『 粧苑毎日 』 2月上旬号 ( 発行所/粧苑毎日 昭和31年2月1日発行 定価30円 ) 。表紙は五味悌四郎画 「 洋装の女 」 ( 1954年作 ) 。この雑誌は文字通り化粧品やその周辺に関する記事を掲載、今で言う BODY SHOP の雑誌版。古書価格で¥700。
ベージュの単色を背景に、唇の紅が昭和中期の女性である。柔らかな黒いセーター、長いウェーブの黒髪の相貌は、凛然として夕暮れのエロチシズムである。 「 洋装の女 」 を美しい古い額縁に入れて玄関に飾ろう。
黒い塗装のドアーを開けて
真昼の二月は玲瓏であった。
けむりが少ないフリージアの香を焚き
「 洋装の女 」 に夕陽のような紅玉一個を捧ぐ。
また一日が単純にいつものように去った
単純な僕の歴史である。
ものの弾みで買った古雑誌が、額縁をもたらし、ドアーをもたらし、玄関をもたらし、お香をもたらし、リンゴをもたらし、…僕に、大切な一日をもたらした。
ベージュの単色を背景に、唇の紅が昭和中期の女性である。柔らかな黒いセーター、長いウェーブの黒髪の相貌は、凛然として夕暮れのエロチシズムである。 「 洋装の女 」 を美しい古い額縁に入れて玄関に飾ろう。
黒い塗装のドアーを開けて
真昼の二月は玲瓏であった。
けむりが少ないフリージアの香を焚き
「 洋装の女 」 に夕陽のような紅玉一個を捧ぐ。
また一日が単純にいつものように去った
単純な僕の歴史である。
ものの弾みで買った古雑誌が、額縁をもたらし、ドアーをもたらし、玄関をもたらし、お香をもたらし、リンゴをもたらし、…僕に、大切な一日をもたらした。