まったり アイマス2

アイドルマスター2 超ライトユーザーのプレイ日記

2728. 実数の連続性

2019年06月13日 | 日記

 数学セミナー増刊、大学数学の質問箱、というmookがあって、内容は一部を除いて一般向け数学雑誌の数学セミナーの特集を集めたもののようです。
 最初の特集集、微分積分の質問箱が面白くできていると思いました。微積分なので解析学ですから実数の連続性の話が出てきて、正直な数学者の話が聞けてありがたかったです。いわく、公理を述語論理で展開して行くモットーの現代数学でも、人間の素朴な感覚が最後の頼りだとのこと。

 本mookの趣旨としては、高校数学と大学数学(初年度から大学院まで含む)には感覚的なギャップがあり、その説明を試みてみました、です、と思います。現代風の厳格な数学者にしては、コツみたいなのがいっぱい書いてあって、いくら何でも具体的なイメージはあるものだと。
 私見ですけど、このような比較的に無害なイメージを表明するのは専門家の仕事の一つと思います。一般向けの解説書には勇み足というか、かなり背筋が凍るようなのがあると思います。さらに、あからさまに間違っているものまであったりして。

 線形代数の部分は微積分のところで予告されていた、ある意味、微積分の逆操作の部分がある(微積分の微小空間が他ならぬ線形代数空間である)、という点をもっと強調しても良かったと思います。さすがに古参の数学者は一般の空間に少しだけ触れていました。これが一般の多様体とか有限単純群まで続いていれば迫力があったと思います。
 もう一つは歴史で、これもしっかり示唆されていましたが、もっと大がかりな俯瞰が欲しかったです。いくつもの数学の概念が線形代数としてまとめられて行ったのです。こんな事情を知っているのはおそらく古参の数学者か、好きで調べた方だけと思います。
 計算機の発達に伴う大規模行列の処理とか膨大なデータの統計処理への応用とか、成果の方は莫大と思います。他方、失われてしまった微妙な概念も多いと私は思っています。

 ニュースで行列の高校教育への復活の話が出ていました。実用方向の話で、これはこれで良い動きと思います。でも複素数こそが本物の数であるとか、統計学にしても計量という大問題で微積分と繋がっています。こちら方向もすっ飛ばすと大変なことになりそうな気がします。

コメント
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