったので村の寄合い(会合)などを行いました、と書きましたが、それは人間のためではなく蚕のためです。
群馬県は昔から養蚕が盛んで全国一の生産量を誇っていました。
春から秋にかけて4回ほど蚕を飼います。
広い家のほとんどはお蚕様が占領します。
蔵の中にその道具が幾つか残っていました。
籠:桑の葉を摘んできて蚕に与えます。(私も桑摘みを手伝った)
大小10個ほどありました。(大きいのは口の広さ、高さとも100cmくらいあります)
棚用籠?:名前を忘れてしまいましたが、この上で蚕を飼育し桑の葉を与えます。
100枚ほどありました。(縦・162cm、横・121cm)
専用の棚に10段ほど積み重ねます。
この棚が30くらいあったので300枚のかごがあり、それに蚕がびっしり乗っていました。
棚から1枚ずつ取り出し桑を与え、棚に戻すので1回の作業にかなり時間がかかります。
(この作業も手伝ったことがあります)
寝室の隣の部屋まで蚕が占領するので、何万匹(数は推定できない)の蚕が桑を喰う「ザワザワ」とした音は夜も続きます。

先日、皇居・紅葉山御養蚕所で蚕に桑の葉を与える「給桑」がおこなわれました。
皇居の養蚕は、養蚕業を奨励しようと明治天皇の皇后、昭憲皇太后が始めたもので、歴代皇后が継承し、平成以降、皇后さまが引き継がれています。
写真は宮内庁のホームページより。
左右に棚が見えますが、私の家の棚も同じような感じでした。
(この写真を個人のブログに掲載してよいか分かりませんが、もしだめでしたらすぐに削除します。)


私の家の周りには桑畑が広がっていましたが今は団地や住宅地になっています。
現在、桑の木はほとんど見ません。
裏の畑に1本だけ残っています。(下の写真)