愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

備忘録

2013年10月14日 | 名古屋マーケティング・インカレ
10月12日(土)に今年度第2回の名古屋マーケティング・インカレ中間発表会が名城大学にて開催されました。開催幹事役の名城大学大崎ゼミのみなさんには大変お世話になりました。

全ての研究発表が終わり,閉会式にて,参加していた教員による講評が行われました。その一つ,愛知大学の為廣先生の講評が秀逸でしたので,ここに記しておきます。ゼミ生や他の参加学生の心に留めておいて欲しい言葉です。

「私は,学生時代,麻雀ばかりしていた。定期試験の時,とにかく早く解答を書き,メンバーになりそうな他の学生をつついて,一緒に試験途中教室を出て,雀荘に向かったほどだ。麻雀は,大学卒業後,社会人になってからもよくやった。ただ,社会人になってからは,負けが込むようになった。学生時代には,結構いい勝負をしていたはずなのに,なぜだと考えてみると,つぎの事実を思い知った。学生時代は同じメンバーとばかり,麻雀をしていた。メンバーはみな下手だったので,下手同士でいい勝負になっていたのだ。しかし,社会人になると,自分よりずっとうまい人と卓を囲むことになったので,自分は負けるようになった。」

「自分がやったような下手な麻雀を,君たち学生がこの場でやってしまっているのではないか。名古屋マーケティング・インカレでは,学生の相互評価で,研究発表の優劣がつく決まりになっているが,能力の低い学生が集まって評価をしたならば,大したことのない研究発表が高く評価されてしまうだろう。それは,この場を離れれば通用しない。インカレのそういう状況を打破するために,理論的考察を含めた,専門的な文献をきちんと読んで欲しい。」

以上を私なりに補足します。なぜ文献を読む必要があるかといえば,理論的考察を中心とした専門的な文献(専門書,学術論文)の多くは,学部学生よりも能力の高い専門家が書いているからです。多くの文献では,学術上の意義,調査の工夫,専門家の思考の跡をたどることができるようになっています。それらを読んで,自分たちの研究発表との差を感じてくれれば,自分たちの能力の限界を知ることができます。そして,専門家をまねれば,学生はその思考の跡に導かれて,能力向上の糸口を得ることができます。

今まで,私も,ゼミでは,しょっちゅう先行研究を調べろ,教科書の内容を確認せよとゼミ生に指示してきたのですが,実はほとんどの場合,受け流されてきました。なぜ,学生たちは本気で文献を読むことをしないかといえば,あのような難しい論文や専門書は自分たちが読むものではないと考え,その情報を遮断してしまうからです。自分たちには縁のない,自分たちの土俵とは違う,あちらの世界のものと信じてしまっているのです。

大学の講義では,学生は専門書や論文で展開されている理論的考察をさんざん学んでいるはずなのに,それは自分たちの研究発表には関係のないものとしているのです。

もちろん,学生は,難解な専門用語がちりばめられている文献を簡単には読むことができないかもしれません。もし,分からなければ,教員に質問して教えを請えばいいだけの話です。高い学費を支払い,安くない税金を負担して,大学に通う学生には,教員を利用する権利があります。本大会まで,あと1か月半。インカレ参加の学生には,自分の所属大学の教員,そしてインカレ関わっている教員等を大いに利用しながら,文献を読みこなし,思考を深めて欲しいと思います。
コメント
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