“ ミセス・クラインブルー ”

2012-09-07 | 日記

           

2009年制作のトルソー。ガラスボディーの空きビンは、確か沼津市にあった清酒醸造メーカーの空きビンだったように思う。頭部は出雲崎の浜辺で拾ったウキの破片。このウキを全部ブルーに塗って、ビンの蓋に接着したものである。  “ ミセス・クラインブルー ” と名付ける。写真は、玄関のニッチに最近安置した “ ミセス・クラインブルー ” 。ボディーラインのねじれと頭部の傾きとが、どこか高踏的な感じがして気に入っている。台座を19世紀の洋書にしたのも、何となくハイブラウな雰囲気を出して見たかったからである。結果、“ 彼女 ” の乳房と腰のくびれは非世俗的快楽を基準とするのである。ガラスの基準ほど壊れやすいものはないが、しかし壊れやすければ壊れやすいほど儚く生命的である。

         俺は夏の夜明けを抱いた。  ( 小林秀雄訳 『 ランボオ詩集 』 より )