最初期のCPU ICの6502と今はMacで知られているApple社の初期を支えたApple IIの解説書です。あまり我が国からの観点の書籍は無いので貴重ですが、何というか当時のパソコン雑誌のノリで、いろいろ権利にうるさい現在の観点からはかなり自由な本に見えます。なので、書名は言いません。
個人的なパソコンの始まりはインテル8080と、それに少し遅れて出たモトローラ6800と呼ばれるICチップだと思います。6502は6800の後続の感じで、8080に対するZ-80のような存在で、モス・テクノロジーという会社から出ました。今はApple IIのCPUとして記憶されています。しかし、コモドール社のPET 2001の方が早いそうで、この機種の存在自体は当時のマイコンマニアは良く知っていました。任天堂ファミコンのCPUとしても有名です。
6502は非常に個性のあるCPUで、高速ですが非常に癖のある機械語だと記憶していました。今見ると、記憶域に256バイトのページの概念のあるCPUみたいです。アドレス範囲は64KBです。
まあ、もちろんこの本には書いてありませんが、ページのある機種で最も有名なのはIBMのS/360、つまり当時主流の大型機で、こちらは1ページが4096バイト(アドレス12bit分)で、ハード的な仮想記憶の単位になっていただけで無く、6502と同様にプログラム上(機械語)にも境界がありました。ですから、ページの発想自体は不思議ではありません。
Apple IIは初期の個人需要を一手に引き受けていたと思います。他に有力なパソコンはありましたが、たとえば表計算ソフトの原点はこの機種だったと思います。パソコンゲームも牽引していたようです。IBM-PC(オリジナル)が出る前までの話。
しかし、日本では比較的に高価だったと思います。たしか基本部分だけで20万円を少し越えていたか。ですから、我が国ではPC-8001などの国産パソコンが普及して行きました。
とはいえ、現在のMacがそうであるように、日本にもApple II信者みたいなユーザーは一定数いて、この本の著者はその一人のようです。たしかに、今見ても良く出来たマシンだと思います。私も使っていたら世の中の見方が変わっていたと思いますが、実際に手にしたのはNECのPC-6001でした。とある理由から日本版Apple IIと俗称される機種です。
MSXで言えば、オリジナル版では無く、私は名機と思っているMSX2の感じに近いと思います。8bit CPUで出来る範囲のことを次々と開拓していった感じ。
この時代は日本と米国では全く違う路線を走っていたので、なかなか感覚がつかみにくいです。そういった社会的インパクトに関しては、この本は詳しくないです。