ゆきのともし火

2010-02-13 | 日記
二月十三日 ( 土 ) 曇り日の夕刻 6時頃、多数のキャンドルが灯される。ROUTE 290 「 とちお道の駅 」 広場。
三々五々老若集いてざわめく中、独り離れ小さきともし火に対峙する若き婦人あり。

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今は 二月 たった一度だけ
夢のなかに ささやいて ひとはゐない
だけれども たった一度だけ
そのひとは 私のために ほほゑんだ
 
さう!花は またひらくであらう
さうして鳥は かはらずに啼いて
人びとは春のなかに笑みかはすであらう 

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( 角川書店版 『 立原道造全集第一巻 』 「 浅き春に寄せて 」 より )

婦人の想いは知らず、されど道造の詩はわが感傷を妨げず。
白き闇に雪のともし灯、すみれの如く。寒夜、それらはチロチロちろちろささやきあう。「さう! 花はまたひらくであらう 」 。